今回は橋下流詭弁術の中から「変わり身の術」をご紹介したいと思います。
5/27に行われた外国人特派員記者会見の時、橋下氏は「私は、基本的人権、自由と平等、民主主義の理念を最も重視しています。私は、疑問の余地なく、女性の尊厳を大切にしています。」と述べ、会見の最後を「21世紀、、女性の人権を守るために」としめくくったのを覚えてますでしょうか。
会見の最中にいつの間にか女性の人権や憲法を何より尊重する「（なんちゃって）人権派」へと華麗なる変身を遂げたのには、ビックリ仰天でした。
これについてずっと前からご紹介しようと思ってた想田監督のツイートをやっと転載
そうなんですよね、桜宮高校の体罰事件の時は、一夜にしてまるで体罰撲滅の旗を掲げる正義の味方に変身、唖然としました。
この華麗なる変身、実は他にも行っています。
以前まだ「茶髪の弁護士」だったころ、橋下氏はたかじんの番組で南京大虐殺を否定するかのような発言をしていました。
その後河村名古屋市長が南京大虐殺を否定して中国との関係が悪化したとき、自分も南京大虐殺否定論者である石原氏は「河村市長の言うことは正しい。彼を弁護したい」と弁護に回りました。
しかし橋下氏は石原氏とは違い「歴史的な事実について発言する時は、外交関係も踏まえて発言しなければいけない。（南京事件について） 言ったところで日本にとって現実的なプラスを感じない」と河村氏を批判する方に回り、自己の見解についてはだんまりを決め込みました。
ある意味、ずるいですね。風を読んで己の整合性をいとも簡単に曲げるご都合主義ですから。
また、最近では石原が占領憲法破棄という妄言を吐くのに対し「憲法破棄なんてとんでもない、するのは改正だ」と批判し、まるで法律家らしい良識があるかのように振る舞っています。
しかし茶髪時代には、これまたたかじんの番組で「憲法なんて破棄しちゃえばいいんですよ！」って言っていたのです。
これも「憲法破棄」という過激な風潮をあまり歓迎していない世論の風を読んだ故のことでしょう。
何かと言えばすぐに「民間では～」と公務員をこき下ろし、公の分野に怒濤の如く「民間の論理」を導入した橋下氏ですが、いざ、民間人校長が三ヶ月で辞めると「自分に合わないといってすぐに辞めるのは民間の特徴」「公の世界だという自覚を持ってもらいたい」と“民間dis”に変身したことは前の記事で述べました。
維新の会の綱領では「日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改正し、国家、民族を真の自立に導き、国家を蘇生させる。」と真っ向から憲法9条に対する憎悪を露わにし、自身も、住民の瓦礫受け入れ拒否は「憲法9条のせい」という有名な名言（迷言）で9条に対する敵意を見せていました。
ところが28日になって
「侵略戦争は絶対に駄目だ、戦争は駄目なんだという今の憲法９条の考え方は堅持しなければいけない」
ここまであからさまなのって、どうなのよ(^^;
少しでも多くの支持を取りつけるため、オセロ盤が速攻で黒から白へひっくり返るように「（なんちゃって）人権派」を装うことすら厭わない節操のないカメレオンぶりは詐欺師の証拠。
これが石原氏と橋下氏の違いです。
これは、垂れ込み部屋でもご紹介している東大話法のうち、
１．自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
６．自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱい批判する。
７．その場で自分が立派な人だと思われることを言う。
１５．わけのわからない見せかけの自己批判によって、誠実さを演出する。
が、当てはまるのではないでしょうか。
石原氏には１ミリたりとも賛成できるところはありませんが、橋下氏に比べれば、まだ自分の信念に正直です。たとえ維新に吹く風向きをよくするためとはいえ「今の憲法９条の考え方は堅持しなければいけない」などという己の信念に反する事は口が裂けても言わないでしょう。
それに対し、橋下氏のこの節操のない詐欺師ぶりは、それだけ飽くなき権力欲に取り憑かれている証、権力を握るためなら一見「人権派」を装うことにも抵抗を感じないのです。
橋下氏は節操のない詐欺師だからこそ、石原氏と対立もするし、そのあとで簡単に和解もできるのです（従って、維新の会は壊滅が決定的にならない限り分裂しないのでは、と私は予想しています）
石原氏より橋下氏のがうんとたちが悪いと言えるでしょう。
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