日弁連前会長の宇都宮健児弁護士が昨日、正式に都知事選への出馬表明を行いました。
私も宇都宮さんを応援したいと思います。
もしも宇都宮都政が実現すれば、日本の大都市で育ってきた草の根ファシズムの枝を折り、再び民主主義の息吹を取り戻す大きな転機となるでしょう。
宇都宮弁護士は、法外な暴利をむさぼるサラ金業者の取り立てに苦しむ消費者を助け、貧困問題にも熱心に取り組み、派遣村村長も務めました。また、日弁連会長時代は反原発に関しても即座に会長声明を出してらっしゃいました。
宇都宮さんがどのような仕事をしてきたか、またその人となりが2006年の「プロフェッショナル」という番組で紹介されていますので、是非ご覧下さい。
●弁護士 宇都宮健児の仕事
詳しくはyoutubeで見ていただきたいのですが、宇都宮さんは
「プロフェッショナルとは弱者のため他人のためにとことん頑張れる人」
そして「最近の若い人は弁護士になって金儲けがしたいというけれど、金儲けがしたければ経営者になればいいんでね、弁護士と言うものは弱者のために仕事をするもの」
と言います。
厳寒の夜の公園で、サラ金取り立てから逃げて路上生活者となっている人に無料で「路上法律相談」も行います。
多重債務の仕事は全然儲けにはならないのに、こういうことはなかなかできるものではないでしょう。
しかし依頼者のために尽くしても、依頼者が誠意を返してくれるとは限りません。
「裏切られることは覚悟しなければいけない」と宇都宮さんは言います。
「やはり人間は弱いから、取り立てが止まると弁護士費用を払わなければいけないのに使ってしまって、給料袋をなくした、と言っては費用を踏み倒したり、また借金に手を出してしまうこともあります」
しかし、宇都宮さんは決して見捨てないそうです。
「見捨てたら他に行くところがないのですから。」
同じ弁護士でも
「政治家を志すっちゅうのは、権力欲、名誉欲の最高峰だよ。自分の権力欲を達成する手段として、嫌々国民のため、お国のために奉仕しなければいけないわけよ。(略)ウソをつけない奴は政治家と弁護士にはなれないよ!」
と恥ずかしげもなく公言したどこかの市長に爪の垢を煎じて飲ませたいですね。
昨日の出馬表明の記者会見はユーストで配信されました。
Live video for mobile from Ustream主な内容が宇都宮さんのアカウントでツイートされていますので、転載させていただきます。ツイッターで網羅し切れていない内容もありますので、詳しくはユーストをご覧下さい。
宇都宮けんじ@utsunomiyakenji
http://twitter.com/utsunomiyakenji宇都宮けんじは、来たるべき東京都知事選挙に立候補することを決断いたしました。
皆様から推薦していただいたことを本当に感謝しています。人にやさしい東京を取り戻すために働く所存です
311と原発事故の被災者の救済にも弁護士として取り組んでまいりました。立候補にあたり「脱原発を東京から」をまず第一の取り組みとしたいと思っています。
東京都民は福島第一原発からの電力をもっとも多く消費しています。原発の被害者を救うためにも東京から脱原発を訴えます
また原発は、放射能汚染の問題もあり、下請け労働者による、非人間的な労働によって支えられている。一度事故に遭ったら取り返しのつかない被害が生じる。それらの意味でも原発を認めるわけにはいけない。
被害者と向き合いながら、脱原発政策を進めていきたい。
弁護士として、これまで貧困問題の解決に取り組んできました。貧困はますます深刻化しています。
戦争直後は貧しくもあったが、地域にはつながりがありました。しかし今の貧困は経済的に貧しいうえに、「関係の貧困」という、孤立化した状況があります
東京都は財政的には豊かな自治体のはずですが、餓死する人もいたり就学が難しい子どもの問題などは深刻です。石原都政は、弱者を切り捨ててきた冷たい都政でした。しかし私たちは「人にやさしい東京」をつくります。
次に教育の問題です。日の丸・君が代の強制について、教師が管理されているという以上に、子どもたちへの影響は大きい。民主主義の担い手をつくる教育の現場で、教師が管理され萎縮している。それがいじめの問題にも関係している
石原都知事は、尖閣問題を持ち出し、中国との関係を悪化させ、日本経済にも大きなダメージを与えました。私は、アジアとの関係をよりよくするために首都東京から平和のメッセージを発信していきたいと思います。
みなさまからの応援メッセージをいただいています。
ピースボートの共同代表・吉岡達也さんからの応援メッセージです。
「世界を回っていると、『なぜあの方(=石原都知事)が都知事なのか?』と聞かれます。なぜ東京から脱原発をいわないのか?東京も被災地でしょう?」といわれます。東京からの発信は、国際社会に影響を与えるのです(吉岡さん)
「誰が都知事になるのか。脱原発を訴えるのか、世界は見ています。広島・長崎、そして福島を体験した私たちが何を選ぶのか、この都知事選は世界が注目しています」(吉岡さん)
上原公子さん「東京から脱原発を訴えれば、世界が変わります」
脱原発弁護団の弁護士の河合さんからのメッセージです
「東京都民の命を健康を守るという職責を負った都知事には、脱原発をいう責任があります。東京には原発はない、という人がいますが、浜岡原発が事故を起こせば地元はもちろん都民は被害に遭います」河合さん
メッセージの代読です。作家の辻井喬さんからです
続いて、海渡雄一弁護士からのメッセージの代読です
質疑応答の時間に入ります。
質問「脱原発ということだが、野田総理は30年代にゼロにするといっている。宇都宮さんはどう考えていますか」
宇都宮「早いほうがいいと考えています。年限が重要なのではなく、原発ゼロの合意を早くつくるということが大切です。(以下略)」
脱原発デモの公園使用許可について:今回の措置はおかしいと思っています。もし私が都知事になったら権限のある範囲内ですがもちろん使用許可したいと思っています。
オスプレイ問題について。今の沖縄県知事の行動は、いかに日米地位協定が不平等であるか、被害を受けているかを、自治体の長として訴えている。私が都知事になったら、これらの方々と連携して取り組んでいきたいと思っています
いつ頃から立候補を考え、いつ決めたのか?今後の政党との関係は?:先週、「人にやさしい東京」を実現する都知事を選ぶという声明を仲間とともに出しました。その後、多くの市民の方々から強くご推薦いただき、決断いたしました。
原発に関する具体的な支援策は、住宅の提供や移動の際の交通費の補助など財政的な支援もありますし、国に対して発送電の分離を求めること。また東京都は東電の大株主として柏崎などを廃炉にしていくことなどを考えています。
石原都政の一番の失政は、「貧困と格差が拡大したこと」だと思っています。私は、政治の基本というは経済的・社会的な弱者に手を差し伸べることだと思っています。石原さんは「福祉は無駄だ」といいましたが、それは大きな間違いです。
(※石原前知事は自分の趣味で誘致できっこない東京オリンピックに150億もつぎ込んでおきながら、盲導犬育成のための補助金60万ですらカットしたそうです。)
知事の多選について:あまり長くやるのはよくないかと思っています。20年も30年も知事や国会議員などをやれば、庶民の暮らし、一生活者としての視点から遠ざかっていくと思います。
TPPについては?:なかなか情報が開示ないのですが、弁護士の業務についてどうなるのか、外務省や法務省に聞いても明らかにならない。そのことがまず問題です。まずは国民の前に情報を明らかにすることが大事だと思います
記者会見を終了いたしました。ご参加くださった皆さん、ご視聴くださった皆さん、本当にありがとうございました
こちらの声明も。
<声明>私たちは新しい都政に何を求めるか
惨憺たる石原都政の一三年半であった。
福祉は切り縮められ、都立病院は次々と統廃合された。都民の安心を奪い、人々を生き難くさせて切り詰めたお金は、都市再開発や道路建設に回され、知事が旗を振るオリンピック誘致や新銀行に無意味に蕩尽された。
惨状を極めたのが、教育現場である。民主主義が破壊され、強制と強要と分断が横行した。教師たちは誇りを踏みにじられ、精神を病み、教壇を離れていった。子どもたちは競争に追いやられ、教室は荒んだ。都立大学は破壊されてしまった。
知事の思いつきと独善、押し付け、決め付け、他者を命令・服従の対象としか見ることができない貧困な想像力、剥き出しの偏見と差別意識、公私混同、乱暴な言葉――それらが多くの人の心を傷つけ、公正と公平を貶め、排外主義を助長し、弱い者をさらに追い詰め、社会を荒廃させた。
昨年3月11日の東日本大震災と福島原発事故は、改めて私たちに、原発に依存する暮らしのあり方、社会のあり方に反省を迫るものだった。福島や新潟にある原発から生まれた電気は、ほとんどすべて東京など、首都圏に送られ、使われているのだ。震災と原発事故直後の石原知事の発言は、「津波をうまく利用して、我欲を洗い流す必要がある。これはやっぱり天罰だと思う」という驚くべきものだった。さらに、原発事故による未曾有の被害が徐々に明らかになり、おびただしい人々が避難生活を余儀なくされているとき、市民の間で広がり始めた脱原発運動を罵倒しつづけてきた。
そして最後は、東京都政とは何の関係もない尖閣問題に火をつけ、日中関係を極度に悪化させ、経済を大混乱させたのである。その挙句、何の責任も取ることなく、知事職を放り出した。この尖閣問題の経過ほど、石原都政の年月を象徴しているものはない。
来る都知事選は、このような都政と訣別し、人々が人間らしく生きられる街、平和と人権を尊び、環境と福祉を重視する、いわば「当たり前の都政」に転換する絶好の機会であると私たちは考える。
石原都政の継続や亜流を、決して許してはならない。
自治とは、住民の暮らしを守り、福祉を増進させることを本旨とする。教育とは、自ら学び考え、議論を深め、合意を作り上げていく、民主社会の次の担い手を育てることである。東京都政を、こうした自治の原点に戻さなければならない。荒れ果てた教育現場を建て直し、次の世代と私たちの未来を救わなければならない。
あまりにも、いまの時代は人々が生きづらい。失業、非正規労働、過労、格差・貧困の拡大と福祉の切り下げによって、若者も子育て世代も高齢者も苦しんでいる。その上、国政は、混迷、混乱に加えて右傾化の度合いを増し、改憲や集団的自衛権の行使、近隣諸国との紛争に突き進んでいるように見える。この流れを止めなければならない。
いま、東京都知事を変えることは、日本の右傾化を阻止する力になると私たちは考える。
では、どのような都知事を私たちは求めるか。
第一は、日本国憲法を尊重し、平和と人権、自治、民主主義、男女の平等、福祉・環境を大切にする都知事である。
第二は、脱原発政策を確実に進める都知事である。石原知事は、原発問題を「ささいな問題」と呼んだが、冗談ではない。東京都民は福島原発からの電気の最大の消費者であり、東京都は東京電力の最大の株主だ。福島原発事故の結果、豊かな国土が長期にわたって使えなくなり、放射能汚染による被害は、むしろこれから顕在化する。原発事故と闘い、福島をはじめとするこの事故の被害者を支えることは東京都と都民の責任である。これまで原発推進政策を推し進めてきた政官業学の原子力ムラと闘うことは、この国の未来を取り戻すことである。政府、国会、経産省、東電を抱える東京での脱原発政策は、国全体のエネルギー政策を変えることになる。
第三は、石原都政によってメチャメチャにされた教育に民主主義を取り戻し、教師に自信と自律性を、教室に学ぶ喜びと意欲を回復させる都知事である。
第四は、人々を追い詰め、生きにくくさせ、つながりを奪い、引きこもらせ、あらゆる文化から排除させる、貧困・格差と闘う都知事である。
以上のような都知事を私たちは心から求める。このような都知事を実現するため、私たちは全力で努力する。
2012年11月6日
赤石千衣子
雨宮処凛
池田香代子
稲葉剛
上原公子
内田雅敏
内橋克人
宇都宮健児
大江健三郎
岡本厚
荻原博子
奥平康弘
海渡雄一
鎌田慧
河添誠
北村肇
木村結
小森陽一
斎藤駿
斎藤貴男
早乙女勝元
佐高信
佐藤学
澤田猛
澤藤統一郎
柴田徳衛
品川正治
杉原泰雄
高田健
俵義文
崔善愛
辻井喬
暉崚淑子
寺西俊一
中山武敏
西谷修
堀尾輝久
前田哲男
山口二郎
渡辺治
以上、40 名
(11 月5 日23 時現在)
この4つの柱に賛同していただけるならどの政党の支持もお受けしたいとのことです。
徳岡弁護士の次のエントリ-もどうぞ
◆Everyone says I love you !
日弁連会長より東京都知事にこそふさわしい宇都宮健児さんを応援します!
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