冤罪の悲劇を無くすためにできること
- 2010/04/09
- 22:16
まずは名張弁護団の伊藤和子弁護士がスペインで行った記者会見の記事をご紹介しましょう
中日新聞2010年4月8日朝刊
驚かれちゃいました、スペインのジャーナリストに・・(^^;;
改めて、日本は人権後進国なのだと世界は認識したと思います。
なんというか日本って、人権問題の前進のためには‘外圧’に頼らなくちゃならないのが悲しいですね。民衆が自らの力で民主主義を獲得することがついに一度もなかった国のサガでしょうか。
尚、伊藤弁護士はブログを書かれているので、スペインでの報告を詳細に書いてくださるのでは、と期待しています。
◆人権は国境を越えて-弁護士伊藤和子のダイアリー
刑事訴訟法の至上命題は言うまでもなく無辜の民を罰しないことです。
そのためにどうすればいいのか、おもいつくまま箇条書きにしてみました
(足りない点は気付いたらあとで加筆します)
・マスコミの印象報道を無くす
・人質司法をなくす
(特に裁判官は捜査側の不当な逮捕勾留や勾留延長などをチェックするため、令状を出す権限が与えられているのに、実際は捜査側の要求をスルーパス。なんのチェック機能も果たしてない。取り調べ時間も長時間過ぎるので短縮する)
・取調の可視化
取調はもちろん任意同行の段階から全て録画する。
(ここで怖い思いをして警察の誘導に逆らえなくなることもあるため。また任意と言いつつ、実際は自由にトイレに行かせてもらえなかったり、長時間拘束されて自宅に帰して貰えなかったりすることがある)
証人も録画する必要あり
・検察に証拠開示を義務づけ、弁護人が閲覧、謄写できるようにする制度を設ける
・裁判官は無罪推定を徹底すること。
また裁判官は自白の評価の基準を全面的に見直すべき(これについてはまた別エントリーで)
・被疑者、被告人が再鑑定を早期に受けられる権利を立法化する
・無罪判決や再審開始決定に対し、検察は異議申し立てできないようにする
まだ他にもあるでしょうから、私も色々調べて勉強したいと思っています。
取調の可視化や証拠開示など、ハード面である法制度の不備を整えるだけでは不足だと思います。
やはり裁判官、警察検察、国民の意識という、いわばソフト面の向上が大事だと強調したいです。
いくらいい家を建てても、そこに住む人間がだらしなければ家は傷みますから。
裁判官の資質(推定無罪に忠実であること、また判検交流など裁判官と検察官の親密性を無くす)、社会の刑事司法に対する無知(マスコミや一般人も逮捕=有罪、問題解決と思いこんでる。一般の法教育の充実)の「土台」の改善が欠かせないことを強調したいと思います
中日新聞2010年4月8日朝刊
◆「司法不備の犠牲者」スペインで弁護団訴へ
人権問題報告のため、欧州連合(EU)議長国スペインに招かれている名張毒ぶどう酒事件弁護団の伊藤和子弁護士(43)が7日、マドリードで記者会見。裁判所の判断が揺れる中で半世紀近く拘置されている奥西勝死刑囚(84)は「日本の刑事司法制度(の不備)の犠牲者」と述べ、大きな人権問題として国際的に認知するよう訴えた。
伊藤弁護士は、事件の概要を説明し、裁判が長期化している一員として「日本の検察は被告に不利な証拠を提示するだけで、被告に有利な証拠を開示する義務が課せられていない」と問題視。EUが是正の働き掛けをするよう求めた。
会見は世界の死刑廃止を訴える人権団体アムネスティ・インターナショナルのスペイン支部で実施され、同国のメディア17社が出席。スペイン国営放送のアルベルト・セナンテ記者(27)は「発展途上国や共産圏の事件なら驚かないが、日本でこういう事件があることを初めて知り、驚いた」とはなしていた。
驚かれちゃいました、スペインのジャーナリストに・・(^^;;
改めて、日本は人権後進国なのだと世界は認識したと思います。
なんというか日本って、人権問題の前進のためには‘外圧’に頼らなくちゃならないのが悲しいですね。民衆が自らの力で民主主義を獲得することがついに一度もなかった国のサガでしょうか。
尚、伊藤弁護士はブログを書かれているので、スペインでの報告を詳細に書いてくださるのでは、と期待しています。
◆人権は国境を越えて-弁護士伊藤和子のダイアリー
刑事訴訟法の至上命題は言うまでもなく無辜の民を罰しないことです。
そのためにどうすればいいのか、おもいつくまま箇条書きにしてみました
(足りない点は気付いたらあとで加筆します)
・マスコミの印象報道を無くす
・人質司法をなくす
(特に裁判官は捜査側の不当な逮捕勾留や勾留延長などをチェックするため、令状を出す権限が与えられているのに、実際は捜査側の要求をスルーパス。なんのチェック機能も果たしてない。取り調べ時間も長時間過ぎるので短縮する)
・取調の可視化
取調はもちろん任意同行の段階から全て録画する。
(ここで怖い思いをして警察の誘導に逆らえなくなることもあるため。また任意と言いつつ、実際は自由にトイレに行かせてもらえなかったり、長時間拘束されて自宅に帰して貰えなかったりすることがある)
証人も録画する必要あり
・検察に証拠開示を義務づけ、弁護人が閲覧、謄写できるようにする制度を設ける
・裁判官は無罪推定を徹底すること。
また裁判官は自白の評価の基準を全面的に見直すべき(これについてはまた別エントリーで)
・被疑者、被告人が再鑑定を早期に受けられる権利を立法化する
・無罪判決や再審開始決定に対し、検察は異議申し立てできないようにする
まだ他にもあるでしょうから、私も色々調べて勉強したいと思っています。
取調の可視化や証拠開示など、ハード面である法制度の不備を整えるだけでは不足だと思います。
やはり裁判官、警察検察、国民の意識という、いわばソフト面の向上が大事だと強調したいです。
いくらいい家を建てても、そこに住む人間がだらしなければ家は傷みますから。
裁判官の資質(推定無罪に忠実であること、また判検交流など裁判官と検察官の親密性を無くす)、社会の刑事司法に対する無知(マスコミや一般人も逮捕=有罪、問題解決と思いこんでる。一般の法教育の充実)の「土台」の改善が欠かせないことを強調したいと思います
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