ちょと遅れましたが、野田総理の失政、いや、施政方針演説にリンクを貼っておきます。
http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/201201/24siseihousin.html野田内閣の課題は
・大震災からの復旧・復興
・原発事故との戦い
・日本経済の再生
・社会保障と税の一体改革ー持続可能な社会保障制度を再構築する
だそうです。
Ⅰ.上三つについて、今までやってきたことを見ると、何言ってるんだか、と言うのが正直な感想です
抽象的な耳触りのいい言葉の羅列で、非常に空虚なものに感じました。巧言令色少なし仁演説と表現したらいいでしょうか。
例えば
●「復興特区制度などを活用して、内外から新たな投資を呼び込むとともに、被災した企業の復旧を加速させ、被災地の産業復興と雇用確保を進めます。
ふるさとが復興する具体的な未来図を描くのは、他ならぬ住民の皆様自身です。地域のことは地域で決める、という地域主権の理念が、今ほど試されている時はありません。多様な主体が参加した住民自治に基づく、開かれた復興を全力で応援します。」
などと一見住民本位の復興を目指すかのような殊勝げな意気込みを見せていますが、実際には漁業権を漁民から奪う水産特区構想を進めたり、TPPに強引に参加を決定したり(TPPに参加したらこれからどうやって東北の第一次産業を立て直していくのか・・・)、
ショックドクトリンを地でいく路線を変えようとする意思は政府にはいっこうに見られません。
●原発に関しても
「原発事故と戦い抜き、福島再生を果たす。東京電力福島第一原発の事故との戦いは、決して終わっていません」などと述べていますが、
早々と収束宣言を出して各方面から大ひんしゅくを買ったのはどこの誰なんだか、と言いたくなります。
「福島の再生なくして、日本の再生はありません。」と謳い
「病院や学校などの公共サービスの早期再開を図るとともに、とりわけ子どもや妊婦を放射線被害から守るため、生活空間の徹底した除染、住民の皆様の健康管理、食の安全への信頼回復に取り組むとともに、被災者の目線に立った公正で円滑な賠償に最善を尽くします。また、関係する市町村や住民の皆様の御意向を十分に把握し、警戒区域や避難指示区域の見直しにきめ細かく対応します」と述べていますが、
SPEEDIの情報を国民には隠して米軍にだけ伝えたり福島の子どもの医療無償化を見送ったり、
自主避難者への賠償が実にお粗末だったりしているわけで、今後こういう棄民体質をどう直していくつもりなのか、全く見えてきません。
(ところで「原発事故の原因を徹底的に究明し、その教訓を踏まえた新たな原子力安全行政を確立します」「失われた原子力安全行政に対する信頼回復とその機能強化を図ります。」といってるところからしても、野田政権はやはり原発再稼働に意欲満々ですね。)
●「分厚い中間層を復活させるためにも、中小企業を始めとする企業の競争力と雇用の創出を両立させ、日本経済全体が元気を取り戻さなければなりません。企業の国内投資や雇用創出の足かせとなってきた様々な障害を取り除き、産業と雇用の基盤を死守します。」
ならば何故消費税を大増税しようとするのか、消費税を上げれば痛手を被るのは中小企業で、美味しい思いをするのは輸出をメインとする大企業ではないですか。
雇用を守りたいというなら、何故労働者派遣法案を骨抜きにしたのですか。
「分厚い中間層」どころか、ますます中間層は空洞化、格差が拡大していくのは目に見えています。
こういった感じで、野田総理の施政方針演説は口当たりのいい言葉を適当に並べただけで、結局何も言っていないに等しい空虚な空文にしか感じられません。言うだけなら誰だってできます。
Ⅱ.ああ、空虚ではない、実際に実行しようとする項目がありました。社会保障と税の一体改革です。
「消費税、あげます!
でもそのまえに我々が身を切ります!
そうして社会保障も切っちゃいます!」
という小泉改革劣化版開き直り構造改革が「社会保障と税の一体改革」なのですが、まず増税と言えば間接税で逆進性の強い消費税の増税ありきというのが間違っていることはさんざん過去に書いてきました。
見直して切るべき分野として真っ先に社会保障をあげるところが大多数の持たざる庶民蔑視、財界・富裕層優遇の日本政府の伝統を踏襲していますね。
社会保障に当てるとの名目で庶民に痛みを求める消費税を導入してこのかた、一度だって社会保障が充実の方向に向かったことはありませんでした。それどころか小泉時代は年2000億円ずつ削減されてきたのです。
「持続可能な社会保障制度を再構築」だそうですが、
こんな冷酷な社会保障制度に再構築されたって国民は不幸になる一方なんですけど。
財政立て直しにメスを入れねばならない分野を政府は間違っています。政党助成金、官房機密費、軍事費、思いやり予算等々が切らねばならない分野の筆頭でしょう。
そうそう、思いやり予算で思い出しましたが、こちらを是非。
http://twitter.com/oowakitomosan/status/161566727321296897/photo/1
@oowakitomosan
大脇 友さん 米海兵隊グアム移転費、にほんが2年間で900億も支払ったが、殆ど使われずに3億もの利子がついたまま米財務省の通帳に眠ってるらしい。凍結されているグアム移転計画に金を出すなどもってのほか!全額を即刻返してもらい復興資金に回すべきだ
赤旗&友さんGJ!
野田総理、こういうことちゃんとやりましょうよ。
Ⅲ.ところで野田総理は過去、消費税増税についてこんなことを言っちゃってます。もう詐欺の域を超えた明白な
「大嘘」のレベルです。
野田総理 マニフェスト 書いてあることは命懸けで実行
『マニフェスト、イギリスで始まりました。
ルールがあるんです。
書いてあることは命懸けで実行する。
書いてないことはやらないんです。
それがルールです。
書いてないことを平気でやる。
これっておかしいと思いませんか。
書いてあったことは四年間何にもやらないで、
書いてないことは平気でやる。
それはマニフェストを語る資格がないと、
いうふうにぜひみなさん思っていただきたいと思います。』
だそうです。
ああ、なんというブーメラン・・マニフェストのどこに消費税を不退転の決意であげるって書いてありましたっけ?
そしてブログ「すくらむ」から。
野田首相は消費税増税を「もっとも愚かで、もっとも無意味で、破壊的な経済政策」と国会で断言していた
http://ht.ly/8Jqck
(引用開始)
2005年の衆院本会議で民主党を代表して質問に立った野田議員は、「ポマードで髪の毛を塗り固め、最近はいろいろなことを忘れてうそで顔を塗り固めている方が総理大臣だったころ、消費税を上げ、医療費を引き上げ、定率減税を引き下げて、風邪から治りかけていた日本経済を肺炎にしてしまいました。同じことをまた繰り返そうとしているんでしょうか」と指摘。この言葉は今の野田首相にそっくりそのままかえしてあげなければなりません。
また野田議員は、消費税増税を「もっとも愚かで、もっとも無意味で、破壊的な経済政策」(2005年衆院)と指摘したり、「消費税増税、特別減税の廃止、医療費の引き上げで9兆円ほどの国民負担になりました。景気の回復局面にあったときに、言ってみれば風邪から治りかけてきたときに冷たい水を浴びせて肺炎になってしまって、その後の日本経済はえらい目に遭ったという教訓があります」(2004年衆院)などと国会で述べています。
(引用ここまで)
もう自爆しまくり・・・
それでもまだ公約違反じゃないと強弁する姿は、「自分が既に死んでいることに気づかないゾンビ」にたとえたくなります。
消費税増税は「公約違反ではない」と野田首相
2012/1/27 14:36
http://www.j-cast.com/2012/01/27120260.html
自民党の谷垣総裁が2012年1月26日に行われた衆院本会議での各党代表質問で、消費増税を打ち出したのは09年衆院選の民主党マニフェストに違反するものだとし、解散総選挙を求めたが、野田首相は、消費税の引き上げを現在の衆議院議員の任期終了後となる14年4月を予定しているため、「公約違反ではありません」と返答した
しかしマスコミは、
国の借金、最大の1085兆円=国民1人850万円―12年度末見込み (時事通信社 - 01月25日 03:05)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120125-OYT1T00062.htmという報道のように、毎度毎度国民が借金背負ってるかのようなミスリードで「消費税増税やむなし」に世論を持って行きたい魂胆が見え見えです。
実は国民はその借金の債権者でもあることを華麗にスルーするのはどうかと思いますよ、マスコミの皆さん。
Ⅳ.さて、今回の「消費税も上げます!社会保障も切ります!」の小泉劣化版開き直り構造改革ですが、嫌らしいのが、
「消費税を上げる前に我々も身を切ります」と自己犠牲を払うかのように装っているところです。
どう身を切るというのかと言えば、、まずは、人事院勧告を無視した率での公務員給与の大幅減額。
これは憲法に抵触することであるにも関わらず、マスコミもこれを歓迎するかのような風潮は嘆かわしい憲法軽視であること、そもそも公務員給与削減を目玉にするのは庶民のガス抜きのスケープゴートですし、安易な公務員給与引き下げはやがて民間にも跳ね返ってくることは過去に書きました。
そして特に嫌らしいのが、国会議員の定数を減らすことで「身を切る」
一票の格差もずっと違憲判決をだされているのだから、この際一票の格差を是正ずる意味でも小選挙区の定数を「0増5減」とし、比例代表定数を80削減しよう、としていることです。
日本の国会議員の数は決して多くなくむしろ少ないこと、それを更に削減する、しかも民意を最も良く反映する比例定数から削減することは、少数の民意の切り捨てでしかないこと、国民の民意反映からほど遠い選挙であることは過去に何度か書いてきました。
しかも一票の格差是正を定数削減の口実に使おうというあたり、悪知恵全開のグッドアイディアですね。
そして、注目なのが政党助成金です。
keiko_sogen 慶子
【身を削る】っいうけど。政党助成金は国民ひとり頭250円徴収して、それを政党で山分けするから、議員辞めさせた80人分、政党の取り前は増えるんだよね。【削る】どころか【身は肥える】んだ。教えてもらってびっくりした
ちょっとちょっと!
全然身なんか削ってないじゃない!
身を削る振りして、実際に削ってるのは国民の民意じゃないですか!
定数を減らすんじゃ無しに国会議員一人頭の歳費を減らし政党助成金を廃止することがほんとに身を削ることでしょうに。
消費税あげて定数削減てことはこうもいえますね。↓
keiko_sogen 慶子
【代表なくして課税なし】そう掲げて、米国は英国から独立した。民主主義の大義は、フランス革命の動機にもなった。【代表者80削減されて、消費税増税?!】真逆なんですケド
さすが詐欺フェストを掲げた政党の政権だけあって、施政方針演説も詐欺的ですね。
で、
「この大きな課題の設定と国として進めるべき政策の方向性について、与野党に違いはありません。」
「 この国の未来を切り拓くために、今こそ「大きな政治」を、「決断する政治」を、共に成し遂げようではありませんか」
だそうです。
自民党と民主党は単に派閥間のけんかしてるだけのこと、向いてる方向は全く一緒の第一自民党と第二自民党、二つ合わせて自民主党です。「与野党協力して」議員定数削減されたり消費税大増税されたり憲法変えたり、という大政翼賛されたら、それが一番困るんですけど。
- 関連記事
-
スポンサーサイト