yamamotoさんのブログ「ペガサス・ブログ版」
条文改憲の動きの狙いは「目くらまし」か? --久留米市での憲法集会 [憲法・教育基本法]はなるほどと頷かされました。
(引用開始)
(元九大教授の斎藤氏は)「民主党政権で憲法改正はどうなる?」と題して,憲法九条を中心に据えて,その「改正」の4つのカテゴリーについて論じた.つまり,(1)条文改憲,つまり九条の条文そのものを変える,(2)解釈改憲,(3)立法改憲,(4)外交改憲,の4つである.
1と2は説明不要だが,3と4は聞き慣れない言葉だ.3は要するに憲法を無視した法律を作って,実質改憲してしまうこと,4は外国との「共同声明」などで,違憲の約束をしてしまうことだ.つまり特に新しい概念ではないが,このようにきちんと名前がつくと,その問題点がはっきりと「可視化」される.やはり言葉が重要だ.
斎藤氏は,護憲勢力は1の条文改憲にばかり目を奪われて,他の3つの「手口」によって実質改憲されている事態から,そして今後もそれが進められるだろうという危険の重大性から,視線が逸れていると批判した.
牛と闘牛士のたとえでこれを説明した.つまり,「九条改憲するぞ」というのは闘牛士がヒラヒラさせる赤い布であって,布に向かって突進し隠された剣に気付かない愚かな牛は,いずれその剣で頸椎をやられるというのだ(もうすでにかなりやられている).
(引用ここまで)
解釈改憲というのは、「憲法なんか国の最高法規といったって、所詮紙切れに書かれた文章。違反だろうが何だろうが、言いくるめたもん勝ち、押し切ったもん勝ち」ということです。
要するに「法の支配」の無視ですね。
こういう臆面もない破廉恥な既成事実を日本政府は積み重ねてきましたから、日本は近代法治国家を名乗るにはあまりに未熟でおこがましいと私は思ってきました。
解釈改憲、外交改憲などという恥を知らない行為に対し、大きな抗議も起こらず関心も集めないなんて、後進国日本でなければありえないのではないでしょうか。
特に外交改憲は盲点かもしれません。
ソマリア派遣もそうでしたが、またひとつ国民に知らされないようにして実質的な改憲が行われています。
ジブチでの自衛隊の基地建設がそれです。(※基地建設に当たって協定が結ばれるので、強引に外交改憲の範疇に入れてしまいましたが^^;)
これはマスコミがほとんど報道してませんが見逃すことはできません。
村野瀬玲奈さんが詳しくまとめてくださっています。リンク先で更なるリンク先も是非全文をお読み下さい
◆
村野瀬玲奈の秘書課広報室ジブチへの日本の「軍事進出」にみる日本政府の法意識の崩壊アフリカ北東部にある、ソマリアに隣接する国、ジブチ(Djibouti)に、自衛隊の基地が日本側に一方的に有利な条件でつくられつつあるという報道に触れているブログのいくつかからメモします。
こういう事実は国民的議論に値する重大問題のはずです。しかし、自衛隊が海外に駐留基地を持つことが憲法上許されているのかという議論も全くなく、違憲かどうか問題になることもなく基地の準備だけが進行しているようです。日本には「法の支配」が存在しないことを示す事態のように思われます。
(略)
今回は、日本はすでに軍事的なたがをはずしているという事実と、それがほとんど議論や疑問を引き起こすことなく一般に知られることなく進行しているという「憲法違反ノーチェック状態」をまず少しでも広く知っていただきたく思います。(引用ここまで・強調は私)
村野瀬さんが紹介されているブログ
情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)からも抜粋します。(強調は私)
自民党の最後っ屁は、辺野古移設だけではなく、ジブチ自衛隊基地建設も~特権を行使する立場としての日本 ボイスオブロシアが【マリア沖の海賊問題を受け、紅海沿岸のジブチ共和国で、日本の海上自衛隊基地建設が近日中に着工される。日本国外に建設される初の日本の、また史上初のアフリカ大陸の日本基地となる。北川敬三海上自衛官は現地で、今年の初夏には基地建設が開始し、その約半年後に終了すると述べた。APF通信が伝えた】(http://japanese.ruvr.ru/2010/04/28/7048749.html)と伝えている。日本が海外に基地を設ける…そんなこと、現行憲法下で認められるのか?
目が点になり、あわてて、ツイッターでつぶやいたが、すでに、昨春、少し報道されていたようだとの情報を頂いた。
そこで、国会での審議はどうだったのかと思ってチェックしたら、なんと、森本敏氏が、
【今回、日本とジブチの地位協定といいますか、実際は地位協定とは言っておらず、交換公文を双方が交わして統合任務部隊を現地に展開させているわけですが、思えば、日本の戦後の自衛隊の活動で、ホスト国とのこの種の地位に関する交換公文、協定を結んで統合部隊を展開させる言わば初めてのケースであり、これは今後の日本の自衛隊の海外における活動の非常に良い例といいますか、になりつつあるんだなということを強く感じるわけであります。特に、この交換公文の中で、すべての刑事裁判権を日本側にゆだねているという、大変日本に有利な地位協定の内容になっていることに私は一種の感慨を覚えるものです。】
【この日・ジブチの交換公文というのは、いかなる場合でも自衛隊員がジブチに駐留する場合に起こした事件についての刑事裁判権というものを日本がすべてその責任を負うということになっているのは、たとえ公務執行中でない事故が起きたとしても、裁判権を日本の国内法に基づいて日本が裁判権を取るということになっているのは、日米地位協定との関係において日本が特権を享受している、つまりそういう意味では日本が有利である。
もっと簡単に言ってしまうと、そういうことは考えにくいのですが、仮に自衛隊員が現地で勤務中以外の場合に町に出ていて、現地の人と傷害事件を起こして、その裁判権を争うというときに、この協定は、にもかかわらず、ジブチ側が協力をして日本が刑事裁判権を全部行使できるようになっている。それは、在日米軍基地において、つまり在日米軍が日本で享受できる特権よりもはるかに日本にとって有利な協定になっているのではないかと。そして、そのことは今後日本が海外に駐留するときに、この協定をモデルにして各国と協定が結ぶことができるというのであれば、非常に良い地位協定の基礎ができたのではないかという趣旨を申し上げた次第でございます。】
と述べているのを発見した(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/171/0059/17106160059019c.html)。
基地建設どころか、裁判権を放棄させている、それも勤務中以外も…。
何て横暴なんだ。しかも、森本氏がそれを喜んでいるとは…。
この森本氏の感覚に絶句。
沖縄は、在駐米軍に一方的に有利な地位協定のせいで、米軍兵士の犯罪の犠牲になっても、捜査も裁判もままならず泣き寝入りを強要されています。
こんどは自衛隊がジブチでそういう苦しみを与える側になろうというのですか?
しかもそれを「非常に良い例」「一種の感慨を覚える」と平然と言える神経が私には理解できません。平和憲法を持つ国として許されないというべきではないでしょうか『仮に自衛隊員が現地で勤務中以外の場合に町に出ていて、現地の人と傷害事件を起こして、その裁判権を争うというときに、この協定は、にもかかわらず、ジブチ側が協力をして日本が刑事裁判権を全部行使できるようになっている。それは、在日米軍基地において、つまり在日米軍が日本で享受できる特権よりもはるかに日本にとって有利な協定になっている』
これを
良いことと見ているわけですから、そりゃあ沖縄が米軍からどんな苦しみをあたえられようが、どこ吹く風になるのも納得です。なにしろ不平等な地位協定は「良いこと」なんですから。
法の支配の無視にとどまらず、
他人の苦しみに無関心であるという前政権の性質は、今の政権でも受け継がれていると言わざるを得ません。
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