「悪徳商法に騙されない方法」みたいな本を書店でみかけることがありますが、「悪徳ポピュリストに騙されない方法」みたいな本があってもいいんじゃないか、ポピュリストが大衆をファシズムに扇動するマニュアルの種明かし本で、広く警告を発してもいいんじゃないか、と思わず感じてしまった考察を観測霊さんがコメントで紹介してくださいました。観測霊さん、いつもありがとうございます。
では、「逆・我が闘争」パイロット版(笑)を転載させていただきましょう。
http://miirakansu.tumblr.com/post/6446027822
(引用開始)
miirakansu:tumblr
橋下ツイッターを読み解くためのコツ
橋下ツイッターを冷静に読み解くための覚え書きとしてまとめておく。橋下徹氏の人格を貶めたり、中傷したりする目的ではなく、あくまで扇情的な彼の政治的発言を冷静に読み解いていくための便宜的な心得だということを断っておく。
1「腹を立てない」
腹が立ったらその前のツイートに立ち戻り、文脈を確認する。読んでいて腹が立つポイントで橋下は必ず論理を飛躍させる。面倒くさがらずにその都度文脈を確認する。腹が立つ部分は読み飛ばし、文脈を確認すると、橋下は根拠のないことを言っているのが分かる。良くも悪くも感情を揺さぶる言葉を差し込んで一瞬読み手の判断力を失わせ、同時に自分に都合のいいスローガンを刷り込ませようとしている。
2「橋下が気分を害したポイントを探る」
民意がどうとかマネジメントがどうとかもっともらしいことを言うので、確固たる政治思想の下に発言しているように錯覚させられてしまうが、実際は個人的に気分を害した腹いせに挑発的なことをまくしたてているに過ぎない。
自分が名案だと思って取り組んでいることにケチがつけられると烈火のごとく怒る。しかし、単に怒るだけでは自分の間違いや見込みの甘さがあらわになるだけなので、逆に相手の見込みが甘かったり、組織的に腐敗していたりするため正しい判断が下せないのだと主張する。
彼が積極的に推進したがる政策は単に彼自身がわくわくするとか、気分が盛り上がる、あるいは逆に個人的に嫌いな事柄だからという理由が核にあると考えた方がいい。また、彼の心の琴線に触れるかどうかは「大勢にウケる」という所にあるので、政策そのものは、反感を持たれながらも大きな支持を受けることにもつながる。
しかし、よく考えての決断ではないので実行されてみるといろんな問題が起こる。起こった所で問題の多くは公務員におしかぶされる。あるいは競争原理を適用した結果として個人の努力不足のせいにされてしまうので、橋下の失策として追及しにくい構図が作られる。
3「『競争』『民意』『マネジメント』は嘘」
競争、民意、マネジメントで全てが解決できるわけではない。橋下がこの3つを口にし出したら行政の責任を放棄し始めたサイン。
競争が起こるほど企業が参入しない領域もあるし、競争原理を推し進めたせいで安全性が損なわれる例など枚挙にいとまがない。行政機関には競争原理では立ち行かない領域を担ったり、安全性が損なわれないよう監視する役割がある。監視役にある行政サイドの人間がやたら競争を口にするのは危険なサイン。
橋下の言う民意は「嘘でも根拠があやふやでも、みんながうんと言ってしまえば勝ち」という意味で、後で嘘や見通しの甘さがはっきりしても「信じた方に責任がある」と言ってごまかす伏線をしょっちゅう張っている(例えばたまに「有権者も責任を負う。それが住民による自治」と言うのを見逃すべきではない)。橋下の政策立案能力はかなり低いと考えた方がいい。情報を吟味したり検証して最適解を導き出すような根気のいる作業が苦手なのだろう。
彼は自分の検証能力やこつこつ論理を積み上げていく能力が低いことを自覚している。代わりに脅しで相手を怯ませる戦法を発展させてのし上がってきたのだろう。官僚や有識者への敵意はコンプレックスの裏返しだと考えられる。
たまに「官僚は優秀」と持ち上げるのは、自分の無茶なプランが実行段階で暗礁に乗り上げたら「それは官僚が無能だからだ」とこき下ろすための伏線に過ぎない。
マネジメントで解決できるのは組織内の問題だけ。組織を取り巻くマクロな社会構造から生じる問題をマネジメントで解決できるように主張するのは政治家の責任を放棄するばかりか、不当な介入につながる。
(引用ここまで)
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