選挙制度は「お手盛り」で決められていいのでしょうか?
- 2009/09/03
- 16:46
総選挙が終わってみて、やはり今の選挙制度は歪んでいると強く感じました。
国民の支持政党の実際の比率と議席数にはこんなに差があり、いかに民意を反映せず大政党ばかりに有利になっているか、「上げ底」の実態をしめしているブログをいくつかピックアップしておきます。
◆上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場
民意を歪める小選挙区制はやはり廃止するしかない!
◆たかしズム
さらに選挙制度について
上げ底ぶりはリンク先と更なるリンク先を読んでいただくとよくわかりますのでここでは省きます。
思うのですが、選挙制度を国会の多数決のみによって決めるのは一種の「お手盛り」じゃないでしょうか。
国会で多数を取った政党は、民意のより正確な反映より自らの党に有利な選挙制度を維持しようとするのは当然の成り行きです。
民主党は今回の小選挙区制で政権を取りましたから、より民意を国会に反映できるが自分たちの議席を減らす可能性がある中選挙区制の復活や、比例定数の増大は絶対行わないでしょう。それだけでなく比例定数削減してますます自分たちに有利な選挙制度に変えようとしています。この暴挙は許されません。
かくして選挙制度は大政党に有利な歪んだものになってしまう運命にあると言えますから、選挙制度は「選ばれる側」ではなく「選ぶ側」が決めるべき、という次の主張はなるほどと思いました。
◆選挙制度は選ぶ側が決めよう!
選挙制度については、選ばれる側にとっての死活問題だということばかりが言われています。しかし、この問題は、それ以上に選ぶ側の権利の問題であり、それゆえに民主主義の根幹をなすものと、私は考えています。外国では選挙制度の変更にあたっては、国民投票を介する例が多いのですが、日本では、この問題がもっぱら選ばれる側によって論じられ、決せられています。今の小選挙区比例代表並立制への変更は、国会の場で一度は否決されながら、どういう権限があるのか分からない密室での細川・河野会談によって導入されました。新制度での初の選挙の後、私の身近なところでも、「えらく選挙区が増えた」とか、「えっ、一人しか当選できないの?」と言っている人にしょっちゅう出会ったものです。このことは、変更が本来第一の当事者であるべき有権者に十分な説明もなしに、拙速に行われたことを物語っています。
選挙制度に一長一短があることは確かです。しかし、日本では、「選挙制度は選ばれる側が決めること」という前提の上に、「理想の選挙制度などない」と言われていることが問題です。選ばれる側の利害は対立します。選ばれる側の間での選挙制度論議は、どうしても利害が先行します。いろいろと理屈をつけても、それは後付けにすぎません。解決は力関係を反映したゴリ押しか、適当なところでの妥協という形でしか実現しないのです。だから、今までの選挙制度論議の前提を根本から覆し、選ばれる側の立場からではなく、選ぶ側の立場でこの問題を考える必要があると思います。
選ぶ側の立場から見て、理想的な選挙制度とは、ひとことで言って公平な制度ということです。どの政党を支持しようが、どの地域に住んでいようが、有権者の1票は平等に扱われ、その意思は平等に選挙結果に反映されなければなりません。(引用ここまで)
下線部の「国では選挙制度の変更にあたっては、国民投票を介する例が多い」については具体的な資料を見つけることが出来なかったのですが、選挙制度は他の法律の制定と異なり、何らかの「お手盛り防止」の手続を経て決められるべき、というのは一考に値するのではないでしょうか。
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