橋下市長は桜宮高校の実態調査の情報を公開すべき

１．橋下市長は「メディアが持っていない情報も、全て僕のところに上がってきている」とツイートしてるように、桜宮高校の実態について色々と情報を掴んでいるのにそれを公表しようとしません。
何故橋下市長は情報を公表しようとしないのでしょうか。

これさあ、起きた出来事に対する大阪市としての情報公開や説明の在り方として、まずいんじゃないかなあ。市長の情報操作が可能だよ、このやり方だと。：桜宮高、複数の部で体罰や暴言　橋下市長が調査結果 - 47NEWS（よんななニュース） 47news.jp/CN/201301/CN20…

— 住友剛さん (@tsuyo0618) 1月 22, 2013

「学校の実態を知っているのは僕だけだ。外部監察チームから上がってくる情報を認識すれば、絶対に新入生を受け入れる状態ではない」と市長。⇒ sponichi.co.jp/society/news/2…　外部監察を生徒のためではなく自分だけが情報を握るために利用していたのですか？

— 発言する保護者ネットワークfrom大阪さん (@hogosyanet) 1月 22, 2013

なんで市長がマスコミ向けに調査情報のチラ見せとかやってるんだ。警察が捜査情報をリークするのと一緒じゃないか。教育的な視点が何もない。 / “桜宮高、複数の部で体罰や暴言　橋下市長が調査結果 - 47NEWS（よんななニュース）” htn.to/9mg7aa

— 渡辺輝人さん (@nabeteru1Q78) 1月 22, 2013

今は絶対に新入生を受け入れられる状態ではないから入試を中止するというのであれば、学校の実態は自分だけが知っているなどとドヤ顔したり情報を小出しにリークしたりしないで、調査結果を公表して在校生や保護者、受験生などの関係者にきちんと納得いく報告、説明をすべきでしょう。
お前達が色々知る必要はない、四の五の言わずに俺様の言うことに従ってればいいのだ、といわんばかりの橋下氏の態度では、それこそ有無を言わせず服従を迫る体罰と同じ構図です。

２．それに、どうして橋下市長は最初から市教委と協力して話し合って決めないのでしょうか？
橋下監視で委員会‏@tonden2さんが
『体育科を普通科の窓口で入試受理するのなら、最初から教育委員会と話し合って決めてから発表すればいいんだよ。「体育科については調査中なので一旦普通科で受付、問題改善後、体育科に編入させます」と。なのになぜ、「大阪の恥」とか「生きてるだけでも儲け物」とか、レイプをやるのか。』
『そりゃ、橋下が教育委員会と熟議を重ねて、どうしても意見の一致が出来ない事が生じれば、世論に判断してもらう為に不一致を発表する事は正当だと思うよ。 だけど彼は今回、いきなり思いつきを発表して、教育委員会を慌てさせた。それも教育委員会の専権事項について。 』
『橋下は教育委員会と殆ど話し合わない。いつもメディアを通じてのキャッチボール。教育委員会も橋下の真意は何か探り当てないといけない。お互い、直に話し合えば、あっという間に解決するはずが、物凄い手間と時間がかかる事になる。』
とツイートされているとおりです。
以前橋下市長にツイッターで攻撃された生駒市の山下真市長も
『生駒市では大津市でいじめの事件が起きたとき、私と教育委員会で話し合い、小中学生へのアンケートをもとに、いじめの可能性がある事案をしらみつぶしに調査し解決に導くよう学校現場にお願いした。そして短期間で学校現場はそれをやり遂げてくれた。首長、教育委員会、学校現場の信頼関係が重要。』
『教育は時間と労力のかかる営みであり、関係者の理解を得ながら着実に物事を進めるべき。メディアの前で敵を作り、値段交渉のように、大きくふっかけておいて、相手の要求との真ん中で落とすような、そんなやり方が問題解決につながるとは思われない。』
と指摘されています。

このように、はじめから市教委と市長で話し合えば済むことを、橋下氏はいきなり「市長vs市教委」みたいな無用な対立構造を煽り、プロレスショーにしてしまいました。その結果、本来なら体罰の温床の原因を検証し論じるべきところが、体育科の入試を中止すべきか否かという論点にすり替わってしまいました。
未だに体罰が横行するのは学校だけの問題ではなく、それを許容する社会のあり方や教育行政の責任まで関わってくる問題です。
なのに、あたかも桜宮高校だけの問題であるかのように矮小化されてしまったのです。

３．1，2で述べたように橋下氏が情報を公開しなかったり、無用な対立構造を煽って問題をすり替えたりするのは、やはり次のような狙いがあるからとしか思えません。

ちなみに体育科が部活も含めてスポーツで実績をあげること最優先で、それが生徒募集という点から学校経営上も重要だと認識されていたのだとすれば、まさに学校側とそれを容認してきた教育行政、さらには「体罰あり」を公言してきた市長にも責任は及ぶのでは？　ということまで一応、書いておく。

と同時に、その背景にまでふみこんでの全容解明をしてしまえば、実はこの間大阪府・市で進めてきた公立高校改革の意義、特色ある高校づくりの内実まで問われてしまう。ここまでの全容解明作業って、この間、大阪で知事・市長の座にあって「教育改革」を推進した方にとっては脅威でしょうね。

ましてやこの間、大阪の知事や市長の座にあって、高校改革を積極的に推進してきた方は、もう一方で、ついこの前まで「体罰」肯定でしたよね。だから当該高校と顧問の責任「だけ」を問う調査で対策をたててすぐ実行し、事実関係は小出しにして、なんとか自分の責任追及から逃げたいのでは？
（住友先生のツイートより）

だから言ったじゃん。体罰問題の原因究明をすると、教育委員会にも、現場の教師にも、市長にも火の粉がかかって来るんで、募集停止問題と生徒と保護者の責任問題にすり替えたんだって。
（FUJII Hiroyuki‏@fjhiro3 さんのツイートより）

橋下市長の情報を公表せずトップダウンで子どもや保護者を押さえつけるやりかた、市教委との対立構造を煽るやり方は、
体罰を容認し、大阪の教育を改悪してきた張本人の責任を問われないようにするための、橋下氏お得意のすり替え術の炸裂だったわけです。

これでは犠牲者である肝心の子どもや保護者は傷つき、この機会に行うべきだった日本社会の病理とも言える体罰問題の解明、解決も全く手つかずのまま置き去りにされるのは必至です。
そして橋下氏はまた新たな「思いつき」を口にしました。

橋下徹大阪市長は２３日、市立桜宮高校で体育系２科の募集を中止し、普通科に振り替えることについて、「新しいスポーツ専門科を在校生と新入生で一緒に作ってほしい」と話し、新たに募集する普通科もスポーツに特化した学科に改編する考えを示しました。

「体育科入試中止」とは一体なんだったのか。
そして「体罰」問題は忘却の彼方、のようです。
（観測霊さんコメント）

呆れます。これこそ亡くなった生徒さんやご遺族を踏みにじるものではないでしょうか。

４．予想通り、ヘタレの市教委が橋下氏に降伏して出したおよそ無意味な決定は、子供達にこういうメッセージを発しているのだということを私は非常に重く見ます。

東京新聞本音のコラム(斎藤美奈子)より抜粋②「市長の顔を立て受験生にも配慮した「折衷案」(中略)「君たちも上には逆らわないほうがいいよ。裏の抜け道を探しなさいね]。そうメッセージしているのと同じ。教育の理想とはほど遠いダブルスタンダードのすすめである。」

— 反橋下徹・反維新の会・反独裁さん (@anti_fascismo) 1月 23, 2013

教育委員会が、大人が子供達に向かって、こんな情けないメッセージを発しようとは・・・子どもに顔向けできません。

５．もう一つ。
橋下氏は自分に降りかかる責任追及をかわしつつ、今回の事件を自分には政治による決断力、強い実行力があるのだというアピールに利用しようとしたのだと思われます。
予算を盾に強引に無理筋な要求を呑ませるという既成事実を作ることによって、たとえ教育であっても聖域はない、自分がどんどん改革していく変えていくのだとアピールしたのです。
（実際には体罰問題解明には何の役にも立ってないので「実行力」などゼロですが、人々は実行力があるかのように錯覚してしまうのです。また、もし仮に入試中止以外に方法がなかったという具体的な調査結果があれば、それを後出しにすることで更に橋下氏の政治手腕の威光を高めることにも利用できるでしょう。）
市教委の決定は、入試中止という橋下市長の主張を通し、且つ、受験生側からの不満を抑えるできるという、橋下氏にとっては願ってもない決定でした。だから橋下氏はこれを「素晴らしい決定」と持ち上げたのです。決して体罰問題解明や子供達にとって「素晴らしい決定」だったのではありません。

この件で、政治は教育に介入してはいけないことは憲法が要請する原則であるにもかかわらず、彼がそれを破っても誰にも文句を言わせないことに成功しました。戦後初の快挙（？）です。
だから私はマイミクさんの次のつぶやきに頷かざるを得ません。

昨日の大阪市教委の決定は、「首長に対する教育委員会の独立性」を自ら放棄した、歴史的決定だった。日銀も教育委員会も、政治家に屈服し、独立性を失っていく。ファシズム全体主義国家への道そのものだ。ヘタレ教育委員4名は日本の民主教育における裏切り者として、歴史に名を残すことになった。

とんでもない破壊神としか言いようがないですね

（お知らせ：数日間お休みをいただきます）