自民党改憲案「“超”口語訳」（３）

かなり間が開いてしまいましたが、自民党壊憲案超口語訳の続きです。
（１）（２）はこちら。

・自民党改憲案「“超”口語訳」（１）
・自民党改憲案「“超”口語訳」（２）

今回で、第三章 国民の権利及び義務 までの「超口語訳」は終了、次回からは第四章以降の統治機構に入ります。
（参院選挙までに全部アップすることができなくてすみません）

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第二十五条の二（環境保全の責務）

国は、国民と協力して、良い環境作りをしなきゃいけない。


日頃、自民改憲案は人権弾圧だとわめいてるサヨクよ、よく見ろ、これが新しい人権「環境権」だ。
ドヤッ！俺らだってちゃんと人権尊重してるんだぞ！

（ちなみに新しい憲法では「国民と協力して」って項目が他にもあるが、いちいち協力を要請されるんじゃあ、国民にとっては権利なんだか義務なんだかよくわからん・・ってな愚痴は言うなよｗ）

第二十五条の三では（在外国民の保護）、第二十五条の四では（犯罪被害者等への配慮） もあらたに保障してるぞ。
どうだ、自民党は人権を大切にしてるだろ？

え？こういう権利は今の憲法13条「幸福追求権」で既に保障されてるからわざわざあらためて規定する意味がないって？
ヤバイ憲法だと警戒されてるから、ちょっとはハト派な所も見せときたいだけだろう、だって？

そもそも本当に「環境権」を保障するつもりがあるなら、どうして自民は原発再稼働や輸出をするんだ、環境権なんて最初から絵に描いた餅じゃないか、だと・・？

おい、それ以上のお喋りは「公益及び公の秩序」に反するなあ。そしたらどういうことになるかな・・・（怖）
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とまあ、「公益及び公の秩序」を害することを目的とした言論は認められないと規定した改定憲法21条は、こう使うって見本だｗ


第28条（勤労者の団結権等）

おまえらには仕事する上で不満があったらみんなで集まって会社とかと交渉する権利があるよ。
この労働者の権利は今までと変わらない。

但し、今度からは公務員だけはこの権利を今よりもっと制限することにした。

え？
公務員は今でも労働者としての権利が制限されすぎてるから、もっと権利を広く認めろって国連が勧告してる、それに逆らうのかって？
知らんがなそんなもん。
（国連の勧告なんか「シャラップ！」で充分ってかｗ）

おまえら、たいがい公務員嫌いだろ？
だったら嫌いなヤツの人権は没収でいーんジャネ？


第36条（拷問及び残虐な刑罰の禁止）

公務員による拷問やエグイ刑罰は禁止だ。

但し、今までは「絶対に禁止だ」って目をつり上げてたけど、そこまできっぱり禁止とは言わないことにしたよ。
まあ、アレだ、国防軍もできるし軍事裁判所（秘密裁判所）もできるし、秘密保全法とかもできたらひょっとしたら・・例外的に・・・モニョモニョ・・

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今の私たちの憲法を支える三大原理皆さんはよくご存じだと思います。
国民主権、平和主義、基本的人権の尊重ですね。
自民党改憲案はその三大原理をひっくり返して、国民主権を軽くし、平和主義をかなぐり捨て、基本的人権を大幅に恣意的に制限できるようにするものです。

憲法改定というと9条ばかりが取りざたされがちですが、それ以上に恐ろしいのが第三章の人権規定の改変です。
戦前の大日本帝国にも人権規定はありましたが、それは「法律の定める範囲内に於いて」のみでしか認められませんでした。
ですからあの悪名高い治安維持法という法律でいくらでも国民の人権を狭めて弾圧することが出来たのです。

今回「法律の定める範囲内に於いて」がちょうど「公益及び公の秩序」にあたります。
即ち、国が「公益及び公の秩序」に反すると判断すれば、恣意的に人権を制限できてしまう、まさに戦前の治安維持法下と同じ弾圧が可能なのです。
この「公益及び公の秩序」による制限は人権規定全般にかかります。

他にも天皇を元首化したり「奴隷的拘束」を禁じた規定をなくしたり、拷問の絶対的禁止をなくしたり、国家神道復活の道をつくったり、古い家族観を押しつけたり・・

自民党はQ&Aの中で
「現行憲法の規定の中には、西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると
思われるものが散見されることから、こうした規定は改める必要があると考えました。
天賦人権説に基づく規定振りを全面的に見直しました。」
と述べています。

天賦人権説を否定するとは、民主国家であることを捨て戦前のような非民主的な弾圧国家に逆戻り、まさにクーデターです。

参院選挙で自民党やその補完勢力である「なんちゃって野党」に一票を入れることは、このクーデターを支持すると言うことです。