育鵬社の教科書採択に抗議します(4)
- 2015/07/30
- 07:00
そしてこちらでは、東京都教委が都立中高一貫校の10校と都立特別支援学校の中学部(視覚障害を除く)22校で育鵬社を採用すること、及び、検定制度を使って教育に政治が介入するのは許されないことを書きました
悲報です
東大阪市、大田原市、四條畷市も育鵬社を採択しました
「東大阪市で公民(約4400名の生徒が使用)、河内長野市で公民(約900名)、四條畷市で歴史(約600名)と公民(約600名)で採択」
だそうです。この調子であとに続かれてはたまりません
「もしこの大阪市で採択されれば、1年間で約2万人、4年間で8万人の中学生が安倍戦争法案を先取りする戦争賛美教科書で学習することになります。いじめやヘイトスピーチの温床をつくり出す教科書で学習することになります。」(グループZAZA)
国家によるネトウヨ養成教育が浸透するのが先か、安倍自民党政治を退陣させるのが先か、一刻も猶予がならない競争だと感じます
そして、どうやら東大阪市では採択にあたって暴挙がなされたようです
私もここででシェアさせていただきます
https://www.facebook.com/higashioosakakyouiku/photos/a.1583692968537946.1073741826.1583687661871810/1631035043803738/?type=1&fref=nf
東大阪で教育を考える会
本日、東大阪市教育委員会の臨時会が教科書採択のために開かれ、育鵬社の公民教科書が採択されました。教育委員会の諮問を受けて教科書を選定した選定委員会の答申に入っていなかった育鵬社の教科書を採択するという異常な採択です。写真のように、社会(公民的分野)で選ばれていたのは、東京書籍、教育出版、帝国書院の3社だったのに育鵬社が選ばれたのです。
この採択を受けて私たちはマスコミ各社への記者会見を行い、以下のような声明を発表しました。声明の最後にも書きましたが、「戦争のできる国づくり、人づくりを」を目指す育鵬社の公民教科書が、国会での安保法制の審議と歩調を合わせるようにして採択されたことに恐怖を感じます。東大阪で起きたことは今後、日本の各地に広がって行くかもしれません。ご自身の住む自治体の教科書採択に目を向けてください。「戦争のための国づくり、人づくり」が急ピッチで進んでいます。
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本日、東大阪市の教科書採択で育鵬社の公民教科書が採択されました。選定委員会の答申に入っていない育鵬社の公民教科書を「現行」という理由だけで採択するという信じられない採択が行われました。多民族多文化共生・人権尊重・反戦平和の街、東大阪で「戦争のできる国づくり、人づくり」をめざし、排外同化主義と歴史修正主義に貫かれた教科書がまた4年間、中学校の使われてしまいます。残念でなりません。東大阪市がこれまで積み上げてきた人権推進の教育を破壊する暴挙です。
今年の6月から7月にかけて「現代撫子倶楽部」というレイシズム(人種差別)団体が育鵬社と自由社の教科書の採択を求めて布施駅前でヘイト演説を行い、多くの市民のこころを傷つけました。許されることではありません。これは、前回の2011年の採択で東大阪市教育委員会が育鵬社の公民の教科書を選んだ結果であり、育鵬社と自由社の教科書が差別とヘイト演説の温床である証拠です。わたしたちはその事実を繰り返し訴えてきました。このような事実にもかかわらず、本日の教育委員会で育鵬社の公民教科書が採択されたことは、教育委員5人の人権意識の低さの現われであり、私たちは怒りを通りこして悲しみを感じます。4年前に殺された東大阪の教育は今日よみがえらず、また殺されました。
野田市長がフエイスブックの外国人差別発言に「いいね!」をし、この件についてわたしたちが提出した質問状にまともに返答せず、謝罪にも応じようとしないのは、東大阪の教育の質の劣化を象徴します。教育への政治の介入は禁じられているにもかかわらず、野田市長が教科書採択に介入しているという疑惑も報道されています。
安倍政権のすすめる安保法制に歩調を合わせるように東大阪市で教育の改悪が行われていることにわたしたちは大きな危惧を抱いています。マスコミ各社の皆様には、この危機意識を共有し、野田市長の教科書採択介入の疑惑と、外国人差別発言を容認・拡大する態度を追求し、報道していただきたいとおもいます。安倍政権が続けば、今回行われたような採択が今後、日本全国に広まってゆくでしょう。マスコミ各社の皆様はその意味でも今回の東大阪の教科書採択で行われた暴挙を報道していただきたいと思います。
グループZAZAから会議の模様の報告です
●東大阪市教育委員会会議傍聴記~なんじゃこれは⁉︎
http://blog.goo.ne.jp/zaza0924/e/3c1eebec94f0ea22f29146a0fd4d3af6
昨日の東大阪市教科書採択について、なぜ育鵬社に決定したのか、どういう経緯でそうなったのか疑問の声が上がっています。
東大阪市教育委員会を傍聴されたMさんの怒りに満ちた傍聴記を掲載します。
Mさんより
本日の東大阪教科書採択ははじめから決まっていたように、選定委員会の答申にもない育鵬社を再び採択するという暴挙を行いました。
傍聴希望80数名の中から幸いにして、12人の傍聴者の内8人が採択させない市民で確保しました。
13;30~の会議ははじめに傍聴者にも会議録が配布され、その中の選定委員会答申一覧には、なんと地理、歴史、公民ともに育鵬社以外の3社が選定されていました。
思わず『やったー』とぬか喜び、そんな甘いはずはないと思ったら、案の定報告した教育次長が経過報告の中で、『保護者の意見反映のため、調査の結果現在使用の教科書を使用してほしい」との意見があったと補足し、それが現在の公民、歴史には含まれていないとわざわざ説明したころから、怪しい雰囲気が漂いはじめ、閉会後の記者会見で乾教育委員長は育鵬社に決めた理由にそれを持ち出したのには驚きもないです。
とりあえず会議は国語から粛々と進み、極めてあいまいな採決もとらない決定のしかたが、気になっていたことと、前回も育鵬社を推薦した酒井教育委員がしきりに『現行の教科書では・・」と『現行」を持ち出していたのがひっかかっていましたが、各教科5分も要さず粛々と決めていきました。
それにしても、社会の地理は帝國書院から東京書籍に、歴史は東京書籍から教育出版に現行ではない教科書を採択しながら、公民になるといきなり『現行が一番いい」と言い出し、選定委員会の名誉のために言っておくと、それぞれ選定の観点を5点(人権とか東大阪にふさわしいかとか)、また、選定された各教科書の理由を逐一報告した上での、教育委員による育鵬社『現行通り」との決定だったことが茶番を証明しています。
ちなみに選定委員会があげた3社とも、『現代社会にふさわしい内容、拉致問題、東大阪の子どもを大切にしているかをクリアし、国旗国歌もきちんと説明されている、遜色ない」と言う報告したあとに
まず、酒井委員が現行育鵬社と東京書籍に差はない。差がないなら現行のほうがいい。変える必要ない(やはり一番の推進者)。
神足委員は多角的多面的に考える分野において甲乙つけがたい。決められない。どの教科書でも良い(責任放棄にのけぞりそう)
堤委員(この4月から採用)それぞれ現代社会のしくみ課題を偏りなく書かれている。突出して記述に彩色あるのを判断すると現行でいい。(やっぱりおまえもか)
教育長は前回育鵬社を推進したくせに、なぜか今回は生徒たちの興味関心をひく細かい工夫がされている、総合的に判断して教育出版がいい(これ明らかな茶番)
乾教育委員長が神足委員に再度どれかと問いかけると神足委員『現行でもかまいませんが、他のでも」と言葉をにごす。
乾教育委員長が『私も現行でいいと思うが、教育長いかがですか・と問いかける。教育長は「先ほど申しあげたとおり』と小さな声でつぶやく。
乾教育委員長が神足委員再度現行でいいかと確認し、「それでは現行通りでいきます」(ええーっつ!ちょっと待てよ。なんじゃそれ?)
やはりわずか5分程度で決めてしまいました。しかも育鵬社の採択理由を一言も言わず、取材していた記者まで『いつ決まったのか?」とあとから聞きに来るようなひどい決め方。
傍聴者の怒りの抗議に『退室を命じる』委員長。2時30分より前に決まってしまったことを伝えるために、一人退出する。
その後、傍聴者から『茶番やないか?野田市長に言われたのか?責任を持って採択しろ」と抗議の声があがるが、平然と15社を決めていき3時には15の教科書全ての採択が終わりました。
ちなみに私も退室を命じらましたが、平気で出入り自由だったし、最後まで抗議のヤジを飛ばし続けても、別に力づくで制止はしないという状況。はじめから予想していたのでしょう。
これが東大阪教育委員会の実態。4年前に突然採択された驚きと悔しさに、丁章さんが『東大阪の教育は死んだと思った。だから生き返らせなければと立ち上がったと、教育委員会への申し入れに語られましたが、今日は胡桃澤さんが『4年前東大阪の教育は殺された。よみがえらせようとしたのに、二度殺された。』と、怒りと悲しみを記者会見で声明として読み上げました。
市役所前で抗議街宣を行い、再び抗議と撤回を誓って解散したのが5時20分頃。長くしんどい午後でした。東大阪のやり方はまさに安倍の集団的自衛権と同じ手法、クーデター的やり方。文科相が通知した「選定委員会の絞り込みにしばられず、教委育委員会議で決定」を忠実に実行した安倍、野田路線の始まりといえるでしょう。
けれど東大阪の市民は「しつこくあきらめず」がモットーで、これからも、市教委へ押しかけ、抗議撤回を続けます。このまま「見殺しにされてはたまりません」。たくさんの府下の支援の方々に感謝しつつ、まだまだ各地で採択が行われます。互いに力を束ねてがんばりたいと思います。
ヘイト団体が育鵬社と自由社の教科書の採択を求めてヘイト演説を行い、教育委員会は選定委員会答申に入ってなかったにもかかわらず育鵬社を採択、とは。
東大阪市の教育委員会の発想はいまやヘイト団体と大差ない、という事実に暗澹たる気持ちになります
海外では公職追放になりそうな歴史修正主義&レイシストが国政レベルでも地方レベルでもうじゃうじゃ政治家をやってる異常な国、日本。
教育委員は地方公共団体の長(首長)が議会の同意を得て任命する方式なので、首長の意向が反映されやすいです。昔の教育委員公選制に比べると政治介入がしやすいわけですね。首長が日本会議系の人物だと教育委員会にも日本会議の影がチラホラ見えるようになります
東大阪市の首長、野田義和氏は、差別記事にいいね!をおす人物ですから、教育委員もさもありなん。
そもそも教科書は授業を受け持つ先生が選択権を持つのが合理的ですから、教育委員会が上から教科書を決定することも見直されていいと思うし、その教科書も常に教科書検定制度の検閲を受けていることも問題です
根本的な病理は、野田氏のような歴史修正主義&ヘイトに親和性がある人物が選挙でトップに選ばれてしまうことにあるのでしょうけれど、教育を汚染している戦前復古、歴史修正主義の支配を根本から取り除くのにどれくらい奔走すればいいのか・・・根の深さは深刻です
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