前のエントリーからの続きになります。
今、大阪市役所の職場はどんな空気なのでしょうか。日刊ゲンダイからです。
(私はゲンダイはあまり好きではないのですが、この記事は当を得ているを思います)
こんな職場で働きたい人、いるのでしょうか?
怒りと絶望渦巻く大阪市職員の生き地獄- ゲンダイネット(2012年1月23日10時00分)
<橋下挑発に650人が早期退職>
http://news.infoseek.co.jp/article/23gendainet000162872
橋下徹・大阪市長(42)の就任から1カ月が過ぎたが、市役所は早くもシッチャカメッチャカ。怒りと絶望、諦めが渦巻き、組織は完全崩壊だ。
早期退職を申し込んだ職員は650人で、前年の331人から一気に倍増。それなのに、市は畳みかけるように労使交渉(19日)で、職員3万人が加入する市労働組合連合会に対し、給料を最大14%、退職金5%カットを提案した。労組側は猛反発したものの、最後は「持ち帰って協議する」。まさに怒りと絶望だ。
当初は新市長と職員のバトルが予想されたものだが、フタを開ければ橋下市長の方がはるかにケンカがうまい。権力者と職員では話にならないのだ。大阪市政に詳しい関係者が言う。
「市の職員は、橋下氏が打ち出している『人件費2割減』『職員数3割減』に打ちのめされているのですが、それだけではありません。平松邦夫前市長の側近幹部ら6人が管理手当の付かない閑職に追いやられ、テレビ取材に『民意が僕の(認識)とは違う』と発言した職員が反省文を書かされた。市役所には目安箱が置かれ、内部告発、チクリが奨励されている。職員同士が疑心暗鬼になっているし、『逆らっても勝ち目がない』と、イエスマンに転身した職員も多いのです。橋下府知事の“経験者”の府職員から『あの男はモンスターや。諦めて1期4年は我慢した方がええ』とアドバイスを受け、辛抱する道を選んだ職員もいると聞いています」
因果関係は全く不明だが、昨年と一昨年で府の職員10人が自殺している。例年は1人か2人というからベラボーな数だ。「触らぬ神にたたりなし」と、多くの職員が面従腹背しているのが実情だという。元大阪府議でTVコメンテーターの山本健治氏がこう言う。
「何でもかんでも橋下氏のトップダウンで決まるため、職員は自分たちで考えるのをやめ、『唯々諾々とやっとればええんや』という発想になっています。本当の意味での職員の意識改革にはなっていません。逆らえば干され、密告や提案をすれば引き立てられるため、橋下氏をホメちぎって、自己保身に走る職員もいる。ますます、いやらしい市役所になってきました」
3年11カ月後、この役所はどうなっているのか……。
(日刊ゲンダイ2012年1月20日掲載)
その「目安箱」について観測霊さんから頂いたコメントをご紹介します(このところエントリーですっかりお世話になりっぱなしです)
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-848.html#comment5629
http://os7.biz/u/XrMvO
橋下市長:「目安箱」にメールや手紙 「通報」続々
(引用ここから)
大阪市の橋下徹市長が、市職員からの内部告発などをメールや手紙で受け付け始めたところ、多くの「通報」が寄せられていることが市への取材で分かった。橋下市長は自分のメールアドレスを全職員に公開、「(通常の)ラインでは上がってこない貴重な情報がどんどんくる」と独自の情報収集術に胸を張る。しかし、「密告奨励」とも取れる手法で、「職場がギスギスし始めた」との声が出ているほか、専門家も「職員同士の連帯を損なう」と指摘している。
「(市の労働)組合の意向で昇任試験の受験を遅らされた」「組合に迎合する(区役所の)総務課長だと、組合(の人事)案を受け入れてしまう」
昨年末に橋下市長が就任した際、職員から複数のメールが寄せられた。労働組合が市の人事に介入しているとの証言で、橋下市長は不当な介入がないか、調査を指示した。
年明けには市教育委員の視察に関する情報もメールで寄せられた。今月10日の市長と教育委員の意見交換会の直前、学校視察が駆け込み的に行われたという内容で、橋下市長は視察の実態を市教委に報告させた。病気休職の不正取得の手口を通報するものもあった。
市は市長へのメールの数を明らかにしていないが、橋下市長は「すごくたくさん来ている。しっかり厳正に対処したい」と話す。
また、手紙で受け付ける「目安箱」を今月設けたところ、20日間で約50通が届いた。所定の様式に従って市役所に郵送すると、市長に直接届き、他の職員が中身を見ることはないという。
職員からの内部告発は、橋下市長が進める公務員制度改革や労働組合との関係見直しなどに直結している。告発を奨励するため、市と市教委の懲戒処分の指針も改め、職員が不正行為に関係していても市に通報して不祥事の全容解明に貢献した場合、処分を軽減することを明記した。原則免職にはしないこともルール化し、25日から運用している。
一方、こうした手法を問題視する声も上がる。24日の市教育委員会会議では、指針を改めることについて、委員の一人が「信頼関係を生む仕組み作りが重要ではないか」と指摘した。ある職員は「『壁に耳あり、障子に目あり』という感じで萎縮している職員もいる」と打ち明ける。別の職員は「内部告発は中傷の類いも少なくない。市長が偏った情報で判断を誤らなければいいが」と戸惑いを見せた。【林由紀子、原田啓之】
◇目安箱
享保の改革で知られる8代将軍、徳川吉宗が1721年、江戸城竜ノ口評定所前に設置。民心把握や施政の参考意見を得るため、一般庶民に不満や要望を直訴させた。投書は将軍自らが検分。これにより小石川養生所の設置や、江戸市中の町火消の整備などが実現した。
毎日新聞 2012年1月27日 1時12分(最終更新 1月27日 3時54分)
(引用ここまで)
内部告発の重要性は理解しますが、それを市長個人が一括管理って、それでどうやって公平性を担保するつもりなのかが、全く不明です。極端な話、ありもしない「告発」を市長が捏造することも可能な状況ですし、そこまでしなくても市長に不都合な情報は公表しないぐらいの事は起こりえます。
また告発が「正当」なものかどうか、調査を行うのも市長に近い人たちなわけで、その「調査」そのものの公平性、正当性もまた問われねばならないのですが…。
こういったことは公平性や正当性を担保するため、民間人も含めた第三者機関を作ってやるべきだと思うのですが、橋下氏はその必要を認めていないようです。これでは「内部告発」というより、市長への「密告制度」と言われても仕方がないのでは、と思います。
垂れ込み部屋は市長室ではなく、AfternoonCafeにあれば十分ですw
こういう環境では、植民地もしくは、独裁恐怖政治を敷くワンマン社長の会社とおなじで、必ず媚びへつらう傀儡に転身して生き延びようとする者が現れます。しかも労連が初っぱなから実に及び腰状態では、橋下傀儡職員が増え「抵抗勢力」は風前の灯火になるでしょう。悪貨は良貨を駆逐するの法則です。
こういう職場で果たして職員はモチベーションを保てますか?「いい仕事」ができるでしょうか?
橋下氏が自分に変わって公務員をいじめてくれて拍手喝采してる人もいることでしょうが、
職員がいい職場環境でいい仕事ができなければ、結局それは市民へと跳ね返ってくるのです。
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