遅くなりましたが、、田中聡沖縄防衛局長の暴言をメモ
既に村野瀬玲奈さんがまとめてくださっていますのでそのままそっくりお持ち帰りです。玲奈さん、お借りします。
特に、日本の政治は沖縄基地問題以外にもそういうレイプ政治をたくさんしているってことをかみしめて読んでいただければ、と思います。
◆村野瀬玲奈の秘書課広報室
日本で繰り返される『レイプ政治』 (田中聡沖縄防衛局長の問題発言)
日本の政治はいくつかの分野でレイプのようだと私は何度か書きました。強制する必要が全くないことを強制したり、限られた数の弱い立場の者にだけ大きな負担が生ずる政策を多数の力でごり押ししたり、といったことです。日の丸君が代強制問題、原発立地などなどが代表的なものです。
■国旗国歌への恭順の強制は「レイプ」である
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-2353.html
また、消費税増税問題や社会保障削減などもそれに相当すると私は考えています。
あるいは、歴史教科書問題では、第二次大戦中の従軍慰安婦をめぐる件がそうです。粘り強い彼女たちの訴えを渋々認める形で日本政府の公式の謝罪の立場が一応村山談話や河野談話のような形で出されたにもかかわらず、彼女たちに対する強制性はなかったなどの主張が、今までの政権の中枢にあった議員たち(たとえば安倍晋三・元首相)から繰り返し出されてきました。政府(文部科学省)は歴史教科書から従軍慰安婦についての記述を削らせるという形で日本国としての反省を消し去ることに力を入れてきました。元従軍慰安婦の尊厳をさらに傷つけるこれらの日本国家主導の行ないは、まさに『犯人の免罪』と『セカンドレイプ』と呼ばれても仕方がないものです。
実際に、レイプ犯が「あれはレイプではない、合意のうえだ」などと自分の行ないを正当化する場合が多いことは、これらの日本国家の行為ともよく似ています。
『レイプ犯』を免罪したい立場からはレイプへの批判を受け入れることは難しいのかもしれません。しかし、被害者を支える立場に立ちたい私としては、レイプ犯を免罪することはしたくないのです。
さて、日本の政治はいくつかの分野でレイプのようだということを証明するような発言が、政府高官から沖縄米軍基地政策について出てきました。どの地域にも理不尽な負担を求めないという原則がないうえに、沖縄に特別な負担をお願いするというへりくだったお願いですらなくて、力ずくで強引にでも受け入れさせるという意識のもとに日本の政治が行なわれているということが改めてよくわかります。悲しみと怒りとともに記憶しておきたいと思います。日本が『レイプ政治』をやめるように。
最初に報道したのは琉球新報。この件を公開すると決めた判断に賛意を表して、記録します。
●琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
■「官僚のおごり」 県内で反発の声
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-184624-storytopic-244.html
2011年11月29日
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画をめぐり、田中聡沖縄防衛局長が28日夜、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた環境影響評価書の提出時期をめぐり「犯す前に、犯しますよと言いますか」と発言した件で、県内の市民団体からは29日、「県民への侮辱だ」「差別意識の表れだ」など怒りや批判の声が相次いだ。
沖縄防衛局は29日も、米軍北部訓練場の一部返還に伴うヘリパッドの移設に向けた工事を東村高江区で着手しようとし、住民らと対峙(たいじ)した。
座り込みを主導している沖縄平和運動センターの山城博治事務局長は「140万県民に対する侮辱。防衛相は県民に説明と謝罪し、局長を更迭すべきだ。大臣の任命責任も問われる」と指摘。「沖縄県民への差別、力でねじ伏せようとする官僚のおごりが見え見え。居酒屋では何を言っているのかよく分かった。絶対に許せない」と声を荒らげた。
名護市ヘリ基地反対協議会の安次富浩代表委員は、発言が環境影響評価書の年内提出を前提にしていることについて「本来なら、地方の出先機関は地元の怒りの声を含め諸問題を収集し、本省に上げなければいけない。(同局長のスタンスは)ただ上から言われただけの伝達係でしかない」と糾弾。発言については「日本の政府官僚の沖縄に対する差別意識の表れだ。個人の発言ではなく、組織的な沖縄に対する視点が言葉に出たものだ」と憤った。【琉球新報電子版】
■「知る権利」優先 本紙、オフレコ懇談報道
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-184651-storytopic-1.html
2011年11月30日
米軍普天間飛行場の移設問題に関する田中聡沖縄防衛局長の県民を侮辱した問題発言は28日夜、那覇市内で開かれた報道陣との非公式の懇談会であった。関係者の発言内容について記録、報道しないことを前提とした「オフレコ」形式の懇談だったが、琉球新報は読者に伝える責任があると判断して報道に踏み切った。識者はオフレコの原則よりも「国民の知る権利が優先される」と指摘する。
懇談会は各社負担する会費制で、県内外の9社の記者が参加した。午後8時ごろから始まった懇談は、テーブル中央に座った田中局長を記者が取り囲み、飲食を伴いながら、基地問題について意見を交わした。
政府が年内提出を予定する環境影響評価(アセス)の評価書提出問題に話題が移った時、本紙記者が「政府はなぜ『年内提出する』と明言しないのか」と問いただした。すると、田中局長は女性を乱暴することに例えて「これから犯す前に『犯しますよ』と言いますか」と応じた。田中局長は、1995年の少女乱暴事件後に、「レンタカーを借りる金があれば女が買えた」と発言し更迭されたマッキー米太平洋軍司令官(当時)の発言を自ら話題にし、肯定する言いぶりもあった。
公表を前提としないオフレコ内容を報道したことについて、沖縄防衛局報道室は「(懇談は)オフレコだ。発言は否定せざる得ない」とした上で、「(公表すれば)琉球新報を出入り禁止することになる」と警告してきた。
専修大学の山田健太准教授(言論法)は「メディアはオフレコを守る信義則はあるが、国民の知る権利はそれに優先される」と指摘。「全ての取材は報道する目的で取材するのが原則だ。公人がメディアに対する時、その後ろにいる国民に対して説明責任を果たす認識が必要だ。公共・公益性があると判断した場合、メディアは報道する原則に戻るのが大前提となる」と話している。
(転載ここまで)
以下、この件についてのいくつかの論考を賛同の立場からリンクします。
●五十嵐仁の転成仁語
11月30日(水) 政府の「本音」が出た田中沖縄防衛局長の「犯す」発言
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2011-11-30
2011-11-30 10:11
●Everyone says I love you !
沖縄を普天間基地移設で「犯す前にこれから犯すとは言わない」辺野古環境アセスについて沖縄防衛局長が暴言
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/23a640e2737ab2bf34e2fc6afe0ac6e7
2011-11-29 14:51:18
●人権は国境を越えて-弁護士伊藤和子のダイアリー
沖縄への基地強要は本質的にレイプと同じ
http://worldhumanrights.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-34aa.html
2011年12月 1日 (木)
防衛局長の「犯す」発言には本当に驚愕し、絶対に許せない。
このようなことを言う人が防衛局長であるということは本当にこの国の公務員の資質が疑われる。
絶望的な話である。
女性蔑視であると同時に、明らかな沖縄蔑視であり、辞任は当然だ。
実は、私が9月に沖縄に行った際も、この人物が就任直後からいかに住民の心情を傷つけてきたのか、聞いて 驚いていた。
心無い言葉で、人々を絶望的な気持ちにさせて、とても無力な思いをさせてきたのだ。
しかし、私は以前からずっと思ってきたし、今回はっきりとしたことがある。
本質的には、沖縄への基地強要はレイプと同じ凌辱なのではないか、ということだ。
・まず銃剣とブルドーザーという暴力によって侵入し、
・沖縄の上にのしかかり、その胴体の中心に、無理やり、奥深くまで、貫通しているのだ、
嫌だと叫び続ける人の声を無視して
・そして、命こそ宝、と平和を求める人々の尊厳や精神を蹂躙して、
貫通した基地は、海外で殺戮を繰り広げる
~魂をすら蹂躙している
・そして、騒ぐのを抑えるために金をばらまき、ばらまいたことに付け込んで売春婦だ、ゆすりたかりだ、という。
そして、基地の固定化をはかってきた米政府と歴代政権は、
この構造を正確に理解し、意図的に凌辱をしてきたのだ。
そして、被害者ではなく、加害者側にたち、いわば、レイプの見張り番をしていた。
基地問題経験の長いという防衛局長自身、この構造が
レイプであると百も承知であり、現場で見張りをしていたから、
日頃の認識が口を突いて出た。
辺野古アセスはまさに本質的にレイプなのである。
日本政府のトップは、局長らを現場に派遣して、汚れ仕事は現
場に任せ、実際に見張り番として手を汚していないかもしれない
が、本質的には、レイプの加害者の側に立っている。
一度は辺野古移設をやめようと努力を重ねた民主党政権だけれど、このままでは従前の政権と同じだ。
そして、沖縄を切り捨てて、「強行してしまえば、おとなしくなる」「無理やり犯してしまえば抵抗できなくなる。今やその時だ」と考えているのか。
本質がはっきりとした今、それでも民主党政権がアセスを強行するというのか、それが問われている。
(後略)
2011年12月 1日 (木)
(転載ここまで)
それにしても、政治が多くの暴力で成り立っている日本は本当に救いのない国です。どうしたら、「日本というレイプ犯」を更生させることができるのでしょうか...。私は更生の可能性を信じてはいますが、「日本」という国を更生させるにはとてつもなく長い年月が必要であることは間違いなさそうです。
関連記事。
■「強姦の被害者にも責任がある」論は、私が小声で提唱した「強姦予防法」の「正当性」を裏付けることになってしまいますけど...
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-649.html
(引用終了)
辺野古移転ごり押しがレイプ行為であるという自覚はお政府様側にちゃんとあるわけです。
防衛相も野田首相も不適切発言の謝罪はしましたが、レイプ行為である辺野古移転について強硬姿勢かわりなし、「理解いただけるように全力を尽くす」だそうです。
これって
「犯す前に、犯しますよと言いますか」と言ったことは悪かったけど、犯すことは悪くないのでやめませんよ、我慢して犯されてねってことですか。
自民、公明は防衛相の問責決議案を求めるそうですが、大臣がやめりゃいいってもんじゃありません。
許せないのはレイプ発言だけですか?レイプ行為そのものはいいのですか?もともと沖縄にレイプ政治を行ってきたのは自民党政治です。
もし本当に沖縄のために怒って問責決議案を出すのなら、野党は民主党に対しレイプ行為そのものを辞めるよう求めるべきでしょう。
そうではなく、単なる民主党攻撃の材料にしたいだけなら沖縄のために怒ってるわけではありませんから、これまた沖縄を愚弄していることになります。
繰り返しますが、お政府様はレイプ発言を謝罪するのだったら、それより罪の重いレイプ行為そのものをやめるべきです。これって言わずもがなじゃないでしょうか。
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