米軍三沢基地に配備されている戦闘機がISの空爆に参加ー安保条約にも違反した勝手な基地の使い方を日米双方に抗議します
- 2015/03/17
- 06:00
米国主導でイラクとシリアで進む過激武装組織“IS”(イスラム国)への空爆作戦に、米軍三沢基地(青森県)に配備されているF16戦闘機部隊が参加していたことが編集部の取材で分かりました。
日本駐留の米軍部隊がIS空爆作戦に参加していたことが判明したのは初めてです。
“日本防衛”どころが実態は海外出撃拠点
在日米軍基地が“日本防衛”どころか,米国の世界規模での軍事戦略を支える海外出撃拠点になっていることを示すものです。
IS空爆作戦に参加していたのは、三沢基地配備の米軍空軍第13戦闘飛行中隊。
三沢基地によると、同戦闘飛行中隊は昨年5月から同10月まで中東に派遣されていました。
米軍などはISへの空爆作戦をイラクへは昨年8月、シリアへは同9月に始めました。
中東を責任地域とする米中央空軍は編集部の取材に”第13戦闘飛行中隊はイラクとシリアのいずれの空爆にも参加した“と回答。
同戦闘飛行中隊以外の在日米空軍部隊の作戦参加はないとしています。
三沢基地も同戦闘飛行中隊の空爆作戦参加を認めたものの、同部隊が配備された中東の国名については“作戦の安全にかかわる懸念“を理由に明らかにしませんでした。
三沢基地のウェブサイトのニュースによると、第13戦闘飛行中隊は昨年5-6月にヨルダンで米・ヨルダン軍との年次演習“イーガー一タイガー”や約20ヶ国が参加した軍事演習“イーガー・ライオン”に参加。
同年10月から11月にかけ三沢基地へ帰還しました。
同基地に駐留するF16戦闘機部隊には、第13・14の両戦闘飛行中隊があります。
基地側は両飛行中隊のF16の機数も明らかにしていませんが、米軍空軍は編集部の取材に”典型的な飛行中隊は24機で構成されている“と答えました。
外務省日米安全保障条約課は、三沢基地のF16部隊の空爆作戦参加について
“承知していないのでコメントしようがない”と回答。
在日米軍司令部は”私達はこの種の部隊展開を日本政府に通報する必要はない“としています。
日本政府や日本国民に知らせず、在日米軍は勝手にISへの空爆に参加した形です。
2003年に始まったイラク戦争の開戦時も、三沢基地の部隊をはじめ、米空軍嘉手納基地(沖縄県)のF15戦闘機部隊、沖縄の海兵隊,米海軍横須賀基地(神奈川県)を母港とするキティホーク(神奈川県)など約1万人の在日米軍がイラク方面に送り込まれています。
日本共産党の志位和夫委員長は衆院での代表質問(2月17日)で
“ISへの対応で今求められているのは、国際社会が一致結束して一連の国連安保理に基づき、外国人戦闘員の参加を阻止し、資金源を断ち、テロ組織を武装組織解除と解体に追いこんでいくことだ“
さらに、相手が野蛮で無法な組織あるからこそ、国連中心に国際法・国際人道法を厳格に守って行動する事が何よりも重要であり
”そういう態度を堅持することこそテロ組織を追いつめめていく一番の力になる”と表明しています。
”日本政府に通報する必要ない”(在日米軍司令部)
軍事評論家の前田哲男さんのコメントです。
安保逸脱、暴力連鎖に加担
米軍が、三沢基地の部隊を遠い中東での戦争に使うのは、基地提供国である日本政府に配慮する必要がなく、、使いやすいと考えているからです。
しかし安保条約のもとでも米軍はどう使っていいわけではありません。
安保条約は米軍の駐留目的を“極東似おける国際平和及び安全の維持に寄与すため”と定めています。
中東は極東ではなく、今回のISへの空爆は安保条約すら逸脱するものです。
ISは邪悪な集団です。
しかし国連憲章に基づかず米軍が、一方的に空爆を続けることは、より残虐な報復を正当をする口実をISに与えるだけです。
三沢基地部隊の空爆参加はそれへの加担と言えます。
暴力の連鎖をどう断つかを考える視点こそ必要です。
三沢基地はF16が配備されたのは1980年代です。
同基地の戦闘部隊はソ連への核攻撃を任務としていました。
その後米国はアフガニスタン戦争、イラク戦争といった別の形の戦争を始めました。
三沢基地のF16もイラクやアフガニスタンでの作戦に参加していきます。
今回のIS空爆も米軍にとっては、その延長線上なのでしょう。
在日米軍は対中国、北朝鮮の日本の安全保障のためにはやむを得ない必要悪だといまだに信じているおめでたい方は、いい加減目を覚ましてください。
これが在日米軍基地の存在理由なのです。私も読者がミミタコになるくらい繰り返してきましたが、アメリカは日本の安全保障のために日本に基地を置いてるわけではないのです。
それにしてもふざけてますね
外務省日米安全保障条約課は、三沢基地のF16部隊の空爆作戦参加について “承知していないのでコメントしようがない”と回答。
在日米軍司令部は”私達はこの種の部隊展開を日本政府に通報する必要はない
他国の土地を好きに使わせてもらってる上に湯水のように思いやり予算を何十年ともらっといて、この舐めた言いぐさは何様ですか。
外務省も外務省、いつもの木で鼻をくくったコメントにも「どこまで卑屈なのか、プライドはないのか」と言いたくなります。
ここは「誇り高き国士様」なら烈火の如く怒る場面ですよ?
赤旗も指摘してるとおり、これは日米安保条約にすら違反しています。
でもアメリカはそんなことは全く気にしないでしょう、だって日本政府が条約違反だと文句を言ってくることは120%ありえないのですから。
そして日本政府も国民から批判があったとしても「条約違反?それがなにか?」と開き直ることでしょう。
まともな法治国家だったらこんな条約違反、首相をはじめとして「知らなかった」では済まされずにみな首が飛ぶはずですが、どうせ何をやっても国民は大人しい羊の群れだと政府はタカをくくっていてやりたい放題です。
先日中国は全人代で「法治国家を目指す」という政策目標を掲げましたが、政府による度重なる憲法違反が日常化している日本も、中国を見習って「法治国家を目指す」という目標を掲げた方がいいんじゃないですか?
ところで、もしもアメリカからIS空爆に在日米軍基地を使わせろという
もしも私が安倍晋三なら、きっとこう言います。
これは日米安保条約が想定しているケースから若干はずれるかもしれませんが、わが国の自衛権発動の一形態として解釈していただきたいと思います。
ご存じのように、わが国は自衛権発動のための新3要件を昨年決定いたしました。
要件①について
今年初め、我が日本の同胞が残忍なテロリストISによって殺害されたことは痛恨の極みです。
今後もこのように日本人が殺されたり、テロが仕掛けられたりする危険性は非常に高く、これは「わが国に対する武力攻撃攻撃を受けた場合と同様に深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況」にあたります。
(※なんたって安倍首相はホルムズ海峡封鎖だけでわが国に対する武力行使と同視するくらいです)
要件②について
今後のわが国に仕掛けられるであろうテロ行為を排除するには、テロリストの本拠地を空爆するしか我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段が存在しません
(※もともと安倍首相の頭の中には、非軍事的な外交努力による問題の解決、という選択肢は存在しません)
要件③について
そして、日本に代わってISを空爆してくれるアメリカにわが国にある米軍基地を出撃拠点として使っていただくことは、わが国が行使する必要最小限の手段と言えます。
よって、在日米軍基地からI米軍がIS空爆に赴いたとしても、わが国はこれに全面的に協力いたします。
安倍政権には、カイロ演説と2億ドル支援や、「ISに必ず償わせる」という好戦的挑発が日本に対するテロの危険性を増しているのだという自省は一切無く、IS空爆に協力する方が更にISからのテロの危険を誘発している、という自覚も皆無なのは間違いないでしょうから、こんな答弁は十分に考えられます。
ちなみに米軍基地を拠点にするだけでなく、自衛隊にイラク戦争の時のような後方支援の要請がきても、自衛隊が直接空爆しにいくことになったとしても、「必要最小限の実力行使だ」と安倍首相は断言することでしょう
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