外国人労働者とも連帯を
- 2009/01/20
- 23:20
http://www.asahi.com/national/update/0118/TKY200901180145.html
ブラジル人の雇用と教育の改善求め、銀座でデモ行進
2009年1月18日23時59分
雇用の安定を訴え、デモ行進する日系ブラジル人たち=18日午後、東京都港区、遠藤真梨撮影
「使い捨てヤメロ!」。不況が直撃している在日ブラジル人の生活状況の改善を求めるデモが18日、東京都心であった。約200人が「雇用」「教育」などと記されたプラカードを手に、ラップのリズムに乗って銀座を歩いた。
先導した日系2世のラップ歌手・石川ホベルトさん(36)は「外国人労働者が日本経済を支えていることを伝えたかった」と話した。埼玉県狭山市に住む2世のプリシラ・イナマスさん(25)は、1歳の息子を乳母車に乗せて参加した。10年前に来日して自動車部品や総菜の工場で働いてきたが、12月に夫と共に解雇された。「新しい仕事を見つけたい。この国で夢をかなえたい」
実行委員会の代表を務めた3世の橋本秀吉(ひできち)さん(45)は「私たちはデカセギではなく、これからもこの国で暮らしていく。政府や企業は私たちにもう少し目を向けてほしい」と訴えた。
ブラジル人の来日は、バブル真っ最中の90年に日系人の定住を認める改正入管法が施行されたことで盛んになった。自動車産業や食品加工などで生産の現場を担い、08年には約32万人に増えた。定住志向が強まっているが、不況で真っ先に解雇され、言葉の問題で学校になじめない子どもも多い。
80年代以降そして90年の改正入管法後、企業は外国人労働者を安価な単純労働力として積極的に利用してきました。そしていざ不況となるとまっ先に首を切ったのは外国人労働者です。言葉の壁があるため再就職もままなりません。授業料が払えないのでブラジル人学校をやめ、そのままどこの学校にも行かない子供達がかなりいます。
外国人派遣労働者は日本人以上に厳しい状況に置かれています。
ブログ、多文化・多民族・多国籍社会で「人として」のエントリー、
「派遣・非正規切りを許すな!外国人労働者の雇用を守る大集会」に行ってきました、風邪ふらふら
がとても参考になりましたので、引用させていただきます。ukiukiさん(というハンドルでしょうか)ありがとうございます。
(引用開始)
今朝のNHKの週刊ニュースでも取り上げられ、『顔の見えない定住化 日系ブラジル人と国家・市場・移民ネットワーク』の共著者の一人である丹野清人・首都大学東京准教授が、“これまでブラジル人や日系人の劣悪な労働条件を放置して来たことが、今、日本人にも波及して、大問題になっている。外国人労働者の置かれた状況を改善していかなければ、今の危機を乗り切っても同じようなことは繰り返し起きるでしょう”という趣旨の発言をしていました。まさに同感です。
(略)
同じ社会で暮らす人の中に、差別的な扱いが許される人とそうでない人とを設けてしまうことがどんな結果をもたらすか。前にこう書きました。
要するに、「国籍」による差別、人権制限が常態化した社会環境は、そこで暮らす差別者側(自国籍者側)の人権感覚の摩耗と人権意識の低下・劣化をもたらす。
その感覚はやがて、差別者側(自国籍者側)自らの人権をも誰かの恣意的な制限下に進んで委ねてご満悦という、愚か極まりない結果を自ら呼び込むことにつながっていく。「もう手遅れ」ってのは、言いっこなし。
(略)
この記事中の「デモには現在は職があるが、将来に不安を抱く外国人も参加」に関して、出発前の集会でのJMIU副中央執行委員長の挨拶に、次のような一節がありました。重要なことは、解雇を通告された労働者だけが危機に直面しているのではないことを、私たちは理解しなければなりません。この攻撃は、全ての外国人労働者にかけられた攻撃であり、全ての労働者にかけられた攻撃なのです。
Temos que entender uma coisa muito importante. Não são apenas os que foram cortados que estão sob perigo. O que está acontecendo é uma investida contra todos os trabalhadores.
追加するなら、人の尊厳に対してかけられた攻撃である、私ならそう言うでしょうか。労働者だけでなく、もっと広く、すべての人が連帯して立ち向かうべき事態だと考えるからです(引用終了、強調は私)
低賃金で儲けるだけ儲けて内部留保をため込み、不況のリスクを派遣切りあるいは正規雇用者の尋常ではない長時間労働で労働者に一方的に押しつけているこの状況は、
解雇を通告された労働者だけが危機に直面しているのではない、この攻撃は、全ての外国人労働者にかけられた攻撃であり、全ての労働者にかけられた攻撃、人の尊厳に対してかけられた攻撃である
という認識に同意します。
そういえば派遣村に外国人労働者って来たのかしら?
派遣村は今の日本の酷い現状をはっきりと可視化し、労働問題を前進させる大きな一歩となりました。しかし世間では、正規非正規間の分断、非正規の中でも住居もありまだ生活していける者とホームレスとなり明日もしれない者との分断が存在することもまた、あらわになりました。
分断されるのが一番良くないのです。
外国人労働者とも連帯しましょう。苦しめられる層は全て団結しましょう。(これは多かれすくなかれ、自分の心にあるかもしれない外国人への偏見と戦ういい機会ともなります。)
外国人労働者を「更なる下」の存在にして今の境遇に満足させる道具にさせてはなりません。これでは働く者の人権のために戦ったとは言えません。
人権は全ての人に平等に行き渡らなくてもいいと考えるならそれは差別だし、差別したまま自分の人権を主張するのは、矛盾なのです。
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