社会的弱者にしわ寄せが行くような節電ブームは「一億総動員」と同じ精神構造

前の記事の補足になります。

私的な話になりますが、私には埼玉に小学生の姪っ子がいます。
35度を越える猛暑なのに、教室の扇風機は節電のために止められているそうです。 子供や親がつけるように頼んでも先生は聞き入れてくれません。
当然暑くて子供達は勉強に身が入りません。特に姪っ子はアトピーなので蒸し風呂のような教室では体が痒くなって全然集中できません。

せめて冷たいお茶を水筒で持参させてやりたいと親が頼んでも学校は聞き入れず、学校の水道の水を飲めと言い続けたそうです。埼玉の水道水の放射能は国から安全宣言が出てるのだから問題ない、とのこと。
以前ペットボトルでお茶を持ってきた子供がそれを教室に忘れて帰ってしまい、次の日それを飲んでお腹を壊したことがあるらしく、それ以来学校は一律にお茶持参を禁止してるそうです。
学校に忘れていったお茶を飲んでおなかを壊した子供が出たのなら、忘れたお茶は次の日飲まないように指導すればいいのであって、全員お茶持参禁止だなんて随分不合理な指導です。
この学校では校庭で誰か一人でも子供が転んでけがしたら、校庭で遊ぶことを一切禁止するのでしょうか？

子供にこのようなガマンを強いるからには当然先生方も、職員室ではクーラーも扇風機も使わず、ぬるくてまずくて信用できない官制データで安全宣言出された水道水しか飲めない子供達にあわせて水道水を飲んでらっしゃるんでしょうね？

親からのかなりの要望で最近やっと水筒は解禁になったらしいですが、学校は熱中症で倒れる子供がでない限り「節電」のため扇風機を動かさないつもりでしょうか？
昨今は節電のために扇風機が売れてる位なのに、その扇風機を止めていかほど節電に貢献できるというのでしょうか？

埼玉県教育委員会の体質はかなり痛いと聞きますが、首都圏では節電で照明を落とされて弱視などの視覚障害者が恐い思いをしているようです。

「みんなが脱原発しましたよ」
「みんなが節電してますよ」
「みんなが・・・」

一億総動員的な節電ブームですが、日本のような横並び社会では、えてして「我慢は美徳」の非合理的な根性論、精神論が押しつけられ、社会的弱者に真っ先にしわ寄せが行くのではと心配です。特に石原氏や橋下氏のような人物が首長にいる地域では。

現に橋下氏は「原発推進かエアコンを切るか」という非合理的な二者択一を迫っています。こういう選択肢の立て方は原発推進派の論理なのですけどねｗ
ちなみに橋下氏は各家庭のエアコンを切れと言ってるくせに、「御堂筋イルミネーションは今任期最後の総仕上げ。電力は余っておりイルミネーション消す必要はまったくない」だそうですよ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110629/lcl11062920210008-n1.htm

節電それ自体は良いとしても、社会的弱者にしわ寄せが行かないような節電の仕方があるはずだと思います。
それとも社会的弱者保護の視点など、社会的弱者の「甘えでしかない」とでもいうのでしょうか？まるでワーキングプアに陥ったのは自己責任、生活保護を受けようなんて「甘えでしかない」というのと同じように。

一億総動員、「欲しがりません勝つまでは」
節電ブームがそうならないように、と思います。