(補足)正しい情報を出したがらない国と東電の態度が国民を不安にさせている
- 2011/03/22
- 05:00
Ⅰ.国や東電の認識の甘さや隠蔽体質を示す記事はたくさんありますが、そのうちのいくつかをここからあげておきましょう。
(尚、今まで「国と東電」というように一緒くたにして書いてきましたが、東電の隠蔽体質のほうが、より酷そうな感じ)
◆Daily JCJ
ひどすぎる福島第1原発緊急事態をめぐる政府、保安院、東電の対応(3/14)
◆独メディア「日本政府は事実を隠蔽、過小評価」(3/16)
【ベルリン=三好範英】
ドイツでは、福島第一原発の爆発や火災などに関する日本政府の対応について、不信感を強調する報道が目立っている。
被災地で救援活動を行っていた民間団体「フメディカ」の救援チーム5人は14日、急きょ帰国した。同機関の広報担当者シュテフェン・リヒター氏は地元メディアに対し、「日本政府は事実を隠蔽し、過小評価している。チェルノブイリ(原発事故)を思い出させる」と早期帰国の理由を語った。
メルケル首相も記者会見で「日本からの情報は矛盾している」と繰り返した。
(引用ここまで)
(追記)◆未曾有の震災が暴いた未曾有の「原発無責任体制」
(引用開始)
今回の事故でも、東電側はどうでもいい数値を事細かに発表し、肝心の炉の異変についてはほとんど口を閉ざし、事態の悪化を覆い隠そうとしている。
たとえば、2号機の格納容器内にあるサプレッションプール(圧力抑制室)の異常については、「格納容器の損傷」というタイトルではなく、「職員の移動」というタイトルで資料を配る。なぜ職員が2号機から退避したのかと問い詰めて初めて、格納容器破損の可能性があるから、ということになる。包み隠さずではなく、包んで縛って丸めて隠すのである
(引用ここまで)
◆情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)
福島原発の現状~東電記者会見で東電が回答しないことに注目しよう!(3/21)
(引用開始)
毎回、東電が話したくもないことばかり聞いてきた。
残念ながら、結局、現場の放射線量の詳細な内容、作業員の被ばく量などはいまでもほとんど明らかにされていない。
他方、消防庁、自衛隊は、放水作業時の放射線量、従事者の被ばく量を直ちに明らかにしている。
20日未明の会見でも、東電は、作業現場の放射線量について、4号機の周辺で毎時4ミリシーベルトだとだけ説明した。
そのまま会見が進み、終了しようとした際に、2号機周辺の放射線量について聞いたところ、毎時20ミリシーベルトと答えた。
なぜ、最初から、両方の数値を明らかにしないで、小さい数値だけを出すのだろうか?
また、20日午前中、2号機の格納器内の温度が高く圧力が高いので、ベント(空気抜き)をする可能性があることが保安院で発表され、東電でも発表された。その際、東電は、水を通さないでそのまま格納器内の気体を外へ出すドライベントと、いったん、水を通す方法(ウェットベント)を検討していると説明したが、なぜ、ドライという危険な方法をとるのかの説明はなかった。
ところが、その日の夜の会見で、記者が突っ込んだ結果、水を通す方法が物理的にとれない状態であったことが明らかとなった。あまりに不誠実な対応と言うしかない。危険な状態を隠すのではなく、正確に伝えることが求められている。
…とはいえ、何を東電が答えられていないかから、状況を判断することは可能だと思う。
ニコ生( http://live.nicovideo.jp/ )や岩上さんのサイト( http://ow.ly/4iqbw )で、東電だけでなく、保安院などの会見も全て流している。これらにおける記者の質問と回答を見ていれば、状況が必ずしも簡単なものではないことが分かるはずだ。
各自、判断をしてほしい。
もちろん、いまは非常時なのだから、会社の都合はあるだろうが、不利益な情報も開示をしなければ、パニックを助長するだけだ。
(引用ここまで、行間は詰めました)
◆asahicom
国、住民の被曝予測公表せず 研究者らが批判2011年3月21日23時45分
住民の被曝(ひばく)量や放射性物質が降る範囲の予測を国が公表していないため、研究者らから批判が出ている。文部科学省が委託した機関が1時間ごとに計算し原子力安全委員会に報告しているが、国は「データが粗く、十分な予測でないため」と説明している。
予測システムはSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)と呼ばれる。原子力安全技術センター(東京)が、原発の位置、放射性物質の種類や量、放出される高さ、地形などを元に、最新の風向きや風速のデータを加えて計算。日本全域を250メートル四方に区切り、それぞれの場所にすむ人が吸入などで被曝する量を予測する。
同センターによると、11日の地震発生約2時間後から、東京電力・福島第一原発について計算を始めた。放射性のヨウ素や希ガスについて、放出量の見積もりを何段階かに変化させて計算。1時間ごとに2時間後までの被曝予測データを、原子力安全委員会に報告しているという。
原子力安全委員会事務局は「放射性物質の種類や量、放出時間などの推定が粗いので、避難などの判断材料としては使っていない。その状況なので軽々しく公表できない」と説明している。
一方、長瀧重信・長崎大名誉教授(被曝医療)は「条件がそろわないと予測できないというのはおかしい。国は持っているデータをすべて公開することが大事だ。根拠をもとに住民と相談して、対応を決めるのが原則ではないか」と話している。
福島第一原発から出た放射性物質の拡散予測について、米原子力規制委員会(NRC)は「あくまで推定で、実際とは異なるかもしれない」と注釈つきで公表。米国はこれらを参考に原発から半径80キロメートル以内にいる米国人に避難を勧告した。また、フランスやオーストリアの研究所なども拡散する様子の動画をホームページなどで公開している。(木村俊介)
Ⅱ.尚、原子力資料情報室は、最悪の事態に備えてより遠方への避難を政府に求めています。
原子力資料情報室からのメッセージ(1)
原子力資料情報室からのメッセージ(2)
2011年3月18日
(略)
7 現状では、放射能が大規模に放出されるような事態には、至っていません。しかし、今後、そのような最悪の事態が生ずる可能性は否定できません。その場合には、政府が設定している現在の避難範囲では、不十分なことは明らかです。
8 最悪の事態に至る可能性がある具体的な事象は、原子炉水位のさらなる低下による核燃料の溶融(メルトダウン)、大規模な爆発、使用済み燃料プールからの放射能大量放出などがあげられます。
9 政府および東京電力は、これらの事象につながる状況の変化について、迅速かつ正確な情報提供をするべきです。特に、放射線量の測定は、政府および東京電力だけではなく、各自治体や民間でも測定されています。政府は、これらのデータを収集して、誰もが容易にアクセスできるような体制を速やかに構築すべきです。
原子力資料情報室からのメッセージ(3)
2011.3.20
多大な努力にもかかわらず、福島第一原発で、プルトニウムをふくむ燃料を装荷している3号機から放射能が大量に放出される危険性が増大しています。特に心配されるのは、20から30キロ圏内で屋内待避を強いられている方々であり、可能な限りすみやかに遠方へ避難するべきと考えます。妊婦、小児、児童から優先的に避難できる手立てを取ることを私たちは政府に求めてきました。改めて強く政府の決断を求めます。
30キロ以遠でも相当量の放射能が届く恐れのある地域からは、やはり避難の必要があります。条件を整えて迅速に避難できるような体制をとることを求めます。
(なお、短時間この地域に立ち入って救援活動を行うことによる大きなリスクはないと考えます)
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