コメント
No title
他の記事でもいくつかコメントさせていただいておりますが、本記事についても一言。
核保有が憲法上許されるかという問題と、防衛政策上日本が核保有すべきであるかという問題は、全く別のものです。前者は憲法の解釈の問題であり、客観的に定まるものです。これは日本が核保有すべきか否かという政策上の視点からは切り離されて論じられるべきものです。逆に、核保有が憲法上許されるからといって、防衛政策上も核保有すべきであるということにはなりません(憲法上禁止されているのであれば、防衛政策上も保有できないことは言うまでもありませんが)。
「核武装論者」とは通常防衛政策上核武装すべきと考えている人のことを指すところ、サンデー毎日の記事を見る限りでは安倍総理(当時は官房副長官のようですね)の発言は「憲法上核保有が禁止されていない」というものであり、前者についてのみです。核保有すべきという発言はありません。また、様々な場面で安倍総理は「非核三原則を堅持する」と述べており(今年の広島での平和記念式典の後の会見でも述べたとのことです)、防衛政策上核武装すべきではない旨発言しています。これらの発言を信用ならない、とお考えでしたらそれは個人的な意見としては全く構いませんが、少なくとも核武装を政策上肯定はしていないはずです(別の場面で核武装すべきと発言していたならすみません、謝罪します。ただそれならやはりその発言を示すべきだと思います)。したがって、「核兵器所有は合憲と考えている」との記述はその通りですが、「核武装論者」や、「核武装を肯定」という記述は誤りであり、誤解を招く不適切なものであることから、訂正をされた方がよろしいのではないかと存じます。
また、この記事を読むと、歴代総理の中で安倍さんだけがトンデモナイことを言っている、との誤った印象を与えかねませんが、核兵器だからといって一律に憲法上禁止されるものでないというのはこれまでの政府の一貫した見解であり、安倍さんの発言はこれに沿うものです。
これらのことを承知の上でとりわけ本記事のような表現をされているのであれば、日本人にとってとりわけセンシティブな問題である広島・長崎の原爆の問題を安倍総理批判に利用していると思われかねませんので、ぜひとも不要な誤解を与えることのないような表現をされてはいかがかと思います。
余談ですが私は広島生まれ広島育ちです。広島県民の一人として、世界から核兵器が廃絶されることを(内心では難しいだろうなと思いながらも)心から祈っております。
核保有が憲法上許されるかという問題と、防衛政策上日本が核保有すべきであるかという問題は、全く別のものです。前者は憲法の解釈の問題であり、客観的に定まるものです。これは日本が核保有すべきか否かという政策上の視点からは切り離されて論じられるべきものです。逆に、核保有が憲法上許されるからといって、防衛政策上も核保有すべきであるということにはなりません(憲法上禁止されているのであれば、防衛政策上も保有できないことは言うまでもありませんが)。
「核武装論者」とは通常防衛政策上核武装すべきと考えている人のことを指すところ、サンデー毎日の記事を見る限りでは安倍総理(当時は官房副長官のようですね)の発言は「憲法上核保有が禁止されていない」というものであり、前者についてのみです。核保有すべきという発言はありません。また、様々な場面で安倍総理は「非核三原則を堅持する」と述べており(今年の広島での平和記念式典の後の会見でも述べたとのことです)、防衛政策上核武装すべきではない旨発言しています。これらの発言を信用ならない、とお考えでしたらそれは個人的な意見としては全く構いませんが、少なくとも核武装を政策上肯定はしていないはずです(別の場面で核武装すべきと発言していたならすみません、謝罪します。ただそれならやはりその発言を示すべきだと思います)。したがって、「核兵器所有は合憲と考えている」との記述はその通りですが、「核武装論者」や、「核武装を肯定」という記述は誤りであり、誤解を招く不適切なものであることから、訂正をされた方がよろしいのではないかと存じます。
また、この記事を読むと、歴代総理の中で安倍さんだけがトンデモナイことを言っている、との誤った印象を与えかねませんが、核兵器だからといって一律に憲法上禁止されるものでないというのはこれまでの政府の一貫した見解であり、安倍さんの発言はこれに沿うものです。
これらのことを承知の上でとりわけ本記事のような表現をされているのであれば、日本人にとってとりわけセンシティブな問題である広島・長崎の原爆の問題を安倍総理批判に利用していると思われかねませんので、ぜひとも不要な誤解を与えることのないような表現をされてはいかがかと思います。
余談ですが私は広島生まれ広島育ちです。広島県民の一人として、世界から核兵器が廃絶されることを(内心では難しいだろうなと思いながらも)心から祈っております。
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〉 跳ねて暴れる鯉のぼりさん
はじめまして。
〉 核保有が憲法上許されるかという問題と、防衛政策上日本が核保有すべきであるかという問題は、全く別のものです。前者は憲法の解釈の問題であり、客観的に定まるものです。
前半部分はその通りだと思いますが、後半はどうでしょうか。つい先日、現在の総理大臣が「憲法の解釈」を大幅に変えてしまったばかりですので。その解釈に基づく安保法案は、憲法学者の「客観的」な評価の結果、ほとんどの学者が「違憲」と評価されたようです。少なくとも現在において「憲法解釈の客観性」はずいぶん揺らいでいると思いますけど。
「法案上は可能だが政策的には行わない」というのは、つい先日の国会審議で「核兵器の輸送」に関しても使われたロジックですね。「法理上は可能だが政策的にはしない」というのは「政策が変わればやる」という事です。
憲法をさえ違憲と批判されるような「解釈」をする人が、政策だけは何があっても変えないとは言えないでしょう。さらには「法的安定性」を軽視するような発言をした補佐官や、平和主義を害悪と評した議員に何ら処分を下さない政権の長が、「政策上やらない」と言ったところで、それはなんの保障にもなりません。
平たく申し上げますと、憲法さえ守らないような総理のいう事など信用できません。
これは心情的な問題ではなく、論理的にそうなります。本来より安定的に、硬性に扱われなければならない「憲法」の解釈を変えた人間が、現状において「憲法」よりも容易に変更可能な「政策」を一切変更しないと言えるのなら、それこそ何らかの根拠が必要です(これは徴兵制に関する議論でも同じことが言えますね)。
〉 「核武装論者」や、「核武装を肯定」という記述は誤り
そうでしょうか。
少なくとも「憲法上禁じられていない」という言い方で、保有や使用のハードルを下げようとしているのは確かです。
今話題の安保法案でいえば、安倍首相は「核兵器の輸送はできない、と法案に盛り込むべきだ」という民主党議員の提案を執拗に拒否していました。それは核兵器に輸送を「政策が変わったので可能だ」と、のちに言う余地を残していることになります。
核兵器の保持・使用に関しても同じことが言えそうです。「憲法は禁じていないが政策的に持たない、使わない」というのは、「状況が変わったので持つし、使う」という余地を残しています。
そもそも核兵器の保持や使用が「憲法で禁じられていない」というのは妥当なのでしょうか。日本は専守防衛の国です。「急迫不正の侵害」に対して「必要最低限度」の反撃のみが許されているにすぎません。では、核兵器に使用はこの「必要最低限度」に当てはまるのかという問題です。安倍首相が「戦術核ならば」と留保をつけているのは、これを意識してのことだと思いますが、確かに威力だけで見れば、バンカーバスターやデイジーカッターなど、戦術核を上回る威力を発揮する兵器は少なくありません。
そもそも兵器の威力などは使いようでどうとでもできる部分はあります(護身用の拳銃であっても、それが敵軍の指揮官暗殺に用いられれば、戦略低威力は抜群だったと言う事が出来ます)が、核兵器の特異な点は使用後の影響被害が無視できないという事です。劣化ウラン弾がよい例ですが、個々の放射線量は微々たるものでも、大量に使用された結果、イラクでは多くの健康被害が報告されています。
後々まで健康被害をもたらす兵器は「必要最小限度」の反撃と言えるのでしょうか。また専守防衛を旨とする以上、日本が核兵器を使用するとなれば、それは当然日本の領内です。防衛のために国土を放射線で汚染することが果たして「必要最小限度」と言えるのでしょうか。大いに議論の余地があるかと思いますが、この件で国民的な議論が起きたという話は寡聞にして存じ上げません。
そもそもですが、政治家を監視するのは市民の義務ですが、表面上の言葉だけを追っていると、彼らの言動にひどく振り回されることがあります。
わたしは大阪在住です。橋下徹氏が府知事の時代から、彼の言動にひたすら振り回されてきました。彼の表面上の言葉を真に受けて、それを信じていたら、あっさりとそれを反故にされるという事を、わたしは繰り返し体験していますので(そもそも彼は府知事選出馬を2万%ない、と明言していたのを翻して出馬しています)、安倍首相が核武装するとは言っていないから、それはあり得ないと言われても、信用することにためらいがあります。なにせ憲法解釈を一内閣の都合で変えてしまう人ですから。
〉 この記事を読むと、歴代総理の中で安倍さんだけがトンデモナイことを言っている、との誤った印象を与えかねません
そうですか?だってエントリ内でちゃんと麻生大臣(元首相です)や野田元首相をはじめとした核保有を支持する政治家を複数あげているし、政治家以外の識者、文化人のリストへのリンクも張っていますよ?
それがどうして「歴代総理の中で安倍さんだけが…」などという「誤った印象」を与えると思われたのですか?
むしろそう考えているのは安倍首相だけではない、という秋原さんの強い危機感をわたしなどは読み取ったのですが。
〉 日本人にとってとりわけセンシティブな問題である広島・長崎の原爆の問題を安倍総理批判に利用している
であるなら、その「日本人にとってとりわけセンシティブな問題」であるはずの核兵器の保持・使用に政策上可能となるような余地を残している安倍首相たちがまず批判されるべきだと思いますが。
さらに申し上げればそのおっしゃりようでは「広島・長崎の原爆の問題」を盾に、安倍首相への批判を封じようとなさっているようにも見受けられます。「ぜひとも不要な誤解を与えることのないような表現をされてはいかがかと思います」。
以上、長々と失礼しました。
はじめまして。
〉 核保有が憲法上許されるかという問題と、防衛政策上日本が核保有すべきであるかという問題は、全く別のものです。前者は憲法の解釈の問題であり、客観的に定まるものです。
前半部分はその通りだと思いますが、後半はどうでしょうか。つい先日、現在の総理大臣が「憲法の解釈」を大幅に変えてしまったばかりですので。その解釈に基づく安保法案は、憲法学者の「客観的」な評価の結果、ほとんどの学者が「違憲」と評価されたようです。少なくとも現在において「憲法解釈の客観性」はずいぶん揺らいでいると思いますけど。
「法案上は可能だが政策的には行わない」というのは、つい先日の国会審議で「核兵器の輸送」に関しても使われたロジックですね。「法理上は可能だが政策的にはしない」というのは「政策が変わればやる」という事です。
憲法をさえ違憲と批判されるような「解釈」をする人が、政策だけは何があっても変えないとは言えないでしょう。さらには「法的安定性」を軽視するような発言をした補佐官や、平和主義を害悪と評した議員に何ら処分を下さない政権の長が、「政策上やらない」と言ったところで、それはなんの保障にもなりません。
平たく申し上げますと、憲法さえ守らないような総理のいう事など信用できません。
これは心情的な問題ではなく、論理的にそうなります。本来より安定的に、硬性に扱われなければならない「憲法」の解釈を変えた人間が、現状において「憲法」よりも容易に変更可能な「政策」を一切変更しないと言えるのなら、それこそ何らかの根拠が必要です(これは徴兵制に関する議論でも同じことが言えますね)。
〉 「核武装論者」や、「核武装を肯定」という記述は誤り
そうでしょうか。
少なくとも「憲法上禁じられていない」という言い方で、保有や使用のハードルを下げようとしているのは確かです。
今話題の安保法案でいえば、安倍首相は「核兵器の輸送はできない、と法案に盛り込むべきだ」という民主党議員の提案を執拗に拒否していました。それは核兵器に輸送を「政策が変わったので可能だ」と、のちに言う余地を残していることになります。
核兵器の保持・使用に関しても同じことが言えそうです。「憲法は禁じていないが政策的に持たない、使わない」というのは、「状況が変わったので持つし、使う」という余地を残しています。
そもそも核兵器の保持や使用が「憲法で禁じられていない」というのは妥当なのでしょうか。日本は専守防衛の国です。「急迫不正の侵害」に対して「必要最低限度」の反撃のみが許されているにすぎません。では、核兵器に使用はこの「必要最低限度」に当てはまるのかという問題です。安倍首相が「戦術核ならば」と留保をつけているのは、これを意識してのことだと思いますが、確かに威力だけで見れば、バンカーバスターやデイジーカッターなど、戦術核を上回る威力を発揮する兵器は少なくありません。
そもそも兵器の威力などは使いようでどうとでもできる部分はあります(護身用の拳銃であっても、それが敵軍の指揮官暗殺に用いられれば、戦略低威力は抜群だったと言う事が出来ます)が、核兵器の特異な点は使用後の影響被害が無視できないという事です。劣化ウラン弾がよい例ですが、個々の放射線量は微々たるものでも、大量に使用された結果、イラクでは多くの健康被害が報告されています。
後々まで健康被害をもたらす兵器は「必要最小限度」の反撃と言えるのでしょうか。また専守防衛を旨とする以上、日本が核兵器を使用するとなれば、それは当然日本の領内です。防衛のために国土を放射線で汚染することが果たして「必要最小限度」と言えるのでしょうか。大いに議論の余地があるかと思いますが、この件で国民的な議論が起きたという話は寡聞にして存じ上げません。
そもそもですが、政治家を監視するのは市民の義務ですが、表面上の言葉だけを追っていると、彼らの言動にひどく振り回されることがあります。
わたしは大阪在住です。橋下徹氏が府知事の時代から、彼の言動にひたすら振り回されてきました。彼の表面上の言葉を真に受けて、それを信じていたら、あっさりとそれを反故にされるという事を、わたしは繰り返し体験していますので(そもそも彼は府知事選出馬を2万%ない、と明言していたのを翻して出馬しています)、安倍首相が核武装するとは言っていないから、それはあり得ないと言われても、信用することにためらいがあります。なにせ憲法解釈を一内閣の都合で変えてしまう人ですから。
〉 この記事を読むと、歴代総理の中で安倍さんだけがトンデモナイことを言っている、との誤った印象を与えかねません
そうですか?だってエントリ内でちゃんと麻生大臣(元首相です)や野田元首相をはじめとした核保有を支持する政治家を複数あげているし、政治家以外の識者、文化人のリストへのリンクも張っていますよ?
それがどうして「歴代総理の中で安倍さんだけが…」などという「誤った印象」を与えると思われたのですか?
むしろそう考えているのは安倍首相だけではない、という秋原さんの強い危機感をわたしなどは読み取ったのですが。
〉 日本人にとってとりわけセンシティブな問題である広島・長崎の原爆の問題を安倍総理批判に利用している
であるなら、その「日本人にとってとりわけセンシティブな問題」であるはずの核兵器の保持・使用に政策上可能となるような余地を残している安倍首相たちがまず批判されるべきだと思いますが。
さらに申し上げればそのおっしゃりようでは「広島・長崎の原爆の問題」を盾に、安倍首相への批判を封じようとなさっているようにも見受けられます。「ぜひとも不要な誤解を与えることのないような表現をされてはいかがかと思います」。
以上、長々と失礼しました。