本日未明に42年ぶりに一基も原発が動いていない状態となりました。日本の全原発停止はドイツでもトップで報道されたそうです。
でも、動いていないだけで、今の政治のままではいつだって再稼働に戻る可能性があります。
今日が廃炉までの長い道のりの始まりです。
まだ明らかにされなければいけないことは山ほどあることを肝に銘じて。
さて、マスコミは「脱原発を唱え打倒民主党をぶち上げた橋下氏」という扱いですが、橋下氏は玉虫色のクルクル王子らしい変わり身の早さを示しました。
橋下氏の脱原発に対する私のスタンスは
「彼の脱原発は単なる人気取りのパフォーマンスかも知れないし、本気かも知れない。それはどちらでもいいことだ。彼の脱原発を否定する必要も肯定する必要もないし、連携する必要もない」
というものです。そのスタンスは変わりませんが、やっぱり「なんちゃって脱原発」だったのだなあ、との感を強くしたので、記録しておきます。
ちょっと古い報道ですがこちらから抜粋。
大飯再稼働:「原発か節電か」橋下市長が住民に選択訴え
毎日新聞 2012年04月26日 15時52分(最終更新 04月27日 07時21分)
http://mainichi.jp/select/news/20120426k0000e040248000c.html
大阪市の橋下徹市長は26日、関西電力大飯原発3、4号機を再稼働しない場合の夏の電力需給について、「(需要の)ピーク時にみんなで我慢できるかどうか。府県民に厳しいライフスタイルの変更をお願いする。それが無理なら原発を再稼働するしかない」と述べ、「原発か節電か」の二者択一を住民に訴える考えを示した。
政府は今夏、猛暑で原発再稼働がない場合、関西電力で最大約19%電力が不足するとの見通しを示している。橋下市長は「産業には影響を与えず、家庭に冷房の温度設定など負担をお願いすることになる。安全はそこそこでも快適な生活を望むのか、不便な生活を受け入れるか、二つに一つだ」と話した。
橋下市長はこれまで安全性を確認する手続きが不十分なことを理由に原発再稼働に反対してきたが、「理想論ばかり掲げてはだめ。生活に負担があることをしっかり示して府県民に判断してもらう」と強調した。【津久井達】
●節電新税、橋下市長が提案 企業向け奨励金の財源に
http://www.asahi.com/politics/update/0426/OSK201204260187.html
2府5県と大阪、堺両市が参加する関西広域連合は26日、電力不足が懸念される夏に向け、プロジェクトチーム(PT)で具体的な節電策を検討していく方針を決めた。橋下徹大阪市長は、大口需要家の企業などに奨励金(インセンティブ)を出して節電を促す一方、財源として新税の創設を提案した。
(略)
広域連合は昨夏も5~10%の節電を呼びかけたが、この夏は原発の全停止に伴い、知事らはより具体的な節電策が必要との認識で一致。山田啓二京都府知事が「大口需要家へのインセンティブを検討すべきだ」と提案し、橋下氏は、財源として増税を提案したうえで「関西の府県民に1カ月1千円とか、応分の負担を考えるべきだ」と主張した。井戸連合長は大阪府市と滋賀県、京都府を中心にPTをつくり、具体的な節電策を検討する方針を示した。
朝日新聞・橋下番@asahi_hb
橋下氏の続き。「乗り切れるというのは僕が乗り切るわけじゃないですからね。関西府県民のみなさんが乗り切れるかどうかですから。それが無理だったら再稼働はやるしかないと思いますよ」。 #節電#原発
これ酷くないですか?
電力の大半を消費するのは家庭ではなく企業です。
従って効率よく節電するなら事業者の方に対策を求めるのが合理的です。
ところが橋下氏は
「産業には影響を与えず、家庭に冷房の温度設定など負担をお願いすることになる。安全はそこそこでも快適な生活を望むのか、不便な生活を受け入れるか、二つに一つだ」
と家庭の方に根性論的な不利益を押しつけています。
原発再稼働なしで電力不足に陥るようなら、大企業には「節電頑張ってね」と奨励金をあげる優遇策。(実際には節電による不利益を税金で補填する、という意味合いになるでしょう)
しかしその財源は庶民から新たに吸い上げる新税とは。
庶民には「節電のためにエアコン切って我慢しろ&節電税負担しろ」の二重苦。
企業には「節電よく頑張りました、奨励金あげましょう」
って、どうなんでしょう。
そして、府県民が節電の不便を乗り切れないなら再稼働しかない、でも「乗り切れるというのは僕が乗り切るわけじゃないですからね。関西府県民のみなさんが乗り切れるかどうかですから。」と随分冷たい態度、まるで他人事です。
これ、「再稼働を選んだのはあくまでも県民の皆さんの民意、ぼくじゃない」と責任転嫁しているとしか思えません。
このあたり、労組へのアンケート調査の全責任、全権限は自分にあると明言しておきながら、野村氏にお任せしてあるからボクは従うだけ、と責任転嫁して逃げを打ったのと同じです。
反原発の住民投票に対しては「僕が関電にうまく交渉するからわざわざ金を使って住民投票するまでもない」と矛をおさめさせたくせに、これですか。
再稼働無しとなれば「脱原発を主張してきたボクの手柄」
再稼働となれば「それを選んだのは県民の皆さん、ボクじゃない」
ってことですね?
次のツイートもどうぞ
Joha @Joha_woodcraft
橋下市長が「再稼働か節電か」と恫喝まがいをやってるが、対照的なのが保坂展人区長。太陽光パネルの一括購入に代表されるように具体的かつ市民と共同の節電、売買電のスキームを立ち上げている。どちらが本物かは言うまでもなく、上意下達方式の橋下が新鮮に見えるのは感情の問題に過ぎない。
「こどもをまもる」bot @kodomo_mamoru
大阪の橋下新市長は、瓦礫を焼却すれば放射線量が焼却前の約33倍になるという事実を、受け入れ後に「知らなかった」と言いました。東京では石原都知事が、瓦礫受け入れに関する記者の質問に「黙れ」と一喝しました。常に弱い立場の人に対して受難を押しつける今の社会の不誠実さを考えざるを得ません
橋下氏の脱原発が「なんちゃって」に過ぎないことを示唆する赤旗の記事も記録しておきましょう。
◆赤旗
橋下市長、経産幹部と密会
2月 大飯再稼働で意見交換
民主幹部同席
2012年5月1日(火)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-05-01/2012050101_03_1.html
大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長が政府の原発再稼働方針を進める経済産業省幹部と2月に都内で隠密裏に会っていたことが4月30日までに分かりました。橋下氏は、政府が進める原発再稼働に向けた手続きにクレームをつけたものの、再稼働そのものに反対を明言していません。背景として、再稼働を推進する政府・民主党関係者との水面下の接触の影響が指摘されます。
橋下市長が会ったのは経済産業省資源エネルギー庁次長の今井尚哉氏です。上京中の2月21日朝、東京・虎ノ門のホテル・オークラの和風かっぽうで面談しました。今井次長は、原発再稼働が必要だと判断した政府の4大臣(野田首相、藤村官房長官、枝野経済産業相、細野原発担当相)会合に経済産業省事務当局を代表する資格で陪席しています。
電力業界関係者によると、橋下市長と今井次長は関西電力大飯(おおい)原発3、4号機の再稼働をめぐって意見交換しました。同日の会合には、原発再稼働に積極的な民主党の政策担当幹部が同席していました。橋下氏は上京の折、この民主党幹部と隠密裏にしばしば会っている事実が確認されています。
『橋下「大阪維新」の嘘』の著者の一ノ宮美成氏は「橋下市長はやましくなければ資源エネルギー庁次長と公式に会えばいいはずだ。橋下市長は関西財界3団体との会談で原発再稼働問題に一言も触れなかったことが物語るように再稼働に反対する姿勢にもともと立っていない。政府の拙速な再稼働手続きに注文をつける格好をしたのは世論受けを狙ったのだ。案の定、再稼働、しからずんば負担増と、どっちへころんでも国民や大阪府・市民にしわ寄せを迫っている」と語ります。
次のブログも是非ご一読下さい。
◆【堺からのアピール】教育基本条例を撤回せよ
橋下徹の人気取りネタにすぎない…原発再稼働反対http://blog.livedoor.jp/woodgate1313-sakaiappeal/archives/6378890.html(つぶやき五郎さんのブログ
「大阪弁で世情を語る」の橋下批判は、大阪弁で書いてあって、読みやすく、とっても楽しいです)
◆kojitakenの日記
橋下、「節電に住民支持ない場合は原発再稼働容認」http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20120426/1335443413橋下は既に「再稼働・原発維持容認」に路線転換済みhttp://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20120428/1335574156
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