非戦闘員の市民100人を一つの家に閉じこめて砲撃するのが正当防衛なのか
- 2009/01/10
- 00:15
今、こうしている間にもイスラエル軍がガザでどんな虐殺をしているか、記録しておきたいと思います。
◆P-navi infoより
ガザ攻撃13日目 死んだ母親と衰弱したこどもたち
攻撃13日目になる8日(木)、この日だけで50人の死者がカウントされたとパレスチナ保健省は発表した。爆撃がひどくて、回収できていなかった遺体をやっとこの日にだいぶ回収してのことらしい。
ガザの南部がひどく攻撃されていることはわかっているが、中で何が起きているかを知らせる報道は非常に少ない。それでも、このようなことが探すと出てくる。
国際赤十字の発表によると、イスラエル軍に阻まれて、救援に行けなかったガザのザイトゥーン地区にやっと救急隊がたどり着くことができた。しかし、そこで見たものは、死んだ母親に寄り添い、自力で立てないほど衰弱した子どもたちが4人ひとつの家にいるという光景だった。さらにそこではやはり自力で立てない弱った男性がひとり発見され、少なくとも12の遺体がマットレスの上に並べられているのがみつかった。15人が救出され、数人は負傷している。また、他の家では、3人の遺体がみつかった。そこから80メートル離れたところにイスラエル軍の駐留地があり、救急隊にエリアを離れるよう命令していたという。
「ショッキングなできごとだ」と国際赤十字の派遣団は語り、イスラエル軍が国際人道法に反して、負傷者を助けなかった、助けるのを妨害したことを強く非難している。
( ICRC finds children, dead mothers at scene of Gaza fighting より)
また、国連の救援物資を運んでいたトラックがイスラエル軍に攻撃され、スタッフが1人殺されるということも起きている。もちろん、国連はイスラエルとの調整をはかり、トラックには国連の旗がしっかりとりつけられていたが、そんなことはおかまいなしに攻撃は行われた。しかも、「人道的」支援のための3時間停戦の間に起きたという。この攻撃には、最低限のモラルもない。
( UN: Israel kills driver on aid mission to Gaza より)
英国・インディペンデント紙のベテラン中東特派員、ロバート・フィスク記者は
「これでまた、イスラエルはパレスチナ人の地獄への扉を開けた」
という書き出しを持つ記事で、82年のレバノン侵攻、サブラー・シャティーラ難民キャンプでの虐殺、96年のカナ虐殺、また2006年のレバノン攻撃をあげ、イスラエル軍が今までに殺してきた大半は女性や子どもたちなどの民間人だったことをかいている。それを忘れたのか?とフィスクは書く。
それなのに、「イスラエルはできるかぎり民間人の犠牲を避けるよう最大の配慮を払っている」という古い嘘を多くの西欧の政治家、大統領や首相、編集者やジャーナリストが信じているのが、なんと驚くことか!と書いている。
( Robert Fisk: Why do they hate the West so much, we will ask より、一部を大雑把に訳)
政治家たちもマスメディアも、過去を忘れ、(いや、忘れたフリをしているだけ?)イスラエルの都合のよいように振る舞う。これがじつは停戦を成立させない大きな要因にもなっていると思う。起きたことは不問にしてはならない。そこからしか和解は始まらない。
8日はレバノンからのロケット弾がイスラエルに発射され、状況はより混沌としてきた。パレスチナ保健省が発表した犠牲者は、死者765人、負傷者3200人(うち500人が重体)になった(数字はメディアによって、かなり誤差がでている)。病院の医薬品は底をついてしまったものも多い。ガザの社会全体が崩壊のギリギリのところに立っている。「停戦」交渉のことばかりが取りざたされるが、そのあいだにひき起こされていく状況をできるかぎり追いたい。
--------------------------------------------------------------------------------
ガザの医療状況については、国境なき医師団による 「パレスチナ・ガザ地区:極度の暴力から一般市民を救うには不十分な空爆の一時停止」 で、おおまかなことはわかる。
◆http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090109-OYT1T00366.htm
(2009年1月9日12時10分 読売新聞)国際赤十字が異例のイスラエル批判…負傷者と遺体放置
【ロンドン=大内佐紀】赤十字国際委員会(ICRC・本部ジュネーブ)は8日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区で国際人道法違反を犯していると批判した。
中立・不偏をモットーとするICRCが、紛争の一方の当事者を批判するのは異例。ICRCはガザ市内に職員を入れることを今月3日からイスラエル軍に求め続け、7日午後にようやく許可を得た。
ICRCによると、職員は現地で数々の「ショッキングな出来事」を目撃した。砲撃を受けたある家では、母親の遺体に寄り添う4人の幼子を発見、子どもたちは自力で立てないほど衰弱していた。別の家でも、複数の遺体や負傷者を見つけた。この家から80メートルの地点にはイスラエル軍が進駐していたが、何の手助けもせず、職員らに即時退去を迫ったという。
ICRCは、「国際人道法は(敵味方を問わず)負傷者を避難させ手当てすることを義務づけているのに、イスラエル軍は順守しなかった」と言明。パレスチナ人の救急車がガザ地区内を自由に移動できないことにも強い遺憾の意を示した。
とうとう中立、不偏の赤十字までがイスラエル軍を非難するとは、これがいかに言い訳できないホロコーストか、よくわかります。
安保理は8日、ようやくイスラエル軍のガザ全面撤退にも言及した決議案を採択しました。賛成14,棄権1。棄権したのはアメリカです。ここまでイスラエルの非道ぶりが明らかになってもまだイスラエルに肩入れしています。
ニューヨークでは、ガザ攻撃は正当防衛だとイスラエルを庇った市長に対し抗議デモがおき、市長の顔写真に市民が靴を投げていました(もちろんブッシュ靴を真似て)。
<イスラエル軍>住民を住宅に集め砲撃…30人死亡 ガザ
1月9日21時2分配信 毎日新聞
【エルサレム高橋宗男】国連人道問題調整事務所(OCHA)は9日、パレスチナ自治区ガザ地区のガザ市近郊のザイトゥン地区で5日、イスラエル軍が約110人のパレスチナ人市民を1軒の住宅に集めた上でそこに複数回砲撃を行い、子供を含む約30人が死亡したと発表した。負傷者が運び込まれた同市のシーファ病院は死者数を32人としている。
【関連】種子島より少し小さい土地に約150万人が住むパレスチナ自治区のガザ
OCHAは住宅内にいた半数は子供だったとし砲撃を非難、同病院の救急医療部長も「虐殺だ」と非難している。イスラエル軍は毎日新聞の取材に対し「情報を持っておらず、調査する」とコメントしている。
OCHAによると、イスラエル軍は地上侵攻を開始した3日夜から7日にかけてザイトゥン地区全域で集中的な砲撃を行っていた。その間、救急隊の同地区入りを妨げた。
砲撃から生き残った主婦、オーラさん(29)が、ガザ市在住の毎日新聞助手に語った話によると、数十人の武装イスラエル兵が4日朝、ザイトゥン地区の一角に固まって住む市民100人以上を、銃を突きつけ1軒の建設中の平屋建て住宅に集め、「動くな。何もするんじゃない」と言い残し、立ち去った。
ところが5日朝、戦車が住宅を砲撃、1発は住宅を直撃し、もう1発は敷地内に着弾した。オーラさんの子供6人のうち2人は死亡。オーラさんと夫は、負傷した他の子供たちを抱きかかえ外へ避難したという。
オーラさんは「半分屋根のないような狭い住宅で、私たちは羊のように押し込められていた」と語った。
OCHAによると、一部の生存者は主要道路まで2キロ歩き、通りがかった車で病院に運ばれた。5カ月の乳児を含む子供3人が病院到着直後に死亡したという。
赤十字国際委員会は7日、3時間の攻撃停止時間中に初めて同地区に入り、3軒の住宅で15体の遺体を発見、負傷者18人を含む生存者計30人を救出した。しかし、同地区内には依然として相当数の死傷者が取り残されたままとみられる。
誤魔化しようのない国際法違反をイスラエル軍は平然と犯しています。
ローマ法王は、ガザは巨大な強制収容所だと言いました。イスラエル軍はそこでガス室ではなく砲弾を使って市民を殺し続けています。
これは人道に対する罪だと何度も繰り返し、言いたいです。
※パレスチナ子供のキャンペーンで、支援活動のご協力お願いをしています。ご覧下さい。
- 関連記事
-
- 原爆を謝罪するということ (2009/08/06)
- 非戦闘員の市民100人を一つの家に閉じこめて砲撃するのが正当防衛なのか (2009/01/10)
- イスラエルのガザ攻撃について (2009/01/08)
トラックバック
爆弾の雨の下にはパレスチナ人の生身の生命
- 2009/01/10(14:44)
- 村野瀬玲奈の秘書課広報室