(2007/11/26~12/17)【過去記事】国連総会第三委員会、死刑一時停止決議案可決
- 2008/01/22
- 00:09
【国連IPS=アヌハドラ・ケール、11/16】から要約、引用すると、
国連総会第3委員会は11/15、賛成99票、反対52票で世界的な死刑一時停止を求める決議を可決した。
アメリカ、日本、シンガポール、中国は多くの途上国、特にイスラム世界に合流して反対票を投じた。
これは可決されても強制力は持たないが、道義的意味は大きい。―――――
いや、さすがニッポン(`∀´)
アメリカはブッシュのお膝元、テキサスが死刑執行率第一位ですが、その割りに、治安は良くないのは何故?
でもそのアメリカが全ての薬物による死刑執行について違憲審査を行うと発表したことで、国内では死刑執行を見合わせる州が増え、テキサスも一名の死刑囚の一時的執行延期を認めました。
最終的に死刑廃止するかは難しいところだけど、もしもアメリカが死刑廃止したら、日本も喜びいさんで追従したりして。
今回日本と共にこの決議に反対票を投じた中国やイスラム諸国は、残念ながら人権に関して立ち遅れてるといわざるを得ない国々。
その死刑執行の実態は少々衝撃的なので、これもIPSから要約、引用します。
国連総会第3委員会は11/15、賛成99票、反対52票で世界的な死刑一時停止を求める決議を可決した。
アメリカ、日本、シンガポール、中国は多くの途上国、特にイスラム世界に合流して反対票を投じた。
これは可決されても強制力は持たないが、道義的意味は大きい。―――――
いや、さすがニッポン(`∀´)
アメリカはブッシュのお膝元、テキサスが死刑執行率第一位ですが、その割りに、治安は良くないのは何故?
でもそのアメリカが全ての薬物による死刑執行について違憲審査を行うと発表したことで、国内では死刑執行を見合わせる州が増え、テキサスも一名の死刑囚の一時的執行延期を認めました。
最終的に死刑廃止するかは難しいところだけど、もしもアメリカが死刑廃止したら、日本も喜びいさんで追従したりして。
今回日本と共にこの決議に反対票を投じた中国やイスラム諸国は、残念ながら人権に関して立ち遅れてるといわざるを得ない国々。
その死刑執行の実態は少々衝撃的なので、これもIPSから要約、引用します。
同じくIPSより簡単に要約して、引用してみます
http://www.ipsnews.net/jp/a04/16.htmlより
アムネスティによると2001年に劇的に死刑執行数が跳ね上がったのは中国が犯罪取り締まりを強化し、死刑の宣言を連発したからだ。中国では昨年4月から6月の間のみで、少なくとも1781人の死刑が執行された。これは中国を除く世界中の国々で過去3年間に執行された数を上回る。
人権団体によると、中国では多くの人達が拷問によって得られた自白を基に死刑判決を受け、鎖に繋がれたうえ、晒し者にされて屈辱感を味わわされている可能性がある。
中国についで死刑執行数が多かったのはイランだ。公式には139件とされているが、実態はもっと多いとみられている。サウジアラビアの79件、アメリカの66件がこれに続くという。
2001年は非暴力罪で最も多くの人達が死刑を宣告された年だ。サウジアラビアでは同性愛者、東南アジアでは麻薬密売、中国では汚職や窃盗に対して死刑が宣告された。国連はこの種の犯罪に対する死刑宣告を批判している。
中国の死刑
http://www.news.janjan.jp/world/0604/0604082099/1.phpより
毎年の死刑執行数の多さに中国では人権擁護論者、法律専門家、弁護士などが中国の死刑制度の現状を恣意的なものと非難している。
中国は死刑執行数を公表していないが、2005年はおよそ8000人と推定され、2004年はアムネスティは少なくとも3400人と推定、これは世界における死刑執行数の90%に相当するが、他の人権擁護団体はさらに多いとみている。
中国の拘留センターの調査を許可された国連の拷問に関する特別調査官は、組織的な虐待の実態を報告し、自白への過度の依存と、そのための拷問の横行を厳しく非難している。
中央政府による犯罪撲滅運動など犯罪発生率の抑制を求める政治圧力の中で、地方裁判所は恣意的な判決を下す結果になっている。
しかし中国における改革は、恣意的判決への対策にとどまらない取り組みが必要とされるだろう。調査によれば、文化的、歴史的理由から、中国の一般市民の大半は犯罪抑制効果として死刑制度を支持している。
中央政府が拷問により得られた証拠の使用を非合法化しない限り、地方裁判所での不当な判決を正し、不正な執行を削減はできない。
(要約、引用、ここまで)
―――――
自白への過度の依存、一般市民の大半は死刑制度支持って…
どこぞの国と似てますね…
中央政府による大々的な犯罪撲滅キャンペーン。罪に比して非常に重い刑罰―死刑で犯罪抑止を。(これは国民も支持)
しかし中国では刑事司法における人権保障、デュープロセスは未発達であり軽視されている。
捕まえた犯人はなんとしても罰しようと、自白強要、そのために拷問が行われ、裁判でも必罰に傾き、恣意的判決が乱発される。
↑
これが中国で死刑が多発している構造のようです。
冤罪による死刑も多発していると容易に推測できます。暗黒の刑事裁判ですね
(そういや日本も自白偏重や被疑者の人権を無視した取調方法を国連から非難されてたんだっけ…〇| ̄|_)
デュープロセス(適正手続)がいかに大事かの一端が伺えます。
それにしても経済犯でも死刑になりうるとはあまりにも罪と罰の均衡を失しすぎ
いくら人口10億人でも死刑囚多すぎ
(あ、ちなみに余談。死刑執行数については命令書も公式文書も見あたりません…どうしよう、"文書がないから"中国では死刑がなかったことになっちゃう、笑)
続いてはイラン
イランの死刑
http://www.news.janjan.jp/world/0610/0610072375/1.php
より要約、引用
アムネスティインターナショナルは、女性7人に対する石打ち刑の停止を求めてイランに書簡を送るようメンバーに対し緊急アピールを出した。
7人ほぼ全員が姦通罪での石打ちによる死刑判決である。
シャリア法に従い、囚人は胸まで埋められ、手の自由も奪われる。さらには即死せずに苦しんで死ぬよう投げる石の大きさまで定められている。石打ちによる死刑は男女ともに対象であるが、石打ち刑の適用は女性が圧倒的に多いのが現実である。
石打ち刑の判決を受けている女性は上記7人以外にも数多くいる。ある一人の女性は「絞首刑を受ける用意はできているが、頭や顔に石を投げられて死ぬのは耐え難い」と述べているとアムネスティは伝えている。
貧困のため夫に売春を強要され、姦通罪で石打ちによる死刑判決を受けている女性もいる。
―――――
「不倫は文化だ」byだなんて、のんきなこと言ってられないっ
http://www.news.janjan.jp/world/0610/0610042213/1.php
より引用
イラン刑法では女子が9才、男子が15才になると刑事責任が発生する。驚くべきことは青少年に対してすら死刑を科すことが可能だということだ。
例えばナザニンという名の女性(17)は、彼女と彼女のめいを襲おうとした暴漢の一人を殺害したとの罪で死刑を言い渡された。
アムネスティインターナショナルのピアーズ・バニスター氏によれば、イランは2005年内に少年を処刑した世界で唯一の国であるという。
「子供の権利条約」や「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の加盟国であるイランは本来18才以下の者が犯した罪に関して死刑を言い渡すことができないことになっている。
しかしアムネスティなどによると、死刑の執行を受刑者が18才になるまで先延ばしにする、受刑者の年齢をごまかすなどの手法により、実際には少年に対する死刑が執行されているという。
またイランの刑法は女性に対して厳しいことでも知られる。女性は、性的犯罪のかどで死刑に処されることが多いのに対して、男性はシャリア法で一夫多妻制が認められているため、同種の罪に関しても鞭打ちなどの軽い刑ですむことが少なくない。
2004年に処刑されたアテフェフ・サハーレフ・ラジャビさんのケースは国際的にも注目された。彼女は処刑当時わずか16才。違法な性的交渉を4回持ったというのが処刑の理由だが、実際には51才の男性に繰り返しレイプされていた。しかし、この男性は鞭打ち100回の刑ですんでいる。
アムネスティによればラジャビさんの処刑以来、少なくとも9人の子供が処刑されているという。
―――――
そのほかイランでは同性愛者が同性愛的行為の罪状で二人の未成年者が公開絞首刑に処されている。
http://www.news.janjan.jp/world/0608/0608069164/1.php
より
―――――
いまだに中世のようなこんな野蛮なことが行われているのかと、驚愕するばかり。
日本はこのような国々と肩を並べて死刑停止に反対票を投じたのかと思うと、萎えるのは私だけでしょうか
―――――
イラクは、中国、イラン、パキスタンについで死刑執行数が4番目に多い国であるが、2003年バグダッドでおきた国連事務所爆破事件に関連して重要な証言をする可能性のあった囚人を処刑した。
また、サダム・フセインの元側近の死刑実施はフセイン政権下で犯された罪を暴き真実を暴くチャンスを永遠に葬った。
死刑は政治の道具として利用され、支配者が被害者の真実を知る権利を奪うのだ。
(同じくIPS通信より)
―――――
その他、死刑実施している小さな途上国では、死刑はしばしば政敵、政治犯の抹殺や市民の弾圧の道具として用いられます。(さすがに日本でそれはないだろうけど、かつてアメリカでは"赤狩り"の見せしめとしてサッコ・ヴァンゼッティ事件という有名な冤罪死刑事件があった。『死刑台のメロディ』はこれを映画化したもの)
現在、いわゆる先進国と呼ばれる国の中で死刑を廃止あるいは停止していないのは日本だけです(韓国やロシアでさえ停止中)
このように"先進国"日本が死刑停止案に反対するのは世界的に見ていかなる意味を持つんでしょうか。
世界で行われている死刑の実に90%以上が、いくら死刑賛成者でも反対したくなるようなトンデモ死刑で、停止案に反対するということは、結果的にこういうトンデモ死刑を支持し後押ししているも同然じゃないでしょうか。
マトモ?な死刑(てのもへんですが)は人権の法理から先進国では次々と廃止されていきました。日本とアメリカ以外は。(そのアメリカも反対票を投じたものの現在停止中)
残るは必ずしも人権尊重や民主主義や発達していない国々によるトンデモ死刑です。
こういう世界の流れを見た時、あなたは何を感じるでしょう?
国連はいきなり廃止ではなく、ひとまず停止を呼びかけています。しかも強制力はない。
それにすら反対する理由として鳩山法相は「国民の80%以上が死刑を支持している」ことを国連の場であげました。
しかし死刑を停廃止すべしとする根拠は今まで何度も述べてきたが、人権の法理によりみちびかれるもので、かような法理というものは多数決により決せられる性質のものではないし、多数が必ずしも正しいとは限りません。
フランスでは国民の過半数が死刑に賛成だったが、ミッテラン大統領は死刑廃止に踏み切りました。
死刑廃止しても凶悪犯罪の発生率が上がりはしなかったし、死刑復活の動きもないようです。
世論の多数より政治家の判断が優れていた一例だと思います。
保坂展人氏のブログによれば、かつては司法修習生に見せていた刑場も視察拒否がずっと続いてきて、この11月に久しぶりに国会議員が視察したそうです。
刑訴法では、検察官、検察事務官、拘置所長が立ち会いの上執行すべき旨定められいるが、実際には青いカーテンが引かれていて、死刑囚が落ちる所は見えない。
見なくてはならない執行を誰も見てないのです。
これは"残虐な"処刑は見たくないという心理の現れじゃないでしょうか?
やはり、死刑は残虐な刑罰なのです。
鳩山さんあたりには、是非死刑囚の面前で執行の署名をし、死刑執行の一部始終に立ちあいその目で死刑の全てを見て貰いたいもの。
現在無期懲役受刑者が仮釈放されるまでの平均年数は約25年です。もちろんそれ以上たっても仮釈放は認められない場合もあります。
「無期懲役でも10年そこそこで出所できる」というのは誤ったイメージです。
死刑を廃止すれば、犯罪者を優遇し被害者に一方的に犯人を許せと譲歩を迫ることになる、それは被害者が気の毒だし理不尽だという認識が死刑廃止に反対する人々にはあるのだと思います。
しかし、死刑廃止は、被害者に犯人を許すことを強要するとは言えないとおもいます。
現在死刑に賛成している人々も、江戸時代のようにもっと死刑を残酷にすべきだと大真面目に主張する人はいないでしょう(心情的にはそうであっても)理性的な法で律せられる近代社会には相応しくない刑罰だと知っているからです。
でも、被害者は犯人を許すのを強要されてると感じるわけではないでしょう。
ならば死刑自体が近代社会に相応しくない刑罰だという認識にもう一歩進むことはできないでしょうか。
A Tree at ease
http://mblog.excite.co.jp/user/luxemburg/entry/detail/?id=4219915
というブログに、「死刑執行人の苦悩」という本について書かれています。
是非一度目を通してみてください。
「死刑のおかげで誇りなど探しても見つからない汚れた人生になりました」
「恥ずかしい人間です。自分という人間は」
刑務官にこう言わしめる死刑って何なのだろうかと考えざるを得ません。
自分に元気な子供が生まれたと聞いたある刑務官は大声をあげて泣く。
「自分はこんな仕事をしているのだからまともな子供を授かるわけがない。自分の因果だから仕方ないが、子供には何の責任もない。何かあったら子供に申し訳がない」
このような苦悩を刑務官に押し付けておいて、死刑執行の現実を知らぬまま"こちら側"で手を汚さずぬくぬくしている私達が
「刑務官は職務である以上耐えるべきだ」
と言い放つ資格などあるのでしょうか。
そして死刑執行は正義だと大きな顔で言える資格があるのでしょうか。
死刑に立ち合う拘置所長の
「人間としてこんなに恥ずかしい制度はない」
という言葉が胸に響きます
いまや世界の半数以上の国が、法律上または事実上死刑を廃止しています。
廃止国、存置国の数は以下の通りである。
あらゆる犯罪に対して死刑を廃止している国:90
通常の犯罪に対してのみ死刑を廃止している国:11
事実上の死刑廃止国:32
法律上事実上の死刑廃止国の合計:133
存置国:64
(「死刑存廃国リスト」
http://homepage2.nifty.com/sihai/shiryou/abolitions&retentions.htmlより抜粋
※具体的な国名は上記サイトをご覧ください)
死刑廃止国は年々増えており、この10年間、平均して年三カ国を超えるペースで死刑廃止に転じています。
今年に入って死刑廃止に向かう動きとして例えばアフリカでは
2007.3. ガーナは36人の死刑囚を終身刑に減刑
2007.4. マラウイの高等裁判所で死刑は違憲の判決
2007.5. ナイジェリアは死刑判決受けて10年以上経過している60歳を超える全ての囚人を恩赦
2007.8. ルワンダ死刑廃止
ブルンジ、ガボン、マリ、は死刑廃止に向けての措置をとっている。
また、韓国は今年12/30で、「事実上の死刑廃止国」となります(ちなみに事実上廃止国となった国で再び死刑執行した国はない)
今月13日には米ニュージャージー州が死刑廃止しました。
死刑とは、国家が刑罰の名の下に手を血で染める以外何ものでもないと、世界中ではっきり認識されるようになってきました。
日本はいつまでこれに背をそむけ、目を閉じるのでしょうか
(2007/11/26~12/17)
http://www.ipsnews.net/jp/a04/16.htmlより
アムネスティによると2001年に劇的に死刑執行数が跳ね上がったのは中国が犯罪取り締まりを強化し、死刑の宣言を連発したからだ。中国では昨年4月から6月の間のみで、少なくとも1781人の死刑が執行された。これは中国を除く世界中の国々で過去3年間に執行された数を上回る。
人権団体によると、中国では多くの人達が拷問によって得られた自白を基に死刑判決を受け、鎖に繋がれたうえ、晒し者にされて屈辱感を味わわされている可能性がある。
中国についで死刑執行数が多かったのはイランだ。公式には139件とされているが、実態はもっと多いとみられている。サウジアラビアの79件、アメリカの66件がこれに続くという。
2001年は非暴力罪で最も多くの人達が死刑を宣告された年だ。サウジアラビアでは同性愛者、東南アジアでは麻薬密売、中国では汚職や窃盗に対して死刑が宣告された。国連はこの種の犯罪に対する死刑宣告を批判している。
中国の死刑
http://www.news.janjan.jp/world/0604/0604082099/1.phpより
毎年の死刑執行数の多さに中国では人権擁護論者、法律専門家、弁護士などが中国の死刑制度の現状を恣意的なものと非難している。
中国は死刑執行数を公表していないが、2005年はおよそ8000人と推定され、2004年はアムネスティは少なくとも3400人と推定、これは世界における死刑執行数の90%に相当するが、他の人権擁護団体はさらに多いとみている。
中国の拘留センターの調査を許可された国連の拷問に関する特別調査官は、組織的な虐待の実態を報告し、自白への過度の依存と、そのための拷問の横行を厳しく非難している。
中央政府による犯罪撲滅運動など犯罪発生率の抑制を求める政治圧力の中で、地方裁判所は恣意的な判決を下す結果になっている。
しかし中国における改革は、恣意的判決への対策にとどまらない取り組みが必要とされるだろう。調査によれば、文化的、歴史的理由から、中国の一般市民の大半は犯罪抑制効果として死刑制度を支持している。
中央政府が拷問により得られた証拠の使用を非合法化しない限り、地方裁判所での不当な判決を正し、不正な執行を削減はできない。
(要約、引用、ここまで)
―――――
自白への過度の依存、一般市民の大半は死刑制度支持って…
どこぞの国と似てますね…
中央政府による大々的な犯罪撲滅キャンペーン。罪に比して非常に重い刑罰―死刑で犯罪抑止を。(これは国民も支持)
しかし中国では刑事司法における人権保障、デュープロセスは未発達であり軽視されている。
捕まえた犯人はなんとしても罰しようと、自白強要、そのために拷問が行われ、裁判でも必罰に傾き、恣意的判決が乱発される。
↑
これが中国で死刑が多発している構造のようです。
冤罪による死刑も多発していると容易に推測できます。暗黒の刑事裁判ですね
(そういや日本も自白偏重や被疑者の人権を無視した取調方法を国連から非難されてたんだっけ…〇| ̄|_)
デュープロセス(適正手続)がいかに大事かの一端が伺えます。
それにしても経済犯でも死刑になりうるとはあまりにも罪と罰の均衡を失しすぎ
いくら人口10億人でも死刑囚多すぎ
(あ、ちなみに余談。死刑執行数については命令書も公式文書も見あたりません…どうしよう、"文書がないから"中国では死刑がなかったことになっちゃう、笑)
続いてはイラン
イランの死刑
http://www.news.janjan.jp/world/0610/0610072375/1.php
より要約、引用
アムネスティインターナショナルは、女性7人に対する石打ち刑の停止を求めてイランに書簡を送るようメンバーに対し緊急アピールを出した。
7人ほぼ全員が姦通罪での石打ちによる死刑判決である。
シャリア法に従い、囚人は胸まで埋められ、手の自由も奪われる。さらには即死せずに苦しんで死ぬよう投げる石の大きさまで定められている。石打ちによる死刑は男女ともに対象であるが、石打ち刑の適用は女性が圧倒的に多いのが現実である。
石打ち刑の判決を受けている女性は上記7人以外にも数多くいる。ある一人の女性は「絞首刑を受ける用意はできているが、頭や顔に石を投げられて死ぬのは耐え難い」と述べているとアムネスティは伝えている。
貧困のため夫に売春を強要され、姦通罪で石打ちによる死刑判決を受けている女性もいる。
―――――
「不倫は文化だ」byだなんて、のんきなこと言ってられないっ
http://www.news.janjan.jp/world/0610/0610042213/1.php
より引用
イラン刑法では女子が9才、男子が15才になると刑事責任が発生する。驚くべきことは青少年に対してすら死刑を科すことが可能だということだ。
例えばナザニンという名の女性(17)は、彼女と彼女のめいを襲おうとした暴漢の一人を殺害したとの罪で死刑を言い渡された。
アムネスティインターナショナルのピアーズ・バニスター氏によれば、イランは2005年内に少年を処刑した世界で唯一の国であるという。
「子供の権利条約」や「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の加盟国であるイランは本来18才以下の者が犯した罪に関して死刑を言い渡すことができないことになっている。
しかしアムネスティなどによると、死刑の執行を受刑者が18才になるまで先延ばしにする、受刑者の年齢をごまかすなどの手法により、実際には少年に対する死刑が執行されているという。
またイランの刑法は女性に対して厳しいことでも知られる。女性は、性的犯罪のかどで死刑に処されることが多いのに対して、男性はシャリア法で一夫多妻制が認められているため、同種の罪に関しても鞭打ちなどの軽い刑ですむことが少なくない。
2004年に処刑されたアテフェフ・サハーレフ・ラジャビさんのケースは国際的にも注目された。彼女は処刑当時わずか16才。違法な性的交渉を4回持ったというのが処刑の理由だが、実際には51才の男性に繰り返しレイプされていた。しかし、この男性は鞭打ち100回の刑ですんでいる。
アムネスティによればラジャビさんの処刑以来、少なくとも9人の子供が処刑されているという。
―――――
そのほかイランでは同性愛者が同性愛的行為の罪状で二人の未成年者が公開絞首刑に処されている。
http://www.news.janjan.jp/world/0608/0608069164/1.php
より
―――――
いまだに中世のようなこんな野蛮なことが行われているのかと、驚愕するばかり。
日本はこのような国々と肩を並べて死刑停止に反対票を投じたのかと思うと、萎えるのは私だけでしょうか
―――――
イラクは、中国、イラン、パキスタンについで死刑執行数が4番目に多い国であるが、2003年バグダッドでおきた国連事務所爆破事件に関連して重要な証言をする可能性のあった囚人を処刑した。
また、サダム・フセインの元側近の死刑実施はフセイン政権下で犯された罪を暴き真実を暴くチャンスを永遠に葬った。
死刑は政治の道具として利用され、支配者が被害者の真実を知る権利を奪うのだ。
(同じくIPS通信より)
―――――
その他、死刑実施している小さな途上国では、死刑はしばしば政敵、政治犯の抹殺や市民の弾圧の道具として用いられます。(さすがに日本でそれはないだろうけど、かつてアメリカでは"赤狩り"の見せしめとしてサッコ・ヴァンゼッティ事件という有名な冤罪死刑事件があった。『死刑台のメロディ』はこれを映画化したもの)
現在、いわゆる先進国と呼ばれる国の中で死刑を廃止あるいは停止していないのは日本だけです(韓国やロシアでさえ停止中)
このように"先進国"日本が死刑停止案に反対するのは世界的に見ていかなる意味を持つんでしょうか。
世界で行われている死刑の実に90%以上が、いくら死刑賛成者でも反対したくなるようなトンデモ死刑で、停止案に反対するということは、結果的にこういうトンデモ死刑を支持し後押ししているも同然じゃないでしょうか。
マトモ?な死刑(てのもへんですが)は人権の法理から先進国では次々と廃止されていきました。日本とアメリカ以外は。(そのアメリカも反対票を投じたものの現在停止中)
残るは必ずしも人権尊重や民主主義や発達していない国々によるトンデモ死刑です。
こういう世界の流れを見た時、あなたは何を感じるでしょう?
国連はいきなり廃止ではなく、ひとまず停止を呼びかけています。しかも強制力はない。
それにすら反対する理由として鳩山法相は「国民の80%以上が死刑を支持している」ことを国連の場であげました。
しかし死刑を停廃止すべしとする根拠は今まで何度も述べてきたが、人権の法理によりみちびかれるもので、かような法理というものは多数決により決せられる性質のものではないし、多数が必ずしも正しいとは限りません。
フランスでは国民の過半数が死刑に賛成だったが、ミッテラン大統領は死刑廃止に踏み切りました。
死刑廃止しても凶悪犯罪の発生率が上がりはしなかったし、死刑復活の動きもないようです。
世論の多数より政治家の判断が優れていた一例だと思います。
保坂展人氏のブログによれば、かつては司法修習生に見せていた刑場も視察拒否がずっと続いてきて、この11月に久しぶりに国会議員が視察したそうです。
刑訴法では、検察官、検察事務官、拘置所長が立ち会いの上執行すべき旨定められいるが、実際には青いカーテンが引かれていて、死刑囚が落ちる所は見えない。
見なくてはならない執行を誰も見てないのです。
これは"残虐な"処刑は見たくないという心理の現れじゃないでしょうか?
やはり、死刑は残虐な刑罰なのです。
鳩山さんあたりには、是非死刑囚の面前で執行の署名をし、死刑執行の一部始終に立ちあいその目で死刑の全てを見て貰いたいもの。
現在無期懲役受刑者が仮釈放されるまでの平均年数は約25年です。もちろんそれ以上たっても仮釈放は認められない場合もあります。
「無期懲役でも10年そこそこで出所できる」というのは誤ったイメージです。
死刑を廃止すれば、犯罪者を優遇し被害者に一方的に犯人を許せと譲歩を迫ることになる、それは被害者が気の毒だし理不尽だという認識が死刑廃止に反対する人々にはあるのだと思います。
しかし、死刑廃止は、被害者に犯人を許すことを強要するとは言えないとおもいます。
現在死刑に賛成している人々も、江戸時代のようにもっと死刑を残酷にすべきだと大真面目に主張する人はいないでしょう(心情的にはそうであっても)理性的な法で律せられる近代社会には相応しくない刑罰だと知っているからです。
でも、被害者は犯人を許すのを強要されてると感じるわけではないでしょう。
ならば死刑自体が近代社会に相応しくない刑罰だという認識にもう一歩進むことはできないでしょうか。
A Tree at ease
http://mblog.excite.co.jp/user/luxemburg/entry/detail/?id=4219915
というブログに、「死刑執行人の苦悩」という本について書かれています。
是非一度目を通してみてください。
「死刑のおかげで誇りなど探しても見つからない汚れた人生になりました」
「恥ずかしい人間です。自分という人間は」
刑務官にこう言わしめる死刑って何なのだろうかと考えざるを得ません。
自分に元気な子供が生まれたと聞いたある刑務官は大声をあげて泣く。
「自分はこんな仕事をしているのだからまともな子供を授かるわけがない。自分の因果だから仕方ないが、子供には何の責任もない。何かあったら子供に申し訳がない」
このような苦悩を刑務官に押し付けておいて、死刑執行の現実を知らぬまま"こちら側"で手を汚さずぬくぬくしている私達が
「刑務官は職務である以上耐えるべきだ」
と言い放つ資格などあるのでしょうか。
そして死刑執行は正義だと大きな顔で言える資格があるのでしょうか。
死刑に立ち合う拘置所長の
「人間としてこんなに恥ずかしい制度はない」
という言葉が胸に響きます
いまや世界の半数以上の国が、法律上または事実上死刑を廃止しています。
廃止国、存置国の数は以下の通りである。
あらゆる犯罪に対して死刑を廃止している国:90
通常の犯罪に対してのみ死刑を廃止している国:11
事実上の死刑廃止国:32
法律上事実上の死刑廃止国の合計:133
存置国:64
(「死刑存廃国リスト」
http://homepage2.nifty.com/sihai/shiryou/abolitions&retentions.htmlより抜粋
※具体的な国名は上記サイトをご覧ください)
死刑廃止国は年々増えており、この10年間、平均して年三カ国を超えるペースで死刑廃止に転じています。
今年に入って死刑廃止に向かう動きとして例えばアフリカでは
2007.3. ガーナは36人の死刑囚を終身刑に減刑
2007.4. マラウイの高等裁判所で死刑は違憲の判決
2007.5. ナイジェリアは死刑判決受けて10年以上経過している60歳を超える全ての囚人を恩赦
2007.8. ルワンダ死刑廃止
ブルンジ、ガボン、マリ、は死刑廃止に向けての措置をとっている。
また、韓国は今年12/30で、「事実上の死刑廃止国」となります(ちなみに事実上廃止国となった国で再び死刑執行した国はない)
今月13日には米ニュージャージー州が死刑廃止しました。
死刑とは、国家が刑罰の名の下に手を血で染める以外何ものでもないと、世界中ではっきり認識されるようになってきました。
日本はいつまでこれに背をそむけ、目を閉じるのでしょうか
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死刑という刑罰は本当に有用なのか?
久しぶりに少々堅い話題となります。
先月、鳩山法務大臣は3人の死刑を執行しました。
その中の一人、M死刑囚ですが…一部報道等で「精...
- 2008/07/10(23:49)
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