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英王室はそれでも「黒人プリンセス」を認めないhttp://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/11/post-8999.phpこの記事、わりとショッキングだったので、記事書いた人がアレなんじゃないの?と、イギリスの名誉のために疑いたいくらいです。
一応この記事が正確だという前提でちょっと書いてみたいと思います。
<黒人の母をもつマークルとヘンリー王子の婚約を認めたからといって、英王室とイギリスの人種差別主義は簡単には変わらない>
イギリスのヘンリー(通称ハリー)王子と米女優メーガン・マークルの婚約が報じられた11月27日、英ガーディアン紙のコラムには「イギリス人の人種との関わり方が永久に変わる」と大きな見出しが躍った。
けれども、喜ぶのはまだ早い。イギリスの著名な学者2人によれば、マークルは王室のアドバイザーから「バイレイシャル(異人種間、とくに白人と黒人子ども)」であることを隠すよう言われる可能性が高く、イギリスの根強い人種差別をさほど改善させることにはならないという。
バーミンガム・シティ大学の社会学准教授で、ヨーロッパで初めて黒人研究課程を設立したケヒンデ・アンドリュースは本誌に対し、「黒人のプリンセスは受け入れられないだろう。マークルが受け入れられるには、白人として振る舞うしかない」と述べた。「(黒人プリンセスの誕生を)祝っている人がいるとすれば、世間知らずというものだ。失望を味わうことになる」
黒人の母と白人の父を持つマークルとヘンリー王子の結婚が認められたのは、イギリスならびに英王室が進歩したことの証し、と一部でもてはやされている。英王室はこれまで白人の血筋を守ってきた(例外は1761年にジョージ3世と結婚したドイツ公女ソフィー・シャーロットで、黒人の血を引いているという説もある)。
「母親はスラム出身」と揶揄
イギリスでは、人口の87.1%が白人で、黒人はわずか3%だ。英王室の血筋もそれを反映している。
バイレイシャルであるマークルが英王室の一員になったくらいで、何百年にもおよぶイギリスの人種差別的な考え方が変わるとは、アンドリュースは考えない。
「英王室は、大英帝国の白人主義を燦然と象徴する存在だ」とアンドリュースは言う。「真っ白な王室に一滴のコーヒーが混ざったからといって、何の違いも生まれない。王室は王室であり、それが象徴するものも変わらない」
婚約が発表された日、アンドリュースの友人の白人の隣人は「喪に服すような暗い雰囲気」だったという。その隣人は、王室は「本来のイギリス人像を映すべき」だと言った。「インドの王族は、白人を家族に迎え入れたりしない」
イギリスのタブロイド紙であるデイリー・メールは、婚約前からマークルの人種について大げさに騒ぎ立て、「ハリーの彼女の母方はスラム出身」と見出しを打ったり、マークルの家系が王室の人間とどんなにかけ離れているかを論じた系図学者が論じた記事を掲載したりした。
もちろん、婚約の知らせを喜ぶ声もある。
ニュージーランド人キンバリー・アレンの「バイレイシャルの女性としては嬉しいニュース」というツイートは、多くの人の声を代弁している。「人々が人種差別主義者でないという証しには、常に元気づけられる」
だが、マークルの前途は多難だ。義理の祖父になるフィリップ殿下は人種差別主義者として有名で、ケニア人の女性に「君は女性かね?」と聞いたことがある。
こんな身内がいれば、王室についてマークルを指導する教育係も、黒人の血筋を公言することを控えるよう釘を刺すしかないかもしれない。
人種騒ぎには「がっかり」
イギリスの社会学者で文化批評家でもあるエリス・キャッシュモアも、「王室アドバイザーは、自身の人種的背景を口にしないようマークルに強く忠告するのではないだろうか」と述べた。
マークル自身もこれまで、自らの人種的背景について発信してきた。2015年には米女性誌エルに、バイレイシャルであることについて寄稿。書類などの「人種欄」にチェックを入れるときは、自分用に新しく四角を書き足せばいいと父親から言われたことがある、と明かしている。
婚約発表後、BBCのインタビューに応じた未来のプリンセスは、メディアが自分の人種のことで大騒ぎすることには「がっかりだ」と言った。
その様子を見たキャッシュモアはこう言った。「彼女はいずれ(王室アドバイザーの忠告を)無視し、自分が何者かについて語りたくなるだろう」
王室が変わるとすれば、その先かもしれない。
(翻訳:ガリレオ)
では、特に驚いた箇所を抜き書きしてみます
マークルは王室のアドバイザーから「バイレイシャル(異人種間、とくに白人と黒人子ども)」であることを隠すよう言われる可能性が高く、イギリスの根強い人種差別をさほど改善させることにはならないという
あの・・バイレイシャルであることを隠すよう言われるって、そんなの既にみんなが知ってるのに、今更どうやって隠せと??ちょっと何言ってるか分からないです。ひょっとして自分のルーツについて一切言及するな、話題にもするな、という意味なんでしょうか?それ、人権侵害ですよ?
黒人の母と白人の父を持つマークルとヘンリー王子の結婚が認められたのは、イギリスならびに英王室が進歩したことの証し、と一部でもてはやされている。
ちょっと待ってね、、イギリスは先進国のはず。黒人の血が入っていることを理由とした結婚差別って、現実には残念ながらきっとあるのでしょうけど、そういう差別は許されないという社会的コンセンサスは少なくとも20世紀には確立されてたと思うんですが。
イギリス王室は21世紀になってやっとこさそれに追いついたわけですが、それは確かに進歩だけど、素晴らしいと「もてはやす」事案ではなく、「ああ、やっとね」じゃないんですか
バイレイシャルであるマークルが英王室の一員になったくらいで、何百年にもおよぶイギリスの人種差別的な考え方が変わるとは、アンドリュース(※バーミンガム・シティ大学の社会学准教授で、ヨーロッパで初めて黒人研究課程を設立した人)は考えない。
「英王室は、大英帝国の白人主義を燦然と象徴する存在だ」とアンドリュースは言う。「真っ白な王室に一滴のコーヒーが混ざったからといって、何の違いも生まれない。王室は王室であり、それが象徴するものも変わらない」
「英王室は、大英帝国の白人主義を燦然と象徴する存在だ」ということは、イギリスの人種差別意識を牽引してきたのは王室と読めるんですけど。
「真っ白な王室に一滴のコーヒーが混ざったからといって、何の違いも生まれない。王室は王室であり、それが象徴するものも変わらない」って、王族の血は鉄壁だから少々のことは大目に見てやる、的な、なんか凄い(小並)
というか、この「真っ白な王室に一滴のコーヒーが混ざ」るというアンドリュース氏の表現に、壮絶な差別を感じます。
マークルさんはシミですか。
婚約が発表された日、アンドリュースの友人の白人の隣人は「喪に服すような暗い雰囲気」だったという。その隣人は、王室は「本来のイギリス人像を映すべき」だと言った。「インドの王族は、白人を家族に迎え入れたりしない」
つまり、黒人はどんなにイギリスに根付いて暮らそうが、「本来のイギリス人」からは排除されているのだと、王室とはいつまでも時代錯誤な人種差別をしつこく引きずるべきだと、アンドリュース氏の友人は思ってるのですね。
これはこの友人の差別的な価値観を責めるべきでしょうか。それとも、こと王室に関してなら、こういう考えは許されるものなのでしょうか
イギリスのタブロイド紙であるデイリー・メールは、婚約前からマークルの人種について大げさに騒ぎ立て、「ハリーの彼女の母方はスラム出身」と見出しを打ったり、マークルの家系が王室の人間とどんなにかけ離れているかを論じた系図学者が論じた記事を掲載したりした。
いくらタブロイドでも、もしこれがマークルさんがアカデミー賞を取るかどうかの記事だったら、「スラム出身」と見出しを打ったり家系図を出したりはしないでしょ、明らかな差別記事になりますから。
でも王室絡みなら差別的な記事書いても許されるんですか?何故許されるのか私にはよくわかりません
だが、マークルの前途は多難だ。義理の祖父になるフィリップ殿下は人種差別主義者として有名で、ケニア人の女性に「君は女性かね?」と聞いたことがある。
こんな身内がいれば、王室についてマークルを指導する教育係も、黒人の血筋を公言することを控えるよう釘を刺すしかないかもしれない。
論外。
これは明らかにレイシストの発言です。誰が発言しようが関係ありません、女王の夫がレイシストだとは知りませんでした。
「王室についてマークルを指導する教育係も、黒人の血筋を公言することを控える」ということは、人種差別がイギリス王室の公式な方針ということですか?
婚約発表後、BBCのインタビューに応じた未来のプリンセスは、メディアが自分の人種のことで大騒ぎすることには「がっかりだ」と言った。
ここまでおおっぴらに人種のことで大騒ぎすること自体が、既に人種差別だと私は感じます。
マークルさん、がっかりじゃなくて、激怒して良いんじゃないですか?
この世界から人種差別はまだまだ無くならないけど、それでも差別根絶のための意識は格段に進歩してきました。
なのに前世紀の「初級」に戻された感じ。しかも前途多難。21世紀にもなって何を言ってるんだと。
その様子を見たキャッシュモアはこう言った。「彼女はいずれ(王室アドバイザーの忠告を)無視し、自分が何者かについて語りたくなるだろう」
王室が変わるとすれば、その先かもしれない。
これが100年前なら非常に先進的で絶賛されるのも分かりますが、周回遅れでやっと変わることをあがめるのは、なんとも違和感あります
もしこういう考え方や言動が英国の政治家や著名人なら一発アウトでしょうに、王室絡みなら許されるんですか
「そんなの当たり前じゃないか、血筋や人種や家系にこだわらないのなら、もうそれは一般人だし、王室としての存在価値は無くなってしまうじゃないか、何を馬鹿なことを」
と、おしかりを受けそうですが、ということはやはり王室というものは、根本的に民主主義と相容れないのだろうと私は再確認せざるを得なかった、という不敬なエントリーでした。
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