この記事への簡単な補足になります。
郵便不正事件での証拠捏造事件では、前田検事だけでなく、前特捜部長、全副部長までも逮捕されました。
それまで自民党の手先として自民の政敵を追い落とす役割を担っていた検察が民主党を政権与党と認め、自民党から民主党に乗り換えた、という陰謀論的見方もできないわけではありません。というかそういう澱んだ政治的陰謀というものは存在してもおかしくはないでしょう。
しかしこれは決して証明することができない事柄であるし、以前も述べたとおり、検察と自民党の癒着、国策捜査という観点から検察批判を展開するだけでは取り調べ全面可視化実現に繋がらないように思うのです。だって穿った見方をすれば、今度は逆に与党民主党が政敵を追い落とすのに検察を使えるということですから。
さすがに今回の事件で民主党内からも再度可視化の声は上がりました。
<特捜証拠改ざん>「可視化実現を」の声 主任検事逮捕受け
毎日新聞 9月22日(水)21時17分配信
厚生労働省の村木厚子元局長の無罪判決が確定した郵便不正事件を巡り、大阪地検特捜部の主任検事、前田恒彦容疑者(43)が証拠隠滅容疑で逮捕されたことを受け、民主党内で22日、衆院選マニフェストに盛り込んだ「取り調べの全面可視化」の実現を迫る声が高まった。
岡田克也幹事長は記者会見で「検察への信頼が揺らぎかねない極めて深刻な事態。可視化は非常に重要なことだと改めて感じている」と語った。
民主党の有志議員で作る「取り調べ全面可視化を実現する議員連盟」(会長・川内博史衆院議員)も22日、国会内で緊急総会を開き、事実関係を検証する特別委員会の設置を求めることを確認。議連は柳田稔法相に「全面可視化が実現していれば防止できた事件だ」と早期の可視化を要請するとともに、最高検の検証チームに第三者を加えるよう求めた。
前田検事は小沢一郎元幹事長を巡る政治資金規正法違反事件の捜査にも加わっており、党内には捜査への不満もくすぶる。
菅直人首相は同日、記者団に「最高検が厳しく捜査して事実関係を明らかにすると言っている。その厳正な捜査を待ちたい」と捜査の推移を見守る考えを示した。(引用ここまで)
最高検の厳正な捜査を待ちたいって・・その最高検自体がでっちあげ組織の総本山なんですから、最高検を信用するかのような菅総理の発言はなんだかな、と思いますが、それはおいといて・・
この事件をきっかけに取り調べ可視化が実現するのでは、という楽観的な見方は禁物だと思います。可視化のかけ声は千葉法相時代と同様、パフォーマンスに終わりそうな予感がします。
もし可視化に踏み切るとしても、これではとても賛成できません。
取り調べの可視化勉強会を継続 実現が「党方針」と岡崎大臣
産経新聞 9月21日(火)12時13分配信
岡崎トミ子国家公安委員長は21日の閣議後記者会見で、取り調べの全面録音・録画(可視化)の導入に関し、可視化とともにおとり捜査などの「新たな捜査手法」の実施を検討している中井洽前委員長主催の勉強会を継続させると表明、議論を見守る考えを示した。
導入の是非に関する自身の考えを問う質問には、可視化実現は「この党(民主党)の方針だ」とだけ述べた
おとり捜査や司法取引と取り調べ可視化をバーターにするという中井もと国家公安委員長の案はとんでもないことは以前
こちらで批判しました。新国家公安委員長もまだこんな勉強会を継続させようとは・・
私は、今回厚労省の役人が絡んだ事件だったから検察のでっち上げが耳目を集めた、というところがどうにも気に入らないでいます(笑)
これまでの一般人の刑事事件では検察(警察もですが)のでっちあげを全然追及しようとしなかったという官尊民卑がいやでも見えてしまうからです。
取り調べ可視化は一般市民が国家権力の横暴から身を守るためのもの、官尊民卑的発想とは相いれません。
検察の証拠でっち上げの責任追及は今回の事件よりむしろ、一般の市民が被告人とされた刑事事件でこそ成されるべきではなかったかという思いがあります。(←赤字が付記部分)
私達はこの事件をきっかけに、検察のあり方に根底からメスを入れ解体的出直しを計らせ、そして取り調べ全面可視化を実現させなくてはいけません。
そのためには、
この事件だけに留まらず過去にさかのぼって、検察及び警察は他の一般の刑事事件でもゴマンとでッちあげをしていることにも光を当てること、
そういう数え切れないでっち上げも今回と同じく、きちんと検事の刑事責任が追及されるべきであることまで広く深く踏み込んだ検察批判を展開すべきではないかと感じます。
でなければ民主党の重い腰を上げさせ、取調の全面可視化(もちろんおとり捜査や司法取引とのバーター無し)に繋げることは難しいように思うのです。
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