part3の予定はなかったのですが急遽。
フリスキーさんからいただいたトラバをそのまま引用させていただきます。
フリスキーさん、いつも緻密な論考をありがとうございます。
橋下徹がまたも論理破綻
http://d.hatena.ne.jp/furisky/20120615/p1
13日の大阪市議会民生保健委員協議会で、市政改革プラン(素案)に盛り込まれた太陽光発電設置補助制度の廃止についての質問に対して、『砂漠に水をまくようなもの』と答弁したとのことである。
『大飯原発の再稼働に「国民の命を脅かすもの」と怒りが広がっているさなか、再生可能エネルギーの導入を促進する大阪市の「太陽光発電設置補助金」の廃止を打ち出したことを市議会で追及された橋下徹市長は13日、補助金は「砂漠に水をまくようなもの」と答弁しました。
市議会民生保健委員協議会で、日本共産党の北山良三市議が太陽光発電普及促進事業廃止を打ち出した「市政改革プラン(素案)」について質問。「太陽光発電が府や全国の平均の3倍の伸び率になっていることや設置工事の72%が市内の中小業者が請け負っていることなど、大きな役割を果たしている。関西電力管内の最大の電力消費地の市長として再生可能エネルギーの飛躍的導入に努めることが求められる」と事業継続を要求しました。
橋下市長は「お金のあるなしをすっ飛ばして、効果だ、必要性だというのはずるい」と述べ、「必要性、効果はわかるが廃止する」と答えました。
北山氏は、大飯原発をめぐって橋下市長が5月の質疑では「再稼働は認められない」と答弁していたのに、「再稼働容認」と豹変(ひょうへん)したと批判、「本気になってエネルギー政策として原発から再生可能エネルギーに変えていく決意があるのか」とただすと、橋下市長は「反対論ばっかり唱えるのは簡単だ」と居直りました。北山氏は、原発ゼロの決断こそ大事だと重ねて迫りました。』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-06-14/2012061404_01_1.html
太陽光発電設置補助制度とは、住宅や事業所に新たに太陽光発電を設置する市民を対象に、設置費用の一部を市が補助する制度で、これによってクリーンエネルギーの普及を促進することに趣旨があるものである。
そもそも、市政改革プランとは、
『1 大きな公共を担う活力ある地域社会づくり
2 自律した自治体型の区政運営
3 ムダを徹底的に排除し、成果を意識した行財政運営』
この3つの柱を趣旨としている。
http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/cmsfiles/contents/0000168/168368/akusyonpuranhen_ikkatu.pdf
太陽光発電設置補助制度の廃止は、3番目“ムダを徹底的に排除し、成果を意識した行財政運営”に基づく
もので、橋下の“砂漠に水をまくようなもの”という比喩と合わせて鑑みれば、これが
“ムダな支出”として認識され、廃止が妥当という結論に至ったということだ。
市政改革プランアクションプラン編別冊によれば、この廃止の理由として、
『太陽光発電のさらなる普及・拡大を国民全体の支援により促進する制度が国で設けられている』
ということが記されている。
http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/cmsfiles/contents/0000168/168368/bessatsu2-1.pdf
つまり、太陽光発電の普及を促進するための制度は国が整備しているから大阪市で独自にやる必要はない、
市でやることはムダだとして、国の施策を肯定し、これに一任するということだ。
ところがである。
橋下はほんの一年前までは、以下のように述べている。
『太陽光発電がすぐさま日本全体の電力供給源になることはない。しかし夏の猛暑の数日間を凌ぐピークカットには極めて有効。まずピークカット対策。そして火力から原発へという流れに与するかどうか。国と電力会社はこの論理をすっ飛ばして電力が足りないから原発へというロジックに持ち込んでいる。』
https://twitter.com/t_ishin/statuses/84801028247130112
このように3・11以降、橋下は国のエネルギー政策と電力会社に対する不信を度々公言していたし、
大阪府市エネルギー戦略会議を立ち上げ、飯田哲也のようなクリーンエネルギーの論客を市特別顧問に招き、原発再稼働8条件というほとんど満たす事が不可能な厳しい条件を国に突きつけたのも、自治体の首長という立場でありながら、脱原発へのアクションに向けてイニシアティブを取ろうとしていたからだったはずだ。自治体レベルから国のエネルギー政策の転換を求めるためだったはずだ。(所詮は、人気取りと注目度をアップさせるためのポーズであったにせよ。)
去年の5月27日の橋下の会見においては、クリーンエネルギーへの転換について否定的な関電の見解に対して、
「原発を一気に全部止めて、すぐに自然エネルギーに代えられるなんて誰も思っていない。そういう方向に一歩踏み出すかどうかが重要で、電力会社は結局踏み出せない」
「エネルギー政策は自治体がやることではないという態度。地域独占のおごりがふんだんに出るような体質を見た」
このように述べていた。
同じく6月25日には、関西広域連合の会合において、関西の住民が支払う電気料金に太陽光発電普及のための新税を上乗せして、これを財源に、域内の新築住宅の太陽光パネル設置者への補助財源に充てるという提案をしている。
http://www.47news.jp/CN/201106/CN2011062501000990.html
これらの言動から、橋下が当初は自治体レベルからエネルギー政策転換に向けて、国及び電力会社に対する
真っ向勝負をするかのような態度を取っていたことは明らかである。
それがいきなり、
一昨日の答弁では、自治体としての太陽光発電設置補助制度が、“砂漠に水をまくようなもの”としてムダ認定に180度転じてしまったのである。しかも理由が、国がちゃんとやっているからということだ。(爆笑)
恐ろしいまでの自家撞着。
見事な論理破綻である。
太陽光エネルギーの件といい、再稼働容認の件といい、市職員捏造リストの件といい、思想調査の件といい、MBS女性記者バッシングの件といい、入れ墨調査の件といい、府庁舎のWTC移転計画の頓挫の件といい、府の財政赤字を拡大させていたのに立て直したかのように嘘を言っていた件といい、国政進出をめぐる発言の右往左往ぶりといい、この人物の無責任さと滅茶苦茶ぶりはもう十全に証明されているはずである。
あとは、有権者がこういう事実をきちんと認識出来るかどうかにかかっているのだと思う。
こんな人物にこれ以上政治を任せたらこんなレベルでは済まされないほどに益々酷いことをしでかしていくだろう。取り返しがつかなくなる前に、橋下徹には元のテレビタレントに戻っていただくよう強く願いたい。
kojitakenさんもこちらで指摘されていらっしゃいます。
◆kojitakenの日記
橋下、大阪市の「太陽光発電設置補助金」の廃止を打ち出す。補助金は「砂漠に水まくようなもの」だって。言ってることが次々コロコロかわる言葉の軽さは、鳩山元首相も真っ青ではないでしょうか。
有権者はいい加減「彼なら何かしてくれそう」という漠然としたイメージだけで投票するのではなく、しっかりした政策と、これまで政治家として何をなしたかを判断基準にして投票すべきでしょう。
それにしても原発停止による電力不足を補う太陽光発電の設置補助金を廃止とは、たいした「脱原発」です。
脱原発が人気取りのポーズでしかなかったことがますますはっきりしましたね
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