大連立=大政翼賛会が確立したら民主主義がまた一歩死にむかう
- 2010/12/15
- 21:00
大連立、大政翼賛会と批判の可能性…官房長官
2010年12月10日(金)22:44
仙谷官房長官は10日収録のBS朝日の番組で、与党と自民党との大連立について、「論理的には間違ってないオプションだ」との考えを表明した。
だが、一方、「政治の世界はそれだけでそういう風に(ならない)。野合だ、大政翼賛会だという批判が出たり、実態としてそうなる可能性もある」と慎重な見方も示した。
これに関連し、菅首相は同日、首相官邸で記者団に「大連立について、申し上げることはない」と述べた。
前エントリーに書いたように、民主党は去年の衆院選当初掲げた理念をほとんど全部放り投げて自民党路線政治に回帰していますから、そういう意味では自民との連立は「論理的には間違ってない」と言えますね(皮肉)。
ですが、去年自民党政治に真っ向からNOを突きつけた民主党が大勝してまだたった1年。あれから何の変化もない自民党に秋波を送るのは、民主党に票を投じた国民への裏切りだとは思わないのでしょうか。そういう意味では「論理的に大間違い」だと思いますが。
なんでも菅首相は、あの極右政党立ちあがれ日本の与謝野氏にも接近したとか。
(http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101206/plc1012061922023-n2.htmより)
多数派になるためならもう信条も理念もへったくれもない、なりふり構わずですね。
一方、小沢さんの方はといえば、こちら。
小沢・鳩山由・鳩山邦・舛添4氏 連携、再編にらみ会談
2010年12月9日(木)08:00
民主党の小沢一郎元代表、鳩山由紀夫前首相と実弟で無所属の鳩山邦夫元総務相、新党改革の舛添要一代表が8日夜、東京・麹町のすし店で会談した。今後の連携の可能性のほか、政界再編も視野に入れた突っ込んだ話し合いをしたとみられる。菅直人首相の支持率が低下し、小沢氏の国会招致問題をめぐり民主党内の対立が激化しているだけに、野党も巻き込んだ多数派工作の始まりといえる。
夏の参院選後、由紀夫氏と邦夫氏の兄弟会談は時折行われているが、小沢氏に舛添氏を加えた4人が顔をそろえるのは初めて。参院選での民主党の大敗を受け、他党の協力を取り付けるため由紀夫氏が1カ月前から呼びかけていた。
会談では「このままでは国がダメになる」などと首相の政権運営を懸念する声が噴出。小沢、由紀夫両氏は「今の与党中枢は危機感がない」と批判。また民主党執行部が小沢氏の招致に向けて動き出したことに対し、由紀夫氏が「協力しようにも(首相は)私たちを切って政権浮揚させようとしているからやりようがない。それが一番の悩みだ」と打ち明けたという。舛添氏は党派を超えて協力する意向を示した。
舛添氏をめぐっては、首相サイドも政権基盤の強化策の一つとして、取り込みを図ろうとしている。民主党関係者によれば、首相は改革が平成22年度補正予算に賛成したことに喜び「連絡をとってじっくり話をしたい」と語ったという。
岡田克也幹事長も最近、舛添氏と雑誌で対談するなど、連携に意欲を示している。知名度の高い舛添氏を味方に引き入れることができれば今後の政局で有利になると、首相、小沢氏ともにらんでいるとみられる。
舛添氏は東京都知事選への出馬も取り沙汰されているが、7日のCS番組では「今は日本を救うのが先だ」と明言。低迷している首相との連携には迷いもあることから、小沢氏や由紀夫氏らとの会談に踏み切ったようだ。
『会談では「このままでは国がダメになる」などと首相の政権運営を懸念する声が噴出』だそうですが、あのマスゾエシや鳩山弟と連携する方がよっぽど「国がダメになる」と思うのは私だけでしょうか?
民主党代表選のときの討論を見ても分かるように、菅さんと小沢さんはその政策や主張においてほとんど違いがありません。二人とも新自由主義、小さな政府志向という、有り難くない‘第二自民党路線’です。「アメリカの言いなりにならない」はずの小沢さんだって、普天間基地問題について菅さんとさしてかわりないのです。
(こちらを参考に http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-category-22.html)
特に小沢さんは、ナベツネシの提唱した大連立に乗ろうとした前科で信頼できないのは明らかですし、今現在尾張のポピュリスト河村氏をバックアップしてるのもいただけません。
つまりこの連立の模索は、政策なし節操なし、あるのは自分の派閥権勢を拡大する政局ゲーム、単なる覇権争いでしかないと感じます。
小沢さんが分裂して新党を作ろうが、どういう組み合わせで大連立が行われようが、どちらにしろ同じ事、去年政権交代で政治を変えることを民主党に期待した国民への裏切りです。国民を単なる票田としか思っていない、国民をバカにしきっているのがよく伝わってきます。
こんな政局ゲームほどくだらない、有害なものはない。こういう政局政治が日本をダメにしているのだと私は思います。
そして、もし連立が実現してそれが国会の圧倒的多数を占めるようなことがおこれば、国会は完全に形骸化するという最悪の結果がもたらされるでしょう。今でさえろくに議論が尽くされないまま法案が議決されてしまうのに、大連立政権ができたら、議論などほとんどされずに悪法がすいすい通ることになります。民主主義がまた一歩死に向かってしまいます。
この大連立について書かれたこちらのエントリーをご紹介します。
◆村野瀬玲奈の秘書課広報室
マイナスの民主党とマイナスの自民党の大連立は、さらにマイナス。
(引用開始)
強欲者だけが得をする、大多数の人には生きにくい社会を日本国民に強制し続けた自民党と、自民党の失敗を何一つ修正できず、自民党の政策を批判して勝った2009年の衆院選の時の公約さえほとんど実行できていない民主党の大連立話があるんですか...。
失敗した政党と、失敗を修正できず自分の公約も実行できない政党の連立は、失敗をさらに加速する選択ではないでしょうか。
(引用ここまで)
◆きまぐれな日々
菅と小沢が「大連立」を取り合う間に、新自由主義が猛反撃
(引用開始)
私に言わせれば、菅直人と小沢一郎は、ともに自民党と「大連立」を組みかねない、信用できない政治家であり、菅直人の大連立も小沢一郎の大連立も、ともに「悪い大連立」である。白い猫だろうか黒い猫だろうが、自民党にすり寄る猫は悪い猫なのだ。
(引用ここまで)
政権交代してもやっぱり何も変わらなかったーという無力感にとらわれそうになりますが、これは想定の範囲内の出来事だったと思います。
政権交代時によく言われた「一度民主党にやらせてみて、ダメだったらまた変えればいい」という言葉通りにすればいいのではないでしょうか。
民主党にやらせてみてダメだったことはもう既にハッキリしています。でも自民党に戻る選択肢は自殺行為です。
自民党、民主党とは本質的に違う政治を志す政党を次の選挙で選択すればいいのです。
一度政権交代させることができたのだから、また次の政権交代をさせることもできる。この政権選択の失敗はそういう前向きの材料に生かせばいいのではないかと思います。
- 関連記事
-
- (ひとこと)小沢招致で熱くなる政局に冷めまくります (2010/12/21)
- 大連立=大政翼賛会が確立したら民主主義がまた一歩死にむかう (2010/12/15)
- 民主党と自民党とどこが違うの? (2010/12/15)