(大阪市教委が入試中止を決定したため、投稿予約していたエントリーが一本無駄になりました、というどうでもいい恨み言をつぶやいときます)橋下氏にとって「改革」とか「成果」というのは「どれだけ攻撃して排除できたか」ということを意味します。彼はそういう物差ししか持っていません。
労働組合しかり、児童文学館、人権博物館、市音、文楽しかり。学童や子どもの家さえなくそうとしました。
今回の問題も同じ発想です。
市長とは責任を負う側にいること、そして自分は体罰肯定してたことなどすっっっかり忘却して、学校、先生、市教委を先頭に立って攻撃し、処罰し、排除することしか思い浮かばないのです。
それを激しくやればやるほど大きな改革であり、それが体罰問題の解明解決に本当に繋がるかはどうでも良い、またその「改革」のためなら生徒が傷つこうが受験生が人生の選択を奪われようが構わないと言わんばかり。
まず子どもの心をケアしてあげなくては、という大人が持つべき心遣いが皆無なのです。
だから 犠牲者である生徒や保護者、受験生に責任転嫁も平気でやります。
「(受験生は)生きてるだけで丸もうけ。またチャンスはある」
「自分も浪人した。人生には1年遅れることもある」
などと子どもの人生の選択を突然勝手に奪ってこの発言、果ては中学浪人を容認せよという始末、実に無責任です。
また、入試中止が決定したあと受験生に向かって「これまでの桜宮高校の体育科を受験するという、そういう意識は捨て去ってもらって、新しい桜宮高校に期待して、受験をしてもらうということが必要でしょうね」と言っています。
どうして何も悪くないのにあこがれの桜宮高校の体育科を受けるんだという気持ちを無理矢理捨てさせられねばならないのか、実に理不尽です。元はといえば体罰を肯定していた市長に責任があるのに、受験生に責任転嫁して説教する資格が市長にあるとは思えません。
そればかりか入試を求める在校生に向かって「(学校のあるべき方向性が決まる前に)入試を継続するのは大阪の恥」といって泥靴で踏むような侮辱さえ加えます。傷ついた子の傷口に更に塩を塗り込んでいる市長こそ大阪の、日本の恥だと思いますが。
「人が一人亡くなったんですよ」などといいながら彼が関心を持っているのは、体罰問題を根本から解決することでも傷ついた子供達の心でもなく、権力をふるって自分の意のままに従わせる快感を味わうことだけです。
在校生も、保護者も、受験生も、夜回り先生(水谷先生)も、保護者ネットワークも、大阪弁護士会有志も、自由法曹団も、大阪市議会の公明や自民、民主系の3会派も、まずは子供達~傷ついた在校生達やこれから受験する子供達のケアを最優先に考えて欲しいと訴えてきました。当然の誠実な願いです。
(その沢山の声は[続きをよむ]のなかに入れておきますので、そちらでお読みください。)
しかし橋下市長は予想通り子どもや保護者の切実な訴えに決して耳を傾けることはありませんでした。
私学助成金打ち切りをしないでと嘆願に来た高校生を泣かせた一件をはじめ、かれがこれまでしてきた数々の仕打ちを見れば真摯に耳を傾けるなど20000%あり得ないのは誰もが分かってたと思いますが・・。
そして、大阪市教委は、とうとう橋下氏に屈服した決定を出しました。
体育科など2つの学科の募集を停止し普通科に変更するが、入試日程も入試科目も体育科そのまま、入学後のカリキュラムもスポーツに特色のある授業内容にするそうです。
何のことはない、ただ「体育科」を「普通科」にすげ替えただけです。
形式的でも「体育科入試中止」にとどめることで橋下市長のメンツを立ててご機嫌取りをしただけ。実に無意味且つムダな決定です。体罰問題の解明も解決にも一つも役に立ちません。
橋下氏がこんな決定を「素晴らしい決定」と持ち上げたのは、「体育科入試中止」という自分の完全に横暴な要求を通すことが出来たからです。
市教委はなんというふがいなさでしょう。
何故屈服したのですか?子供達を守るよりも橋下市長のご機嫌の方が大事ですか?
そもそも橋下市長が予算を盾に強圧的な態度で自分の要求を押し通そうとしたのは違法行為なのだから、堂々としていればいいじゃないですか。
・
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-1192.htmlマスコミもマスコミです。何故市長のしていることは許されない違法行為だと大きく報道しないのですか?
昨日のNHKニュースでも橋下氏の「脅迫」は違法であることの説明は一切無く、結局橋下市長が大鉈振るった的な印象の残る報道でした。
大阪はもはや、どんな違法行為であろうと彼一人の思うがママに動かせる橋下独裁帝国、といった風情です。
観測霊さんのコメント
桜宮高校体育科の入試中止が決まりました。しかし体育科の定員は普通科にそのままスライドし、カリキュラムも体育科に相当するものを新しく策定するそうです。
これを橋下市長は「すばらしい決定」と教育委員会をほめるふりをした自画自賛をしましたが、実質上は「看板をかけかえただけ」の結果が「すばらしい」のならば、この人が求めていたのは「これから桜宮高校をどうしていくか」ではなく、「入試中止」という外面が装えれば後はどうでもいいという事だったという事です。
まさに自著「まっとう勝負」に書いてある
「政治家を志すっちゅうのは、権力欲、名誉欲の最高峰だよ。自分の権力欲を達成する手段として、嫌々国民のため、お国のために奉仕しなければいけないわけよ。(略)ウソをつけない奴は政治家と弁護士にはなれないよ!」を地でいってます。
結局このすったもんだで体罰問題の何がどう解明、解決の道筋がつけられたというのでしょう?
次のエントリーをお持ち帰りさせていただきます。
◆
できることを、できる人が、できるかたちで結局、本来なすべきことが脇に追いやられただけ。今回のことで、政治が教育に介入する弊害を嫌と言うほど再認識しました。
また、市長の操り人形にならぬよう教育委員の人選方法も考えた方がいいでしょう。公選制に戻すことを考える時かも知れません。
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発言する保護者ネットワークの要請
● 市長への要請書ーさらに生徒を苦しめる言動を、中止してください
● 市教委への要請書ー教育委員会は、冷静かつ慎重な判断をしてください
http://t.co/WpeujAYJ 保護者の要請
大阪 保護者が入試求め集会
1月21日 18時58分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130121/t10014950681000.html
大阪市立桜宮高校の生徒の保護者たちが、教育委員会の決定を前に、大阪市役所前に集まり、入学試験を予定どおり行うよう求めました。
集会は、21日午後3時から大阪市役所前で行われ、生徒の保護者や桜宮高校のOBなどおよそ300人が集まりました。
集会では「高校に合格するのは難しいけれど、入試にチャレンジもさせてもらえない世の中で、いい大人にはなれない」と、桜宮高校の受験を予定している生徒のメッセージが読み上げられました。
保護者などからは、今回の橋下市長の対応を批判する声が多く聞かれました。
桜宮高校の体育科を受験する予定の中学生の母親は、「息子は、桜宮高校の受験に向けてほかのことを犠牲にして取り組んできました。橋下市長には『子どもの夢や希望を取り上げないでください』と伝えたい」と話していました。
また、体育科2年の男子生徒の母親は、「1人の命が失われたのは取り返しがつかないという点では市長と同じ考えだが、子どもたちの頑張りたい気持ちを踏みにじるのはいかがなものか」と話していました。
在校生の要請
「結論覆す」、決意の反論=高校生8人、入試中止で会見―大阪市
時事通信 1月21日(月)22時35分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130121-00000146-jij-soci
大阪市教育委員会が橋下徹市長の要求通り、市立桜宮高校の体育系2科の入試中止を決定した21日夜、同校3年の男子生徒2人と女子生徒6人が記者会見に臨んだ。「私たちは納得いかない」「学校を守りたい」。8人は「まだ結論を覆せるかも」と、橋下市長と市教委に対し、決意の反論を展開した。
市役所5階の記者クラブで午後7時半から1時間余にわたった会見。8人はいずれも運動部の元キャプテン。制服のブレザー姿で横一列に並んだ。
「体育科に魅力を感じて受験したいと思う生徒がほとんど。普通科に回されるのは、私たちは納得がいかない」。女子生徒が口火を切った。橋下市長が同日朝、全校生徒を前に説明したが、「具体的な理由がなく、私たちの声も十分に聞いてくれなかった。思いは1時間で話せるわけがない。『生徒、受験生のことを考えて』と何度も繰り返したが、在校生と受験生のことを考えたらもっと違う結果があったんじゃないか」と訴えた。
橋下市長が体罰の背景に「生徒たちも容認していた」「勝利至上主義」などと発言していたのに対し、女子生徒は「容認していないし、勝つことだけが目標ではなく、礼儀など人として一番大切なことを教えてもらっている」と反論。自殺問題について「心の傷は深く、重く受け止めている。傷を癒せるのは先生」として教諭の総入れ替えにも反対し、「多くの生徒が学校を守りたいと思っている」と強調した。
男子生徒は「今回の結果が覆せるんじゃないかと、強い思いを持ってきた」と会見の動機を語った。別の女子生徒も「今まで続いている伝統は今でも正しいと思っている」と力説した。
受験生の要請
「私たちにチャンスを」「私たちが入学して変えていく」…受験生メッセージ全文(原文まま)
2013.1.20 23:21
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130120/edc13012023220012-n1.htm
私は桜宮高校スポーツ健康科学科を志望しています。先週の橋下市長の発言には大変驚かされました。ネットには今回の事件についての情報があふれ、どれを信じるべきかも分からなくなりました。
今から志望校を変えることは大変なことではありますが、私の場合、不可能ではありません。しかし変えようとは思いませんでした。
私の勝手な推測ですが、私のように、今もなお桜宮の体育科、スポ健を志望しておられる方は、本当に体育が大好きで桜宮で部活をしたいと考えている方が多いように思います。私は体験入学の際の部活動のようすや実習内容にひかれました。桜宮に惚れたのです。
市長がおっしゃる通り、教師を総入れ替えし、体育科の入試を中止すれば、学校はガラリと変わるでしょうし、それが一番成果も見えやすいです。しかし私は今までが間違っていたのなら、周りに変えてもらうのではなく、私達が入学して変えていきたいのです。そのために、体育科をなくすのではなく、教師や生徒の「ちがう方法でもっと良い学校をつくろう」という意識で来年度の体育科をスタートさせたいのです。
私が桜宮高校で出会った先輩方は、皆さんとても良い方ばかりでした。その先輩達とともに、体育科、スポーツ健康科学科、普通科で桜宮高校を取り戻したいです。
どうか、変わるため、変えるためのチャンスを私達受験生にください。
大阪弁護士会有志の声明
橋下市長への抗議やまず…桜宮高の募集中止巡り
橋下徹大阪市長が桜宮高の体育系2科の募集中止を市教委に要請していることに対し、18日も学校現場や保護者、弁護士などから抗議の声が上がった。
市教委には同日までに中止撤回を求める要望書が団体や個人から38件寄せられている。
大阪弁護士会所属の弁護士有志17人の代表者は市役所で記者会見。橋下市長が2科の入試が実施されれば今年度関連予算の支出を停止する方針を示したことについて、「議決を経た予算の執行を自在に停止できる権限は首長になく、違法行為だ」との声明を発表した。
大阪府内の公立中校長でつくる校長会は募集実施の要望書を提出。保護者らでつくる市民団体「発言する保護者ネットワークfrom大阪」も「現場の声も聞かず入試を妨害するのは強圧的で問題解決に程遠い」と橋下市長に冷静な対応を求める要請書を出した。
(2013年1月19日09時26分 読売新聞)
自由法曹団の声明
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2013/01/21/post_9289.php夜回り先生は、今!(水谷修ブログ)
大阪市の橋下市長に一言言わせていただきますhttp://www.mizutaniosamu.com/blog/010diary01/post_81.html橋下市長が桜宮高校へ 生徒から批判も
1月21日 14時12分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130121/k10014941891000.html
大阪市立桜宮高校で体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題を受けて、大阪市の橋下市長は21日午前、高校を訪れ、「生徒や保護者が立ち止まって、今までの間違いを認識し、新しい方向性を作り直してもらいたい」と述べ、来月予定されている体育科などの入学試験を中止すべきだというみずからの方針に理解を求めました。
大阪市立桜宮高校で、体育科の男子生徒が教師から体罰を受けたあと、先月下旬に自殺した問題で、橋下市長は来月予定されている体育科などの入学試験の中止を求めていて、21日午前に高校を訪れ、みずからの考えを説明しました。この中で橋下市長は、「桜宮高校には旧態依然とした指導方法があって、それが正しいとされてきたことがいちばん問題だ。生徒や保護者が立ち止まって、今までのやり方の間違いを認識し、新しい方向性を作り直してもらいたい」と述べ、体育科などの入学試験を中止すべきだというみずからの考え方に理解を求めました。
これに対し、生徒からは「もっと在校生や保護者の声を聞いてほしい」「市長の発言で苦しんでいる人もいる。受験は人生で一度しかなく、その機会を奪ってほしくない」などの意見が出されました。このあと、橋下市長は記者団に対し、「桜宮高校では暴力が恒常的に行われており、それを無批判に受け入れる今の状況を変えなければならない。生徒の意見を聞いても、私の判断を変えるには至らなかった」と述べました。
「友達を失い、部活を失い、先生まで失ってしまう。本当につらい」 桜宮高在校生ら
2013.1.21 21:41
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130121/waf13012121420024-n1.htm
在校生は「まだ覆せる。できることは何でもやりたい」と憤り、受験生は「詳しい情報がほしい」と困惑した。21日、大阪市教委が決定した市立桜宮高校の体育系2科入試の募集中止は大きな波紋を広げた。
「本当に残念。言葉が出ない」「納得できない」。同校の運動部を引退した元主将ら3年生の生徒8人は21日夜、市役所で記者会見して涙声で訴えた。
制服姿で臨んだ会見。同じ時間、市役所の同じフロアで橋下徹市長は記者団に「すばらしい決定」と称賛していたが、生徒たちは「市長は何も分かっていない」「生徒の話を聞いてくれなかった」と強い不満を漏らした。
同校では運動部が活動停止の状態。さらに橋下市長が同校の教員総入れ替え人事を求めている。生徒の1人は「友達を失い、部活を失い、先生まで失ってしまう。本当につらい」とうなだれた。
同校体育系2科を志望している受験生や保護者からも戸惑いや憤りの声が上がった。大阪府内の中学3年の女子生徒(15)は「行きたいという思いは今も変わらない。(市教委の決定内容の)詳しい情報がほしい」。別の高校の受験も選択肢に入れているが、願書の提出期限まで情報収集して決定するという。
生徒の母親(43)は「どういう教育方針になるか、早急に説明会を開いてもらいたい」と要望した。
橋下市長は同日午前、同校を訪問。在校生に「(学校のあるべき方向性が決まる前に)入試を継続するのは大阪の恥」などと理解を求めたが、在校生からは「受験は人生に一度。受験生から機会を奪ってほしくない」「市長の発言で苦しむ人がいる」などの意見が上がった。
市長はこの際、物議を醸した自身の「(受験生は)生きているだけで丸もうけ」という発言については「生きていれば回り道をしても、自分のやりたいことに向けて進める。大きな人生で回り道をすることもあるという意味だ」と釈明したというが、市役所で会見を開いた生徒は「自分をかばっている釈明で、私たちには何の謝罪もなかった」などと批判していた
。
大阪・桜宮高校、体育科の入試中止 橋下市長「素晴らしい決定」
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00239052.html
体罰を受けた高校2年の男子生徒が自殺した大阪市立桜宮高校の入試について、教育委員会は、体育系の学科の入試を中止し、普通科に振り替えて実施することを決めた。
大阪市教育委員会は、桜宮高校の2013年度の体育科とスポーツ健康科学科について、新入生を受け入れず、普通科に振り替えることを決めた。
ただし、入学試験は実技も含め、2つの学科と同じ試験科目と配点で行い、入学後もスポーツに特色のある授業内容にすることで、受験予定の中学生に配慮するという。
橋下市長は「教育的な視点から、素晴らしい決定をやってくださったと思いますね。これまでの桜宮高校の体育科を受験するという、そういう意識は捨て去ってもらって、新しい桜宮高校に期待して、受験をしてもらうということが必要でしょうね」と述べた。
また、学校改革を進めたうえで、2014年度からは、体育科とスポーツ健康科学科に戻すこともあり得るという。
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