まずは報道記事から。全文はリンク先でどうぞ。
<大飯再稼働>橋下氏に政権は反発、埋まらぬ溝
毎日新聞 4月25日(水)0時48分配信
http://goo.gl/7eVpi
関西電力の大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働をめぐり、大阪市の橋下徹市長と大阪府の松井一郎知事は24日、藤村修官房長官と首相官邸で会談し、原発の安全性に関する8提案を受け入れるよう直談判したが、藤村氏は「再稼働は妥当」との政府の判断に変更はないと伝えた。国政進出を狙う橋下氏は野田政権との対決姿勢を強め、政権側も態度を硬化させつつあり、両者の溝は埋まりそうにない。
(略)
◇維新、選挙戦略の脱原発
「国民はだまされちゃいけない。安全宣言は、科学者や原子力安全委員会のチェックもないまま政治家が作った手続きを進めている。国家運営の危機だ」
橋下氏は藤村氏と会談した後、頬を紅潮させ手ぶりを交えながら、記者団に「国家の重大危機」「国家崩壊ですよ」と激しい言葉を繰り返した。
橋下氏との会談に応じた政府の対応を、前日には「政権与党の懐の深さを感じる」と評価していただけに、過剰な政府批判にはパフォーマンス色がにじむ。原発政策を次期衆院選の争点にし、大阪維新の会が「脱原発」を旗印に有利な戦いを展開しようとする狙いが見える。
(後略。引用ここまで)
野田政権は消費税増税、原発再稼働できるならこれで自分の政治生命が終わっても構わないという「特攻隊」の様相を呈していますが、こういう状態に陥ったら驚くほど周りが見えなくなり、柔軟性を喪失するのだということがよくわかります。
政府は再稼働に態度を硬化して橋下氏との対決は不可避になりそうですが、
はっきり言って、民主党ってバカじゃないでしょうか?これじゃあ橋下氏に塩を送ってるようのものです。国政選挙で維新の怪が「脱原発」をシングルイシューにしたら自民支持も伸び悩んでいる今、民主大敗、維新大勝は間違いないでしょう。
橋下氏は大飯原発再稼働で民主党に対し勇ましい宣戦布告をして格好つけています。
かつて無いほど落ち目の民主党は今、最も叩きやすい存在、絶好の獲物です。政権政党がこんな美味しい「仮想の敵」になってくれるとは、千載一遇のチャンスでしょう。今の民主党は橋下氏にとって逃げないはぐれメタルのようなもの、ちょっと叩けば経験値ならぬ支持率ガッポリです。
だから橋下氏は、力のある関電会長には面と向かって原発の「げ」の字も言えないチキンぶりでも、民主党に向かっては自信たっぷりに芝居じみた対決姿勢を露わにしているのだと思います。
維新の怪の急成長を促す原因になったのも民主党なら、自らが政権から退くのと同時に維新の怪を国政に踊り出させてあげるのも民主党(もちろんその前段階として長きにわたった自民党政治があるわけですが)
民主党の本意は違うでしょうが、
結果的に民主党が維新の怪の育ての親となり、民主主義に引導を渡したと後世からは評価されるでしょう。民主党が与党生命と引き替えにしてまで原発再稼働にこだわるのはお財界様に尽くすためだと思われますが、忠義を尽くしても大敗したらお財界様はあっさり勝ち組政党に乗り換えるんではないでしょうか?
政権交代前後、政財界は二大政党制を望んでいたようですが、それは二大政党制は結局は「二大与党制」になり、お財界様が二大与党を競わせる仕組みだからでしょう(
こちらを参照にどうぞ)
今、結果的に「多党与党制」みたいになってますが、与党争いもお財界様の手のひらの上で新自由主義的な競争社会に晒されるわけですね。
ちなみに、橋下氏の「脱原発」もお財界様の要望を受け入れられる逃げ道を例によって残していそうなことを示唆するコメントを「kojitakenの日記」から拝借してきましょう。
bogus-simotukare 2012/04/24 21:43
橋下徹@t_ishin
「原発問題の核心的問題は安全性ではない。使用済み核燃料の最終処分問題だ。安全性については色々議論があるにしても、使用済み核燃料の最終処分については誰もが責任
ある答えを出せない。日本国中が、使用済み核燃料の最終処分問題を頬っかむりしている。これこそ将来への最悪のツケ回しだ。」
橋下らしいトンデモツィートだなと。
素直に読めば「最終処分場問題以外どうでもいい」としか読めないでしょうがそんなことはもちろんないし、「安全問題より最終処分所問題」って最終処分場が何故問題あるかと言えば地下水汚染の危険性など安全問題なんですがね。
最終処分場問題で俺は一歩も引かないが再稼働では引く気満々だぜということでしょうか?。論理性のかけらもないのには呆れます。
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bogus-simotukare 2012/04/25 06:25
橋下の脱原発については次の記事も紹介しましょう
http://news24.jp/articles/2012/04/24/04204473.html
「橋下氏は会談後、再稼働に向けて国が安全だと判断したことについて、「国民は手続きを納得していない」などと批判した。また、「安全性は100点満点でないが、政府は需給面から再稼働は必要と説明すべきだ」などと政府側に伝えたという。
藤村官房長官はその後の会見で、「需給面からわりにしっかりとよく理解していると、地元首長ですから、そういう印象を受けました。説明したり、質問を受けたり、やりとりする中で認識が共通になる期待をしている」と述べた。
これまで橋下氏は、大飯原発の再稼働をめぐって、反対の姿勢を崩していなかったが、今回の会談を受け、政府部内からは「需給面から再稼働の必要性を共有できたのは大きい。地元の理解に向けて、一つハードルを越えた」との声が上がっている」
こちらのツイートも参考に。
河信基(ha-shingi) @hashingi
橋下さんが「安全性ではなく、電力需給を大飯原発再開の理由にしたらどうか」と提案したと藤村官房長官明かす。やはり「再稼働反対」は人気取りパフォーマンス。本音は、財界寄りの現実主義
民主党は大震災を契機に「ショックドクトリン」を進めていることは過去に書きました。
そして民主党が再稼働にこだわればこだわるほど、本格的ファシズム政党にバトンを渡すことになってしまいそうです。
「大震災と原発事故を糧として日本のファシズムは急速に成長していった」
と後の歴史に書かれないことを祈るのみです。
と、珍しく政局めいたことを書いてみました。
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