民主党のこのアイディアは、憲法裁判所がなく、違憲の法律に司法が即座に対応できない日本では一考に値するのではないかと思うので、メモしておきます
●「安保」契機に民主が新制度検討 法案の違憲審査 最高裁に要請を
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015072002000115.html
民主党は政府や国会議員が提出する法案が憲法に合致しているかどうか、最高裁にチェックを求められるようにする新制度を検討している。「違憲立法」批判が広がる安全保障関連法案の衆院通過を受け、法案として国会への提出も視野に入れる。現在は最高裁が訴訟以外で、法案そのものの憲法適合性を判断することはない。新制度案は、国会や内閣の求めに応じ、最高裁が法案の合憲性に関して意見を出さなければならないとする内容だ。 (大杉はるか)
他国を武力で守る集団的自衛権の行使を容認する安保法案を「違憲」と断じる憲法学者に対し、安倍政権は、日本が「自衛の措置を取り得る」と認めた最高裁の砂川判決(一九五九年)を引用して反論。最高裁が統治行為論といって、安全保障のような高度に政治的な問題には判断を避けることがあるのを承知で、砂川判決を都合よく解釈して合憲と主張している。
最高裁は、具体的な訴訟で国家の行為の合憲性が問われた時にしか、違憲立法審査権を発揮してこなかった。
一方、内閣法制局は、政府が法案を国会に提出する前に憲法適合性を審査してきたが、存在意義は揺らいでいる。安倍晋三首相が、集団的自衛権の行使を合憲と認める人物を意図的に内閣法制局長官に起用しているとみられるからだ。
新制度案は、政府、国会が、法案や国家の行為の憲法適否に関し最高裁に意見を要求できる内容。最高裁が意見を出せば、事実上の拘束力を持つ。最高裁判事が首相の一存で選ばれることを避けるため、人選を専門家に諮問する仕組みも検討する。新制度案作成を主導した中川正春元文部科学相は「安保法案を契機に違憲審査を決着がつく形で運ぶにはどうしたらいいか、考える時期に来ている」と説明した。
永田秀樹関西学院大教授(憲法学)は「最高裁は安保法制の憲法適合性について正面から判断せず、内閣法制局に任せてきた。安倍首相は法制局長官を交代させてまで、憲法解釈を変更した。憲法が壊れかけている。三権分立の原則から言えば、最高裁が判断していくべきだ」と指摘する。
<違憲立法審査権> 憲法81条に基づき、最高裁判所が法律、命令、規則、処分が憲法に適合するかどうかを審査する権限。最高裁は1952年の警察予備隊に関する判決で、具体的な法的争いの中でしか憲法判断はできないとする見解を示した。過去に法律の規定自体を違憲と判断した例は9件程度。直近では、非嫡出子の相続分が嫡出子の半分とする民法規定は「法の下の平等」に反するとした2013年の例がある。
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