(2007/11/9~12)【過去記事】裁判員になりたくないあなたに
- 2008/01/21
- 23:45
以前裁判員制度について、一般的な見地から記事を書いたことがある。
その時は余り後ろ向きなことは書かなかった。
陪審制(裁判員制度)自体決して悪い制度ではないことはこれが定着している国があることからもわかる。
職業裁判官による裁判、陪審員による裁判、それぞれ長所短所がある。
しかし…
やっぱ今の日本じゃダメかもしんな~い…(T^T)/~~
裁判員になりたいかと聞かれたら、なりたくないという人の方が圧倒的に多い状態だ。
当たり前だ。
人を裁く重みは背負いたくない上に、司法なんて全く未知の世界だもの(人を裁きたくないと言う割には裁判所にさっさと死刑判決出せというのもなんだかな、と感じるけど)
恥ずかしながら、日本は先進国のくせして、人権教育や司法教育が全く出来てない(だからネウヨも沸くんですが)
なのにいきなり裁判員なんて、まるで一度も泳いだことのない人間をいきなり沖海に放り込むようなものだ。
(そもそも裁判員になる当の国民のコンセンサスが得られないまま見切り発車して大丈夫)
それに、裁判に関わってる間の仕事や家族の介護保証など、どこまでサポートしてくれるのかにも不安が拭えない。
なんてったって、ワーキングプア&介護後進国ですし(¬_¬)
先日、新聞で興味深い記事を読んだ。
裁判員制度を厳しく批判している元裁判官、西野氏のインタビューだ。それを参考にしながら書いてみようっと。
(以下中日新聞2007/10/31参考)
その時は余り後ろ向きなことは書かなかった。
陪審制(裁判員制度)自体決して悪い制度ではないことはこれが定着している国があることからもわかる。
職業裁判官による裁判、陪審員による裁判、それぞれ長所短所がある。
しかし…
やっぱ今の日本じゃダメかもしんな~い…(T^T)/~~
裁判員になりたいかと聞かれたら、なりたくないという人の方が圧倒的に多い状態だ。
当たり前だ。
人を裁く重みは背負いたくない上に、司法なんて全く未知の世界だもの(人を裁きたくないと言う割には裁判所にさっさと死刑判決出せというのもなんだかな、と感じるけど)
恥ずかしながら、日本は先進国のくせして、人権教育や司法教育が全く出来てない(だからネウヨも沸くんですが)
なのにいきなり裁判員なんて、まるで一度も泳いだことのない人間をいきなり沖海に放り込むようなものだ。
(そもそも裁判員になる当の国民のコンセンサスが得られないまま見切り発車して大丈夫)
それに、裁判に関わってる間の仕事や家族の介護保証など、どこまでサポートしてくれるのかにも不安が拭えない。
なんてったって、ワーキングプア&介護後進国ですし(¬_¬)
先日、新聞で興味深い記事を読んだ。
裁判員制度を厳しく批判している元裁判官、西野氏のインタビューだ。それを参考にしながら書いてみようっと。
(以下中日新聞2007/10/31参考)
前回書いたけれども、職業裁判官は、様々な理由から一般社会通念からずれたトンデモ有罪判決を出すことがある。
古くは免田事件等4つの死刑再審事件、最近では御殿場事件判決を思い出して欲しい。
これに対する批判が裁判員制度導入のきっかけになっている。
しかし…
実際裁判に望む為に読まねばならない調書の分量ってハンパではない。それこそダンボール箱何箱分だ。
職業裁判官は時間をかけてそれを読み、心証をえる。
だが、裁判員にはそれをさせない。裁判員法が「裁判員の負担が過重なものとならない」と定めるからだ。そのため有罪、無罪は法廷での口頭のやりとりを基に判断する。
西野氏は言う。
「ほとんどの国民は重大犯罪と縁がなく、誰もが合理的判断ができるわけではない。裁判員が加わる審理が本当に誤判を防ぐのか。公判は真相究明から離れ、弁護人と検察官がそれぞれ都合の良い予断を裁判員に与え合うゲームになる。(後略)
刑事裁判の"ゲーム化"のおそれは陪審制で指摘される短所だ。
事実認定の段階でも、検察、弁護側ともいかに陪審員(裁判員)の感情にアピールするか、その技術に重きがおかれがちになる。
以前アメリカでハロウィンの日に仮装して訪問した日本の高校生が"FREEZE"の意味がわからなかったため射殺された事件があった。
この時弁護人は家族を守ろうとした被告人を責めることは私にはできない、と涙ながらに訴え、陪審員は全員一致で無罪を言い渡した。
"劇場型"の欠点が如実に現れた裁判だと思う。(弁護人の泣かせる演技に、もらい泣きした陪審員もいたと記憶している)
また、光市の事件のようなケースでは裁判員は最初から極刑の感情を持って臨む可能性が高くなるだろう。
裁判官は中立な立場で裁判に臨まねばならない。
裁判が始まる前から被告人に予断を持っていては公正な裁判はできない。
そのためなるべく犯罪報道を見ないように努めるのもプロの裁判官の仕事のうちだ。
しかし一般人にそれを強いるのは酷だと思う。
それに無罪推定の原則が刑事裁判ではいかに大切か、その意義は残念だが世間に浸透していないのが現状だ。
裁判員制度にするならせめてこの位の司法教育は充実させるべきだと思う。
あと、刑事裁判における被告人の立場や権利についても正しい理解が欲しい。
黙秘権や弁護を受ける権利は刑事訴訟法だけでなく、直接憲法で保障されている。その重みをわかって欲しい。
世情に乗っかって光市弁護団を非難するような感覚で裁判員になってもらっては困るのだ!
裁判員に選ばれた場合、辞退理由に当たらなければ辞退させて貰えない。
裁判員法が定める辞退理由は
▽70歳以上
▽学生または生徒
▽重い病気や傷害
▽同居家族の介護
▽仕事で重要な用務があり、事業に著しい損害が生じるおそれがある
などがある。
この他「政令で定めるやむを得ない理由」の案として、
▽妊娠中、出産直後
▽自己や第三者に身体、精神、経済上の重大な不利益が生じる
など。
実はこの二つ目の理由は少々曰く付き。
憲法で保障される「思想良心の自由」は侵害してはならないから、「人を裁きたくない」と考える人間に国家がその仕事を押し付けるのは人権侵害の疑いが濃厚だ。
しかしやむを得ない理由に「人を裁きたくない」を正面から入れてしまうと辞退者続出が予想される。
そこで、このような文言になったらしい。
「人を裁きたくない」気持ちに反して裁判員に任命されるのが果たして「精神上の重大な不利益」に当たるか否かは曖昧なままだ。
西野氏は、この裁判員制度を「『少々の理由では辞退を認めない。公権力に従え』という"現代の赤紙"の発想」
と批判する。
確かに…
また、西野氏は次のような指摘もしている。
最終的に裁判員になる人は「日当目当ての人、気の弱い人、『人を裁きたい』『検察に一泡吹かせるチャンス』と考える人…。とても被告人の運命を委ねられない」
裁判員になりたくない人間の方が大多数という現状なら、結局こんな類の人間しか残らない可能性はあるかも
「現行制度でいかに誤判をなくすかを根本的に考えるべきなのに、代わりにできたのはろくでもない裁判員制度。国民から廃止を求められて3年も続かないかも」
「疑わしきは被告人の利益に」の鉄則の大切さは、法のプロである裁判官なら充分承知しているはずである。なのに「疑わしきは被告人の不利益に」が原則になってるのが現実だ。
何故こんな180度も歪みがおきるのか、その原因は徹底的に追及されて是正されなくてはならない。
これが現在の職業裁判官制度での一番大きな問題なのだから、まずこれを正し、誤判を防ぐことから始めるべきなのに、穴だらけの裁判員制度に安易に移っても、誤判は防ぐ力にはならないだろう。
それに裁判員制度では、アメリカの陪審制と異なり、結局裁判官も有罪、無罪の判断に加わる。
お上に楯突けない日本人裁判員は、プロである裁判官主導で有罪、無罪の判断が決まる可能性だってあるのだから、まず現行制度の「誤判の構造」を正そうとする努力が必要と思われる。
裁判員制度、選ばれた人々は何とか敵前逃亡しようとするだろうな…
3年で一応見直しがあるそうだ。
戦前の陪審制みたく、立ち消えになるに1000G賭けよう
西野氏の著書「裁判員制度の正体」に書かれているのですが、一部を紹介してる新聞より抜き書きです。
◆裁判員候補者になった通知が来たとき
辞退理由がある場合は裁判所から呼び出し状が来る前に、選任を辞退したい旨を裁判所に繰り返し伝えておく。
◆裁判所から呼び出しが来た場合
会社員会社から裁判員選任期日に重要な業務や出張命令を出してもらう。
会社員でない場合は自治会の打ち合わせや役所への届け出、子供の学校との相談など「重要な任務」をつくる。
◆選任期日に裁判所に行って免除されるには
裁判長面接で
「起訴されたんだから絶対犯人にちがいない」
とか
「今回も冤罪に違いない」
とか、露骨な偏見を示す。
または事件の葬儀に参加したり、現場を見たりして事件に対して予断を持っておくと、選任されない可能性
◆それでも選ばれちゃったら…
決してお勧めしませんが、公判当日に酔っ払いましょう
解任確実です
(2007/11/9~12)
古くは免田事件等4つの死刑再審事件、最近では御殿場事件判決を思い出して欲しい。
これに対する批判が裁判員制度導入のきっかけになっている。
しかし…
実際裁判に望む為に読まねばならない調書の分量ってハンパではない。それこそダンボール箱何箱分だ。
職業裁判官は時間をかけてそれを読み、心証をえる。
だが、裁判員にはそれをさせない。裁判員法が「裁判員の負担が過重なものとならない」と定めるからだ。そのため有罪、無罪は法廷での口頭のやりとりを基に判断する。
西野氏は言う。
「ほとんどの国民は重大犯罪と縁がなく、誰もが合理的判断ができるわけではない。裁判員が加わる審理が本当に誤判を防ぐのか。公判は真相究明から離れ、弁護人と検察官がそれぞれ都合の良い予断を裁判員に与え合うゲームになる。(後略)
刑事裁判の"ゲーム化"のおそれは陪審制で指摘される短所だ。
事実認定の段階でも、検察、弁護側ともいかに陪審員(裁判員)の感情にアピールするか、その技術に重きがおかれがちになる。
以前アメリカでハロウィンの日に仮装して訪問した日本の高校生が"FREEZE"の意味がわからなかったため射殺された事件があった。
この時弁護人は家族を守ろうとした被告人を責めることは私にはできない、と涙ながらに訴え、陪審員は全員一致で無罪を言い渡した。
"劇場型"の欠点が如実に現れた裁判だと思う。(弁護人の泣かせる演技に、もらい泣きした陪審員もいたと記憶している)
また、光市の事件のようなケースでは裁判員は最初から極刑の感情を持って臨む可能性が高くなるだろう。
裁判官は中立な立場で裁判に臨まねばならない。
裁判が始まる前から被告人に予断を持っていては公正な裁判はできない。
そのためなるべく犯罪報道を見ないように努めるのもプロの裁判官の仕事のうちだ。
しかし一般人にそれを強いるのは酷だと思う。
それに無罪推定の原則が刑事裁判ではいかに大切か、その意義は残念だが世間に浸透していないのが現状だ。
裁判員制度にするならせめてこの位の司法教育は充実させるべきだと思う。
あと、刑事裁判における被告人の立場や権利についても正しい理解が欲しい。
黙秘権や弁護を受ける権利は刑事訴訟法だけでなく、直接憲法で保障されている。その重みをわかって欲しい。
世情に乗っかって光市弁護団を非難するような感覚で裁判員になってもらっては困るのだ!
裁判員に選ばれた場合、辞退理由に当たらなければ辞退させて貰えない。
裁判員法が定める辞退理由は
▽70歳以上
▽学生または生徒
▽重い病気や傷害
▽同居家族の介護
▽仕事で重要な用務があり、事業に著しい損害が生じるおそれがある
などがある。
この他「政令で定めるやむを得ない理由」の案として、
▽妊娠中、出産直後
▽自己や第三者に身体、精神、経済上の重大な不利益が生じる
など。
実はこの二つ目の理由は少々曰く付き。
憲法で保障される「思想良心の自由」は侵害してはならないから、「人を裁きたくない」と考える人間に国家がその仕事を押し付けるのは人権侵害の疑いが濃厚だ。
しかしやむを得ない理由に「人を裁きたくない」を正面から入れてしまうと辞退者続出が予想される。
そこで、このような文言になったらしい。
「人を裁きたくない」気持ちに反して裁判員に任命されるのが果たして「精神上の重大な不利益」に当たるか否かは曖昧なままだ。
西野氏は、この裁判員制度を「『少々の理由では辞退を認めない。公権力に従え』という"現代の赤紙"の発想」
と批判する。
確かに…
また、西野氏は次のような指摘もしている。
最終的に裁判員になる人は「日当目当ての人、気の弱い人、『人を裁きたい』『検察に一泡吹かせるチャンス』と考える人…。とても被告人の運命を委ねられない」
裁判員になりたくない人間の方が大多数という現状なら、結局こんな類の人間しか残らない可能性はあるかも
「現行制度でいかに誤判をなくすかを根本的に考えるべきなのに、代わりにできたのはろくでもない裁判員制度。国民から廃止を求められて3年も続かないかも」
「疑わしきは被告人の利益に」の鉄則の大切さは、法のプロである裁判官なら充分承知しているはずである。なのに「疑わしきは被告人の不利益に」が原則になってるのが現実だ。
何故こんな180度も歪みがおきるのか、その原因は徹底的に追及されて是正されなくてはならない。
これが現在の職業裁判官制度での一番大きな問題なのだから、まずこれを正し、誤判を防ぐことから始めるべきなのに、穴だらけの裁判員制度に安易に移っても、誤判は防ぐ力にはならないだろう。
それに裁判員制度では、アメリカの陪審制と異なり、結局裁判官も有罪、無罪の判断に加わる。
お上に楯突けない日本人裁判員は、プロである裁判官主導で有罪、無罪の判断が決まる可能性だってあるのだから、まず現行制度の「誤判の構造」を正そうとする努力が必要と思われる。
裁判員制度、選ばれた人々は何とか敵前逃亡しようとするだろうな…
3年で一応見直しがあるそうだ。
戦前の陪審制みたく、立ち消えになるに1000G賭けよう
西野氏の著書「裁判員制度の正体」に書かれているのですが、一部を紹介してる新聞より抜き書きです。
◆裁判員候補者になった通知が来たとき
辞退理由がある場合は裁判所から呼び出し状が来る前に、選任を辞退したい旨を裁判所に繰り返し伝えておく。
◆裁判所から呼び出しが来た場合
会社員会社から裁判員選任期日に重要な業務や出張命令を出してもらう。
会社員でない場合は自治会の打ち合わせや役所への届け出、子供の学校との相談など「重要な任務」をつくる。
◆選任期日に裁判所に行って免除されるには
裁判長面接で
「起訴されたんだから絶対犯人にちがいない」
とか
「今回も冤罪に違いない」
とか、露骨な偏見を示す。
または事件の葬儀に参加したり、現場を見たりして事件に対して予断を持っておくと、選任されない可能性
◆それでも選ばれちゃったら…
決してお勧めしませんが、公判当日に酔っ払いましょう
解任確実です
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