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生徒さんたちがが叩かれる理由はない
http://youtu.be/eSlhOJjFmu0 体育科入試中止で生徒が異例の会見 橋下市長は・・・(13/01/22)
(私が見たのはこの動画だけですが、会見に出た生徒さんが操り人形のように「誰かに言わされている」のかどうかはわかりませんでした。)
この中で橋下市長は「昨日の会見を聞いてたしかに生徒の意見はわかるけれど 僕に対して何か言うことがあるんだったら、その前に校長や顧問に対して声を上げるべきだった」とか言っています。また、尾木ママこと尾木直樹氏もこの件では基本的に橋下氏に賛同しているようですが・・・私はどうもすっきりしません。
そもそも橋下氏は、「すべての日本の高校生が、自分たちへの不等な扱いについて教師や校長に抗議できるような状況」を望んでいるのか?また、日本の教育政策はそのような生徒を育てることを目標にしてきましたか?
ちがうでしょう?まず、橋下氏について言えば、彼はそんな人間が育つのを望むような人には全く見えません。そうした人間が彼に大人しく従うはずがないのだから。それに、こうしたことは今に始まったことじゃあない。私が中学、高校生だった30年以上も前から、一人一人の生徒の自主性なんて、ローラーで押し潰すような教育をやってきたじゃないですか?今の生徒たちの両親よりも上の世代から、代々そうした教育を受けてきてしまって、日本の企業社会もずっと、けして上位者に逆らわない従順な人間を求めて来たではないですか。それを今になって、事件の渦中に立たされた生徒たちにそれをやって見せろという。自分たちがして来なかった、出来なかったことをやって見せないと言って責める。とんでもないですよ。(1960年代前半に高校生だった尾木氏の時代には、高校あたりでも「学生の自治力」みたいなものはあったのかもしれませんが、十数歳年下の私の頃にはそんなものは既に無かった)
反原発の原子力工学者、小出裕章氏は原発事故の後、「自分の力が及ばず、このような事故がついに起きてしまって申し訳ない」と何度も言われていました。反原発派の中にはこれを「傲慢」と見る人もいるようですが、学者として冷遇されながらも、40年間も原発推進派と闘い続けて来た小出氏だからこその言葉だと私は受け止めました。小出氏こそ、「そらみなさい、あなた方が私の言葉に耳を貸さないからこういうことになった」と我々を非難したっていいのに、そんなことは一言も云わなかった。
教育も同じことです。このような体罰(というよりも「暴行」や「弱い者いじめ」)が横行するような体質は日本の教育や大人社会の中にさえ、ずっとあったことです。「体罰」ではなく、「パワハラ」と言ったら、大人社会にも普通にあることでしょう。利益上げるためだったら、無茶苦茶なことをやらされる。教育界だけのことではない。というよりむしろ、教育界にそれがあるのは「実社会の反映」だと私は思います。それでも、大人たちにはそれを止めることがずっと出来なかった。「洗脳」されているのは桜宮高校の生徒さんだけじゃないはずです。
本当なら、大人は皆、子供たちには「自分たちの力が及ばず、このような事態が起きるような世界になってしまって申し訳ない」と言って謝るべきなんじゃないですかね、特に「専門家」は。私は尾木氏にはどこかで小出氏のようなことを期待していたのですが、当てが外れました。