早く書きたかったのですがすっかり遅くなってしまいました。
2割しかいない少数派の府民さんがコメントをくださいましたが、米国務省のメア日本部長(前在沖米総領事)が信じがたい侮辱的な発言を行いました。
法廷で、被告人(加害者)が被害者面して被害者を罵るという許し難い行為を行うことがしばしばありますが、メア発言はまさにそれ。盗っ人猛々しい以上です。
アメリカは沖縄に散々世話になっておきながら、この言いぐさは何でしょう。戦後60年以上も沖縄は自分を犠牲にしてアメリカ様のために尽くしてきたのに、恩を仇で返すような仕打ちしかできぬのなら、とっとと出てってもらいましょう。
いくつか報道記事を怒りをこめて記録しておきます。
沖縄では7日の報道だったのに中央では8日と1日遅れだったのと、微妙な論調の違いも記憶しておきましょう。
ちなみに沖縄タイムスと琉球新報ではメア氏差別発言問題をまとめています。
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http://www.okinawatimes.co.jp/category/%E3%83%A1%E3%82%A2%E6%B0%8F%E5%B7%AE%E5%88%A5%E7%99%BA%E8%A8%80/1/●
http://ryukyushimpo.jp/news/storytopic-231.html◆琉球新報
メア氏差別発言問題 「沖縄、ゆすりの名人」 メア米日本部長が発言
2011年3月7日
米国務省のメア日本部長(前在沖米総領事)が昨年末、米大学生らに国務省内で行った講義で、日本人は合意重視の和の文化を「ゆすりの手段に使う」「沖縄はごまかしの名人で怠惰」などと発言していたことが6日までに分かった。メア氏は米軍普天間飛行場の移設問題など日米交渉に実務者として深く関与、移設先を名護市の辺野古崎地区とした現行案決着を米側で強く主張してきた人物の一人。発言は差別的で、日本と沖縄への基本認識が問われる内容だ。
講義を聞いた複数の学生がメモを基に作成した「発言録」(A4判3ページ)によると、メア氏は「日本の和の文化とは常に合意を追い求める」と説明した上で「日本人は合意文化をゆすりの手段に使う。合意を追い求めるふりをしながら、できるだけ多くの金を得ようとする」と述べた。沖縄については日本政府に対する「ごまかしとゆすりの名人」「怠惰でゴーヤーも栽培できない」などと発言。普天間飛行場は「(住宅地に近い)福岡空港や伊丹空港と同じ」で特別に危険でないとし、日本政府は仲井真弘多知事に「お金が欲しいならサインしろ」と言うべきだと述べている。
講義は米首都ワシントンのアメリカン大の学生ら14人に対して、彼らが東京と沖縄へ約2週間の研修旅行に出発する直前の昨年12月3日、大学側の要請で行われた。
発言録を作成した学生たちは「メア氏は間違いなくこのように言った」と証言。「米政府の地位ある人物の偏見に満ちた言葉にとても驚いた」「人種差別的発言と感じた」などと話している。
◆「正確ではない」
ケビン・メア米国務省日本部長の話 学生たちにはオフレコ(公にしないこと)で講義を行った。彼らが私の発言をどのように解釈し、ノートに取ったかまでは関知し得ないが、学生からの2次的な情報を基に、特定の発言を私の発言とするのは不適切だ。発言録は正確でも完全でもない。
◆asahicom
「沖縄県民は、ごまかし・ゆすりの名人だ」米国務省部長
2011年3月7日21時34分
【ワシントン=伊藤宏】米国務省のケビン・メア日本部長(前在沖縄米総領事)が昨年12月、米国の大学生を相手にした説明会の中で、沖縄県民を「ごまかし、ゆすりの名人」と述べるなど、差別的とも取れる発言をしていたことがわかった。沖縄県議会は抗議決議をする方針で、同県内で反発が広がっている。
説明会は昨年12月3日、首都ワシントンのアメリカン大学の学生を対象に行われた。メア氏は、沖縄に研修旅行に訪れる十数人に対し、「米軍基地が沖縄に与える影響」と題して話したという。一部の学生が、その内容を発言録として記録していた。参加した学生は「オフレコ(会話の内容を外部に漏らさないこと)の会合かは決められていなかった」と話している。
この発言録によると、メア氏は「日本は和の文化であり、合意形成は日本文化にとって大切だ」と説明した上で、「合意形成を装いながら、できるだけ多くの金を取ろうとする。沖縄の人々は、東京に対する、ごまかし、ゆすりの名人だ」と述べたという。
メア氏は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の危険性について「沖縄の人々は普天間が世界で最も危険な基地だと主張するけれども、彼らはそれが真実でないことを知っている」としたうえで、「福岡空港や大阪の伊丹空港も同様に危険だ」と述べたという。
また、メア氏は、日本の政治家は「常に建前と本音を使い分ける」としたうえで、「沖縄の政治家は東京での交渉で合意しても、沖縄に帰ると合意していないという」と語ったとされる。説明会では、「沖縄の人々より、他県の人の方が、より多くゴーヤーを生産する。沖縄の人々は、怠惰でゴーヤーも育てられない」との発言もあったという。
◆msn産経ニュース
「ごまかし・ゆすりの名人」沖縄県議会が抗議の決議 米国務省部長に撤回求め
2011.3.8 11:22
沖縄県議会は8日、「沖縄の人は日本政府に対するごまかしと、ゆすりの名人」などと発言した米国務省のメア日本部長(前駐沖縄総領事)に対し、発言の撤回と謝罪を求める抗議決議を全会一致で採択した。高嶺善伸議長ら県議会代表は週内にも東京の在日米大使館を訪問し、決議文を提出する方針。
那覇市議会も同日、メア氏に発言撤回と謝罪、日本部長の辞任を求める、ほぼ同内容の抗議決議を全会一致で採択した。
県議会の決議によると、メア氏の発言は「沖縄県民の心を踏みにじるもので、県民を愚弄(ぐろう)し、侮辱した発言で、断じて許せるものではない」と厳しく非難。
米軍普天間飛行場移設問題など日米交渉に実務者として深く関わってきたメア氏について「(駐沖縄総領事)在任中にも沖縄への差別的言動を繰り返してきた経緯がある。今なおこのような認識をもっていることは遺憾で、決して看過できない」と批判。メア氏のほか、米国務長官と駐日米大使にも抗議している。
(ちなみに論外なのは、
3/9付けの産経抄。当然と言えば当然ですが。
沖縄が愚弄されたことをさも怒ってるように書きながら、結局言いたいのは憲法9条を改正しろってことですから、我田引水にもほどがあります。)
これに対してさすがに政府も抗議したようです(速攻で抗議声明を出してもらいたかったですが、反射神経の鈍いこと。)
◆東京新聞
枝野長官がメア氏を非難 「国民感情傷つけ容認し難い」
2011年3月8日 18時32分
枝野幸男官房長官は8日の参院予算委員会で、沖縄の人を「ごまかしとゆすりの名人」などとしたメア米国務省日本部長の発言について「事実なら、沖縄県民のみならず、日本国民の感情を傷付けるもので容認し難い」と厳しく非難した。その上で「米国内でも対応を検討し、近く説明があると理解している」と述べた。
メア氏の発言をめぐっては在日米大使館は「米政府の見解を反映していない」との声明を発表するなど沈静化に努めているが、沖縄県議会が抗議決議を採択するなど波紋はさらに広がりそうだ。
北沢俊美防衛相も記者会見で、メア氏の発言について「事実とすれば、まったく沖縄県民を愚弄し、極めて遺憾だ」と述べた。
◆沖縄タイムス
菅首相「発言が事実なら遺憾」
政治 2011年3月9日 09時30分
(4時間3分前に更新)
【東京】菅直人首相は8日、米国務省のメア日本部長が「沖縄はゆすりの名人」などと発言したことについて「そういう発言があったとすれば大変、遺憾なことだ」との考えを示した。官邸で記者団に語った。枝野幸男官房長官は同日、ルース駐日米大使と電話会談し、「発言が本当なら極めて不適切で沖縄と日本人の心情を傷つけたことになり、容認できない。こうした報道自体、極めて好ましくない」と抗議したことを定例会見で明らかにした。
ルース氏は「発言は米政府の公の立場を反映していない。極めて遺憾に思う。私も沖縄に深い敬意を抱いており、今回の状況を克服するべく努力したい」と述べたという。
日本政府は発言が報道された7日午前に外務省が事務レベルで在日大使館に遺憾の意を申し入れた。8日午前にルース氏が枝野氏との会談を要望し、同日午後に電話で会談した。
会談後の会見で枝野氏は発言の有無や真意の確認を米側に要請していないとした上で「具体的にどうした対応を取るかは米政府の問題。しっかりと対応してもらえると期待し、信頼している」と述べるにとどめた。沖縄の基地問題に与える影響について「沖縄の心情を大きく害する。県民の感情によって(基地問題に)影響が出ることが懸念される」との考えを示した。
メア氏が米国務省の日本部長として適任かとの質問には「一義的に米国政府が考えること」などとしつつ、「日本部長がそういうことをいうのは容認しがたい」と不快感を示した。
しかし政府のこれらの抗議は単に「抗議しましたよ」という体裁を整えるためだけと言わざるをえません。
次の報道の通り「これが事実なら遺憾」という言い方で、これが事実かどうかそもそも確かめる気がないのですから。
◆
琉球新報メア氏発言で枝野氏、米側に照会せず
2011年3月7日
【東京】枝野幸男官房長官は7日午前の記者会見で、米国務省のメア日本部長が沖縄県民をゆすりの名人だなどと発言したことについて「実際にどう発言したか承知していないのでコメントは控えたい。日米間ではさまざまな問題で日ごろから不断の協議、連携を図っていて相互理解を深めている。報道のみをもって一つ一つの発言を確認する必要はない」と述べ、米側との信頼関係から発言内容を米側に照会しない考えを表した。【琉球新報電子版】
政府からして沖縄をバカにしてます。
我が国の国民が「ゆすりの名人だ」と外務省に属する公人から侮辱されたら、沖縄県民いえ、日本国民の名誉のために直ちに事実確認を行い、アメリカの大使を呼び出して烈火の如く怒るべきレベルでしょうに。
なのに枝野氏のこの腑抜けた対応にはほんとに情けない思いがします。
沖縄県議会はメア氏の解任を要求していますが、ついでに枝野氏の非難決議をしてもいいくらいです。
そもそもメア氏という人物は沖縄差別発言を繰り返してきた人物のようで、こんな人物に文句を言わず唯々諾々と日本政府は従ってきたわけですから、政府もまたメア氏と一緒になって沖縄差別を続けてきたわけです
〈メア氏発言〉沖縄在任中、差別的言動繰り返す
2011年3月7日
米国務省のメア日本部長は前在沖米総領事を務めた2006年~09年も沖縄に対し差別的とも取れる発言や行動を繰り返し、反発を招いてきた。
就任翌月の06年8月、米軍普天間飛行場周辺の住宅が密集した現状に「普天間は特別ではない。飛行場として特に危ないとは思わない」との認識を示した。
07年6月、米海軍掃海艦の与那国島寄港計画について「日本の安全保障に貢献している米海軍の入港になぜ反対するのか理解しにくい」と疑問を呈した。
08年2月、米兵女子中学生暴行事件を受けた平和団体の抗議行動に対応せず、飲食店に出掛けたため団体側が反発。メア氏が入った飲食店前で抗議行動を展開した。同年4月には日米地位協定改定の動きについて「ある政治家と団体が政治的に利用し、政争の具にしようとしていることは非常に残念だ」と批判した。
同年7月、普天間飛行場は米軍内部の安全基準に違反しているとする伊波洋一宜野湾市長の指摘に「なぜ滑走路の近くの基地外に、宜野湾市が建設を許しているのか疑問」と反論。同年8月には、沖縄国際大ヘリ墜落事故に対し県警が行った捜査について「米側が調査し原因は分かっているのに、整備員の名前を聞いて(県警が)何を調査したいのか疑問だ」と述べた。
09年4月、米海軍掃海艦の石垣港寄港に反対する市民らが港の金網に掲示した横断幕がなくなったことに「置いていた物が取られても捨てられたごみを片付けただけではないか」と発言。
同月、米総領事館に隣接する浦添市当山のコーヒー店で客の男性にホットコーヒーを掛けられた上、胸を両手で押された。
さて、騒ぎが大きくなってきたのでアメリカも対応せざるをえなくなったようです。
沖縄侮辱発言「個人的に陳謝」=事態沈静化狙う―米国務次官補
時事通信 3月9日(水)7時43分配信
【ワシントン時事】キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は8日、沖縄県民を「ゆすりの名人」などと侮辱したケビン・メア国務省日本部長の発言は「残念であり、深く失望している」との見解を示した。その上で、「発言に関する報道が引き起こした誤解について個人的に謝りたい」と述べた。9、10両日の訪日時に日本側に直接陳謝する意向も表明した。
出発に先立ちワシントン郊外のダレス空港で記者団に語った。キャンベル氏の発言について、クローリー国務次官補(広報担当)は8日の記者会見で、「(報道により)影響が出たことに個人的なおわびを伝える考えを示したものだ」と説明した。
メア氏の上司で、オバマ政権の対日政策を統括するキャンベル氏の陳謝により、事態の沈静化を図る狙いとみられる。ただ、メア氏の発言の非を認めず公式の謝罪を避けることに、地元・沖縄の反発が一層高まる可能性もある。
キャンベル米国務次官補の発言要旨は
こちら。
この記事も指摘していますが「個人的に」誤りたいってことは、公式には非を認めてないってこと。
もちろんメア氏にお咎めもなし。
ふざけてますね。アメリカ傀儡腰抜け政府や沖縄差別に荷担している本土の人間はこれでなだめられるかも知れませんが、沖縄県民には火に油でしょう。
これは地元沖縄県民だけではなく、日本全体が反発すべき問題です。我々の同胞が耐え難い侮辱を受けたのですから。
これぞ「国辱」です。
我々の同胞がここまで蔑まれコケにされてどうして黙っていられましょうか。
「日本人」なら怒るべし!
(少々「愛国風」に書いてみました)
【公開前の追記】
その後キャンベル氏は「個人的謝罪」を「米政府としての見解」として「国代表し心から陳謝」に格上げ、メア氏は更迭されました。
◆asahicom
・
メア氏発言、キャンベル米次官補「国代表し心から陳謝」・
米、「ゆすり名人」発言メア氏を更迭 後任にデミング氏しかし、更迭されてめでたしめでたしという気分にはとてもなれません。
今高江で行われてる工事強行や辺野古ごり押しは、沖縄県民を人とも思っていない証拠ではないですか。
沖縄県民を愚弄したのを申し訳ないとアメリカが思うなら、そして、その愚弄発言は日本人を傷つけたと日本政府が抗議するなら、どうして今も高江や辺野古のような真似ができるのですか。
むしろメア氏の発言の方がアメリカのどろどろした本音だし、抗議はしたもののメア氏の発言についてアメリカに照会しないという政府の及び腰の姿勢こそが本音だと言わざるをえません。
表面だけの謝罪の言葉はいりませんし、小物の更迭でお茶を濁されるのもゴメンです。
沖縄を陵辱する気はないというなら、日米両政府ともそれを行動で示すべきです。沖縄県民を尊重する証として、高江での工事強行や辺野古ごり押しをやめるべきです。
それから細かい事ですが、自分のいい加減な思い込みだけで愚弄する人物が日本部長の座についていたことの証拠となる記事を。
◆琉球新報
ゴーヤー生産 沖縄首位 メア氏発言「明らかな事実誤認」
2011年3月10日
米国務省のケビン・メア日本部長が「ゴーヤーの栽培量は他県の方が多い。沖縄の人は怠惰過ぎて栽培できないからだ」と発言した問題について、県や県内農業団体は差別的表現への反発に加え、明らかな事実誤認に対してあきれ果てている。小那覇安優・JA沖縄中央会長は「地域作物だったゴーヤーが全国で食され、他県でも栽培されるようになったのは、市場拡大への沖縄の努力があったからだ」と憤りを隠さない。
自分のいい加減な思い込みで他人を侮辱するという人格態度はイシハラシによく似てるな、と思っちゃいました。
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