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演目のお知らせ
【5.5演奏曲目】
「GO!GO!市音!大阪市音をほめる会」で、宮川彬良氏の指揮、大阪市音楽団有志メンバーと、昨年に続き多数の有志フリーランスプレイヤーの皆さんが演奏する曲をお知らせします。
・Fun,Fun,Funtastico!...宮川彬良
・吹奏楽のためのソナタ「ブラック・ジャック」より
第一楽章“血と汗と涙と…”...宮川彬良
・大ラッパ供養...宮川彬良
・ゲバゲバ 90 分...宮川泰 ほか
-all arranged by Akira MIYAGAWA-
なお5月3日の朝に放送された「おはようパーソナリティ道上洋三です」(朝日放送ラジオ・関西ローカルの番組)に出演した宮川彬良氏の話によりますと、サプライズゲストが「宇宙戦艦ヤマト」を指揮するとのことです。
放送の内容はこちらで聞けます
番組サイトで聴けます!(TOPページ中ほど「今朝の特集をウェビオで」→「特集」をクリック!(Windows Media Playerが必要です))
http://ow.ly/kFaKE
いささか古いですが、ご紹介
(引用開始)
音楽が始まる前に
響敏也(作家・音楽評論家)
いのちを祝福する楽器
いのちに近い音楽ってなんだろうか?
それはもちろん「うた」。人の身体から生まれる音楽、道具を使わない無添加純正の音楽、それが「うた」。音楽の根源に近い。
じやあ楽器で命に近いのは何だろう?
それは管楽器、人の息で奏でる楽器だ。呼吸は命の根源に近い。その「息」で奏でる管楽器の集まりが吹奏楽。楽器の原点、打楽器も仲間に加わる。吹奏楽は、だから「最も人蘭商なアンサンブル」と考えていい。
いのちを奏でる楽団
時は明治21年の早春。
大阪に51人からなる軍楽隊が誕生した。やがて軍楽隊は第4師団軍楽隊と呼ばれ、その明るい楽の音は、大阪の気さくな街に似合って、子供から大人にまで人気があった。
「ほうらボクちゃん観てみ、きょうも兵隊さんのブカブカドンドンがやって来たで。あっ、笑うた笑うた、この子、泣きやんだわ」
「ほんまや、まさに泣く子も黙るや。これありがたいわ」「あれ聴くと食欲も増進や」
市民に親しまれた大阪の軍楽隊は、しかし「戦争の予算を減らそう(軍縮)」という当時の世界的な動きで、真っ先に無くなることになった。日本の軍隊は、世界の取り決めで戦争の武器の予算を減らすことになったとき、なんと軍楽隊の予算を削ったのだ。
「そら、ちがう。戦争の道具を減らしなはれ」
大阪の市民は黙っていなかった。
「あの、ブカブカドンドンは大阪名物や、無くさんといて」「あれは、もう大阪の音やで」
市民の声が上がり、ついには大阪市が動いた。人々の声に応えて、第4師団軍楽隊は、大阪市音楽隊とな人平和のときも戦いのときも楽の音を奏で続け、太平洋戦争終戦の翌年には現在の呼称、大阪市音楽団となる。
軍楽隊時代から数えて126年(1)、大阪市音楽隊誕生から数えて、ほぼ90年。プロの吹奏楽団として世界屈指の歴史を刻み続ける。
甲子園球児たちの入場行進曲のレコーディング、大阪万博の主要楽団としての活躍、夏のタ暮れ時の「たそがれコンサート」。
街に平和の楽の音を届け、日本中のブラスバンド少年たちの憧れの星であり続けてきた。
巨匠・朝比奈隆や秋山和義、井上道義といった国際派の大指揮者、さらには欧米の作曲家までが、その指揮台に立ってきた。吹奏楽団として貴重な輝かしい歩みなのだ。
大阪市音楽団、それは戦いを否定することで始まった平和の証し。
それは大阪市民が守り育ててきた、大阪を奏でる楽団。
大阪市音楽団、それは人々の暮らしと、その歴史を見つめてきた、世界中で大阪だけの「命を奏でる楽団」なのだ。
この楽団の音を守り、発展させ、後世に残すことは、この時代に立ち会った私たちの務めと言っていいだろう。
その昔の軍縮時に、日本の軍隊が武器を減らさず、「音楽隊を潰そう」とした思考経路を繰り返してはならない。自治体の赤字減らしのために、「命の音」を消してはならない。
きょうの初春に、兵庫県立芸術文化センターの絶大な力を得て、アンベガは「市昔」と初共演する。室内楽と吹奏楽が握手する貴重な時間は、きっと幸福な春風を届けるはず。
そういえば、管楽器はWind Instrument(風の楽器)。吹奏楽はWind Ensemble(風の合奏)というのだった。
(引用終了)
ご紹介 その2
http://www.asahi.com/culture/articles/TKY201304220402.html
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(引用開始)
楽しさの裏、主張あり 宮川彬良「音楽守る」
東北復興支援チャリティーコンサートから。「サンダーバード」「奥様は魔女」などでも沸かせた=3月31日、東京・日比谷公会堂、三浦興一氏撮影
「マツケンサンバ2」などで知られる作曲家の宮川彬良(あきら)が、軽快な指揮とトークで新たなファン層を開拓している。3月には新日本フィルハーモニー交響楽団と、童謡の数々やそこにこめられた言葉の真実を届けるコンサートを成功させた。突き抜けたエンタテインメント精神の背景にある真意を聞いた。
「激しく後悔した。もっと血を吐くほどに強く、橋下市長に対して怒っていなければいけなかった」
音楽監督を務める大阪市音楽団(市音)が昨年、市政改革の一環で存続の危機に陥った時のことを振り返る。身軽に動ける吹奏楽の利を生かし、華やかなパフォーマンスで市民の催しを彩ってきた。
怒りを実感したのは昨年5月、大阪の野外音楽堂で支援を求めるコンサートを開いたときのこと。3千人の聴衆と心をひとつにするうち「これは僕たちだけの問題じゃない。すべての歴史の礎である文化そのものに刃(やいば)が向けられている」と気づいたという。
「僕たちの音楽団は、プロの楽員が運営を担う公務員バンド。公に支えられているからこそ、どうすれば音楽で幸せになってもらえるのか、教育にどう携わるべきかを最優先に考えながら、市民の前に立ってきた。そのことが軽んじられてよいはずがない」
東京芸大で芸術との距離感に悩み続けたかつての経験が、そう語らせる。気持ちがポップスやジャズに傾き、芸術に向き合う意味が見えなくなった。そんな自分に答えをくれたのが、芸大の体育の授業で教えられていた「こんにゃく体操」だ。脱力して自然の一部となり、己の身体を世界に開くことがすべての表現の原点、と気付かされた。
「僕の先生は『自然』であり、ジャズもクラシックも源流は同じ『自然』にあった。あの挫折で、真実が見えた。あのまま何となく成功していなくて本当によかった」
父は「宇宙戦艦ヤマト」の音楽などで知られる作曲家、宮川泰。音楽は独学に近かったが「感覚ひとつですべての芸術の本質をつかんでいた本物の天才」。そんな父から受け取った感性で、多彩な響きが躍る「マツケンサンバ2」などを世に出してきた。
「音楽という宝物を守る管理人」と称する。目指すのは「楽しく、かつ主張のあるコンサート」だ。5月5日、大阪城音楽堂で、市音の応援ライブに臨む。(吉田純子)
(引用終了)
ご紹介 その3
(引用開始)
大阪市音楽団、自立への序章 公演料金2・5倍280万円に
2013.4.28 02:17
国内最古の交響吹奏楽団で、昨年、大阪市の橋下徹市長の市政改革で市直営の廃止が決まり、平成26年度から自主運営する大阪市音楽団(市音)がコンサートを開く主催者から受け取る1回当たりの公演料をこれまでの約2・5倍になる280万円に設定していることが27日、分かった。市内の受注を対象にした割引制度も廃止し、一律料金にする。市音は「採算面から試算した結果、導き出された料金。金額は高くなるが理解を求めていくしかない」と話している。
新しい料金の280万円では、市外受注はこれまでの113万円から約2・5倍、割引適用の市内受注は57万円から約5倍アップすることになる。さらに、少人数で編成する演奏はこれまで市内で1時間4万2千円だったが、30万円からの料金設定に変更するという。
編成人数や公演時間に差はあるものの関西で活動する他のオーケストラの1回の公演料は大阪交響楽団200万円▽関西フィルハーモニー管弦楽団220万円▽日本センチュリー交響楽団260万円▽大阪フィルハーモニー交響楽団360万円。市音が今回、新たに設定した料金とほぼ同水準だが、長年にわたって破格の低料金できただけに理解が得られるかは不透明だ。
市音ではこれまで年間100公演を行っており、そのうち市民への還元を目的にした無料コンサートなど自主公演が全体の6割以上を占めた。自立化のためには、楽団員約40人の人件費や事業費など年間約2億円の予算が必要で、来年度以降も年間100公演を目指しているが、そのうち8割以上が依頼公演でなければ採算がとれないという。市は完全自立化まで補助をする方針だが、金額は未定だ。
5月から新しい料金で営業を始める予定で、市音の延原弘明団長は「長年お付き合いのあるところにも2倍以上の料金で公演を販売しなければならず心苦しい。100万円前後の中間クラスの料金も準備して理解をいただき、楽団員全員で頑張って伝統を守りたい」と話している。
◇ ◇ ◇
大阪市音楽団 日本最古で国内で唯一の公立吹奏楽団。前身は明治21年、大阪に設置された陸軍第4師団軍楽隊に遡(さかのぼ)る。大正12年3月に廃隊したが、存続を望む市民の声が大阪市を動かし、同年6月に市音楽隊として組織された。所属する楽団員は「音楽士」といわれる市職員だ。
(引用終了)