派遣切りは命を切ること
- 2008/12/08
- 00:56
派遣は、全ての労働者の人間らしい暮らしを保証するための労働基準法を骨抜きにするための脱法行為に等しい。
スキルを、人を育て、それを次の世代に継承させていかない企業、ひいては社会に未来はない。
と、年末の大量解雇につくづく感じました。
まだ勉強不足なので、いつかまた続きを書きたいと思っています。
今日はとりあえずブックマーク代わりにメモ。
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008112902000056.html
3万人、進む派遣社員のホームレス化 施設も定員突破目前
2008年11月29日 朝刊
支援団体の炊き出しに集まった元派遣社員を含むホームレス生活者=愛知県内で
急速な景気の減速で、解雇されて収入と住まいを同時に失った派遣社員の「ホームレス化」が進んでいる。名古屋市ではホームレス自立支援施設が昨年の倍の入所者を抱え、満員になる勢い。生活保護の相談件数が大幅に増える地域も。厚生労働省の全国調査だと、10月から来年3月までに少なくとも3万人の非正規労働者が失業するとの見通しで、雇用の崩壊に対する懸念は強まるばかりだ。
「ビルの屋上で寝泊まり。毎日いつ飛び降りようかと思っていたけど、飛べなかった」
名古屋市中村区のホームレス自立支援施設に入所する広島県出身の元派遣社員男性(40)は、弱々しい笑みを浮かべた。
20歳で古里の広島県を出て、愛知県内の自動車工場で期間工や派遣社員として働いてきた。8月下旬に、派遣社員として勤めた名古屋市内の金属プレス加工工場を辞めざるを得なくなり、住み込みの寮を退寮した。名駅前にたどりつき、死ぬつもりで入り込んだのが、あるビルの屋上だった。
ホームレスを経験した後、幸い施設へ入所でき、来月からは名古屋市の自動車部品関連会社で正社員として働くことも決まった。「奇跡だと思う。何とか定年まで頑張りたい。仕事がないと、気が狂いそうになるから」と声を絞る。
男性が生活する自立支援施設の定員は72人で、現在61人が入所。昨年同期と比べ約2倍で、定員突破も目前。しかも従来、入所後約35日だった再就職までの期間も最近では長期化している。
同施設の寮長は「派遣社員は仕事がなくなった瞬間に会社の寮を追われ『住所不定無職』になる。急速な雇用悪化で、次の職や住まいが簡単には見つからなくなった」と話す。
生活保護を利用する動きも出ている。岡崎市では4月に956人だった生活保護受給者が、今月には1064人に増えた。年内に1100人を突破するのは確実だ。
同市の生活保護担当者は「保護の相談件数は昨年同期比約4割増で、相談内容の8割が派遣先で解雇されて住む家がなくなったという訴え」と話す。
同様に派遣社員の雇用が多かった名古屋市、愛知県豊田市などでは今のところ生活保護の相談や申請の増加はないが、「不思議なほど増えておらず、かえって怖い。嵐の前の静けさではないか」(豊田市の担当者)と今後を心配する声も聞かれる。
「期間工切り」トヨタ
株主配当 たった3円分で90億円 3000人雇用守れる
2008年11月30日(日)「しんぶん赤旗」
「期間工切り」トヨタ
株主配当 たった3円分で90億円 3000人雇用守れる
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雇用を維持する体力は十分あるのに、大量の「派遣切り」「期間工(期間従業員)切り」なんて―大手自動車メーカーの人減らし計画に怒りが広がっています。例えば、三千人の「期間工切り」を計画しているトヨタ自動車は、配当のわずか三円分、創業者の豊田家の二人への配当四年分だけで三千人の期間工の雇用は維持できます。
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大手自動車メーカー七社の公表分だけでも、十月以降の「非正規労働者切り」計画は九千人を超します。
各社は、「減益」などを口実にしていますが、二〇〇八年度の営業利益は、七社合計で一兆七千二百億円を見込んでいます。雇用を守る体力は十分にあります。
自動車産業全体でみると大企業(資本金十億円以上)の内部留保は、一九八七年度の約七・五兆円から〇八年九月末の約二十二兆円に三倍化。労働者の賃金は抑え込む一方、株主への配当は、二十年で六倍に急増させました。〇八年度も高い水準のまま、推移することが予想されています。
トヨタ自動車の場合、期間工の日給は約一万円。二交代制の手当を含め年収約三百万円(残業代を含めない)です。年間九十億円あれば三千人の雇用を守ることができます。九十億円は株主への〇八年度の中間配当総額二千三十七億円の5%分にもなりません。
トヨタの発行株式数は三十億株超です。一株当たり一円の配当で約三十億円。たった配当三円分を雇用に回せば、期間工三千人を減らす必要はありません。
また、豊田章一郎名誉会長と豊田章男副社長だけで千六百万株近く保有しています。トヨタの年間配当が一株当たり百四十円だった二〇〇七年度に、二人だけで二十二億円を超す配当を手にしたことになります。その四年分程度があれば、三千人の雇用は守れます。
トヨタでは、八年間で配当を五倍化。株式保有者の八割がトヨタのグループ企業や信託銀行、生命保険会社など機関投資家です。もうけを労働者に還元し、雇用を守ることこそ優先すべきです。
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配当 株主に対する利益の分配のこと。一般に現金で支払われる現金配当のことを指します。保有する株数に応じて分配されます。企業の利益の変動や経営判断によって金額は変わります。配当を年2回に分けて行う場合は、半年の段階で支払われる配当のことを中間配当と言います。
http://www.asahi.com/business/update/1204/NGY200812040017.html
海外メディア、トヨタ取材に続々「黒字でもリストラ?」
海外のメディアが、「トヨタ・ショック」の取材攻勢を強めている。トヨタ自動車の減産がその足元の経済や雇用にどんな影響を与えているのかを探ろうと、秋以降、韓国や欧州各国の記者が相次いで愛知県を訪れた。背景にあるのは、世界のトヨタへの関心の高さだ。
韓国のテレビ局MBCの取材チームは11月18~22日、愛知県入りした。テーマは「トヨタ・ショック」だ。同県豊田市役所を訪れ、担当者に「ダメージは」「雇用や失業対策は」などと質問。期間従業員や下請けの派遣社員らを追跡取材し、職業安定所やエコノミストらから雇用や経済情勢などを聞き取った。
プロデューサー、崔炳崙(チェ・ピョンユン)さんは「大幅減益と言っても、まだ赤字でもないのに、なぜトヨタは雇用を減らすのか、その姿勢や背景を知りたかった」と語る。
取材を終えた崔さんは「このような人員整理をされたら韓国では労働者は怒って行動するが、日本では派遣社員も期間従業員も経営者側に理解を示しているのが不思議だった」と話した。
県内の労働組合にも海外メディアの取材が相次ぐ。
「全トヨタ労働組合」(若月忠夫委員長)には同17日、オランダの新聞「VOLKSKRANT」紙の記者が訪れた。記者は「期間満了で雇用延長されないことを期間従業員の家族はどう受け止めているか」「組合は会社とどのような交渉をしているか」などを聞いた。10月にはフランスのニュース通信社・AFPも取材に訪れた。
名古屋ふれあいユニオンにも11月中旬、AFPの東京特派員から電話取材があった。同ユニオンの酒井徹・運営委員長は「海外メディアからの取材は初めて」と驚く。
イタリアのテレビ局・SKYTG24のピオ・デミリア極東特派員は「トヨタは、富士山と同じで、日本の象徴。合理化を進めたトヨタの売り上げがなぜ落ちたのか、興味がある。私も名古屋に取材に行こうと思い、企画を考えている」と話している。
海外メディアの取材攻勢について、日興シティグループ証券アナリストの松島憲之さんは「大減産したトヨタの足元の愛知県は、世界の注目の地域。世界最強の自動車会社になろうとしているトヨタが、どうしてここまで短期的に急速に悪化したのか、関心があるのだろう」と分析している。
奥田氏のマスコミへの脅迫じみた発言も、こういうトヨタの体質をよく表してると思います。
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