米軍ヘリ部品の落下が「自作自演」だとは、あまりに酷い沖縄差別です
- 2017/12/19
- 18:00
こういう誹謗中傷って、いじめたくて仕方がない悪意しか感じないし、もう、下劣な人格だとしか言いようがないです
●「米軍落下物は自作自演」とネットで誹謗中傷を浴びた保育園。園長が伝えたいこと
12/15(金) 6:10配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171215-00010000-bfj-soci&p=2
米軍ヘリ「CH53E」の部品が屋根の上で見つかった沖縄県宜野湾市の保育園に対し、「ヘリからの落下ではなく自作自演」などとする誹謗中傷が相次いでいる。電話やメールで寄せられる声の多くは、インターネット上に流れる情報を元にしたものとみられる。現地を訪れたBuzzFeed Newsは、保育園に取材した。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】
「二重、三重の苦しみですよ。これが日本の現状なんでしょうか」
そう沈痛な面持ちで語るのは、「緑ケ丘保育園」の神谷武宏園長(55)だ。
神谷園長によると、園には「自作自演」「嘘をついている」などの声が、12月14日までに、電話やメールで計15件ほど寄せられている。何が起きているのか。
まず、経緯を振り返る
事故は12月7日午前10時15分ごろに起きた。
「ドーン」という2度の衝撃音とともに、トタン製の屋根に円筒状のプラスチックが落下したのだ。直後、上空を米軍ヘリが通過していった。
トタン屋根には凹みができていたが、当時園内にいた70人ほどの園児や職員にけがはなかった。
園側はすぐ、宜野湾市の基地担当部署に通報。警察などによる現場検証もされたという。
この落下物に関して、沖縄県は「米軍機の落下物である可能性がある」とみている。
同じ時刻に、▽園から40m離れた「騒音測定局」で2度の衝撃音が記録されている▽基地近くの静止画カメラにCH53Eとみられる機体が記録されている、からだ。
一方の米軍は、落下物がCH53Eの装置のカバーであること、同じ時刻に1機のCH53Eが飛行していたことは認めた。しかし、飛行中の落下には否定的だ。
▽機体にある7個のカバーは全て外されていた▽普天間基地に所属するCH53Eのカバーは全て保管されていたと確認されたこと、がその理由だという。
「米軍落下物は自作自演」とネットで誹謗中傷を浴びた保育園。園長が伝えたいこと
ネット上で広がった「自作自演」という声
事故後、ネット上で広がっていたのが、「自作自演」と疑う声だった。
「netgeek」や「アノニマスポスト」などの「まとめサイト」がそうした声を率先して取り上げた。たとえば、このようなタイトルをつけている。
・保育園に落ちた米軍ヘリの落下物、自作自演疑惑が浮上(netgeek、12月9日)
・沖縄の保育園に落ちたとされる米軍の部品、ネットのミリオタ達が分析 「CH53ヘリに実際に使用されている物とクリップの位置が違う」と疑義を呈す~ネットの反応「保育園に落ちた米軍死ね、じゃねーの??」「この部品を落としたKYって誰だ?w」(アノニマスポスト、12月10日)
それぞれソースになっているのは、「パーツにあるクリップのつけ方が違う」といったTwitter上の指摘や、同型機のパイロットを名乗る人物の「部品落下の話は100%嘘」という書き込み、部品が「某マーケットで500円で買える」などとするネット上の情報が中心だ。
同様の内容の記事は複数配信されているが、いずれも、直接現場や行政などを取材した跡は見られない。
米軍が否定をしたことを機に、「自作自演」説は広がりを見せた。Twitter上で「落下物捏造事件」とコメントしたり、園に誹謗中傷があったということ自体も「自作自演」などと指摘する人物も現れるようになった。
「恥ずかしくないのか」という誹謗中傷
保育園に誹謗中傷が入り始めるようになったのも、こうした記事が拡散し始めてからだった。神谷園長は言う。
「私たちは『ドーン』という音も聞いている。ヘリも見ている。米軍による落下物事故も相次いでいる。なぜ、自作自演だなんて言えるのでしょうか」
「部品の一部が手に入るなんて、ありえるんですか? 私たちが基地内に盗みに入ったとでも、基地の中に誰かスパイがいるとでも言うんですか」
たとえば、あるメールにはこのような言葉がかかれていた。
”保育園に落ちたという落下物の証言は、
在日米軍の証言を元にすると、落ちたということは無いです。
子供を育てる職業に身を置く人物として、
園長その他関係者は、恥ずかしくないんですか?
そんな考えで保育をしてもらっては困るので、
園長を交代するか、何か考えてください。”
ある電話では、「江戸っ子」を名乗る男性から「米軍が日本を守らないで誰が守るんだ」と怒鳴られた。保育園が、この場所にあることを非難する言葉も投げられたという。
「感情的になって、現場に来てみてくださいよと強く言ってしまいましたね。沖縄の現状を、この園の現状をしっかり見てもらいたいと。そうすると、相手のトーンは少し下がりましたが……」
もちろん、誹謗中傷だけではない。心配する人たちも多く、励ましのメールや電話も来るようになったという。
「そうした人たちの方が多いように感じます。ほんの一部の声に、惑わされないようにしたいですね」
沖縄だから許されるのか
園は、米海兵隊普天間基地から300メートルのところにある。
1時間ほどの取材の間、数機の航空機が上空を通過した。そのたび、建物が揺れているように感じるほどの音が鳴り響くような場所だ。
12月13日に米軍ヘリ「CH53E」の窓枠が校庭に落下する事故が起きた「普天間第二小学校」も、1キロほどしか離れていない。
園に通っている子どもの中には、きょうだいが第二小に通っている人もいた。神谷園長は言葉に力を込める。
「もともと自分の土地だった場所に基地ができ、止むを得ずその周りに暮らしているのが宜野湾の人たちなのです」
「わずか6日で2つの事故があった。CH53Eの飛行は中止されているが、それ以外の機体は、いまも飛んでいます」
「それを許している日本政府、飛行をやめない米軍がいる。さらに自作自演という人も。沖縄なら良いんですか? 沖縄は、何なんですか。沖縄だけの問題じゃないと、考えてもらいたい」
園では行政や沖縄防衛局などに、原因究明までの飛行停止や、保育園上空の飛行中止を申し入れている。署名活動も始まっている。詳細はサイトから。
神谷園長は「米軍は飛行中の落下ではないというが、ならばどこかで紛失したのか?近くでゲートボールをしていた方も落下して屋根で跳ね返るのを見ている。『自作自演』などありえない」と。
— 小池晃 (@koike_akira) 2017年12月16日
普天間第二小学校にも同様の中傷電話が絶えないそうです。
怒り💢心頭です。https://t.co/C3NjOC3cRs
「そんなところに保育園があるのが悪い」という滅茶苦茶な暴言もあったそうです。
住民から不当に土地を奪って作ったのが普天間基地。住民は米軍に土地を奪われる前からずっとここで暮らしてきたのです。自分たちの土地で生活しているのに、出て行かない方が悪い、などという理屈は理解不能。
まるで「白人に土地を奪われても出て行かなかったネイティブアメリカンの方が悪い」と言ってるようなものですね。
呆れたことに保育園にだけでなく小学校にまで自作自演だと誹謗中傷が。
●「やらせだろ」「同情できない」 部品落下、米軍が認めているのに・・・小学校に心ない電話
12/19(火) 5:15配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171219-00185360-okinawat-oki
米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリから重さ7・7キロの窓が落下する事故が起きた沖縄県宜野湾市新城の普天間第二小学校に、「やらせだろ」「基地のそばに造ったのはあんたたち」など誹謗(ひぼう)中傷する電話が相次いでいる。事故翌日の14、15日で計19件、市教育委員会にも1件あった。
内容は、米軍が落下を認めているにもかかわらず「やらせ」と事故そのものを疑うものや「同情できない」といった意見など。市教委への電話は「学校を移転しろ」というもので「土地がない」と返すと「住宅地をつぶせ」と乱暴な言葉で答えたという。
同小の移転計画は過去に浮上したが、実現が見通せず断念した経緯がある。同型ヘリからとみられる落下物があった市野嵩の緑ヶ丘保育園でも「自作自演だろ」との心ない中傷が後を絶たない。
市教委の担当者は「やらせなどとんでもない話。移転や学校ができた経緯についても、事実関係をちゃんと調べてほしい。学校職員の精神的負担になっている」と話した。
小学校の方はヘリの窓枠の落下時の映像も存在し、現に負傷した子どももおり、米軍も飛行時のヘリからの落下と認めて謝罪してるのに、それでも「自作自演」ですってよ。
「学校を移転しろ」に「土地がない」と返すと「住宅地をつぶせ」という言語道断な暴言からしても、沖縄を虐待して悦んでるだけの底意地悪さに怒りが湧きます
この記事についてるヤフコメも最低です。
米軍が飛行中に落としていないといったのは保育園だったのか小学校だったのかすら確かめずにメールや電話をするということは、彼らにとって真相などどうでも良く、ひたすら誹謗中傷したいのが動機だというのがよくわかります。彼らの目的は真相解明ではなく、沖縄の人々を虐めて楽しむことにあります
ヘリからの落下物で危機一髪だった恐怖と怒りよりも、米軍基地を沖縄に押しつけ安穏としている同じ日本人からのこういうイジメのほうが精神的によほど堪えるのではないでしょうか。
保育園や学校の先生達、子どもを通わせている親御さん達、そして子ども達はどれほど傷つくでしょうか
古来、植民地には、必ず征服者にこびを売って同胞を踏みにじり優越感に浸る「傀儡者」がいるものですが、彼らはもっとも軽蔑される存在とされます。
本来、同胞の苦難に連帯して米軍を批判するのが「愛国」の筋のはずですが、我が国の自称「愛国者」は、アメリカ様に従わない同胞を踏みつけアメリカに媚びへつらうことで優越感に浸る卑しい「傀儡者」といえます。
もちろん彼らにとっての「大船」は、どうぞ日米地位協定で好きにしてくださいと沖縄を米軍に差し出してる最大の傀儡者、日本政府です
◆安田浩一さん(ジャーナリスト)
この1、2年で沖縄に対する日本社会の言説が底抜けしたと感じる。機動隊員の「土人発言」を政治家が差別でないと擁護し、基地建設に反対する人に「金をもらっている」「外国の工作員」とのデマをネットや一部メディアが拡散している。
この風潮は東日本大震災の被災者や生活保護受給者、在日外国人にも及ぶ。マイノリティーが被害や当然の権利を訴えるたびに一部のグループから直接・間接の攻撃が加えられ、社会問題が「なかった」ことにされようとする。分かりやすい「敵」をつくり、たたくことが娯楽にすらなっており、非常に腹立たしい。
今回の保育園への攻撃も、原因が解明されていない時点でデマと偏った断片情報を集め、「自作自演」と言い張る。この勢力には正当な議論が成り立たない。
調査検証能力があるメディアが事実を積み上げ、報じ続けることでデマに対抗できる。大きな権力ほど非を認めない。米軍の言い分が事実か疑い、検証の徹底が求められている。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/183353
米軍の言い分は無条件に速攻100%信用する一方で、保育園の人々がどれほど事故当時のことを説明しようと最初から全て嘘と断定し、なんとしても自作自演である根拠を探そうとネットをあさる熱心さ。これは、まさに、「慰安婦は捏造だ」「南京大虐殺は捏造だ」の歴史修正主義と同一線上のものです。
アメリカ様に従順に従わない沖縄県民をなんとしても貶め差別したい一心は、元慰安婦の女性達を攻撃したいのと同じ執念です
今海外で「歴史戦」を挑んでる自称愛国者=歴史修正主義者達は、現在進行形で起きていることですら歴史修正して沖縄虐めを満喫しています。
これぞ今の日本の根幹に巣くう病理の姿です。
そして、彼らのような唾棄すべき人間がはびこって沖縄イジメが止まないのは、ひとえに、本土の人間が沖縄の苦難など他人事で無関心であるせいだということも、付け加えておきます。
「愛の反対は憎しみではなく、無関心です」
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