昨日沖縄で開かれた県民大会は、主催者発表9万人。集団自決の軍命令を削除した教科書検定に抗議する大規模県民大会につぐ大きな大会になりました。
詳しくは
大脇道場の友さんがまとめてくださっていますので是非ご覧下さい
◆大脇道場歴史を動かす力 「沖縄の心」 4.25県民大会一夜明けて26日の全国紙の報道はどういった感じになるか、琉球新報や沖縄タイムスと比べて温度差はどうなのか、興味あるところです。
ちなみに世界各国が昨日の大会を報じましたが、肝心の日本での今朝のニュースは、朝8時からのニュースワイドショー3局とも沢尻エリカさんの離婚報道がトップでした!・・・orz
マスコミは5月末までに決着付けることが出来るかが最大の関心事のようですが、そんなことより一番大事なのは、無条件撤去できるかどうかです。
谷垣さんも「5月末までに決まらなければ責任をとれ」じゃなくてせめて「公約通り県外か国外に移設できなければ責任とれ」の方が、よほど野党としての株が上がるんじゃないかしら・・・まあ、「あんたに言われたくない」で終わっちゃいますけど(^^;)
「無条件撤去」にはもちろん「費用はアメリカ持ちで」も入っています。
先だっても書きましたが、もしめでたく(かな?)普天間基地がグアムやテニアンに移ることになっても、アメリカは恩着せがましく「沖縄のために大幅譲歩してあげます。その代わり費用は持ってネ」と、移転費用をたかるのは必至だと思います。
しかしそんな‘ゴネ得’はきっぱりはねつけましょう。これ以上思いやり予算で泥棒に追銭みたいなことをしないよう蓮舫さんに事業仕分けしてもらって、国内の社会保障費にまわしましょう。
アメリカはいつも言ってるではありませんか。「我々はテロリストとの取引には応じない」と。
イラクやアフガンの市民にとっては、米海兵隊こそテロリストですから、私達もゴネ得の取引には応じないようにしましょう(笑)
さて、大会から少し外れた話題になりますが、この機会に触れておきたいことがあります。
この普天間基地問題で
「鳩山総理は、辺野古移転は自然への冒涜だと断言したように、県外国外への道を模索してるのに、マスコミの鳩山政権攻撃は、民主党のイメージダウンを狙った酷い世論誘導だ」
という意見を時々見ます。
普天間問題に限らず、民主党政権批判に対し
「また自公時代に戻りたいのか」
「自公時代の負の遺産に苦しんでいるのだからここは長い目で見て、民主党をもり立てていくべきだろう」
といういささか的外れな意見にぶつかることが往々にしてあります。
民主党を応援しなければ自公の味方だ、みたいな単純な図式には辟易します。
このような民主党ファンクラブとでもいいましょうか、民主党に全幅の信頼を置き、批判を許さないような動向が以前からネットで見受けられました。
おそらく、自公政権のあまりのひどさにその対抗馬であった民主党を実際以上に美化してしまったのが原因ではないかと私は推測しています。
もしかしたらこういう考えを持つ人は、実は現実ではネットで目立つほど多くなく、特に気にする必要はないのかもしれません。
しかし権力への信頼に走ることは非常に危険ですので、「民主党ファンクラブ」に対する私の考えをここで書きとめておきたいと思います。
普天間問題に関しては私もマスコミ報道に対し批判的です。
でもそれは、「民主党を貶めているから」ではありません。
基地撤去の問題を「移設」にすり替えたり、期限の5月に間に合うかばかりを取り上げたり、昨日の大会より芸能人の離婚疑惑報道に熱心だったりして、国民の目を欺むこうとしてるからです。
民主党政権を攻撃するっていいますが、マスコミが時の権力に批判的な監視役になるのは民主主義社会では当たり前のことでしょう。自公時代にはマスコミは自公政権に甘いと批判しておきながら、いざ民主党が政権についたら批判するなと言うのはどういう了見でしょうか。
多分政権交代した経験がなかったので、いまだ自公が与党であるかのように錯覚してるのでしょう。
現在民主党政権が批判されているのは、「自公時代の負の遺産が大きすぎてなかなか結果が出てこないから」ではありません。
民主党が野党時代の言を翻して、自公政権と変わりないことをやりだしたから批判されているのです。自民支配に戻りたいのかって、普天間問題での岡田外相の言動は自公政権の言動そのまんまじゃないですか。
待ったなしの貧困対策のひとつである派遣法改正ひとつとっても、非常に動きが遅かったばかりか、改正内容は抜け穴だらけ。とても派遣労働者の権利など守られないとんでもないものに成り下がっています。
普天間問題だって、どこをどう見れば「鳩山政権は県外国外への道を必死で模索してる」と好意的に評価できるのか不思議でなりません。
鳩山総理は国外移転に奔走してるというのなら、何故「国外なんてありえない」などど破廉恥な変節漢ぶりを露わにしている平野官房長官や岡田外相を好き放題野放しにしているのでしょう。
沖縄でも徳之島でも、大会に集まった人々に聞いてみるといいです。
果たして、自分たちのために先頭で頑張ってくれてる鳩山総理を応援するために大会に参加した、なんて人がいるでしょうか。徳之島は怒り心頭で、閣僚との会見すら拒否したではありませんか。
だいたい「権力を批判するな、見守って育てよう」というのもそもそもおかしな発想です。
権力は腐敗する、という古い教訓をお忘れでしょうか。
権力は常に批判と監視の対象であり、自公政権の時はそうしてきたのに、民主党政権になったら急にそれをやめて「権力への信頼」に転じてしまうのは不思議です。
それに、大概の市民はどこかの政党に属しているわけではありません。「民主党だから」支持するのではなく、良き理念を掲げ良き政策を言行一致で実行してくれるところを支持するのです。とりたてて民主党をひいきする理由はありません、是々非々なのです。
ついでと言ってはなんですが、「NPJシンポ報告と普天間基地移設問題の行方」という植草氏のブログについてもひとこと感想を。
これについて是非、東本高志さんのこちらのブログをリンク先で全文お読み下さい。とても的確な批判をされています。
◆
「草の根通信」の志を継いで NPJシンポ植草報告「普天間基地移設問題の行方」を読んで ―間接的NPJシンポ感想とでもいうべきもの (引用開始)
さて、上記ブログ記事によれば、植草氏はNPJシンポにおいて、「フロアからは普天間の問題は全体から見れば大きな問題とは言えない。鳩山政権攻撃に終始するマスコミの姿勢が問題だとの指摘と、沖縄の負担軽減を軸に最低でも県外の主張をもとに鳩山政権を批判するなら、国内での代替地選定に向けての努力を求めなければ論理的整合性がないとの見解が示された。/まさに正論である。県外移設を求めながら、徳之島の基地反対の住民意向を全面支援するのでは、『解なし』をメディアが誘導していることになる」との自身の私見を述べた上で、「県外移設には沖縄負担を代替する地域が存在することが不可欠である。しかし、日本にそのような地域が一箇所も存在しないなら、結論は海外しかないということになる」という持論を展開したようです。
(略)
植草氏が上記でいう「大きな問題」とは、昨年8月の総選挙で戦後半世紀にわたって日本を支配してきた自民党政権が崩壊し、民主党中心の政権交代が実現したことの歴史的意義の「大きさ」のことを言っているのでしょうが、その歴史的意義の問題と民主党中心政権(鳩山内閣)が政権交代後8か月の間に実際に行ってきた政局運営、数々の公約不実行の問題とは性質を異にします。民主党がマニフェストで掲げた公約の大半は実現されておらず、また中途半端なものでしかありません。
(略)
その公約不実行の中でも普天間問題に関する鳩山政権の公約不実行(現在進行形)の問題は、国民、沖縄県民の期待度の高さという点においても現在の第一級の政治的課題と見るべきものであって、「全体から見れば大きな問題とは言えない」という問題とは決して言えません。政権交代という歴史的意義と普天間問題という比較できない性質のものを比較して「普天間の問題は全体から見れば大きな問題とは言えない」、という植草氏の認識は荒唐無稽なほど誤っている、というほかありません。
第2。植草氏は「鳩山政権攻撃に終始するマスコミの姿勢が問題だ」とのフロアの指摘にも「まさに正論である」とわが意を得たり、の感で同意していますが、この植草氏の認識も誤っているように私は思います。まず第一にマス・メディアの最大の役割は「権力監視」(権力に対する”ウォッチ・ドッグ”(監視者)としての役割)にあるという民主主義の基本を学んだことのある者ならば誰もが肯定するジャーナリズム論の基本中のキを植草氏はまったく考慮の外のものとしています。「権力監視」とは政権党の監視であることはいうまでもありません。植草氏にかかれば民主党はまるでボランティア団体かなにかで、政権党でもなんでもないかのようです。マス・メディアにとって鳩山政権を批判的な視点で論評することはまさに基本中のキというべきことなのです。そのメディアの政権批判を「攻撃」などと捉える視点は尋常な言論人のとるべき視点とはいえません
第3。また、植草氏は、上記のNPJシンポにおいて、普天間基地のいわゆる「移設」問題についても「県外移設を求めながら、徳之島の基地反対の住民意向を全面支援するのでは、『解なし』をメディアが誘導していることになる」。「県外移設には沖縄負担を代替する地域が存在することが不可欠である。しかし、日本にそのような地域が一箇所も存在しないなら、結論は海外しかないということになる」という認識も述べているようです。しかし、この植草氏の認識も誤っているだろう、と私は思います。
「メディアが誘導している」かどうかはともかくとして、普天間基地無条件即時返還を求める少なくない人々は、「県外移設」とか「国外移設」とかいうレベルではなく、県外にせよ、国外にせよ、どこそこの土地に普天間の代替基地をつくろうと提案する「移設の論理」こそが「すでに破綻した論理に導かれており、それゆえ袋小路に落ち込むか、最悪の結果を沖縄住民に押し付けるかにしかならない」という「移設方式」そのものの破綻と誤りを指摘しているのです。
(引用ここまで)
東本高志さんの意見に私も同感です。
植草氏には、まるで植草氏は民主党員で、いかに政権を維持すべきかを作戦会議で練ってるかのような印象を受けます。植草氏の中では民主党は未だ権力から迫害される野党なのですね、
学者というものは、国民の側に立って政権に対する批判や要求をリードしていく立場にあると私は思っているのですが、植草氏の視点は常に民主党のための視点であり、決して国民のために民主党政権は何をすべきか、という視点ではありません。
それがとても残念です。
こちらもご一読を。
◆
大脇道場NO.1583 普天間基地問題 植草一秀 の「知られざる変節」 (追記あり)
- 関連記事
-
スポンサーサイト