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(2006/12/27)【過去記事】失望させる再審開始の取り消し

(以前、他サイトでブログをしていたのですが、こちらに引っ越すにあたり、過去、自分が書いた記事をいくつか持ってくることにしました。   

以下しばらく保存用のエントリーが続きます。)


「検察は、お前が犯人だと証明する必要はない。お前が、自分は犯人でないことを100%証明せよ。そうでない限りはお前が犯人だ。
悔しかったらお前が真犯人をここに連れてこい。」

名古屋高裁の決定はこう言っているも同然だ。
名古屋高裁の名張毒葡萄酒事件の再審開始決定取り消しには真底失望した。

そこには、被告人に有利な証拠に目をつぶり、被告人が犯人だとしても矛盾しない、という程度の証拠のみをつまみ食いすることによって、何がなんでも確定判決を維持しようとする裁判所の執念が見える。

今回弁護側は、原判決が凶器とした農薬が奥西氏の自白のニッカリンTではなく、別の農薬であったことを疑わせる科学的実験結果を出した。

しかし、裁判所の言い分はこうだ。
「ひょっとして違う条件下だったら、ニッカリンTでも弁護側が出してきた実験結果が出るかもしれないでしょ?ニッカリンTじゃないと言い切れる可能性は100%ではないんじゃない?
だったらニッカリンTだったと認定したっていいでしょ」

被告人に不利な方へとこじつける様な解釈。
こんな認定方法だったら、無実の証明など事実上不可能ではないか

疑わしきは被告人の利益に、の鉄則に従えば、
「農薬はニッカリンTでなかったとの合理的な疑いをはさむ余地が出てきた。従って、自白通りニッカリンTだと認定することはできない」
との判断になるはずなのだ。

本来被告人が犯人か否かを立証する責任は検察側が負う。ところが裁判所は被告人に100%ニッカリンTでなかったことの証明を求めている。
これではその責任を被告人側に転換してしまっているではないか。
疑わしきは被告人の不利益にだ。到底認められるものではない。
だいたい被告人と犯行を結び付ける全ての証拠を100%つぶすことができる位なら、最初から起訴すらされてないだろう。

〈疑わしきは被告人の利益に〉
この刑事裁判の鉄則は再審開始を決定する際にも適用される(75年の白鳥決定)
今回の名古屋高裁の判断にはこの鉄則のかけらすら見えない。

裁判に間違いがあったと認めることなど許さないー冤罪で苦しむ者は確定判決の威厳のための人柱になれ。

裁判所はそう言っているように聞こえる…。
(2006/12/27)

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