戦争法案はもうボロボロで末期的な状態になっていますが、ここで、身内からこの法案を崩壊させるような認識が示されたことをメモしておきます。
このことは既にはじめから指摘され、批判されてきたことなのですが、安倍内閣の身内がとうとう認めました。
●機雷掃海「個別的自衛権で可能」 横畠法制局長官は大丈夫か(日刊ゲンダイ)
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/161286/2
衆院特別委員会で行われている安保法制の審議で、横畠裕介内閣法制局長官の答弁がブレまくっている。安倍首相が集団的自衛権の行使容認の“典型例”としている「ホルムズ海峡での機雷掃海」と「朝鮮半島有事での米艦防護」の事例について、一転、「個別的自衛権でも対応可能」と言い出したのである。
ホルムズ海峡の機雷掃海については、26日の民主党・岡田克也代表の質問に対する答弁だ。横畠長官は「我が国に対する武力攻撃の意図があるならば、我が国に対する武力攻撃そのものになりうる」と説明。そのうえで「個別的自衛権の発動によって機雷を処理することはありうる」と明言した。
そして29日、民主党・長島昭久議員に朝鮮半島有事の際、公海上で警戒する米艦に対する攻撃への対応について問われると、こう答えた。
「日本への武力攻撃と認定できるのであれば、個別的自衛権で対処できる」
ちょっと待って欲しい。この2事例は、安倍首相の主張する集団的自衛権行使のキモだ。米艦防護は、昨年7月に安倍首相が解釈改憲によって集団的自衛権を“解禁”した際の記者会見で、母子の絵が描かれたボードまで作って説明した。ホルムズにしても安倍首相自ら執拗にこだわってきた。
いずれも「個別的自衛権で対処できない」と言って、政府はわざわざ「新3要件」なるものまで作り上げたのだ。ところが横畠長官が言うように、この2事例が個別的自衛権で対応できるのなら、平和憲法を踏みにじってまで、集団的自衛権の行使を容認する必要などないじゃないか。
(引用ここまで)
もうひとつ
おさらいですが、戦争法案で大きな問題点となっているのは①集団的自衛権の違憲性、②後方支援(兵站)が武力行使と一体化しないか(一体化するなら武力行使を禁じた9条に反し違憲となる)です。
①について
集団的自衛権が違憲であることは明白で、日本会議に所属している御用学者3人を除いては、皆、違憲だと表明しています
数年前になりますが私も集団的自衛権が違憲であることををブログに書いています。
しかし、安倍内閣はそれを合憲と強弁、その根拠が
・砂川判決
・安保環境が変化し、日本の安全保障のために集団的自衛権を認める必要性がでてきた
でした。
ご存じの通り、砂川判決は集団的自衛権が合憲であることの根拠には全くなりません(しかし安倍首相は、いまだに「砂川判決が根拠です」とだけ繰り返し唱え続けています。典型的「バカの壁」)
また、仮に百歩、いえ、一万歩譲って集団的自衛権を認める必要性があるとしても、現憲法下では不可能なのですから改憲して認めるのが筋というものです
というか、そもそも日本の安全のために集団的自衛権は本当に必要になってきたのか、どんなケースで必要になるのか、さっぱり謎。
本当にそんな
立法事実が存在するのか、ちゃんと具体的な事例を呈示してくれといわれて、安倍内閣がやっとこさひねり出してきたのが「ホルムズ海峡での機雷掃海」と「朝鮮半島有事での米艦防護」という陳腐な事例でした。
どれだけ知恵を絞っても、この2ケースくらいしか思いつかなかったのです。
ところが、これらは個別的自衛権で対処できる事案だと、
よりによって身内の内閣法制局長官から斬られてしまったのです。
つまり、
立法事実が存在しない~そもそも集団的自衛権なんて日本の安全保障のためには不要だということを、政府の身内が認めてしまったのです(でも安倍首相は「必要です」とだけ繰り返す唱えるでしょうね、バカの壁ですから)
②について
「後方支援」とは所謂「兵站」であり、国際法上「兵站」は武力行使と一体不可分(即ち武力行使と同一だから、憲法違反)とみなされることは既に共産党が国会で追及していました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-18/2015061801_01_1.htmlそして岸田外相は、「後方支援」として予定しているであろう戦闘機の給油は武力行使に当たらないというのは国際的に通用しない、と認めました。
これは、政府の身内が、「後方支援」の内、少なくとも戦闘機の給油は武力行使にあたる=違憲だと認めた等しいのです。(それでも安倍首相は「後方支援は武力と一体化しないから合憲です」とだけ繰り返し唱え続けるでしょう、バカの壁ですから)
政府の身内が、この法案には立法事実もないし、違憲であることを認めちゃったのです、
もう完全に内部崩壊してるじゃないですか、この法案憲法の専門家の98%が憲法違反だと断言し、
「安全保障関連法案に反対する学者の会」アピールには学者・研究者7901人、市民1万3137人、合わせて2万1038人が賛同し、
日弁連も全会一致で安保法制は違憲との意見書を出し
集団的自衛権を容認した閣議決定撤回や戦争法案立法をしないことを求めた署名は165万人に及び、
大学生のみならず高校生も戦争法案反対に立ち上がり、毎日のように全国のどこかでデモが行われ、毎週金曜日には2万人を超える人々が国会を取り囲んでいます。
これに焦った自民党はとうとう「政府批判するマスコミは懲らしめろ」と報道の自由を弾圧するファシストの本性を露骨にむき出してきました。
こういう状態で自民党は既に崩壊しきった法案を今月の15日に強行採決しようとしています。
もうこれでは、独裁専制国家としか言いようがありません。
日本の民主主義が根底から覆される非常事態宣言を出していいと思います。
もし強行採決が行われたら、後の世で、この日は「安倍政権による自己クーデターの日」として記憶されるでしょう
そう、これをクーデターと呼ばずして何と呼ぶのでしょうか
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