大江岩波裁判は控訴審も原告完全敗訴
- 2008/11/01
- 02:55
判決要旨はこちら→PDF1、PDF2、PDF3
原告が控訴審で新たに出してきた「宮平幸秀証言」はあまりにお粗末すぎて、原告の主張は一審にもましてボロボロでした。
この宮平幸秀証言について、判決要旨では、
「到底採用できず」
「明らかに虚言であると断じざるをえず、これを無批判に採用する意見書、報道、雑誌論考等関連証拠も含めて到底採用できない」
と、ばっっさり斬り捨てています。この証言に多大な労力を注いできた藤岡先生が気の毒になるほどです。
控訴審では何故かとうとう原告本人をさしおいて全面にでてきた他人の藤岡先生、ピ~ンチ!
上告するらしいですがやめたほうが・・・恥の上塗り。多額の訴訟費用をみすみすどぶに捨てるなんてもったいない・・^^;
この基準によれば、もう原告に対する名誉毀損成立は絶望的ですね。原告には一審よりも更に厳しい内容と言えるかもしれません。
控訴審判決は一審を全面支持していますので内容の検討はこのくらいにします。最高裁に行ってもおそらくこの判断は覆らないでしょう(と信じたい)
昨日の国連の人権委員会の最終見解でも、慰安婦についてきちんと教科書に掲載することが求められていますが、沖縄戦についても全く同じ事が言えると思います。
文科省は今回の教科書検定による記述書き換えを一刻も早く撤回すべきです。
この裁判で、書き換えの根拠はすっかり崩れました。歴史的通説をひっくり返す新しい学術的資料すらまともになかったことが一審二審を通じて証明されてしまったのです。
検定に正当性を持たせるために始めた裁判が、かえって検定の欺瞞をあばくことになろうとは、ほんとに皮肉な自爆です。さすが自爆史観(笑)
この検定が戦前回帰の政治的意図のもとになされた政治的介入であることはもう言い逃れできませんが、文科省は原告敗訴が最高裁で確定するまで撤回に抵抗するつもりでしょうか?
しかしそれは全く筋の通らないことです。
軍命で集団自決がなされたというのがこれまでの史実、通説であり、今回の訴訟はそれまでの通説を覆そうとするものであるから、本来なら、軍命がなかったとの確定判決が出てから初めて教科書記述を書き換えようか、という話になるのが論理的な道筋なのです。
教科書検定制度自体を、廃止も視野に入れて根本的に見直さなくてはなりません。
軍の強制記述の教科書検定が裁判に持ち込まれたのはこれで家永訴訟につづき2回目。今回の裁判はほぼ二番煎じだといっていいでしょう。
今の検定制度のままでは、また自爆史観者が沖縄戦に限らず手をかえ品をかえて、自分たちに都合よく教科書をゆがめようとするに違いありません。
蛇足ですが、他紙とはテイストが違う産経新聞をメモ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080329/trl0803290218000-n1.htm
【主張】沖縄集団自決訴訟 論点ぼかした問題判決だ
2008.3.29 02:17
このニュースのトピックス:メディア倫理
沖縄戦で旧日本軍の隊長が集団自決を命じたとする大江健三郎氏の著書「沖縄ノート」などの記述をめぐり、元隊長らが出版差し止めなどを求めた訴訟で、大阪地裁は大江氏側の主張をほぼ認め、原告の請求を棄却した。教科書などで誤り伝えられている“日本軍強制”説を追認しかねない残念な判決である。
この訴訟で争われた最大の論点は、沖縄県の渡嘉敷・座間味両島に駐屯した日本軍の隊長が住民に集団自決を命じたか否かだった。だが、判決はその点をあいまいにしたまま、「集団自決に日本軍が深くかかわったと認められる」「隊長が関与したことは十分に推認できる」などとした。
そのうえで、「自決命令がただちに事実とは断定できない」としながら、「その(自決命令の)事実については合理的資料や根拠がある」と結論づけた。
日本軍の関与の有無は、訴訟の大きな争点ではない。軍命令の有無という肝心な論点をぼかした分かりにくい判決といえる。
訴訟では、軍命令は集団自決した住民の遺族に援護法を適用するために創作された、とする沖縄県の元援護担当者らの証言についても審理された。大阪地裁の判決は元援護担当者の経歴などから、証言の信憑(しんぴょう)性に疑問を示し、「捏造(ねつぞう)(創作)を認めることはできない」と決めつけた。
しかし、本紙にも証言した元援護担当者は琉球政府の辞令や関係書類をきちんと保管し、経歴に疑問があるとは思われない。これらの証言に対する大阪地裁の判断にも疑問を抱かざるを得ない。
集団自決が日本軍の「命令」によって行われた、と最初に書いたのは、沖縄タイムス社編「鉄の暴風」(昭和25年、初版は朝日新聞社刊)である。その“軍命令”説が大江氏の「沖縄ノート」などに引用された。その後、作家の曽野綾子氏が渡嘉敷島などを取材してまとめたノンフィクション「ある神話の背景」で、「鉄の暴風」や「沖縄ノート」の記述に疑問を提起し、それらを裏付ける実証的な研究も進んでいる。
今回の判決は、これらの研究成果もほとんど無視している。
判決前の今年2月、座間味島で日本軍の隊長が集団自決を戒めたとする元防衛隊員の証言も出てきた。控訴審で、これらの新証言も含めて審理が尽くされ、適正な判断を期待したい。
さすがに未練タラタラ。とうに破綻したことをいまだに蒸し返してますね。産経は一審の時は随分原告に肩入れしてたそうですから。
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