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しばき隊=シバキ度い=ネットでの反イジメっ子祭りのリアル版
しかしまあ、ネットの正義の人たちは、この「いじめっ子たち」の直接の被害者とは言えません。
いじめというのは、非対称的な力関係を背景にした嫌がらせと言えるでしょう。
とすれば、ネットの正義の人たちが「いじめっ子」たちにやったことは、「いじめ」そのものです。しかし、いじめっ子達がリアルでやった「いじめ」は、顔も名前も出して「対面」で行われ、意識には関わりなく「報い」がありうるわけです。窮鼠に噛まれる可能性さえあります。それに対し、ネットの正義の人たちがやったいじめは、その逆であり相手が何も出来ない事さえ見越したものですから、リアル「いじめっ子」よりはるかにゲスい「いじめっ子」と言えます。
そうした目で、在特会とカウンター行動を見てみると、ネットで力を増幅してきた在特会らが、街頭行動で「炎上」、反在特会「祭り」が起きているようにも見えます。在特会は、悪目立ちして「絶対悪」として名指しされ、攻撃していい、攻撃すべきもの、水に落ちた犬だとバレてしまい、「狩る者から狩られる物」に変わったように見えます。
プラカ隊も含めて非常に多くの人々が路上に出たのは、良いことをしたい、人のためになることをしたいという正義感の発露ですが、そのためには誰か(自称普通の市民な人?)が名指しをして提灯をつける必要があったように見えます。それで、問題を発見し、安心して良いことに参加し、正義の実現に寄与できたわけです。
そういう中で、最も積極的に「正義」を行使したのがしばき隊=シバキ度いだと思います。在特会は、深刻にせよチンケな「いじめっ子」なんかとは比較にならない国恥的・国際的・道徳的「絶対悪」ですから、「いじめっ子」以上に攻撃が許され正義感が満たされるでしょうし、メンバーはバラバラになれば概して気弱で、過激な在特会だとは分からないほどだそうですから、反撃もほとんどできないでしょう。しばき隊は、対警察的にも結構、危ない橋を渡っているようですが、まあ、名前が出ている人は官邸前で公安とよろしくしているそうですから、新宿で「俺のツレに手を出すな」デモをやっていた人たちと違い、新大久保でもここまでは黙認と打ち合わせが出来ていて大丈夫とか。
カウンター行動側は別に歴史的経緯をよく知らなくても旧植民地出身者への差別・罵倒へのいたたまれなさ・怒りがあればそれでいいし、在特会への有効な対抗手段がほとんどない地元の方のお役に立てれば素晴らしいです。また、昔から、反差別に関わってきた人達はこんなに人が集まったととても感激しています。
とはいえ、在特会を極とするネウヨ的心性・言動としばき隊を極とする「普通の市民」なカウンター行動側の心性・言動もまた、おそらくはややこしい内実はパスしているという軸で鏡面対称のように思えてなりません。
排外意識が瀰漫する社会の中で、路上に出たみなさんがこれを機会により多くを知り、より強固な反差別意識を高めていけたら、さらに素晴らしいです。さもないと、彼らは状況に振り回され意識と行動が転がりまわっていきそうで、不安です。