ジャーナリストが危険な戦場に行くのを国が禁止してはいけないと思います
- 2015/02/08
- 15:00
シリア渡航を計画、カメラマンに旅券返納命令 外務省
朝日新聞デジタル 2月8日(日)0時11分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150208-00000001-asahi-soci
外務省は7日、シリア渡航を計画していた男性に対し旅券法に基づいて返納を命じ、男性から旅券を受領したと発表した。返納を命じた理由について、同省は「隣接国を経由してシリアに渡航する旨を表明しており、警察庁とともに渡航の自粛を強く説得したが、意思を変えなかった」などと説明している。
同省が名義人の生命保護を理由に旅券の返納命令を出すのは初めて。旅券法19条は、「旅券の名義人の生命、身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合」は、外相などが名義人に旅券の返納を命令できると規定。同省は同法に基づいて「緊急に旅券を返納させる必要があると判断」したとしている。
旅券返納を命じられたのは、フリーカメラマンの杉本祐一さん(58)=新潟市中央区。
杉本さんによると、今月27日から取材などのためにシリアへの入国を予定していた。外務省は杉本さんに対し、返納を命じた理由について、シリアへの入国を計画している▽シリアでは日本人2人が拘束、殺害されたとみられ、過激派組織「イスラム国」は日本人に更なる危害を加えると宣言している――などと説明したという。同省職員が7日、杉本さんの自宅を訪れ、直接旅券を受け取ったという。
杉本さんは同日、朝日新聞の取材に返納の事実関係を認め、「今夜、外務省旅券課の職員が来て、パスポートを持って行かれた。(憲法が保障する)渡航と報道の自由はどうなるのか。突然のことで困惑している」と話した。
●旅券返納命令 「報道の自由奪う」と批判
TBS系(JNN) 2月8日(日)12時9分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20150208-00000016-jnn-soci
「イスラム国」支配地域の取材を計画していたことから、外務省からパスポート返納命令を受けた新潟市の男性が会見し、「報道の自由を奪うもの」と日本政府を批判しました。
「報道の自由、表現の自由、取材の自由、渡航の自由、著しく、著しく制限することではないですか」(フリーカメラマン 杉本祐一氏)
新潟市のフリーカメラマン杉本祐一さん(58)は、「イスラム国」支配地域を取材するため、今月下旬のシリア渡航を予定していました。外務省は自粛を要請していましたが、応じなかったため、7日、返納命令を出し、杉本さんからパスポートを受け取りました。
「(パスポートを)返納しない場合は逮捕ということになります。『何でですか』と聞くと、『あなたがシリアに行くからです』」(フリーカメラマン 杉本祐一氏)
旅券法には「名義人の生命・身体・財産の保護」という規定があり、これに基づく返納は今回が初めてです。(08日11:30).
旅券を返納しないと逮捕とは、ね。安倍のいう「日本人に指一本触れさせない」を受けての命令なのでしょう。
以前、後藤さんも三回も渡航中止要請を受けた、との報道がありました
●後藤さんに渡航中止要請=昨年9月から3回―政府
時事通信 2月3日(火)2時32分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150203-00000008-jij-pol
三回も引き留めたのを振り切って渡航したのだから殺されても自業自得(自己責任)と暗示してるように読んでしまうのは、うがちすぎでしょうか。
誰も危険地帯に行って欲しくないのは山々です。
でも、ジャーナリストまで行くのをとめたら、内戦で苦しみ続けるシリアの人々の現状を一体誰が私たちに伝えるのでしょうか?
そういう危険な仕事は他国のジャーナリストにお任せしておけばよい、もし知りたければ海外報道を見ればよい、とでも?
では同じ理由で他国のジャーナリストもシリアに渡航しなかったならどうなるのでしょう
一体誰が戦争の悲惨な現状を、苦しむ人々の声を世界に伝えるのでしょうか?
誰かが危険をおかして取材、報道をして世界がそれを知るようにならなければ、殺され続ける人々を見捨てることになるのです。
また、日本は難民に非常に冷たい国であることは有名で、アサド政権とISの両方から苦しめられているシリアからの難民をタダの一人も受け入れていません。
シリアの惨状なんか取材しなくてもいい、シリアの難民にだって知らん顔していればいい、これでは日本は自分たちさえ安穏と暮らせればいい利己的な民族と思われても仕方ないと思います。
この外務省の処置を是とする方も多いと思いますが、それでは今後シリアのような地域にジャーナリストが行くこと自体が迷惑行為だと、バッシングされかねません。
それは、危険を冒しても真実を伝えるというジャーナリズムの使命そのものの否定になります。この使命は民主主義の根幹です。
国民の間に根強い「自己責任(自業自得)」の嵐は、危険を冒してまでも為さなければいけない巨悪や不正を糾弾し、弱者の声を伝えるジャーナリズムの精神そのものを骨抜きにし、やがては報道の自由までも奪っていくことでしょう。
国民自身がジャーナリズムの精神や使命を否定してしまうことになるのです。
すでに国内の大マスコミは安倍の「飯テロ」に屈していますし、安倍政権を批判する報道ステーションに対しは外務省が露骨に圧力をかけてきている現状では、尚更だと思います。
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