約一週間のご無沙汰です。
今日は半世紀以上にわたって無実を訴え続ける死刑囚、名張毒葡萄酒事件の奥西勝さんのドキュメンタリー映画をご紹介します。
奥西勝さん役を仲代達矢さん(若い頃は山本太郎さん)、奥西さんのお母さん役を樹木希林さんが演じています。
まずは予告編をどうぞ
公式サイトはこちらになります。
http://www.yakusoku-nabari.jp/これは昨年東海テレビで放映されたドキュメンタリードラマの映画上映になります。
贅沢な俳優陣なのに東海地方限定の放映だけなんてもったいないと思っていたのですが、全国で見られるようになりました。
公開劇場はこちらです
http://www.yakusoku-nabari.jp/theater/上映に当たって、仲代達矢さんと樹木希林さんのコメントです。
http://tvfan.kyodo.co.jp/news/topics/31591
無実を叫び続けながら52年間も勾留されている奥西死刑囚を演じた仲代は「これまで役者を60年やってきましたが、実在する人物を演じたのはこれが初めてです。映画やドラマでは虚と実の間にいる人物を演じればいいのですが、実在する人物を演じるということはとても難しかったです」と話した。
また「事件に関するいろんな資料を見たり話を聞いたりして、僕は奥西さんが無実であることを信じています。極端な言い方ですが、このまま奥西さんが死ぬまで(無罪を)決定しないようなことがあるなら、司法が殺人者になるであろうと思いっています」と強い口調で語った。
本作は日本の司法に異議を申し立てるような挑戦的部分がある。樹木は「仲代さんも私も“もうこの作品で仕事がなくなるな”と覚悟を決めています。仲代さんが80歳で、私も70歳だからもう(仕事がなくなっても)いいかと思っている覚悟なんです」と話した。
「もう仕事がなくなってもいいという覚悟」で臨まれていたとは・・体制批判することはいまだに役者さんにとっては覚悟がいるものなのですね。(原発事故直後、芸能人が反原発をなかなか口に出せなかったことをふと思い出しました。)
にもかかわらず、名優お二人を始め役者さん達がまるで本人が乗り移ったかのように見事に演じてくださり、素晴らしい作品になったことに感謝したいと思います。
是非劇場に足を運んでご鑑賞ください。
逮捕されたとき35歳だった奥西さんは、現在87歳です。
昨年名古屋高裁にて再審請求棄却された後、体調を崩し肺炎で入院されました。
以来ずっと9ヶ月間病床に伏せったままです。抗生物質と栄養剤の点滴のみで口から食事を取ることが出来ません。
なんとしてもお元気なうちに無罪を勝ち取り、冤をそそいで、塀のない世界へと願わずにいられません。
私も名張事件についてはいくつか記事を書いています。ご参考までに
●
(2006/12/27)【過去記事】失望させる再審開始の取り消し●
再審制度の見直しを!~名張毒葡萄酒事件、最高裁の決定を受けて●
名張毒ぶどう酒事件4夜連続企画放送のお知らせ●
名張毒ぶどう酒事件・4夜連続特番その1~証言~(1987年作)●
名張毒ぶどう酒事件・4夜連続特番その2~重い扉~(2006年放送)前編●
名張毒ぶどう酒事件・4夜連続特番その2~重い扉~(2006年放送)後編●
名張毒ぶどう酒事件・4夜連続特番その3~黒と白~(2008年放送)●
名張毒ぶどう酒事件・4夜連続特番その4(ラスト)~毒とひまわり~(2010年放送)●
名張毒葡萄酒事件の速やかな再審開始を望みます●
名古屋高裁の名張毒葡萄酒事件の再審請求棄却決定に抗議します●
光市事件の弁護団も名張事件の弁護団も、全く同じ使命、信念に基づいた弁護活動をしています●
法務当局は名張事件の奥西勝さんにたいする非人道的扱いをただちにやめるべきです
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