大阪の瓦礫搬入反対運動を展開している市民に対し、阪南大学経済学部・下地真樹先生をはじめとして次々と不当逮捕され、6人が起訴されたことは皆さんもご存じだと思います。
この不当逮捕には憲法学者達も立ち上がりました(マスメディアはあまり報じませんでしたが・・・)
現在も勾留は続いていますが、法的には無罪の扱いを受けるべき立場であるにもかかわらず拷問と呼ぶべき非人道的な扱いを受けていることがわかりました。
大阪府警といえば、前回
こちらのエントリ-で「日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク」に対し、在特会の言いがかりに便乗して家宅捜索などを行ったことを書きました。
これは大阪府警による差別、煽動の助長であり、市民団体に対する弾圧です。
(ちなみにアムネスティも懸念を表明しました→
http://goo.gl/LjLrY)
立て続けにやってくれますね。
何度も繰り返しますが、民主国家にあるまじきこういう事態をマスコミは広く世間に知らしめるべきです。
◆DIAMOND ONLINE
がれき広域処理の反対めぐる逮捕・拘留で
憲法学者が「拷問」と告発(5)
http://diamond.jp/articles/-/32441
2011年3月の東日本大震災で発生した震災がれきを全国各地で受け入れて処理する、いわゆる震災がれきの「広域処理」。現在大阪市が計画している「広域処理」に対して反対運動が続いているが、そうした反対派の逮捕が相次いでいる。2012年12月には関西の広域処理反対運動のリーダー的な存在である阪南大学准教授の下地真樹氏ら3人が逮捕された。下地氏ら2人は20日の勾留後、釈放されたが1人は起訴された。がれき広域処理の反対運動に対する弾圧との指摘もある一連の警察介入の真相に迫るとともに、今年2月から震災がれきの受け入れを本格実施した大阪市の状況を報告する。
獄中の「拷問」を告発
「これは憲法36条違反、つまり拷問です。まさか憲法学者になって36条違反を(世間に)訴えることになるとは思わなかった」
2月19日夕刻、参議院議員会館で開催された院内集会において、龍谷大学法科大学院の石埼学教授(憲法学)が告発する。院内集会は関西の反原発運動やがれき広域処理反対運動で起きた「連続不当逮捕」に抗議し、すでに起訴された6人の即時釈放を求めるものだ。
この間、2012年12月に逮捕された阪南大学経済学部・下地真樹准教授らの逮捕について報告してきたが、集会で報告された状況が深刻なため、順序を入れ替えて現状を伝えたい。
この院内集会でとくに重視されたのが、起訴された1人、象が好きでその鳴き声から「ぱおん」の愛称で反原発やがれき反対にかかわる人たちに知られる、大山裕喜子さんの処遇についてだ。石埼教授が「拷問」と評した状況とはどのようなものなのか。
大山さんは2012年11月13日午後、大阪市が計画している震災がれきの受け入れ処理(現在実施中)についての住民説明会が開催される同市此花区の此花区民ホールを訪れ、そこでほかの2人とともに逮捕された。
このとき区民ホールでは、夜に予定されていた住民説明会のための準備がおこなわれていた。大阪府警の発表によれば、大山さんら2人は「共謀のうえ、此花区でおこなわれる説明会を妨害する目的で大阪市が管理する敷地内に侵入した」という建造物侵入(刑法130条)の容疑で現行犯逮捕された。もう1人は「被疑者逮捕を妨害した」ことによる公務執行妨害(同95条)容疑である。
(略)
薬を勝手に変更し
「処方箋は見せない」
被疑事実や逮捕の状況をめぐっても重要なことは多いのだが、それらは改めて論じることにし、今回は勾留中の処遇のみにとどめる。
大山さんは逮捕後、布施警察署で約20日間勾留された。また起訴後は拘置所に身柄を移されており、すでに計3ヵ月以上も抑留生活を強いられている。もともとアトピー性皮膚炎やアレルギー、睡眠障害、混合性不安抑うつ障害で皮膚科と神経科の病院に通っていた大山さんは、留置場・拘置所で「ほんとにひどい対応」を受け、病状が悪化したという。そのため1月25日の勾留理由開示公判では被疑事実への反論よりも、むしろ処遇の悪さを中心に訴えたほどである。
その証言によれば、大山さんは11月上旬からリンパ腺がはれて高熱が数日間続くなど体調を崩していた。逮捕当日も「夕方くらいに少し頭が痛み、体がだるく感じたので、少し熱があるのかな」と感じていた。警察によって逮捕されたときも調子が悪く、階段に座り込んでいた。こうした体調の悪さもあったろうが、勾留中の処遇の悪さには驚かされる。公判の意見陳述で大山さんはこう明かした。
「まずアトピー、アレルギーの薬は逮捕後10日間ほど処方されず、いくら症状を訴えても何もしてもらえませんでした。ようやく出してもらった塗り薬では逆に全身がかぶれてしまい、顔がはれ、目が開かず、全身真っ赤かで、ひどい状態になりました。処方した医師は皮膚科の専門医ではありませんでした。
私と弁護士からの再三の要求で11月末に警察病院へ診察に連れて行ってもらい、そこで出た薬でようやく治まりました。初めて経験する症状でしたし、人相が変わっていましたから、さすがに留置係もやばいと思ったと思います」
勾留中の「ひどい対応」はまだ続く。
「不眠、うつの薬に関しても、こちらに断りなく一部の薬の種類を変えていました。私が飲む前に色が違っていることからわかったのですが、何を飲まされているかわからないという不安感、不信感でいっぱいになりました。こちらも何度も要求して元の薬に戻させましたが、元に戻せるならそもそもなぜ変えたのかいまだに疑問です。私に処方されている薬なのに処方箋は見せられない、渡されない、渡せないという警察の言い分の意味がいまでもまったくわかりません」
病状は「はっきりいって最悪」
こうした処遇は起訴後に拘置所に移ってからも変わらなかった。
「2日間、薬はいっさいなにも出ませんでした。おそらくストレスやうつ症状からくるものだと思いますが、食事が摂れず、眠れず、何か飲んでは吐き、めまいや幻聴があり、片方の耳が聞こえにくくなったりしました。症状があまりにもひどいので弁護士から拘置所あてに内容証明郵便を送って抗議してもらったりしました」
するとようやく薬が処方されたが、いまだ状況は良くないという。
「アトピー、アレルギー、うつの薬はもらいましたが、とても軽い薬らしく効果は薄いのです。とくにうつの薬は以前飲んでいた薬の離脱症状(薬物接種を急に止めることで起こる不快な身体的・精神的症状)のようなものが出ているので、いま現在も改善を求めていますが、変わりありません。睡眠障害の薬は一度も出ていません」
そして現在の体調を聞かれてこう答えた。
「はっきりいって最悪です。薬の副作用とか離脱症状と思われる症状と、薬が必要である症状が、ごちゃごちゃ出ています」
前出の耳が聞こえにくくなる、めまい、吐き気のほか、急に不安を感じて呼吸が荒くなる、発作的にパニックを起こし過呼吸になる過換気症候群が起こるなど、むしろ悪化している。
(引用ここまで)
続きはリンク先でお読みください。
これは酷いです。
大山さんに欠かせない常用薬を取り上げ健康状態を悪化させる権限など警察や矯正局にあるはずがありません。(※2/22に保釈請求に対し裁判所が決定を出したと思われますが、保釈が認められたかどうかは今の所私にはわからないです)
まさに拷問、これは特別公務員暴行陵虐罪じゃないのですか?
憲法は特に拷問に関しては「
絶対にこれを禁ずる」と強調したのは、戦前の特高警察の逮捕・拷問が激しかった反省からです。
それなのに、憲法施行されてから70年あまりたってもなお戦前の特高的なにおいが漂ってくるとは、どういうことでしょうか。
下地先生の不当逮捕は日本のマスメディアはほとんど取り上げなかったのですが、ドイツではシュピーゲル誌が掲載したそうです(ほんとに日本のマスコミは情けない・・・)
http://kingo999.blog.fc2.com/blog-entry-1144.html日本のマスメディアは官憲によるこのような現在進行形の人権侵害を報道すべきです。
でも、おそらく報道しないでしょうから、是非下地先生の不当逮捕だけでなく、瓦礫処理問題で不当逮捕、不当起訴された市民が拷問にあっていることを海外で報道して欲しいと願います。
<追記>
本日(2/25)18時無事釈放されたそうです。
まだ他にも残っていますが、とりあえずよかったです・・・
http://blog.goo.ne.jp/sithux7/e/80e9ac0cb070174f3d2896ca4931ad4f
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