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Re: 天木直人さんのブログ『今日発売の週刊現代に掲載された田母神発言は国民必読の発言だ!①~④』を読んで
自衛隊法61条(付帯:自衛隊法施行令87条)を見てほしいのですが
自衛官の政治行為は著しく制限されています。法的に普通にみれば、参政権すらないと言えるでしょう。
これが当然なのでしょうか?
寺西判事補でもあるまいに、自衛官には私権も許されないのでしょうか?
幕僚長個人の行為は確かに問われるべきでしょうが、自衛権の私権に関しての配慮は必要だと思います。
エリック・シンセキ氏が当時のラムズフェルド長官との激しいイラク戦争の派遣計画での舌戦が行われました。(公聴会にて)
このようなことが日本の委員会で行われるでしょうか?
文民統制という定義は各国の政治的裁量権の問題でしょう。日本には日本の・・アメリカにはアメリカの・・・文民統制はそういうものであっていいとは思いますが、制服組軍人が国会で意見を積極的に発言することすら危険なのでしょうか?
自衛隊の問題点が隠匿される背景には、背広組・制服組の対立構造が強いことは言うまでもないですが、政治家の判断が尊重されるにしても、それが絶対的であるといいえるのでしょうか?
そして、全面的に行政人である自衛官が、行政首長に拘束されるとは言え、彼らの思想・信条の自由まで侵して批判することが正義なのでしょうか?
そして、冥王星はあえて、こういう指摘をするのですが、
「対米追従」・「事大主義」が処世術として否定される道理が分かりません。それが永続的に続くわけでもない話であっても、違和感を感じる理由が知りたいのです。
逆に歴史学の範疇なので強弁できますが、事大主義・追従外交の処世術が問題ならば、世界の全ての国の存在が否定されることになるのですが、どう説明できるのでしょうか?
追従も程度論なのですが、「どこまで世界の歴史を理解して、追従を批判するのでしょうか?」
同時に、”追従行為によって生存してきた現在の多くの国々の正統化”をどう追従否定論は行うのでしょうか?
真の独立とか語るのは自由です。しかし、何をもって独立と規定されるのか?何を基準に追従と言えるのか?
そんな命題さえも言及・説明できない人間が感情論で批判しているだけで納得できません。
むしろ、歴史的事例・国際法などの実例踏まえて、追従外交を冷静に受け止めている多くの歴史学者・国際法学者が、このような世論をどう嘲笑しているか・・・・・・笑われている当事者だけで俗っぽくやるだけならいいですが、それこそ無知が為す行為と冥王星は指摘できます。
まぁ、個人の自由ですから完全否定はしませんが、その情動の根拠はどこまで深いの?とは糾弾したい部分がありますが
Re: 天木直人さんのブログ『今日発売の週刊現代に掲載された田母神発言は国民必読の発言だ!①~④』を読んで
自衛隊法第61条 隊員は、政党又は政令で定める政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法をもつてするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除くほか、政令で定める政治的行為をしてはならない。
2 隊員は、公選による公職の候補者となることができない。
3 隊員は、政党その他の政治的団体の役員、政治的顧問その他これらと同様な役割をもつ構成員となることができない。
ですね?
これは国家公務員が国家公務員法及び人事院規則で政治活動の自由を制限され、政治的中立を要求されているのと同趣旨でしょう。自衛隊員も国家公務員ですから問題ないのではありませんか?
>文民統制という定義は各国の政治的裁量権の問題でしょう。日本には日本の・・アメリカにはアメリカの・・・文民統制はそういうものであっていいとは思いますが
どうして「各国の政治的裁量権の問題」とか「日本には日本の・・アメリカにはアメリカの・・・」とかいう話になるのか私には理解しかねるのですが・・。
私の過去エントリーから抜粋しておきます。
文民統制とは、「軍の政治支配を防止することを目的とし、政府の首長はシヴィリアンでなければならず、軍はその統制下にあるものとする」(佐藤功著日本国憲法概説より)ことをいい、憲法66条2項がそれを示しています。これは軍が独走しないようにするためのもので、かつて軍部の独走を許してしまった苦い経験を持つ日本では、絶対に必要で厳守しなくてはなりません。
この観点からいえば、自衛隊は政府の統制指揮下にあり、当然政府の見解にも従わなければならないということです。
しかるに、自衛隊の長が明らかに政府に見解とことなる考えを公けにし、それを撤回しないのは政府の統制(文民統制)に逆らうもので、公務員の憲法遵守義務にも違反することになります。
>制服組軍人が国会で意見を積極的に発言することすら危険なのでしょうか?
軍事力を行使する長が戦前の体制を肯定するような見解を堂々と表明すればアジア諸国の信頼を失いかねません。 これについて田母神氏は言論の自由がないなどと言ってましたが、これははき違えというものです。
新聞の社説から
前空幕長―「言論の自由」 のはき違え 朝日新聞 社説 11/12
むろん、自衛官にも言論の自由はある。だが、政府の命令で軍事力を行使する組織の一員である以上、相応の制約が課されるのは当然ではないか。
航空自衛隊を率い、統幕学校の校長も務めた人物が、政府方針、基本的な対外姿勢と矛盾する歴史認識を公然と発表し、内部の隊員教育までゆがめる「自由」があろうはずがない。
問題が表面化した後、防衛大学校の五百旗頭(いおきべ)真校長は毎日新聞のコラムでこう書いた。
「軍人が自らの信念や思い込みに基づいて独自に行動することは……きわめて危険である」「軍人は国民に選ばれた政府の判断に従って行動することが求められる」
五百旗頭氏は歴史家だ。戦前の歴史を想起しての、怒りを込めた言葉に違いない。
前空幕長招致 「言論の自由」 をはき違えるな 読売新聞 社説 11/12
田母神氏は「自衛官も言論の自由が認められているはずだ」「自由な議論も出来ないのでは、日本は民主主義国家か」と、「政府見解による言論統制」を批判した。
「言論の自由」を完全にはき違えた議論だ。一私人なら、日本の植民地支配や侵略を認めた村山首相談話と異なる見解を表明しても、何ら問題はなかろう。
しかし、4万5000人を率いる空自トップが政府見解に公然と反旗を翻すのでは、政府も、自衛隊も、組織として成り立たなくなってしまう。政治による文民統制(シビリアンコントロール)の精神にも反している。
参考人の前空幕長 この期に及び強弁とは 中国新聞 社説 11/12
自衛官にも言論の自由がある、というのが第二の言い分だ。「政府見解による言論統制はおかしい」とも難じた。
確かに言論の自由は民主国家で最も大切にされなければならない基本的人権の一つである。しかしもともとは弱者の言論を守るための権利だ。影響力の高い地位にいる人が、その力を後ろ盾に自説を吹聴するために持ち出す論理ではあるまい。
村山談話は、戦後五十年に当たって、国の基本認識を対外的に示した宣言ともいえる。公務員、とりわけ戦闘集団を統率する立場ならば絶対に逸脱してはならない。
そうでないとシビリアンコントロールは形だけになる。その制約を「言論統制」とすり替える言い方には、文民統制への挑戦のにおいさえ感じる。
Re: 天木直人さんのブログ『今日発売の週刊現代に掲載された田母神発言は国民必読の発言だ!①~④』を読んで
>対米追従」・「事大主義」が処世術として否定される道理が分かりません。それが永続的に続くわけでもない話であっても、違和感を感じる理由が知りたいのです。
逆に歴史学の範疇なので強弁できますが、事大主義・追従外交の処世術が問題ならば、世界の全ての国の存在が否定されることになるのですが、どう説明できるのでしょうか?
追従も程度論なのですが、「どこまで世界の歴史を理解して、追従を批判するのでしょうか?」
同時に、”追従行為によって生存してきた現在の多くの国々の正統化”をどう追従否定論は行うのでしょうか?
事大主義・追従外交の処世術が問題ならば、世界の全ての国の存在が否定されることになるのですが、とのことですが、このような一般論から今の日本の対米追従批判を批判されてもあまり説得力が無いように思います。
真の独立とか語るのは自由です。しかし、何をもって独立と規定されるのか?何を基準に追従と言えるのか?
そんな命題さえも言及・説明できない人間が感情論で批判しているだけで納得できません。
冥王星さんは抽象論がお好きなようですね。
他の国の追従の歴史はどうなのか知りませんが、少なくとも戦後の安保体制のもとでの米追従に関しては、明らかに国益を損なっているからやめるべきなのです。
具体的に言えば、
米軍に広大な土地を貸して思いやり予算を山ほど与え基地の米兵は地位協定で守られ特権を与える一方、沖縄住民は多大な苦渋を強いられ、
アメリカのやることなすこと全てイエスマン、
毎年年次改革要望書で司法改革から携帯のナンバーポータブルみたいな事細かいことまでたくさんの指示に従い、
法外な米国債を大量に買わされて経済面でもがんじがらめで身動きも出来ない。
自衛隊をアメリカの戦争に参加できるよう法を変えるよう常に圧力をかけてきて、
日本はNOが言えない
こうして国民の利益は常にアメリカの要望の前に犠牲にさせられることをお終いにするために、対米追従はやめるべきだと言っているのです。
Re: 天木直人さんのブログ『今日発売の週刊現代に掲載された田母神発言は国民必読の発言だ!①~④』を読んで
>これは国家公務員が国家公務員法及び人事院規則で政治活動の自由を制限され、政治的中立を要求されているのと同趣旨でしょう。自衛隊員も国家公務員ですから問題ないのではありませんか?
問題ないとは言い切れません。
自衛隊法施行令87条2項には
2 前項各号に掲げる行為(第三号の場合においては、前項第十六号に掲げるものを除く。)は、次の各号に掲げる場合においても、法第六十一条第一項 に規定する政治的行為となるものとする。
一 公然又は内密に隊員以外の者と共同して行う場合
二 自ら選んだ又は自己の管理に属する代理人、使用人その他の者を通じて間接に行う場合
三 勤務時間外において行う場合
というものが補足されています。一方、人事規則14-7にはこの一文は含まれませんので、自衛隊施行令独自の制限と言えるでしょう。
これは国家公務員としての自衛官の政治行為の制限の拡大であり、その根拠が不明と言えるでしょう。
同時に、人事院規則14-7(自衛隊法施行令86条)を素直に読めば、国家公務員は参政権は一切持たない・政治的行為はできないと読み取れます。(国民審査もやっちゃダメみたいなもんですしねw)
国家公務員であっても国民ですし、私権が存在することは言うまでもありません。私権なき公務員と規定の可否は論じませんが、そこまで規制されるのが当然という基準が世界にもありませんし、その法源さえ不明確なものです。
司法判例でも幾度が疑問符がつけられているのは、「猿払事件」でも類推できることでしょう。(表現の自由の憲法訴訟としての価値の方が有名ですけどねw)
世界人権宣言・人権規約でも国家公務員の政治的行為の制限には違法性があるとも言えます。公僕は政治意思を持つことことができても、それを表明することが許されないとは異常ともいうべきでしょう。
冥王星がエリック・シンセキ氏の事例を挙げたのは、仮に制限されるにしても、公聴会などの政治的発言が許される場を提供することで救済されるべきという主張です。
日本の議会では制服軍人の発言権は存在していません。(「ない」とはされてないが)
冥王星が知る限りでは、制服軍人に発言させないような議会・国民世論がある国は知りません。それが当然という国家も知りません(立法を議員だけで行うイギリス議会でも、参考人招致レベルで意見を聞くことはありますし、軍人の政治的表現の自由は保障されています。)
文民統制とは、文民の政治意見を盲従することでしょうか?制服軍人は文民の意見だけを聞いて、異論や意見さえも許されないのでしょうか?
世界で通用する文民統制とは「文民による軍事行為の最終判断」であって、発言・表現まで文民による支配権を認めていないと言えるでしょう。
つまり、文民統制とは、軍人の軍事行動の裁量権の統制であって、軍人の非軍事行動まで「文民統制」として規制されるものとは言えないのです。
幕僚長論文のレベルの政府批判はアメリカでもフランスでもドイツでも事例はあります。しかし、文民統制とは、あくまでも軍人の軍事行動の文民判断優先である、というのが世界の実情でしょう。
つまり、日本の文民統制が奇形的ということです。その事例として、エリック・シンセキ氏などは好例なのですが・・・
ご存じないかもしれませんが、永野茂門という羽田内閣で法務大臣に就任された方がいますが、彼が陸上幕僚長を務めた職業自衛官出身の大臣だったことが、文民統制と解された時期があります。彼については色々恥ずかしいエピソードもありますが、当時の新党の軽薄さを見せつけるいい素材でもあります)
海外では、元軍人であることで文民統制に抵触するなどという意見はありません。これは日本が過度に文民統制を規定しているからでしょう。
もっと深刻には、防衛閣僚は軍人あがりはNGというのも異質な風習です)
あなたがどこまで海外の文民統制の規定・実態を理解した上で、文民統制を論じ、批判しているのでしょうか?
ただ、己の法知識・法解釈だけで正当化しようとしているだけとしか思えません。
もちろん、海外の事例が正しいという証左はありませんが、海外はそれでも国体を維持できていることが実例としての価値があるでしょう。
ただ、公僕の私権を制限するだけなら、人権論などは不要でしょう。それこそ法解釈のみで人権論を論じているのは、自然権の意味さえ亡失した法理論の亡者でしかありません。
法が法たりえるのは、それを守る人間・尊重しようとする人間の意志によって成り立つことは言うまでもありません。
以上のことから、制服軍人の私権(国家公務員の私権)の制限規定の批判が行われると思います。
司法判例としては、かなり数がありますので、参照されればいいと思います。むしろ、猿払事件・寺西判事補を経緯に公僕の私権制限が緩和されるべきだったとは思いますが・・・まぁ、それは司法権の限界ですし、消極主義の結果論として甘受しますが、個人的には「間違い」と感じています。
>冥王星さんは抽象論がお好きなようですね。
他の国の追従の歴史はどうなのか知りませんが、少なくとも戦後の安保体制のもとでの米追従に関しては、明らかに国益を損なっているからやめるべきなのです。
抽象論はむしろ、国益論を行う側に言及できます。
では、損なわれた国益を全て説明できますか?
国益は、損得勘定です。あなたが全ての国益を計算できるほどの知性と情報を持ちえる立場でしょうか?
仮に、「PKO法が国益を損じている」と仮定して、PKO法によって得られる国益は勘定していますか?
「国益が損なわれた」という論は、「得られた国益」を勘定して論じられるべきです。これは、当然です。
そして、一市民が国益を論じられるほどの知識・情報量を持っているのでしょうか?外交判断で行われる国益評価は、関係各省との調整などを経ていることです。これにはその分野の行政担当者の専門的な知識によって国益が判断されます。
多くの利害関係が発生する外交事案に関して、あなたはどこまで想定して国益計算しているんですか?ぜひ、披露してもらえますか?
冥王星は国際関係論が専門ではありませんが、国際関係論で、国益は抽象論として処分されます。国益とは、国家の価値観・個人の価値観によって可変的であり、国益評価は不明瞭かつ抽象論として学術的見地での論究は行われません。
私が抽象的というなら、あなたが国益を具体的に論じてもらいたいと思います。国益などはどのように持ち出すことも可能です。精神論・観念論でもなんでもできます。民族主義的価値が高い人の国益は国益ではないと断定できるのでしょうか?
国益論を持ち出していることがすでに抽象論であることを理解しているのでしょうか?(これは、国益論を知らない人にありがちな思考停止の典型例でしょうから、仕方ないと思ってますけどねw)
>米軍に広大な土地を貸して思いやり予算を山ほど与え基地の米兵は地位協定で守られ特権を与える一方、沖縄住民は多大な苦渋を強いられ、 アメリカのやることなすこと全てイエスマン
アメリカのやることなすことにすべてイエスなんてのはデタラメです。デマです。
その事例は山ほど列記できます。例えば、911事件以後の日米関係では日本はNOと発し続けている。
国連安保理決議(1411)に基づいた多国籍軍の派遣は行っていません。→「アメリカ・UNにNo」
国連安保理決議(1483)に準じてCPA(イラク暫定統治機構)のイラク支援の支持に従っていません。イラク特別措置法の制限を遵守するためには、CPAの命令には従えなかった→「アメリカ・UNにNo」
アフガンへの上陸支援活動
アフガン駐留部隊への後方支援活動
イラク北部への自衛隊輸送部隊の派遣
ソマリア海賊対策船舶への給油支援
枚挙の暇がないほど、アメリカ・UNにNoと突きつけている。だが、あなたは知らないだけである。
知らないだけで「全てYES」だと思い込んでいるだけでしかない。
911事件以前ならばもっと指摘できましょう。冥王星が知っているのも一部だけでしょうしね。
そもそも、あなたはこれらのNoという主張について知っていましたか?おそらく知らないでしょう。
無知がさせる「思い込み」というのが冥王星の反論といえましょう。
この程度の言論は、石原慎太郎の「NOと言えない日本」と同じ稚拙さであると思うがw
そして、冥王星が国益論をせずに、追従外交を肯定するのは、国家が生き残るのではなく、人民が生き残るための処世術として連綿と追従外交が行われてきた歴史的結果論を俯瞰できるからである。
だからこそ、これまで追従しないで生きて行けた国家・地域を出して、追従否定を行うように要請しているわけですが、それすらできないで理想を掲げるなら、夢想として自己批判するのが筋でしょう。
実在しないからこそ、ユートピアでしかない。追従批判の真髄は夢想・幻想論に他なりません。(程度論ならまだしもですがねw)
そういうことで、明確な批判を講じてみてください。特にあなたがどこまで国益を論じれるほどの情報・知識を持っているのか?それが知りたいです。
あくまでも歴史的事例から、生き残ることを目的とすれば、冥王星の実例は、あなたのいうようなユートピアとは違いますので、悪しからず。
追従しない国家なんてのは精神論としか思えませんが・・・・それがよろしいならばどうぞ。
Re: 天木直人さんのブログ『今日発売の週刊現代に掲載された田母神発言は国民必読の発言だ!①~④』を読んで
まず、自衛官は国家公務員であるとして国家公務員法・人事院規則の拘束性基準が採用されるのは当然でしょう。
ただし、司法判例は別にして、それ自体に違憲性が指摘されていることは言うまでもありません。
たとえば、猿払事件訴訟などでは政治行為の自由に関して判断が存在しています。
さて、国家公務員の政治行為は、条文を素直に読めば、参政権がないと判断されるでしょう。自衛官ですが、自衛隊法施行令87条2項には以下のように追加されています。
2 前項各号に掲げる行為(第三号の場合においては、前項第十六号に掲げるものを除く。)は、次の各号に掲げる場合においても、法第六十一条第一項 に規定する政治的行為となるものとする。
一 公然又は内密に隊員以外の者と共同して行う場合
二 自ら選んだ又は自己の管理に属する代理人、使用人その他の者を通じて間接に行う場合
三 勤務時間外において行う場合
国家公務員には「公・私問わず」政治行為が認められないと解釈されますが、自衛官だけはこの条文が追加されています。より厳しく政治行為を制限する目的がこの条文にあると言えるでしょう。
では、自衛官に政治行為の私的自由がありないのか?といえば、それもまた人権問題でしょう。
そもそも、86条・人事院規則などで認められない国家公務員の政治行動は現実に守られている保障もありません。
ここまで厳密に私権を制限することに違憲性が皆無というならば相当な話だと思いますし、司法判例は全面的には国家公務員の政治行為の公私に渡る制限を擁護していないことを省みて論じるべきでしょう。
制限されるのが当たり前という話ではありません。
そして、致命的な問題は、幕僚長問題が文民統制の問題という指摘にあります。
文民統制は最低限レベルでは「軍事行動の最高意思決定権は文民が行う」という枠組みでしょう。
つまり、軍事行動の統制は文民であるべき、というのは世界で通じる文民統制の規定と言えます。
しかし、軍人が行政方針に異論・批判を行うことが文民統制に該当するという批判は少ないものです。
あくまでも、軍人行動の意思決定権が文民であるべきであって、軍人の政治意見は抹殺することは文民統制と規定されている国はありません。日本がそのような文民統制と規定された証拠もありません。
なにせ、文民統制の規定に関してはまったく国民の共通した認識・規定が策定されていないからです。
各人が思い思いに自由に「文民統制」を規定して論じているにすぎません。そして、文民統制という規定が日本では不明瞭なのは、新生党の「永野茂門」法務大臣就任でも議論を呼びました。(類似系では梶山静六・中谷元両氏)
世界の文民統制の理解には温度差があります。例えば、アメリカの国防長官は退役してから10年後という制限が設けられる一方、大統領にはそのような規制はありません。
文民統制の規定に関しては個体差がありますので、詳細は論じませんが、是非に持論の文民統制を規定し、それがどう正当化できるのか?プレゼンされればいいと思います。
冥王星には世界共通性を見いだせる文民統制は指摘できますが、日本の文民統制の在り方はよく分かりませんし、そもそも国家公務員の私権の問題からして、異常だとしか思っていませんので・・・
さて、次に国益ですが
どれだけあなたが国益を精査して論じられるのでしょうか?
国益は抽象論です。個人の価値観の差異の問題もありますが、そもそも一個人が国益を網羅して評価できることはありません。
多くの外交事例に共通することですが、国益はその関係する裾野が広いものです。それをあなたはどれだけ、網羅した上で損得勘定できているのでしょうか?
あなたが危惧する問題だけで、「国益が損なわれている」と論じているだけ、追従外交で得られた利益を計上して論じているのでしょうか?
冥王星にはそのようには思えませんし、国益を論じれるほどの総合的な行政情報・知識もありません。だから、国益などを論じることはありません。
むしろ、軽薄な国益論は視野狭窄にすぎないと断定できるでしょう。
同時に国益論を持ち出した時点で、あなたが抽象論に至ったことを認めるべきでしょう。
さて、「アメリカのやることなすこと全てイエスマン」などはねつ造です。
あなたが知らないのか?認めないのか?は知りませんが、数多くの事例で日本はNOと言い続けています。
イラク戦争への参加要請(アメリカ、UN要請の拒否)
イラク戦争後の暫定統治のCPA指揮権への参加(アメリカ、UN要請の拒否)
アフガンでの上陸支援活動の要請の拒否
ソマリア海賊対策の給油支援の拒否
イラク北部への航空自衛隊輸送支援要請の拒否
まだまだ列記できます。あなたがこれらを知った上で、「アメリカにすべてイエス」と言うのでしょうか?
知らないで批判しているだけではないでしょうか?
それとも、石原慎太郎氏の「NOと言えないニッポン」にでも扇動されましたか?
>軍事力を行使する長が戦前の体制を肯定するような見解を堂々と表明すればアジア諸国の信頼を失いかねません。 これについて田母神氏は言論の自由がないなどと言ってましたが、これははき違えというものです。
軍事力を行使しない制服組軍人の発言権まで制止していることは危惧しないのですか?逆に、自衛隊の過激派を制止するためにも、制服組軍人の発言権を認める必要性もあるでしょう。
制服組軍人の中では立憲主義の元で平和主義軍隊の自衛隊の肖像に誇りを持っている人がいます。
幕僚長が自衛隊の総意ではありませんし、むしろマイノリティでしょう。一部だけを槍玉にしているようでは、公平性・中立性・建設性のある議論もできない社会になります。
> しかし、4万5000人を率いる空自トップが政府見解に公然と反旗を翻すのでは、政府も、自衛隊も、組織として成り立たなくなってしまう。政治による文民統制(シビリアンコントロール)の精神にも反している。
イオキベ先生の発言の意味を理解していないようですが、幕僚長は意図的に論文を掲載させたわけではないとも言える。擁護するつもりはないが、APグループがリークしなければ文民統制の課題はなく幕僚長という地位は露見しなかったであろう。
結果論において文民統制に抵触しえる状況が発生したにしても、幕僚長が軽挙だったという批判であって、幕僚長の表現の自由は、イオキベさんも否定していないのである。
つまり、イオキベ先生は露見するような軽率な行動をするべきではない、という意見とも解釈できるだろう。
さて、もっとも冥王星が不可思議に断じるのが「表現の自由」が弱者救済のための権利と想起したことである。
表現の自由・言論の自由は、自然権・自然法の領域だろう。それらは、人権天賦説・社会契約説にしても弱者救済などという目的は存在せずに、自然状態を想定した世界において想定された概念であろう。
法哲学論争は避けるが、弱者救済のためならば、強者に付与される道理さえ失われることも想定されるだろうし、人権概念として、弱者救済などという発想は、如何にも上から目線と感じるのだが・・・・それが現代社会の法哲学の結論なのだろうか?w
Re: 天木直人さんのブログ『今日発売の週刊現代に掲載された田母神発言は国民必読の発言だ!①~④』を読んで
お返事遅くなり申し訳ありません。ここ数日コメントチェックはしていなかったもので。
猿払事件に関して言えば、下級公務員の政治的自由を認めた判例で、上級公務員や軍人に準ずる身分の者には依然政治的中立性が要求されることに異論は無いはずですが。
>あなたがどこまで海外の文民統制の規定・実態を理解した上で、文民統制を論じ、批判しているのでしょうか?<
> では、損なわれた国益を全て説明できますか?
国益は、損得勘定です。あなたが全ての国益を計算できるほどの知性と情報を持ちえる立場でしょうか?
仮に、「PKO法が国益を損じている」と仮定して、PKO法によって得られる国益は勘定していますか?<
←申し訳ありませんが、このような質問は、私には不毛な揚げ足取りのように感じてなりません。
>さて、「アメリカのやることなすこと全てイエスマン」などはねつ造です。
あなたが知らないのか?認めないのか?は知りませんが、数多くの事例で日本はNOと言い続けています。
イラク戦争への参加要請(アメリカ、UN要請の拒否)
イラク戦争後の暫定統治のCPA指揮権への参加(アメリカ、UN要請の拒否)
アフガンでの上陸支援活動の要請の拒否
ソマリア海賊対策の給油支援の拒否
イラク北部への航空自衛隊輸送支援要請の拒否
まだまだ列記できます。あなたがこれらを知った上で、「アメリカにすべてイエス」と言うのでしょうか?
知らないで批判しているだけではないでしょうか?
それとも、石原慎太郎氏の「NOと言えないニッポン」にでも扇動されましたか?<
←対米追従の大きな流れは明白な事実なのに、その中でいくつか NOと言えた細かいことを取り上げて「ほら、一つもとは言えないじゃないか」というのも、言葉の細かい揚げ足取りではないかと感じます。確か私のNHKの批判エントリーでも似たような論を展開されていましたね。
なんといいいましょうか、ああも言える、こうも言えると、どんどん話をエンドレスに押し広げて、話のポイントが拡大、散逸してぼけてしまう感じです。
冥王星さんは田母神氏の発言を支持なさるのか、対米追従は肯定なさるのかも今ひとつわかりかねますし、議論のための議論を挑まれてるという気がしないではありません。
ところで、先日から立て続けに私のコメント欄で持論を延々展開されていらっしゃいますが、これはブログ主の私にとってかなりの負担となるものです。人によってはコメント字数の制限を設けていらっしゃるかたもみえます。
できましたら、長文で持論を仰りたいときは、自ブログでお書きになってからトラックバックする、という方法をとっていただけませんでしょうか。ご一考下さるとありがたく思います。
Re: 天木直人さんのブログ『今日発売の週刊現代に掲載された田母神発言は国民必読の発言だ!①~④』を読んで
護憲改憲(憲法第9条)にこだわらず、日本国民に犠牲を強いてでも守らなければならない軍事外交政策が何なのかを考えると、
① 日米同盟 ( 政府の方針?)
集団的自衛権(第9条の改正が必要)は、基本的には否定されている。
② 国家の自由と独立 (田母神案?)
核兵器その他も、視野に入れる。
③ 憲法9条を堅持して、最低限の自衛力のみを持つ。 ( 秋原案 )
の3つの選択に帰着することになりますが、各々の中身の方も重要です。
私個人の選択は、理想は③案ですが、現実的には①案です。( ただし、護憲 ) その理由は、軍隊的抑止力を放棄してしまうのは、あまりにも危険だからです。 勿論当然ですが、現在のような米国の言いなりに近いやり方には反対です。
次元の低い議論かもしれませんが、むしろ一番大きな問題は、4兆数千億円も使ってそれに見合うだけの防衛軍になっているのかどうかという点です。 軍事費の性格上、武器の値段が民間の製品の水準と比較して格段に割高であることは想像に難くありません。 米国からの武器購入にいたっては、天井知らずの価格で購入されているのではないでしょうか。 できるものならば、自衛の為の武器を、なるべく国内から調達する事が望ましいです。
さらに、軍事専門家の中には、「 実戦では通用しない張子の軍隊 」と揶揄する意見があります。 もし、多額の防衛費が無駄になっているのが事実ならば、自衛隊の縮小を支持せざるをえません。 所詮、自衛隊が災害救助隊のような役割しか果せないのであれば、使われる巨額の血税は余りにも勿体無いです。さらに、自衛隊を軍隊と認める憲法改正も行う必要はありません。
大切なのは、軍事力だけでなく、国の安全保障を広い範囲で考える事です。
http://en.wikipedia.org/wiki/National_security → 日本語に変換して下さい。
>もえおじさん
幸いにも(?)日本は今の所経済大国ですし、現代では軍事より経済のほうがよほど大きい駆け引き材料になる気がするのですが・・どうなんでしょうね。
>>むしろ一番大きな問題は、4兆数千億円も使ってそれに見合うだけの防衛軍になっているのかどうかという点です。 軍事費の性格上、武器の値段が民間の製品の水準と比較して格段に割高であることは想像に難くありません。 米国からの武器購入にいたっては、天井知らずの価格で購入されているのではないでしょうか。 できるものならば、自衛の為の武器を、なるべく国内から調達する事が望ましいです。<<
田母神さんも言ってますが、自衛隊の武器購入はアメリカにぼったくられてるみたいですね。思いやり予算も合わせて日本はアメリカの軍事産業のいいお得意さんのようです(カモとも言う。怒)
アメリカは戦争をやることによって儲けてきた国です。日本が国内調達を主とするようになれば、それはアメリカのように軍事産業で儲けを狙う死の商人を国の主要産業として育てることにならないかと想像してしまうのですが・・
私は9条があるからこそなんとか信頼を得て戦争を行わずにこれたことを思えば9条が一番現実的な安全保障であるように感じます。
現在この地球上で軍隊のない国は27あるそうですよ。日本が28番目になることはできないでしょうか。すぐにとは言いませんが。
Re: 天木直人さんのブログ『今日発売の週刊現代に掲載された田母神発言は国民必読の発言だ!①~④』を読んで
また、現実的な考え方としては、日米安保条約を維持するのと破棄するのと、どちらが安全保障上有利なのかという問題になります。 残念ながら、隣国には完全な友好国はおらず、現在のところは日米同盟をやめるわけにはいかないでしょう。
さらに、安全保障上は、情報管理(諜報活動)、外交、資源食料確保なども非常に重要であり、それらの分野をもっと重視してもらいたいと感じている人々が多いのではないでしょうか。 それを踏まえた上で、必要最低限の防衛費で済ませてもらいたいというのが、素直な感想です。
9条に関してはもう少し勉強して考えを深めてからエントリーをアップしてみたいと思っています。自衛隊を認めるか、認めるならどのような形や規模で、など、詳しくはその時に。
一つはっきり言えるのは、やはり9条は堅持しなくてはならない、ということで、この点においてはもえおじさんと私は一致するのでは…と、推測してるのですが、よかったでしょうかf^^;
もしよければ、私の昨年の9/8の「9条の実践」というエントリーをお読みいただけたら、私の方向性がわかっていただけるかと思います。(←PCが急にインターネットと繋がらなくなり、携帯から打ってますのでURL貼れずにすいません)
今日本が置かれてる状況では、軍事抑止力とか、日米同盟が、日本の安全を守っているというのは幻想ではないかと感じる今日この頃です。
天木さんのブログへのリンクは外した方がいいのでは?
http://www.amakiblog.com/archives/2010/07/14/#001643
今月の参院選では選挙区・比例区共にみんなの党に投票したそうです。
普天間基地の問題にも強く関心を示してらっしゃるはずの天木さんが、日米同盟容認派を多く有するみんなの党に投票し、さらに「支持者の一人」とまで書いてます。
しかも、公務員改革にもやたらと好意的ではありませんか!
秋原さんは天木さんのブログにリンクを張っていらっしゃってますが、外した方がよろしいんじゃないでしょうか?
陰謀論者のリチャード・コシミズさんの講演会とかにまで出てきちゃうような人ですしね。(呆)
> Hatto0467さん
この頃に比べると天木さんのブログにはがっかりさせられるエントリーもいくつか見られるようになりました。
ですが、頷かされるエントリーもありますので、私は今でも時々目を通しています。
100%賛成できないブログ、少々考え方の違うブログからでも何かしら学ぶところはあるわけで、私はそういうブログにも時々目を通します。(もっとも明らかに目を通す価値のないデンパブログなんかは時間の無駄なので対象外ですけど笑)
このリンクはあくまで自分が目を通そうと思っているブログのリストの一部なので・・・決して100%賛同しているものばかりとは限らないかも??^^;
私も憲法9条の堅持には賛成です。ただ、自衛隊と9条に関してはすぐに解決する問題でもないし、またすぐに解決しなくてはいけない問題でもないのではと思います。周辺諸国に軍事縮小を呼びかけること、後、田母神氏みたいな右翼主張を一般論にさせないことが大事ではないかと。
急いで書いたので駄文になってしまいすみません。
> Agenさん
周辺諸国への呼びかけもいいですが、まずは自国の軍縮を身を以て示さなくては。
タモガミシの処遇は泥棒に追銭の厚遇でしたね。ネット右翼リアル版が増長するのも無理ないです