市長はまた、西成の教育政策にも言及しています。
何でも全国初の教育バウチャー制度のさきがけだそうで。
◆asahi.com
大阪市の塾代1万円支給 まず西成区で7月 橋下市長
http://www.asahi.com/edu/news/OSK201201290122.html
橋下徹大阪市長は29日、低所得者層向けに学習塾や習い事の費用を助成する全国初の「教育バウチャー制度」について、同市西成区内で就学援助を受ける中学生約950人を対象に7月から先行実施することを決めた。支給額は月1万円で、2013年度からは市全域で中学生の7割程度を対象に実施する。
橋下氏は生活保護率が高いなど西成区の課題解決に向け特区化する構想を示しており、他の地域に先んじてバウチャー制度を実施することで特区構想を先取りする狙いがある。
(引用ここまで)
◆おおさか報知
西成区の公立中学生に就学援助クーポン…将来的には全域へ
http://hochi.yomiuri.co.jp/osaka/topics/news/20120130-OHO1T00124.htm
橋下徹大阪市長は、29日に市役所で行われた予算ヒアリングで、西成区の公立中6校で就学援助が必要な生徒約950人を対象に、学習塾などで使えるクーポン券を月額1人につき1万円分、配布する方針を決めた。2012年度予算に約8800万円を計上。効果を検証し、将来的には市内全域に制度を広げる考えだ。
西成区は日本最大級の日雇い労働者の街「あいりん地区」を抱え、生活保護受給者が人口の約4分の1。治安面などで問題が山積し、高齢化も進んでいる。橋下市長は「学習塾でもスポーツ教室でも、いろんなものが入ってくれば、新しい事業が生まれてくる」と期待。市税免税などで子育て世帯を呼び込み、同時に教育水準の向上も狙う。
西成区内で早ければ7月ごろから配布。文化・スポーツ教室などでも利用できるようにする。ただ、使用されたクーポン券は塾や教室の事業者が市に申請すれば現金9000円と換金できるため、悪用される懸念もあり、「換金だけするダミー会社が必ず出てくる。サービス提供をしているか確認する仕組みが必要だ」と指摘した。
なんだか、
逆差別を招いた同和政策を思い浮かべてしまうのは私だけでしょうか?
教育バウチャー制度はアメリカのいくつかの都市で格差是正策として採用されていますが、規制緩和、自由競争を前提としていて、保護者や子どもに迎合する学校が増えて逆に教育が荒廃する、地理的に学校選択が困難な地方部と自由に学校選択できる都市部の教育格差が広がるなどのデメリットが指摘されています(
Benesse教育情報サイトより)
「なんでも競争」のネオリベの申し子には教育バウチャーというのはぴったりの政策で、橋下氏の場合、クーポンは学校に使うのではなく、学習塾やスポーツ塾に使えるようにするようです。
でも、こういうのって、教育産業へのバラマキですよね?だって今まではお金が無くて塾に行けなかった子達が一斉に換金できるクーポン持って学習塾に来てくれるって事なんですから、塾はウハウハです。
これ「古い自民党政治」のデジャヴなんですけどどこが新しい政治なんだろ?
子どもの学習支援をするなら「学習塾へ行きなさい」というより、まずは学校がもっと生徒にきめ細かい勉強の指導が出来るような援助方法を考えるのが順序だと思うし、教育格差の根本的な解決は親の貧困の解消だからそれに対する根気強い取り組みを始めて欲しいんだけどな・・・ああ、橋下氏はこれによって「新しい事業が生まれてくる」って言ってますね。
なんだ、主眼は子どもの学習支援じゃなくて、やっぱりソッチ系なの。
まあこの方が子どもの学習支援を主眼に置くことなどないであろうことは、一方でこんな暴言吐いてることからもわかります。
◆赤旗
「通学代、バイトで稼げ」
橋下大阪市長が暴言
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-01-28/2012012802_02_1.html
橋下徹大阪市長は27日、記者会見し、大阪市と大阪府で制定を狙う「教育基本条例案」に盛り込むとしている3年連続定員割れの府立高校の統廃合で、経済的に困難な家庭の子どもが遠距離通学になっても、「通学定期代くらいバイトして稼げばよい」と強弁しました。
橋下市長は「生徒が集まらない学校をずっと置いておいても仕方がない」とし、「本当にそういう事情があるなら電車代を助成しますよ」と発言。一方で、「本当に家庭の事情で苦しいというなら通学定期代くらいバイトして稼ぎゃあいい。授業料までただにしてるんですから。通学代が出せないから地元に高校を残さないといけないなんて、そんな理屈は通らない」と述べました。
こんな冷酷な突き放しをする人が真剣に子どもの学習支援を考えてるとは思えませんもの。
で、クーポン制度の是非は置いとくとしても、何で西成だけ?
低所得者は西成以外でもいるのに、西成だけで始めるのは
住所による不合理な差別ではありませんか?
「西成をえこひいきする」と公言してこういう差別をなんの躊躇もなくやってしまうあたり、この方は一体法学部の憲法の授業で何を学んできたのかな、とため息が出るばかり。
同じく経済的に苦しい家庭でも、西成ではクーポン配って、一方では「バイトしろ」
こういう差別は住民分断を招きますね、逆差別を生んだ同和政策のように。
橋下市長はこのクーポン制度を将来的には全域に広めたいそうですが、その財源はこんなところから・・・
http://os7.biz/u/2hF4p
(引用ここから)
橋下市長、音楽団解散を示唆…財源は習い事券に
大阪市の橋下徹市長は19日、市役所で報道陣に対し、交響吹奏楽団「大阪市音楽団」の存廃について、「一から考える。存続の結論ありきでは考えない」と述べ、解散を検討することを明らかにした。
同楽団は1923年に創設され、園児や児童向けの鑑賞会、中学高校での吹奏楽の指導などを行っている。市は運営費の約9割に当たる約4億3000万円(2010年度)を負担している。
橋下市長は同日の市議会決算特別委員会で「(行政が)音楽団を抱える必要はない」と述べ、助成を打ち切る意向を表明。代わりに、浮いた財源などを原資に、子どもが学習塾代や習い事などに使えるクーポン券の支給制度を新設する考えを示した。
(2012年1月20日10時54分 読売新聞)
(引用ここまで)
( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
_, ._
(;゚ Д゚)<なん、だと…?
つまり楽団から金を巻き上げて、塾とか習い事とかの「学習産業」方面にばら撒くってことですよね。ブックマークコメントにも相変わらず「不採算な文化は消えてなくなれ」的なコメントがあふれていて、げんなり。そんなに採算性が大事なら咲洲開発に何か言ってやってくださいよ。
しかしほんとにこの人音楽嫌いなんですね。いつぞやの「君が代」の歌いっぷりの酷さと併せて考えると、音楽的センスの欠如にコンプレックスでもあるのかと勘繰りたい気分です。
(2012.01.21 ( Sat ) 02:20:16 | 観測霊 ※太字は私 )
-・-・-・-・-・-・-
学習塾のクーポンですか。。。
年4億の削減というけれど、市内の小中学生の数で割ったら、一人あたりいくらにもならんでしょう。
クーポン実施のために削減分以上の経費がかかってしまうという、橋下氏得意の非効率ばらまき政策ショーですね。
こんなことをやるのなら、楽団を維持したほうがよっぽど有意義ですよ。
地方自治体が楽団を持っていることを誇りに思わないのかな、あの市長さんは。
小学生のころには自前の図書館すら持てなかった(さすがに今はありますが)市で育った私にとっては、いまだにうらやましくてしょうがないような話なんですけどねえ
(2012.01.22 ( Sun ) 00:00:44 | 元大阪府民からの伝言)
はああ・・・大阪が誇る歴史を持つ文化である大阪フィルつぶして、コレ。
で、代わりの新しい文化が「道頓堀川のプール」やら「ゲームセンター」ですか。
こんな事して欲しくて橋下氏に投票したんじゃないって言う人も多いと思うんですけど、何せ橋下氏は
「僕は選挙で選ばれた!だから僕に逆らうことは民意に対する挑戦だ!いやなら選挙で落とせばいい、それが民主主義だ!」
と言うような主旨を常々言ってますからねぇ、橋下氏の政策に反対することは「民主主義」への反逆になっちゃいそうです。
(・・でも確か知事当選直後は「ボクは権力者ですから徹底して批判、意見をもらいたい」と言ってたはずで、この発言とどう両立するのなぁ・・?)
ひとつ言えることは、西成特区構想、というのは、西成差別政策、と言って良さそうだと言うことです。
ところで皆さん、大阪市長選の争点、何だったか覚えてます?「都構想」だったんですよ?
橋下市長がやろうとしてる市政は学区制廃止、学校統合、教育基本条例、西成住民差別政策、大阪フィル廃止の方向…って、おいおい、あれほど選挙の時にやかましく叫んでた「都構想」、市政には全然関係ないじゃない(^^;
マニフェストに書いてない突飛なことを突然言い出してもそれは全て「民意」なんだと思い込まされる今日この頃でございます。
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