国民投票法は廃止しましょう
- 2010/04/19
- 15:00
一ヶ月後、あのアベシンゾーの亡霊、国民投票法が施行されます。いえ、法律という実体があるのですから、亡霊というより分身かな?やっかいな分身を残していってくれたものです。
この国民投票法、アベシンゾーがとにかく改憲したい一心でその道筋をつけるために強引に見切り発車した法律です。そのため欠陥だらけ、ほとんど法律としての体をなしていません。
おさらいになりますが、成立した国民投票法には以下のような是認できない項目が含まれています。
●最低投票率の定めがないため、棄権が多かった場合、国民の少数の賛成だけで憲法を改正できてしまう
●改正に賛成か反対かの一括投票か、条文ごとの個別投票かの定めがない
●国民投票は発議から60日~180日の間に行うというのは機関が短すぎて議論が熟さない。最低でも1年は置くべき
●公務員や教育者の国民投票運動が厳しく統制されている(公務員は200万人以上、教育者は100万人以上いると言われている。これだけの人数の口をふさぐことになる)
とくに公務員に関しては、立川や葛飾ビラ配り判決のように、表現の自由を萎縮させる判決がまかり通っており(堀越では無罪になったけど)、国際的にも問題視されている状態であることを考えると、とてもでないが、自由闊達な議論など望めず「物言えば唇寒し」になる危険が大きい。
この規定は撤廃されるべき
●投票2週間前までは有料広告野放し。従って、財界など金があるスポンサー(は、もちろん改憲側)がついたもん勝ちになる
特に最後の二つについてjanjanから批判を引用させていただきましょう
◆janjan 【オムニバス】問題抱えた国民投票法の施行は無期限で先延ばしすべき
http://www.janjannews.jp/archives/2841702.htmlより
(引用開始)
特に問題なのは巨額な資金が必要なテレビや新聞での有料の意見広告が投票日の二週間前までは自由にできることだ。
日本経団連は2010年代初頭までの改憲を目指しており、資金力のある財界や政党助成金などを山分けしている改憲政党などが金にあかせてテレビCMを展開することで「財界の資金でテレビが改憲派のCMで埋め尽くされる」事態の招来は避けられず、マスメディアの巨大な影響力を考えると改憲派と護憲派の真の公平を保つことは事実上不可能だ。
また、その一方でこの法律は五百万人といわれる公務員・教員には重大な規制を設けており、公務員・教員は「その地位を利用して国民投票運動をおこなってはならない」という規定を盛り込んでいる。
これは自分が憲法改正に賛成か反対かを表明する自由でさえも「国民投票運動」という名目で規制することにつながりかねず、その萎縮効果から公務員・教員の主権者としての自由を奪うことにもなり、ひいては国民投票の公正さそのものをも破壊しかねない。
このように公務員や教員には重大な規制をかける一方で、改憲勢力には「金の力」で宣伝行動を独占することを許すなどの重大な問題点を国民投票法は孕んでおり、この法律には改憲案を通しやすくするための不公正で非民主的な仕掛けがたくさん盛り込まれていることは否定しがたい。(引用ここまで)
おまけに付帯決議は18もくっついてる不完全さです。
しかし、国民投票法成立後に当て込んでいた民法や公職選挙法の改正で整合性を図る作業は全然なされてきませんでした。
◆日弁連HP 憲法改正手続法の施行延期を求める会長声明より
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/100414_3.html
同法は、附則3条において、投票年齢の問題に関し、「この法律が施行されるまでの間に、年齢満18年以上満20年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう、選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法、成年年齢を定める民法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする」とし、附則11条において、公務員の政治的行為に対する制限に関し、「この法律が施行されるまでの間に、公務員が国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘その他意見の表明が制限されることとならないよう、公務員の政治的行為の制限について定める国家公務員法、地方公務員法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする」としている。しかし、選挙権を有する者の年齢、成年年齢、公務員の政治的行為に対する制限のいずれについても、いまだ必要な措置が講じられていない。
また、同法の成立に際し、参議院日本国憲法に関する調査特別委員会では、18項目にわたる附帯決議がなされた。特に、「成年年齢」、「最低投票率」、「テレビ・ラジオの有料広告規制」の3点については、「本法施行までに必要な検討を加えること」とされている。しかしながら、これらの重要な問題点を含めて、附帯決議がなされた項目について、ほとんど検討がなされていない。(引用ここまで)
従って、まだ国民投票法は施行できない状態なのです。
国民投票法は民法等の改正も同時に必要だった法律だったのに、それらの改正整備すら待ちきれないで、拙速に強行採決したことに今更ながら呆れます。いかに自公の数の横暴が凄まじかったかをよく表していますね。
5/18にまでにこれらを検討し整備するなんて、もうムリです。
そもそも国民投票法なんていらない法律だったのです。
その証拠に強行採決で成立させてから3年間ほったらかしだったではありませんか。
政権交代したんだし、こんな欠陥だらけの悪法は廃止しちゃいましょう
・・でもやはり、民主党は将来の施行に向けてずるずる存続させる気のようです。
◆赤旗
改憲手続き/国民投票法施行へ準備/総務省 投票年齢「20歳以上」に
焦りはしないが、改憲にむけて将来の布石は何かしら残しておきたいのが本音でしょう。
鳩山総理は改憲については封印する旨の発言をしていますが、改憲の心づもりは決して捨てたわけではありません。
また、民主党が改憲を目指す政党であることを忘れたことはありませんし、民主と自民は国民投票法の制定過程に於いても共同して法案の修正を計った事も忘れません。
そういう意味では私は民主党を信用していないのです。
この法律が復古的で好戦的な国家主義者アベシンゾーが強行採決というとても民主的といえない手法で強引に成立させた法律であることを思えば、この国民投票法の施行は、ずるずる延期すべきではありません。
廃止を含めた根本的な見直しーというか、ズバリ廃止を政府、国会に求めたいと思います。
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欠陥だらけの改憲手続法(「国民投票法」)の問題点を忘れない
- 2010/04/19(22:42)
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