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井上理津子『遊廓の産院から/産婆50年、昭和を生き抜いて』(河出文庫い29-1/2013/03/20)より著者紹介
人物インタビューやルポを中心に活動中
主著 『さいごの色街/飛田』『はじまりは大阪にあり』『旅情酒場をゆく』等
「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ」byヘルマン・ゲーリング
橋下徹発言は、飛田経営者側の視点
http://article9.jp/wordpress/?p=392
未読だが、「さいごの色街 飛田」という本が話題となっている。井上理津子さんというフリーライターが12年をかけて「現存する最後の遊郭」を取材したルポだという。この本の話題性は、もちろん橋下徹の「従軍慰安婦は必要だった」「風俗業活用を」という、あの妄言をきっかけとしたもの。
毎日新聞の5月16日夕刊に、その井上理津子さんのインタビュー記事がある。
「一連の橋下氏の発言は、社会的弱者への差別や階層社会を肯定していると受け取らざるを得ません。『慰安婦になってしまった方への心情を理解して優しく配慮すべきだ』とも言いましたが『支配階層』からの、極めて上から目線の言葉ですね」という発言が印象的だ。
「私は大阪の遊郭・飛田新地で働く女性約20人に話を聞きましたが、「自由意思」で入った女性など一人もいなかった。貧困だったり、まっとうな教育を受けられなかったりして、他に選択肢がないため、入らざるを得なかった女性が大半でした」「慰安婦になる以外に選択肢がなかった女性にとっては強制以外の何物でもないんです。『軍の維持のために必要だった』という発言に至っては、戦争を容認している証し。正体見たりです」「苦しい事情を背負った女性の境遇、慰安婦に送り出さざるを得なかった家族の思い、社会的背景に心を致しているとは思えない。政治家の役割を果たしていると言えない」とも。
この人が言えばこその説得力である。綿密な現場取材をされた方の発言としての重みを感じざるをえない。
本日(5月25日)付「毎日」朝刊に、林和行さん(カトリック司祭)という方の「橋下発言は権力者の視点」と題する投書が掲載されている。井上志津子インタビューを引用してのものだが、橋下徹がかつてこの街の業者組合の顧問弁護士だったことを指摘。橋下の権力者の視点の根拠について、「井上さんはそこで働く女性の側に立ったのに対して、橋下氏は経営者側の視点に立ったことによるものではないか」という。これも、なるほど。
(引用ここまで)
キャンプ・シュワブフェスタ
http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/7379ead0d0a420368f0912b3c8340492
(引用開始)
日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が、普天間基地の司令官に風俗業の活用を求めた件で、米軍と米国民に謝罪と発言撤回の意を示している。米国の反発には対応する一方で、沖縄への謝罪はない。本心から反省しているなら、沖縄を無視することはないはずだ。しょせんは政治的乗り切りを図っているだけの、上辺だけの謝罪なのが見え見えだ。
キャンプ・シュワブに増築された兵舎を目にする時、シュワブ周辺に風俗店を乱立させろ、と言っているに等しい橋下市長のでたらめさが、いっそう明らかになる。国土面積の0.6パーセントにすぎない沖縄に、米軍専用施設の74パーセントが集中している。そのため基地のすぐそばに住宅が密集し、教育施設があるのが沖縄の現状だ。そういう地域の生活・教育環境に与える影響を橋下市長は考えたこともないだろう。
ベトナム戦争の頃、米兵が落とす金で儲かった。そういう昔話を懐かしそうに語る飲み屋の主人が、時折マスコミで取り上げられる。ドル紙幣にサインしてベトナムに行った兵士は帰ってこなかった。そう口にして物悲しそうな店主の表情が映し出される一方で、沖縄から出撃した米軍に殺されたベトナムの人々の苦しみは省みられない。ドルが乱れ飛ぶ裏で、米兵を相手に生きざるを得なかった女性たちが、どれだけの暴力と犠牲にさらされたかについても。
辺野古への新基地建設を容認したうえで、米軍犯罪には風俗店で対応する。橋下市長の「風俗業活用」発言とそこに示される認識は、沖縄の歴史や現実に目を向けず、徹頭徹尾、沖縄県民を愚弄するものでしかない。橋下市長の謝罪と撤回は、まず沖縄県民に向かって行うべきことだ。
(引用ここまで)
橋下氏会見 政治家としての資質を疑う
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-207223-storytopic-11.html
日本維新の会の橋下徹共同代表が日本外国特派員協会で一連の発言について釈明した。自らの見解を英語と日本語で公表。海外メディアに「真意」を訴えて事態の収拾を図ったようだが、その人間性があらためて問われたのではないか。
橋下氏は在沖米軍に風俗業活用を求めた発言について「米軍、米国民を侮辱することにもつながる不適切な表現だった」と正式に撤回すると表明。「謝罪を米軍と米国民の皆さまが受け入れてくださいますことを願います」とわびた。
だが県民や女性たちへの謝罪はついに聞かれなかった。米軍犯罪の防止を沖縄の風俗業に求める差別的な発想や女性を「モノ」として扱うような人権感覚に、今後も無自覚であり続けるのだろうか。
「米軍の犯罪被害に苦しむ沖縄の問題を解決したいとの思いが強すぎて誤解を招いた」と、沖縄のためを思っての発言だったというが、苦しい弁明だ。「県民の基本的人権が尊重されるよう、米軍が実効性ある取り組みを開始することを切に望む」とも述べたが、大型連休中に来県した際、県などが長年求めている日米地位協定の抜本改定を「市民運動的」と酷評していたことを指摘しておきたい。
一方、橋下氏は旧日本軍の従軍慰安婦制度は「必要だった」との発言は撤回せず、「真意と正反対の報道が世界中を駆け巡った」と説明。「一つのワードを抜き取られて報じられた」とマスコミ批判を展開したが、果たしてそうか。
最初の発言は「精神的に高ぶっている猛者集団に慰安婦制度が必要なことは誰だって分かる」だ。翌日のツイッターには、自身に批判的な新聞も「発言を比較的正確に引用してくれた」と書き込んだが、非難が殺到すると態度を一変。「大誤報」「日本人の読解力不足」と責任を転嫁するさまは見苦しく、政治家としての資質さえ疑う。
発言の修正を重ねて臨んだこの日の会見では「女性の尊厳と人権を普遍的価値として重視している」と最初とはまるで別人だったが、慰安婦に関しては、「利用」した日本は悪かったとしつつ、外国軍も同様のことを行ったと重ねて主張した。
問題解決への向き合い方が問われている自身の責任は棚に上げ、「他も同じことをやっている」と反論を繰り返していることが、海外の日本批判をさらに強めていることにもいい加減気付くべきだ。
[橋下氏会見]「不快感」だけが残った
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-05-28_49759
旧日本軍の「慰安婦」制度を容認するものと受け止められた日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の当初の発言は、いったい何だったのだろうか。
国際的な批判を浴びている渦中の橋下氏が27日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見した。前日に「私の認識と見解」と題する日本語版と英語版の文書を公表した橋下氏は、外国特派員らに向けてあらためて文書を読み上げ、「発言の一部が文脈から切り離され、断片のみが伝えられた」とメディア批判を繰り返した。
橋下氏は当初の発言内容から大きく軌道修正した。
今月13日、記者団に囲まれ、次のように語った。「銃弾の雨嵐のごとく飛び交う中で、命かけてそこを走っていくときに、そりゃ精神的に高ぶっている集団、やっぱりどこかで休息じゃないけども、慰安婦制度っていうのは必要だということは誰だってわかるわけですよ」
これに対し27日の会見で読み上げた文書では「戦場の性の問題は、旧日本軍だけが抱えた問題ではありません。『戦時においては』『世界各国の軍が』女性を必要としていたのではないかと発言したところ、『私自身が』必要と考える、『私が』容認していると誤報されてしまいました」とメディアに責任転嫁した。「誤報」と言い募る姿勢に説得力があるだろうか。
橋下発言の引き金になったのは歴史認識をめぐる安倍晋三首相の一連の発言である。
安倍首相はこの際、旧日本軍の関与と強制性を認めた1993年の「河野談話」に対する考えをあらためて国民に明らかにすべきである。
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橋下氏が共同代表を務める日本維新の会の国会議員らからは元「慰安婦」に対する暴言がやまない。
来日中の韓国人の元「慰安婦」2人が橋下氏との面談を政治利用されることを懸念して取りやめた。中山成彬代議士会長はツイッターで「化けの皮が剥がれるところだったのに残念」と書き込んだ。
平沼赳夫代表代行は講演で「従軍慰安婦と言われている人たちは『戦地売春婦』だ」と述べた。
西村真悟衆院議員(除名処分)は「日本には韓国人の売春婦がうようよいる」と発言した。
共同代表の石原慎太郎氏は「橋下氏は間違ったことは言っていない」といち早く擁護に回った。
聞くに堪えないような言葉が党幹部の口から次々に飛び出す。人権感覚、国際感覚が欠けていると言わざるを得ない。
■ ■
橋下氏は13日、米軍普天間飛行場の司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」と進言したことを明らかにした。27日の会見では「米軍のみならず米国民を侮辱することにもつながり不適切な表現だった」と撤回し、謝罪した。
「在日米軍の綱紀粛正を徹底してもらいたい」というのが真意だと釈明したが、これまで何度、綱紀粛正という言葉が繰り返されてきたことか。沖縄の問いかけには何も答えていない
Author:秋原葉月
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