コメント
著作権のあり方も考えるべき
実際の所、コンテンツの「著作権」による利益が、実際の製作者ではなく、流通や供給を請け負うホルダーやアグリゲーターにほとんど落ちていき、それらの負担をエンドユーザーに一方的に強いる、現状の仕組みについても考えるべきです。
もっと言うと、それら規制を運用するのも、権利を行使するのもコンテンツを作るクリエイターに「限らない」という所に注目してください。
参考までに、興味深いブログ記事を紹介します。
アーティストから著作権を譲渡された団体が、アーティストの著作権を保護・拡大すべきだと主張する狡猾さ
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-532.html
私の「Everyone says I love you !」に投稿したコメントを引用していただき有難うございます。
>(それにしても、ohdedeさんも「疑問なのは、ネットによって、業界の収益が悪化するというなら、何故、Youtubeやニコ動に投稿するユーザーに、簡便に権利関係の手続きができるようにして、ライセンス料を徴収しようという仕組みを考えないかです。(1投稿数百円で、一定数視聴を超えると追加徴収するとか)」と指摘されているように、コンテンツ業界も著作権を盾に過剰な規制をすることで利益を守ろうという方法ではなく、逆に、一般人によるアップロードをネット社会での効率の良い宣伝ツールとして利用する方法を模索する、という発想の転換はないのかな?こういう柔軟さがあってもいいと思うのですが・・)
このような、仕組みが実現できないのは、単に既存の権利団体が、ネットにおける流通・供給に関連する「事業」に絡めないから、「旨み」がない所につきると考えてます。
旨みがなういから、規制しよう。コンテンツっていつのまにか“専売制”になってますね。
権力者にしてみれば、「権利団体に媚うるついでに、その褌でネット監視を強化しよう」というところでしょうか?
“専売制”+“監視”で、本当に表現の自由が規制されます。
※穿った見方として、露払いに「暴力団排除条例」があって、“紳助騒動”のように業界から暴力団の影響を排除した後で、今度はエンドユーザーを取り締まろうとしているとれますね。
まあ、作り手側も権利団体にぶら下がっている側面があるのは事実です。
(ネットが普及する以前はそうするしかなかったのですが…。)
しかし、これを機に、クリエイティブ・コモンズやフリー・ライセンスとなまではいかなくても、オルタナティブな活動をするアーティストが日本でも増えてくればと思います。
上記のサイトから海外の事情
英国:アーティストの考える著作権とクリエイティブコモンズ
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-165.html
既存メディアも戦争に加担した過去がある
そんなものですから、政府の危険な暴走には鈍感なんです、むしろ共犯としてあおっているだけなんです。こんな状況じゃやっていられませんよね。
著作権に関して言えば、私はMDのように私的録音録画補償金制度を導入すればいいと考えています。ブルーレイディスク、SSD、ハードディスク、DVD、SDメモリーカードなどに一定の額で負担金を加味してもらうのも一つのアイデアでしょう。
アップロードするサイドにも負担を求めるアイデアにも賛成します。これには私も目からうろこでした。メディアのあり方に関してはまだまだ議論する必要がありますが今回の法律には賛成できかねます。
ちょっとしたクイズ
2.公共インフラである地上波テレビ放送の受信機の仕様を、事実上一社の私企業により決定されている国があります。それはどこでしょう?
>小野哲様、私的録音録画補償金制度について
光メディアに関してはすでに課金されています。いわゆる録音用や録画用と銘打たれたメディアには、あらかじめ私的録音録画補償金が上乗せされて販売されています。またDVDやBlu-rayなどのレコーダーに関しても同様です。
さて、ここでひとつ問題が発生します。それはMDのようにほぼ音楽専用のメディアならともかく、例に挙げられた媒体は汎用メディアであると言うことです。つまり、私的録音録画補償金を支払う必要のないデータの保存を目的にして使用したにも関わらず、私的録音録画補償金を支払わされると事態が発生してしまいます。
さらに申し上げれば、そもそも私的録音録画補償金はデジタル技術の発展によるほぼオリジナルと同等のコピーが無制限に出来ることによる権利者側の経済的損失の可能性(あくまで可能性です)に対する保障としての制度です。すでにDRMなどでコピー制御がされている録音や録画にに関しては、(理論上)複製による被害そのものが発生しないわけで、そのようなものに私的録音録画補償金を課金すること自体の是非を議論しなければならないはずです。
ちなみにアナログ放送を録画できないデジタル放送専用レコーダーを販売したメーカーに対し、私的録音録画補償金支払いと損害賠償を求めた訴訟を権利者側が起こしていますが知材高裁にて権利者側の訴えは退けられています。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20111222_501198.html
日本では、B-CASによる公共放送のスクランブル放送やコピーワンスなど、世界にも類を見ない極めて強固な利用制限がすでに実行されているのです。
補足
http://os7.biz/u/CBCoQ
補足の補足
潰してその跡地に「たかじんホール」を造りたいらしいです
大阪W選挙で、橋下維新の洗脳に大貢献したやしきたかじんと、橋下市長と松井知事の密約だし
それで思い出したのが4年前に橋下府政で導入を進めた「DS学習」だ。
DS学習は、携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を使って計算や漢字の書き取りを練習する。
橋下氏が知事時代の2008年度、トップダウンで進めた学力向上策の一つとして注目された。
しかし「教えるべきカリキュラムに合わない」と使途に行き詰まったり、「紙とえんぴつを上回る効果があるか分からない」といぶかったりする学校も。
経済的に苦しい家庭が多く、教師が児童の生活も支える小学校の校長は「物よりも、子供に目配りするための教員が欲しい」と漏らした。
結局、コスト高もありDS学習は普及しなかった。
斬新な施策はそれだけで耳目を集めるが、本当に子供のためになるかは別問題だ。
学校ごとにニーズも異なる。タブレット端末も今後検証が必要だ。
2割しかいない少数派の府民様、コメント感謝します
今回ここでコメントした後著作権に関して拙論を述べさせていただきましたがその際に同様の情報を知り、「しまった、もうちょい情報を把握すべきやった」と思いましたが文字通りの後の祭りでした。
コピーコントロールがされているものに関しては何だかの手は打つ必要がありますね。ただ、私はネットを見ていますがYoutubeやニコニコ動画での動画をダウンロードできる支援サイトやソフトが出ている現状を考える必要があると思います(しかもそのやり方を指南する雑誌もありますよ)。
しかも、DRMをハッキングする技術も出ているのです(そのやり方を指南する雑誌すらある有様です)。そんな現状をどう思われるか伺いたいですがよろしいでしょうか(批判やクレームではありませんよ)?
しかもB-CAS(これには官僚の天下りが絡んでします)やコピーワンスにもハッキングの方法が指南されているのが現実です。
誤解なきよう申し上げますが、私は今回の著作権法改悪に反対している事は間違いありません。しかし、ネットにはこれだけの闇があると言う事を知った上で我々がどのような改善案を示すかが問われています(これは単に安易に代替案を出せと言う問題ではありませんよ)。
>小野哲様、また難しい宿題を・・・
DRMについてですか。また難題を。
DRMかユーザーにもたらしている不利益を考えて見ますと、
・せっかく購入したコンテンツがキーとなるハードウェア等の故障やハードウェア自体の終焉で再生が出来なくなってしまう可能性がある。
これはついては、DRMと少々異なりますが、最近日本でも発生していますね。そう、HD DVDです。次世代DVDとしてBlu-ray Discと規格争いを行いましたが、敗れすべてのメーカーが撤退してしまいました。現在残されているハードウェアがなくなれば、せっかく購入したコンテンツや録画データをムーブしたメディアはは再生できなくなります。また、本体での録画も他の機器やメディアに移して視聴することも出来ません(画質劣化を覚悟でDVDに移すくらいしかありませんね)。
・本来ユーザーに認められている私的複製の権利を侵害している。
まっとうな料金を払って手に入れたコンテンツにも関わらず、著作権法でも認められている私的複製権が制限されてしまうのは問題ではないでしょうか。
このような不利益を考えたとき、果たしてDRMが有効な技術なのかどうかという疑問が生じます。
かつて、一世を風靡したソニーのウォークマンですが、極めて強固なDRMと自社独自のフォーマットに固執した結果、ユーザーにとって非常に使い勝手の悪い製品となり、アップルのiPodに敗れたのは記憶に新しいところです。
そして現在、音楽配信ではDRMを外して販売する方向に動いています。
英EMIが“DRM無し”音楽配信を実施
-AppleはDRM無し楽曲をAAC 256kbps/1.29ドルで販売
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070403/emi.htm
アップル、DRMフリーの音楽配信「iTunes Plus」をスタート
-国内は1曲200円から。アルバム2,000円など
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070530/apple2.htm
これが「決められる政」?ホントに審議したの?
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120620_541251.html
10月1日からDVDリッピング違法化&違法DL刑罰化、改正著作権法が可決・成立
20日午後に開かれた参議院本会議で、著作権法の一部を改正する法律が、付帯決議付きで可決・成立した。採決結果は、投票総数233、賛成221、反対12。
今回の改正では、内閣が提出していた改正案(政府案)に対し、衆議院の修正決議により、違法ダウンロード行為に対する罰則が加えられた。
違法にアップロードされた音楽・映像を違法と知りながらダウンロードする行為については、前回2009年の改正において、私的使用目的の複製の範囲外とされ、違法とされていたが、罰則は設けられていなかった(いわゆる“ダウンロード違法化”)。今回の改正では、このうち有償の著作物について、違法ダウンロードする行為に対し、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、または併科することと規定した(いわゆる“違法ダウンロード刑罰化”)。
あわせて、国・地方公共団体に対して、違法ダウンロードの防止に関する、未成年者に対する教育の充実を義務付けることや、違法ダウンロード刑罰化の対象となる有償の著作物を提供している事業者に対し、違法ダウンロード行為を防止するための措置を求める努力義務などを附則として盛り込んでいる。
20日の参議院本会議の模様(参議院審議中継より)
政府案では、著作権法上の対象となる「技術的保護手段」が見直され、DVDなどに用いられる「CSS」などの暗号型技術を、この技術的保護手段に追加している。技術的保護手段を回避して行う複製は、私的使用目的の複製とは認められなくなり、刑事罰はないが違法になる(いわゆる“リッピング違法化”)。また、技術的保護手段を回避して複製するプログラム・装置を提供することは規制されており、違反者には刑事罰が科せられる(3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、または併科)。なお、コピーガードなどの技術的保護手段が用いられていないCDなどの私的複製については、違法化の対象外。
このほか、いわゆる“写り込み”について、写真や映像などに他人の著作物が写り込んでしまった場合でも著作権侵害にならないとする規定を整備。キャラクターが写り込んでしまった写真をブログで公開するといった行為が、著作権侵害にはあたらないことになる。
さらに、国立国会図書館によるデジタル化資料の自動公衆送信に関する規定を整備することで、絶版資料を公共図書館などに配信できるようにするとともに、図書館がこれら資料の一部複製を行えるようにする。
改正著作権法は2013年1月1日から施行するが、DVDリッピング違法化にかかわる規定(第30条第1項第2号の改正規定)や違法ダウンロード刑罰化に関する規定(第119条第1項の改正規定)などは、2012年10月1日から施行する。これに先行して改正法の公布の日より、国・地方公共団体に対して違法ダウンロードに関する教育・啓発を義務付ける規定(附則第7条)、有償の著作物を提供している事業者に対して違法ダウンロード行為を防止するための努力義務を求めた規定(附則第8条)などを施行する。
● 違法ダウンロード刑罰化規定の運用に、とりわけ配慮を求める付帯決議
衆議院から送付されていた改正案は、20日午前に開かれた参議院の文教科学委員会において採決され、全会一致で、原案通り可決すべきものと決定。あわせて、民主、自民、公明、みんなの党、国民新党、新党大地・真民主の各派の共同提案として、同法の施行・運用に当たって政府や関係者が配慮すべき事項を示した付帯決議案が提出され、これも全会一致で決議していた。
付帯決議では、「著作権法の運用に当たって、犯罪構成要件に該当しない者が不当な不利益を被らないようにすることが肝要」とし、とりわけ、今回の改正において衆議院の修正決議で追加された違法ダウンロード刑罰化に関する規定の運用は「警察の捜査権の濫用や、インターネットを利用した行為の不当な制限につながらないよう配慮すること」としている。具体的な、付帯決議の内容は以下の通り。
政府および関係者は、本法の施行にあたり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
1)障害者の情報アクセスを保障し、情報格差を是正する観点から、録音図書等の作成を行うボランティア活動がこれまでに果たしてきた役割に鑑み、ボランティア団体が法人格の有無にかかわらず円滑にその活動に取り組めるよう努めること。
2)視覚障害者等への情報提供の充実に資するため、作成された録音図書等が有効活用できるよう、視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う者のネットワークの構築に努めること。
3)違法なインターネット配信等による音楽・映像を違法と知りながら録音・録画することの防止の重要性に対する理解を深めるための啓発等の措置を講ずるに当たって、国および地方公共団体は、有償著作物等を公衆に提供し、または提示する事業者と連携協力を図り、より効果的な方法により啓発等を進めること。
4)有償著作物等を公衆に提供し、または提示する事業者は、インターネット利用者が違法なインターネット配信等から、音楽・映像を違法と知りながら録音・録画することを防止するための措置を講ずるように努めること。
5)著作権法の運用に当たっては、犯罪構成要件に該当しない者が不当な不利益を被らないようにすることが肝要であり、とりわけ第119条第3項の規定の運用に当たっては、警察の捜査権の濫用や、インターネットを利用した行為の不当な制限につながらないよう配慮すること。
6)付随対象著作物の利用に係る規定である第30条の2、検討の過程における利用に係る規定である第30条の3、技術の開発または実用化のための試験の用に供するための利用に係る規定である第30条の4、および情報通信技術を利用した情報提供の準備に必要な情報処理のための利用に係る規定である第47条の9については、関係者から、その具体的な内容が条文からだけではわかりにくいとの意見等があることを踏まえ、これらの規定の対象となる具体的な行為の内容を明示するなど、その趣旨および内容の周知を図ること。
7)国立国会図書館による図書館資料の自動公衆送信等に係る規定の運用にあたっては、出版市場、とりわけ今後の発展が期待されている電子書籍市場等に不当な影響を与えないよう留意すること。
8)デジタル化ネットワーク化の進展にともない情報化が急速に進展する中、著作権に関する知識が多くの国民にとって必要不可欠のもになっていることに鑑み、学校等における著作権教育の充実や国民に対する普及啓発活動に努めること。
この付帯決議を受けて、平野博文文部科学大臣は、「その趣旨に十分に留意して対処していきたい」とコメントした。
なお、改正案については、衆議院の修正決議で追加された違法ダウンロードの刑事罰化に対して、民主党の森ゆうこ委員が前日19日の文教科学委員会の質疑で反対の意を表明していた。しかし、20日の同委員会では冒頭に委員の移動が報告され、森委員は19日に辞任したとして、別の民主党議員を選任。このほか2名の委員についても移動が報告され、全会一致での決議となった。
(引用終了)
文教科学委員会での審議は19日のたった1日、しかも反対を表明していた委員を辞任させて、全会一致を演出すると言う念の入れようです。これが「決められる政」治なのでしょうか。あきれてものが言えませんね。
(誤字ラ退治のため編集をしました。)
2割しかいない少数派の府民様、コメント感謝します
今回あなたと向き合って議論できた事で著作権に関して考える機会ができました。これ以上やってしまうとこのブログの記事の趣旨に逸脱してしまいますので今回はここまでにさせていただきますが、私も近々コラムで書き込む予定です。その際にコメントを一部引用させていただけるとありがたいですがよろしいでしょうか?
今回の改悪案は明らかにサイバー監視法です。絶対に容認できません。その一方で著作権に関しても考えるべきだと思いあのような意見を書き込ませていただきました。日本の政治の劣化を今回まざまざと思い知らされた印象です。
反対したのが日本共産党と社民党だけと言うのも絶望的でしょう。本来国家の過剰な介入に反対する保守派こそこの著作権法改悪案に反対すべきだったのです。
小野哲様、こちらこそコメント感謝します
無論、何の問題もありません。私の拙文でよろしければどうぞお使いくださいませ。
さて、これ以上やると確かにエントリーの趣旨から脱線してしまいそうですね。今回の議論をきっかけに私的録音録画補償金制度について改めて考えてみました。議論の区切りとしてアップすることをお許しください。
まず話の前提として以下の点について確認しておきます。
・私的使用を目的とした個人または家庭内での複製については、著作権法第三十条によって認められたユーザーの権利である。
・動画投稿サイト等ににアップロードできるのは、投稿者が著作権を持つもの、もしくは著作権者が投稿を許可したものに限られる。他人が著作権を有する著作物を無断でアップロードすることはそもそも著作権法に反する行為である。
・私的録音録画補償金制度は、私的録音録画によって発生する権利者側の被害を補償するものである。
ここでいくつかの例を考えてみたいと思います。
例1
Åさんは、お気に入りのアーティストのCDを購入しました。そのCDは大変出来がよく、万が一、原盤に傷がついて聴けなくなるのはいやなのでCD-Rにコピーをし、普段はコピーしたCD-Rを使って聴くことにしました。また家のステレオだけでなく出先でも聴きたいと思い、CDからリッピングをして携帯プレイヤーに入れて出先で聴けるようにしました。
AさんはCDの購入を通して著作権者に対し対価を支払っています。そして、購入したメディアの保護や自宅以外でのコンテンツの利用(プレースシフト)のために私的複製を行っています。このAさんの行動に関し、著作権者に補償すべき被害をもたらしたでしょうか?私にはなんら被害をもたらしたとは思えません。
例2
Bさんは、自分の子どもの成長記録を自ら所有するビデオカメラで撮影しました。せっかくだから世界の皆さんに見てもらいたいと思い立ち、動画投稿サイトにアップしました。
Bさんのアップロードした動画の著作権は当然のことながらBさん自身に帰するものです。よってアップロードによって誰にも補償すべき被害をもたらしていません。
例3
Cさんは、たまたま友達に頼まれて自分で買ったDVDをコピーしてプレゼントしました。
Cさんの行為は明らかにアウトですよね。
さて例であげた3つの行為のうち、著作権者に対し損害を与えたのは例3のケースだけです。しかし、私的録音録画補償金制度の場合、適正な利用をしている例1のAさんからも補償金を徴収することになります。そして動画共有サイトの利用にこの制度を拡張すれば、これまた適正な利用をしているBさんからも補償金を徴収することになります。極端な言い方かもしれませんが私的録音録画補償金制度ってのは、すべてのユーザーを著作権侵害予備軍とみなし、仮想の損害に対し補償しろという制度なんですよね。お店に買い物に行ったら、「お前は万引きするかもしれないから、万引きするかどうかはともかく補償金を払ってくれ」と言ってるようなものです。
新聞やテレビなどの大手マスコミはモロに権利者であり、このような負の側面についてはほとんど報道しないだけに、注意していないと、とんでもない方向に向かってしまう可能性が大です。
ちなみに、カナダでは2005年にiPodなどのハードディスク型レコーダーを補償金の対象とする政令を無効と判断した連邦高裁判決が確定、2006年には第二次訴訟でも権利者側が全面敗訴しています。ドイツでは2008年にPCの汎用ハードディスクを補償金の対象外とする判決が下され、確定しています。
先行事例がしめす、実効性に対する疑問
私的違法ダウンロードの規制について、貴重な先行事例があります。フランスで2009年10月22日に、いわゆる「スリーストライク法」と言われる法律が成立しました。大雑把に言えば、私的違法ダウンロードが当局に3回見つかったら、1年間ネット接続を禁止すると言うものです。当初、同年6月に国民議会で可決されたものの、憲法院によって違憲と判断され、修正を経てようやく可決されたものです。で、施行してみてどうなったかと言うのがこちら。
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1877.html
確かに違法ダウンロードは劇的に減ったものの、フランス音楽産業を見ると、2011年は収益全体でなんと3.9%減少しているというのです。
この点については先の参議院文教科学委員会での参考人質疑でも指摘されていますが、権利者側の参考人である岸博幸氏は「違法ダウンロード以外にも景気変動など様々な変数がある」として、厳密な効果の検証は困難だと答えています。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120619_541239.html
フランスでの先行事例もあり、実効性について明確な回答が得られていない以上、より慎重かつ広範な議論をなすべきであるはずですが、何の議論もなく成立してしまいました。
この件は「決められる政治」とやらの悪しきサンプルとして、決して忘れてはいけない事例だと思います。
>mainichi.jp/ さん
後ほど垂れ込み部屋のほうに書き込ませていただきますね
フランスの実例、補足
それはフランス語ではHADOPIと呼ばれるモノですね。
現在政権に就いた社会党のオランド大統領は2012年1月22日の大統領選の選挙戦開始にあたっての演説で、HADOPIについて次のように述べました。
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-3244.html
『平等、それは、最も貴重なことにアクセスできることでもあります。もう何も残っていない時も、解放、精神の充実、文化へのアクセスが必要です。文化について(フランスの詩人の)ボードレールは言っていました。「私たちが私たちの尊厳から出すことのできる最良の証言は、文化である」と。ここでも、私たちは行動しなければなりません。芸術教育を普及させます。フランスの文化的整備は優先事項です。文化的整備というのには、忘れられている地域、見捨てられている地帯、私たちの大都会の荒れた街区も入ることになります。だから、私たちは、ここでも、文化的地方分権の新たなステップを開くのです。
(インターネット上で知的財産権を守るための規制法である)Hadopi法については、適用が不可能なので、新たな法と入れ替えます。なぜなら、各人の権利を、クリエーターの権利とインターネットによる作品へのアクセスを同時に守るための文化的例外を定めた法令2を調印する上位法によって決めるための枠組みが必要だからです。なぜなら、私たちにはクリエーターとプロダクションが必要であり、クリエーターと観衆を反目させてはならないからなのです。観衆とクリエーターは、解放のために、発見のために、作品の質のために、フランスの文化的例外のために、運動を同じくしなければならないのです。』
前半の部分は文化を勝手に捨て去り切り刻む橋下徹にも読ませたいところですが、クリエーターの権利と観衆の権利を両立させようという発想がないのが日本の考え方のように見えます。
>2割しかいない少数派の府民様
コメント大変参考になりました
>すべてのユーザーを著作権侵害予備軍とみなし、仮想の損害に対し補償しろという制度なんですよね。お店に買い物に行ったら、「お前は万引きするかもしれないから、万引きするかどうかはともかく補償金を払ってくれ」と言ってるようなものです。
この例えって、「日本の権利者の認識」という面では、半ば事実じゃないかって思います。
私は、もう倒産してしまったのですが、GYAOやDMMのような動画配信業でコンテンツの買い付けなども少しやっていたのですが、日本のコンテンツの場合、許諾交渉するにあたって、まず、エンドユーザーをお客様として見る以前に、権利侵害者予備軍みなしている振る舞いが節々でみられました。
儲かる可能性を提示してもそれ以上に「1円でも損する可能性」を問題視する傾向があって、言葉にこそ出しませんが「ユーザーはどうせ不正するんだろ?」的な態度を感じた事があります。
映画や演芸(お笑い)関係は、比較的うるさくないのですが、テレビ局、音楽、特に俳優や脚本家系の権利団体は非情に神経質だったと記憶してます。
アメリカ=ハリウッドの場合、逆で、「儲かる機会の損失」を問題視する傾向があって、例えば、見込み客=サブスクライバの内98%が優良ユーザーで、2%不正ユーザーとした場合、見込み客が100人はダメだけど、1000人なら損害が発生しても充分儲かるからOKみたいな、もっというと、見込み客100人向けにも「これならいいよ」と売れ残りコンテンツを売りつけるガメつさまであって、少し大げさな例えですが、良くも悪くも合理的でした。
AppleやAmazonのDRM廃止も、あくまでも「儲かる機会を増やす」ための選択だと思います。
日本の場合、2%不正の確立があるなら、残りの98%も全て切り捨ててしまっても良い不正の確立0%でないと認めないという考え方に近いです。
ハリウッドとは対局のガメつさですね。ただ、ハリウッドはエンドユーザーをちゃんと「お客様」として見て、その中には少々「悪い人いる」という当たり前の認識に立っています。
後、この法案が通るにあたり、ネットでは「パソコンをやったことがないのか?」、「ダウンロードの意味をしっているのか?」などの批判が上がりましたが、これもあながち的外れではないと思います。
パソコン触れるとかそういうレベルの話ではなくて、インターネットがマーケットになることをロジックとしては理解できても、生理的に受け付けない、実体のないものが信じられない、一人得体の知れない「クラッカー」がいたら、インターネットユザーが全て犯罪者予備軍に見える、といったある種の「ゼノフォビア」にとらわれている人が少なからずいました。
このニュースでも、その一端を垣間見る気がします。
また、JASRACが何やら騒いでますね。
違法音楽ファイルを自動検知 プロバイダーに導入要請
http://www.asahi.com/showbiz/music/TKY201206200382.html
この5万円分の負担というのは、エンドユーザーに返ってくるわけで、実際、導入されるとなったら、保証金制度のように理不尽は負担が増える事になりそうです。
もっと穿った見方をすれば、このプログラムの技術が容易にネット監視に流用可能とも思えるるわけで、何がなんでもネットを規制・監視したい理由があるのでは?と勘ぐりたくなります。
以上、長文の上に脱線話で申し訳ありませんでした。
>ohdedeさん、2割しかいない少数派の市民さん
ふと感じたんですが、
>儲かる可能性を提示してもそれ以上に「1円でも損する可能性」を問題視する傾向があって、言葉にこそ出しませんが「ユーザーはどうせ不正するんだろ?」的な態度を感じた事があります。
これって、生活保護受給者に対する態度とそっくりじゃないですか?ちょっとしたデジャブ、日本的と言えば日本的ですよね
>秋原葉月様
仰るとおりだと思います。
そして権利者団体を経団連、クリエイターを労働者に置き換えれば今の日本の現状そのものであるのでは、と思っています。
浅学者である私が言うのもなんですが、私が著作権関係の問題をできるだけ追いかけているようにしているのは、こうした視点からなんです。そして、著作権問題はマスメディアが利害関係者そのものなので、往々にして権利者側に不利な情報が報道されないことが多いと思っています。ですので、注意深く見守っていないと知らないうちにとんでもないことになる可能性が大きいと思います。
Anonymousが違法ダウンロード刑事罰化に抗議
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1206/26/news064.html
---引用---------
ハッカー集団「Anonymous」が6月25日、日本政府と日本レコード協会に対し“宣戦布告”ともとれる宣言をサイト上に公開した。違法ダウンロードに対し刑事罰を盛り込む改正著作権法の成立に抗議する内容で、“公式”Twitterアカウントが「始まりだ」とツイートした財務省管轄サイトは現在、ダウンしてアクセスできない。
Anonymousの宣言「#opJapan - Expect US」では、「コンテンツ産業や政治家、政府が海賊版や著作権侵害と戦うために厳格な法律を導入するという誤ったアプローチを導入しており、基本的人権の侵害やイノベーションの阻害につながっている」と主張。「歴史的に最も偉大なイノベーションの故郷である日本」が違法ダウンロードに刑事罰を導入する改正著作権法を成立させたことについて、「多数の無実の市民が不当な懲役刑を受け、かつ著作権侵害問題の解決にはほとんどつながらないことを確信している」と批判している。
---引用ここまで--
Anonymousの宣言「#opJapan - Expect US」
http://anonpr.net/opjapan-expect-us-512/
Anonymousの活動は決して支持できるものではないですが、今回ばかりは、心情的には見方したくなります。
ついでに、原発やら、消費税やら「日本の暗部」が明るみにでれば…。
警察は必ず暴走する それは歴史が証明している
かつて暴力団の抗争を防ぐためにという名目で強引に作られた「凶器準備集合罪」は「真に弾圧したいのは市民運動や労働運動だ」という警告通り、その後は労働組合にも適用されましたし、子供の喧嘩にまで適用されました。政府に物言う人たちを、バットや軍手の所持までこの容疑でしょっ引きました。
しかしこうした検挙は法廷を維持できないため起訴もできない。つまり処分保留のまま、結果的には「なかった」ことにされています。
「共謀罪」もできれば同じことになるでしょう。
それにしてもネトウヨのバカどもは死ぬしか治りません。
「こんな法律作るくらいなら憲法9条を廃止しろ!」
と叫んでいたアホウヨ。
今回の衆院採決で反対票を投じた12人のうち10人はお前らの大嫌いな共産党と社民党だよ。
Re: Anonymousが違法ダウンロード刑事罰化に抗議>ohdedeさん
「多数の無実の市民が不当な懲役刑を受け、かつ著作権侵害問題の解決にはほとんどつながらない」
このことをもっと大きな声でうったえていかなくてはいけませんね。
それにしてもAnonymousは霞ヶ関と霞ヶ浦を間違えたんじゃないか、というもっぱらのうわさですね(笑)
>秋原様
噂じゃなくて真実のようです。(笑)
ITmedia ニュース:Anonymousの攻撃? 裁判所サイトが一時ダウン 霞ヶ浦河川事務所サイトには“犯行声明”
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1206/26/news116.html
それでも、彼らの宣言は、全くもって正論なんですよね。
>秋原葉月様
言っていること自体は、確かに頷ける部分もありますがやっている事は犯罪まがいの行為ですので、全面的に支持はできないなと思っています。
さてAnonymousの攻撃に対する報道ですが気になることが。
私は、出勤前には時計代わりにCS放送のTBSニュースバードを見てるんですが、サイバー攻撃自体は伝えていますが、なぜ攻撃しているかは伝えていませんね。これでは単なる愉快犯と言う印象を与えてしまいそうです。
また、27日のNHKの「Bizプラス」に一般社団法人インターネットユーザー協会の代表理事である津田大介氏が出演されていました。津田氏は以前からインターネット利用者の利益代表の立場で文部省文化審議会などで活躍されている方です。当然のことながら、言っていることはAnonymousの宣言と似たようなものになるのですが、このような立場の方を出演させながらAnonymousの行動を伝えれば、視聴者にどんな印象を与えるか。少々考えすぎかもしれませんが、マスコミ側の悪意を感じてしまいました。
お久しぶりです
>「こんな法律作るくらいなら憲法9条を廃止しろ!」
と叫んでいたアホウヨ。
今回の衆院採決で反対票を投じた12人のうち10人はお前らの大嫌いな共産党と社民党だよ。
彼らにとって共産と社民は在日か、反日なんだそうです。だからね。
「反対しているのは在日か反日くらいなもん」
ネトウヨどもの言葉に置き換えると今回の状況はこうなる。あら不思議。
それにしてもこの法案を立てた動機がただの詭弁にしか思えませんね。アップロードした当人がその著作権を持つ人だったりなんて事もよくある話なのに。それに記事でも書かれていたように程よい宣伝効果と捉えてあえて通報しない人だっているでしょうに。
この法案によって警察が暴走する。確かにそうだと思います。それにこの法案、今にイリハラみたいなのが総理になったら、新たな治安維持法に発達しかねないと思いますよ。
ちょっと良いですか?
ダウンロードもコピーも、売り手側に利益をもたらす側のものですよ
まず、ダウンロードやコピーが禁止されて出来なければ
商品をその分買う人が出ると思いますか?
全然そうは感じないですけど
関る人がその分減るだけ
逆に自由にダウンロードもコピーも認めていれば
もしその消費者にその作品が認められればお金を落としてもらえるかもしれない
自由を許す事が、その先の欲求を作り上げます
大昔にその事を分かってやってましたよね
楽市楽座です
ダウンロードやコピーはしやすいように推進こそすれ
禁止するのは自らの首を、自らのお金をかけて絞めてるのと同じです
その敵視している相手は、本当は売りたい人にとっては「興味を持って頂いたありがたい人」なのです
ですがそういう人を駆除すれば、興味を持った人がまた一人減って業界自体がどんどん衰退します
特に娯楽のような楽しむ為のもの、別の居住地に行ってしまうだけ