コメント
教育条例は、教育目標を掲げる教育振興基本計画をの政策主体が
橋下市長であることとし、政治の教育への介入をおこなうものであり、
職員条例は、教員・職員を職務命令違反3回で免職対象とするなど
教員・職員を 憲法に定められた「全体の奉仕者」から
橋下市長いいなりの下僕に変えるものです
司法当局の大罪…
【自白偏重の不当性、新証拠不採用の不当性】
「死刑の恐れのある事件に対して、やってもないのに、そう簡単にウソの自白をする筈がないから、奥西さんの自白は信用できる。」というのが、名古屋高裁の一貫した態度、論拠ですが…。
奥西さんが記された支援者の方々との書簡のなかに次の様な一文がありました…、
《私は強要のウソ、想像の自白なので、死刑なんて考えて見ませんでした。》
奥西さんは、取り調べ警察官の肩を突く、揺する、大きな声で脅すなど不法行為に恐怖感を抱き、“一刻も早く解放されたい、自分はやってないのだから、裁判で無実を主張しよう”とのお考えに至りました。このことは、足利事件の菅家さんが同番組で述べられました…「わたしの時と同じです。自分はやってないのだから、“無期懲役”や“死刑”なんて頭にも浮かばなかった。裁判で白黒つけようと、わたしも思いました。やってないひとの方が、身に覚えがないため、“まさか死刑なんて”と逆に考え、警察官の不当な威圧的取り調べから逃れたいの一心で嘘の自白をするのです。」このことは、心理学の世界では通説なのだそうです。(布川事件の伊藤さんも番組で同様のコメントを述べられてみえました。)
にも関わらず、確たる物的証拠もなく、状況証拠の積み重ねと、“自白偏重”の名古屋高裁の一貫した態度は、不当であると、あらためてわたしは確信しました。 ほかにも、ぶどう酒瓶の王冠の歯型の証拠写真の検察側の捏造疑惑や、農薬“ニッカリンT”は、ぶどう酒に混入すると淡い赤色に全体が化学変化をおこすのに、今現在、生存しておられる数名の当時事件現場におられた方々も番組に出演されこう述べられました…、『茶碗に注がれたぶどう酒は、白で透明だった。』と証言してみえます。奥西勝さんの自白に在る“ニッカリンT”という農薬は、殺害に使用されていなかったのです。(弁護団は実験VTR添付のうえ、新証拠として提出済み)にもかかわらず、名古屋高裁は、この様な弁護団提出の科学的裏付けのある“新証拠”には目もくれず、未だに自白は信用できるとし、“再審棄却”の不当決定を下したのです。誰がどう見ても断じて許されざる裁判所(司法当局)の暴挙としか、わたしには考えることが出来ません。
秋原葉月さん…、当エントリーのご掲載ありがとうございます。当該事件といい、袴田事件といい…、冤罪との疑いの濃いひとが、長きにわたり、毎日・毎日、『死と隣り合わせの恐怖』に晒されていることは、人権蹂躙・極めて悪質なる国家による暴力のほか何ものでもないと、わたしは考えます。
刑事裁判に於ける“疑わしきは、被告人の利益に…;推定無罪”の大原則をかなぐり捨てた名古屋高裁の行為は、日本社会の糾弾を受けて然るべきと考えます。
日本の司法は弱者の敵なんでしょうか。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120530-00000073-mai-soci
(引用開始)
<髄液漏れ>2審も認めず…東京高裁、新基準触れず
毎日新聞 5月30日(水)20時43分配信
交通事故で脳脊髄(せきずい)液減少症を発症したかが争われた訴訟で、東京高裁は30日、発症を否定した1審判決(11年3月)を支持、被害者の控訴を棄却した。国の研究班により新たに作成された診断基準が、判断にどう反映されるかが注目されたが、下田文男裁判長は新基準に一切触れず「髄液漏出があったとは認められない」とした。被害者側は上告する方針。【渡辺暖】
◇小3で事故の原告
東京都練馬区の高校2年、前原海斗君(16)と両親が、車を運転していた男性とあいおいニッセイ同和損保を相手取り、総額約2億1600万円の支払いを求めていた。
1審判決は、04年にできた国際頭痛学会の基準に当てはまらないことを理由に脳脊髄液減少症の発症を否定。2審の審理中の昨年10月に研究班が画像で漏出を見つける新たな診断基準を公表。班員である前原君の主治医が今年2月「新基準に合致する」との意見書を提出していたが、2審判決は新基準に一言も言及しなかった。
前原君は事故が原因で成長ホルモンの異常や高次脳機能障害とも診断されたが、判決は、いずれも事故との因果関係を否定した。
前原君は小学3年の時、自転車に乗っていて車にひかれた。激しい頭痛や吐き気などが続き、事故の翌月に脳脊髄液減少症と診断され、小5と小6の時に1回ずつ治療を受けた。現在は完治している。加害者側は、事故から半年間で治療費の支払いを停止したため、訴訟となった。
◇「はっきりさせたかった」…原告
「僕の中で髄液が漏れたということを、はっきりさせたかった」。判決内容を弁護士から説明され、前原海斗君は小さな声で言った。
東京高裁は3月に入って和解を提案してきた。裁判官の言葉からは判決を変更することに消極的な姿勢が感じられたが、裁判官に「勝ちたいです」と伝え、判決を求めた。両親も気持ちを尊重した。
事故後、体調不良で寝たきりとなり、小学4年から養護学校へ。中学は地元に通ったが、通院で休みがちだった。それだけに「家族に迷惑をかけ続けてきた」と強く感じている。なかなか病気を分かってくれる医師に巡り合えず、友人や教師からも怠けていると思われた。「人を信じられなくなった」。その半面、「支えてくれた人も大勢いた」。
事故から8年、提訴から5年。裁判所は思いに応えなかった。「これからは普通に学校に通い、みんなと同じような生活を送りたい」。失われた時間を取り戻そうと考えている。
◇解説…期待裏切る判断回避
日本で交通事故の被害者が脳脊髄(せきずい)液減少症と診断されるようになって約10年。昨年10月に新しい診断基準ができ、補償問題の前進が期待されてきただけに、裁判所が判断をしなかったことは批判を免れない。
被害者の高校生には「頭を上げていると頭痛がする」という典型的な症状があったうえ、2回の手術で完治している。新しい診断基準ができてから2審判決までに十分な時間があったにもかかわらず、判決からはこの点について検討を加えた形跡はうかがえない。
損保業界は「医学界の統一見解でない」と補償に応じず、裁判所もこれを追認してきた。一連の訴訟で、損保側は当初、「髄液は漏れない」との整形外科医の意見を否定の論拠にしていた。やがてそれが通用しなくなると、国際頭痛学会の診断基準(04年)に合致するかを争うようになった。この基準も今では「厳しすぎ、多くの患者を見つけられない」と、学会内部から反省の声が上がっている。
車社会が始まってから数え切れない患者が見逃され、裁判でも敗訴してきた。「国際頭痛学会の基準は科学的でない」と、日本で新基準が策定された経緯を考えれば、裁判所としての評価を示すべきだった。【渡辺暖】
◇脳脊髄液減少症の診断基準◇
国の研究班が昨年10月に公表した新基準は、「頭を上げていると頭痛がする」という患者を対象に、頭部と脊髄(せきずい)のMRI(磁気共鳴画像化装置)や、造影剤を使ったミエロCTと呼ばれる検査などの画像から、髄液が漏れているかを判定する。この病気に関係する各学会が承認して日本の医学界の統一見解と認められた。国際頭痛学会の基準(04年)は、症状を中心にみて、特定の治療で症状がなくなればこの病気だと診断する。このため「不要な治療を助長する」と批判があった。
(引用終了)
本当にひどい話だと思いますね。せっかく出した新たな証拠を完全に無視するなど、司法の職務放棄といえるのではないでしょうか。こうして判例によって、脳脊髄液減少症の患者の救済が遅れてしまうことになってしまうのではないでしょうか。
司法が自らの判断を正当化するために、証拠を無視する構図は名張毒葡萄酒事件の再審請求を棄却した構図とまったく同じなのではないかと思い、取り上げさせていただきました。
>2割しかいない少数派の府民さん…
本当に酷いですね…。わたしも以前、東海地方ローカル局のとある報道番組で“脳脊髄(せきずい)液減少症”について苦しんでいる方々がたくさんおられることを知りました。治療費など損害補償が全く認められず泣き寝入り状態だそうです。激痛が伴うほんとうに辛い病だそうです。その上に損保の補償が受けられないとは、酷い話ですね…。
>下田文男裁判長は新基準に一切触れず「髄液漏出があったとは認められない」とした。
名張毒ぶどう酒事件と同じですね…。 司法の存在意義が問われると同時に、“新基準”や“新証拠”を全く無視することは、もはや“犯罪的行為”と断ぜざるを得ませんね…。
薬害エイズ事件で厚生官僚の“不作為の罪”が断罪されたことを思い出しましたが、これは司法当局の“不作為”でしょうに…。わたしの嫌いな言葉に“無謬;むびゅう”というのがありますが、これは、《官僚が間違う筈はない、間違ってはならないとの傲慢な考えのもとに、あらゆる無理筋を通すこと》なんですが、原発事故もそう…、冤罪事件もそう…、組織や国家の威厳・権威を守るためには、主権者ひとりひとり、個個人の命や人権なんか微塵も斟酌しないという傲慢さ…。ほんとうに恐ろしい限りですね…。
冤罪事件や脳脊髄(せきずい)液減少症の苦しみ…。絶対に泣き寝入りで済ましてはならない問題ですね…。国会議員などは政局にかまけていますが、そんな暇があるのなら司法のあり方などを真剣に考え、主権者を守り抜く公正な司法にすべくの真剣さを、われわれ主権者に見せろと、言いたいです。礒崎某の様なレベルの国会議員がウヨウヨいるのではと、本当に心配になります…。
脳脊髄液減少症で思ったこと
ここで取り上げられている脳脊髄液減少症についていうと、難治性のむち打ち症の多くはこの脳脊髄液減少症が原因だといわれています。しかし、損保は今回の判決と同じ理屈で、すなわち事故受傷との因果関係が不明だとして、ひどいときは被害者を詐病扱いして保険金の支払いを拒否しているのが現状です。とりわけ後遺障害の局面でそのようなことが争点化されやすい。
仮に軽微なむち打ち症によって脳脊髄液減少症になるということが認められたら、後遺障害等級の認定評価では末梢神経系統の障害ではなくて中枢神経系統の障害と構成されるため、後遺障害9級以上の高額案件化し、損保は多くの出費を余儀なくされます。そういうこともあって、損保は、今回のような脳脊髄液減少症についてもそうだし、いわゆる器質性の損傷が認められない疾患、たとえばびまん性脳軸索損傷による高次脳機能障害についても同様の姿勢です。
ところで、日本は人身損害について強制保険と任意保険の2本建てです。つまり強制保険には最低補償という限度額(死亡で3000万円)を設定し、損失額がその限度額を超えた場合に任意保険で補償するという制度設計になっています。しかし、諸外国の例では、人身損害に限らず、物損も含めて強制保険で対応させ、限度額を設けない例(イギリス、フランス、ベルギーなど)すらあります。つまり国による強制保険一本で対応しているわけです。民間に保険を扱わせると、利潤追求という大前提があるため出し渋りが必然化するという反省の上に制度設計されているのだと思います。
そういえばアメリカのオバマ大統領はアメリカに健康保険を創設することを約束して大統領に就任したと思いましたが、結局のところ、民間の保険会社の妨害により骨抜きにされてしまった。そもそもオバマにどれくらい本気でやる気があったのかという問題もありますが、何でもかんでも民間がいいみたいな考えはもういい加減よしにしてほしいですね。
以前、コメントさせていただいたものです。
お返事、ありがとうございます。
大変申し訳ございませんが、ブログを持っておりません。
そもそも冤罪事件ではない時点で、記事の趣旨から外れているようにも思えますが、お言葉に甘えさせていただき、概要を書かせていただきます。
私は、幾人かの死刑囚の方の支援に携わっておりますが、この事件の被告の方々については、今のところは裁判を傍聴しただけで、支援に携わってはいません。
ただ、この事件は冤罪事件ではないとはいえ、司法の非情さという点から
「日本の司法に人道の二文字はない」
というエントリーの趣旨に、ある程度は当てはまるのではないかとも考え、書かせていただきます。
事件は、世間では長野一家三人殺害事件と呼ばれ、支援者の方々からは真島事件と呼ばれているようです。
事件は、2010年3月14日に長野県で発生しております。伊藤和史さん、松原智浩さん、池田薫さん、ほか1人の被告が、強盗殺人容疑で4月半ばに逮捕されました。2011年3月25日に松原智浩さん、同年12月6日に池田薫さん、同年12月27日に伊藤和史さんに、長野地裁で死刑判決がくだされています。松原さんは、今年の3月22日に、東京高裁で控訴が棄却されてしまいました。
長野地裁の判決文は判例秘書で閲覧が可能であり、高裁判決もいずれ公開されるでしょう。
事件の推移は、下記のウィキペディアを参照ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E9%87%8E%E5%B8%82%E4%B8%80%E5%AE%B63%E4%BA%BA%E6%AE%BA%E5%AE%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6
また、下記のアドレスは、毎日新聞の記事と、支援団体の作成した署名用紙となっております。署名用紙へのアドレスについては、冒頭のhを削らせていただきました。
署名用紙をご覧いただければ、被害者側の犯罪行為について、概要はお分かりいただけるかと思います。以下、被害者父子のうち、父親を会長(署名用紙にある金文夫のことです)、息子を専務と呼びます。この呼び名は、法廷で使われていました。
http://mainichi.jp/area/nagano/news/20120424ddlk20040077000c.html
ttp://goo.gl/dMbh0
署名用紙に書かれていないことを付け加えさせていただくならば
伊藤和史さんは、被害者により殺害された宮城という暴力団組員に、金銭搾取目的で、拉致監禁されました。宮城の手下として拉致監禁を手伝っていたのが、専務でした。伊藤さんは、監禁中に宮城に理由もなく包丁で刺される、酒ビンで額を割られる、といった暴行を日常的に受けており、裁判では傷跡がスクリーンに映し出されました。
専務が宮城を殺害したことにより、伊藤さんは長野に連行され、搾取と脅迫、暴力を受けるようになりました。
心理鑑定によると、伊藤さんは、恐怖やノイローゼから、心神耗弱に近い状態だったとのことです。被害者宅に同居させられるようになってから、ストレスからか、体重は20キロほど減少しました。自殺を考えたこともあり、実行する直前に妻に電話し、声を聞いて、何とか思いとどまりました。
松原智浩さんは、金良亮から、鉄パイプで殴打され、肋骨骨折する重傷を負ったことがあります。その傷は、金父子の機嫌を損ねることを恐れ、治療に行くことができませんでした。ヤクザからさえ同情されるような生活状況だったとのことです。
会長の周囲では、裁判で出てきただけでも3人の債務者が自殺しています。被告たちへの犯罪行為は、金父子が日常的に行なってきた犯罪の一環でした。
裁判官たちは、これらの事情を当然知っていたのですが、判決では全く考慮せず、被告人質問では、非常に冷ややかな態度でした。
伊藤さんの公判での心理鑑定人(森武夫氏)への証人尋問では、一連の暴力や脅迫に耐え切れなくなり犯行に及んだ、という鑑定について「もっと我慢することはできなかったのですか」といった質問をしていました。被害者の行為が犯罪である、普通の人間にとって耐え難い行為である、ということは、全く考えてもいないようでした。
新聞各紙は、このような実態を、全く報じておりません。信濃毎日は若干報じましたが、到底、物足りないものでした。「被害者」に配慮を行なっているのはもちろんでしょうが、特に、裁判員に気を使っているのだろうと思います。しかし、これほどマスコミに守られ、「心の重荷」を心配された「裁判官」が、これまでいただろうかと思います。
長く、まとまりのない文章になってしまい、申し訳ございません。
この事件は、刑事裁判の現状の看過できない一側面を体現しているように思えます。
そして、死刑廃止を主張している方々の間でも、この事件は支援団体を除き問題視されていないように思えたこともあり、書き込ませていただきました。
奥西 勝さん、ドラマ放映…
……(一部抜粋)……
「約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~」に寄せて
official siteでもお知らせしております、東海TV制作のドキュメンタリー・ドラマ
「約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~」が
6月30日(土)14時~16時24分 東海テレビでオンエアされます。
……(一部抜粋終り)…
http://jig142.mobile.ogk.yahoo.co.jp/fweb/0627BlB7J1zBRoTA/0?_jig_=http%3A%2F%2Fdinosax.blog27.fc2.com%2Fblog-entry-154.html&_jig_keyword_=%96%F1%91%A9%81%60%96%BC%92%A3%93%C5%82%D4%82%C7%82%A4%8E%F0%8E%96%8C%8F%8E%80%8CY%8E%FA%82%CC%90%B6%8AU%81%60&_jig_done_=http%3A%2F%2Fsearch.mobile.yahoo.co.jp%2Fp%2Fsearch%2Fonesearch%3Ffr%3Dm_top_y%26p%3D%2596%25F1%2591%25A9%2581%2560%2596%25BC%2592%25A3%2593%25C5%2582%25D4%2582%25C7%2582%25A4%258E%25F0%258E%2596%258C%258F%258E%2580%258CY%258E%25FA%2582%25CC%2590%25B6%258AU%2581%2560&_jig_source_=srch&guid=on
主演;仲代達也さん
ナレーション 寺島しのぶさん…
フジテレビ系列ですが、全国放送されるか否かは、わかりませんが、興味のおありの方は、是非、ご鑑賞ください…。
以上、情報まで…
日本の司法に於ける、“無謬”の恐怖…
のべ50人の裁判官が、当該事件に関わったそうですが…、弁護団が提出した数々の新証拠を吟味せず、“自白”のみに依拠した裁判所の判断は、道理のないものであり、無実の主権者を50年以上もの長きにわたり、拘束し、毎日、“死の恐怖”に晒すことは、断じて許してはならないものだと、あらためて思いました。
日本の司法は、こうまでして、何を守ろうとしているのだろうか?。
このドラマは、映画化も計画しているそうです。
奥西さんの一日も早い、無罪解放を心から祈念します。
奥西勝さんの苦悩と闘い…。
ドキュメンタリー・ドラマ
「約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~」 の “あらすじ”から、一部抜粋…、
……(抜粋はじめ)……
「死刑の執行は午前中。当日の朝に知らされるため、午前中は恐怖と苦悩の時間で大変きびしいのです。昼食の配給があるとホットし、それ以外の時間帯は地獄の中で生きているようなものです」(奥西獄中記より)
独房から無実を訴え続けている死刑囚がいる。奥西勝、86歳。昭和36年、三重県名張市の小さな村の懇親会で、ぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した。逮捕された奥西は「警察に自白を強制された」と訴え、無実を主張。1審は無罪だったものの、2審は逆転死刑判決。そして昭和47年、最高裁で死刑が確定した。奥西は、死刑執行の恐怖と闘いながら、いまも再審を求め続けている。
奥西の無実を信じているのが、母、タツノ。事件で村を追われ、見知らぬ町で1人暮らしを始めた。内職をしては、電車賃を稼ぎ、月に1度、名古屋拘置所にいる息子に会いに行く。そしてタツノは奥西に969通の手紙を送った。「お金のあるあいだ、湯たんぽを貸してもらい、牛乳も飲みなさい。」「やっていないのは、おっかあが一番知っている。」「長い間の苦労は毎日、涙いっぱいですよ」再審を待ち続ける母。奥西はタツノと約束をする。『無実を晴らして、必ず帰る』しかし、その約束を果たすこと無く、母は昭和63年、84歳で死亡した。
奥西を支え続けたのが支援者の川村富左吉(74歳)。確定死刑囚は肉親と弁護士以外、面会が許されていないが、川村は法務省に掛け合い 奥西との面会を許される。川村は奥西との面会を10冊のノートに記録した。
「起床7時。運動毎日50分。運動は3坪ほどの部屋で歩くばかり。」
「作業、朝7時40分頃から袋貼り。午後4時に終わる。報酬は月2千円。」「正月の食事、鯛の塩焼き・数の子・餅・赤飯・みかん・菓子。普段は米麦6対4。」
「息子が突然、面会に来た。20数年ぶり。嬉しかった。」
「誰かの死刑が執行された。一斉放送のニュースが突然切れたのでおかしいと思った。」
「胃がんの手術。3分の2を切除。」
事件から44年後の平成17年4月、名古屋高裁は奥西の再審開始を決定した。川村と奥西は名古屋拘置所の面会室のガラス越しに握手。「今度は晴れて、塀の外で握手をしましょう」と二人は約束した。しかし、喜びもつかの間、検察が異議申し立てをし、再審は棚上げとなった。そして、その半年後、川村は病に倒れ、この世を去る。奥西との約束を果たすことができずに…。
2006年、奥西の再審開始決定は名古屋高裁の別の裁判官によって取り消されたが、2009年、最高裁は名古屋高裁に審理を差し戻し。2012年、名古屋高裁は再び、再審開始決定を取り消した。
番組では、「名張毒ぶどう酒事件」を題材に、独房の奥西、息子の無実を信じ続けた母・タツノ、面会室のガラスを挟んで応援し続ける特別面会人・川村富左吉らの姿をドラマで描き出す。さらに東海テレビが取材を続けた貴重な映像を交えながら事件を振り返り、孤独な闘いを続ける奥西の姿を描いていく。
※川村富左吉の"きち"の字の"土"は下が長い。
……(一部抜粋終り)……
わたしたちの、何気ない日常と平行し、民主主義を標榜している国で、国家権力により不当にも50年以上の長きにわたり渡り拘置されている“無実のひと”がおみえになる現実を忘れてはならないと思います…。
http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013062101001629.html
このまま獄死させて全ての責任を押し付け、闇に葬るつもりか?法務省!