ヘイトスピーチはスポーツの場でも許されない

ロンドンオリンピックで、人種差別的、民族差別的な発言をした選手が2名、追放されました。
スポーツの場でもレイシズム、ゼノフォビアは許されない、ということを記録しておきましょう

差別的つぶやき、出場取りやめ　ギリシャ陸上女子選手
http://www.asahi.com/sports/update/0726/TKY201207250874.html

　ロンドン五輪の陸上女子三段跳びに出場する予定だったギリシャのボウラ・パパクリストウ選手（２３）が、ツイッターで人種差別的なつぶやきをしたとして、ギリシャ五輪委員会は２５日、同選手の五輪出場を取りやめることを決めた。

　ＡＰ通信によると、パパクリストウ選手は、アフリカからの移民をからかい、移民排斥を掲げる極右政党への支持を表明するようなつぶやきをした。

　パパクリストウ選手は２５日になって、「誰かを傷つけたとしたら謝る。私はアスリートであって、政治には関わっていない」などとつぶやいた。しかし、ギリシャ五輪委は同日に声明を出し、「オリンピックムーブメント（五輪運動）の理想に反する表現をしたため、彼女を代表から外す」とした。（平井隆介）

ロンドン五輪：韓国人侮辱したスイスDFを永久追放
「韓国人は精神的におかしい」、ツイッターで発言
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/08/01/2012080100814.html

　ロンドン五輪男子サッカーのグループリーグB組第2戦、韓国―スイス戦に出場したスイス代表の選手が、簡易投稿サイト「ツイッター」に韓国人に対する差別発言を書き込み、スイス代表から追放された。

　スイス選手団のジャン・ジリー団長は先月31日（韓国時間）、ロンドン五輪メーン・プレス・センターで記者会見を行い「ツイッターで韓国人を非難し、物議を醸したサッカー・スイス代表のミシェル・モルガネッラ（23）＝パレルモ＝をチームから追放した」と発表した。また、モルガネラの非紳士的行為について、韓国側に正式に謝罪した。

　DFのモルガネッラはモヒカン刈りが特徴の選手で、先月30日の試合で朴主永（パク・チュヨン）＝アーセナル＝と軽く接触した際、オーバーアクションで地面を転がり回り、これによって朴主永にはイエローカードが出された。また、キム・ボギョン＝カーディフ・シティー＝が決勝ゴールを挙げると、モルガネッラは故意にキム・ボギョンの足首を踏み、非紳士行為でイエローカードを受けた。韓国のサッカーファンたちがツイッターでモルガネッラのアカウント宛てに抗議のコメントを書き込むと、モルガネッラは韓国のファンと「舌戦」を繰り広げた末、フランス語で「韓国人を皆、殴ってやりたい。韓国人は精神異常者だ」と書き込んだ。

　ジリー団長は「スイス・オリンピック委員会とスイス・サッカー協会は、韓国サッカーと韓国人の尊厳性を冒涜（ぼうとく）したモルガネッラの行為について、許されるものではないと判断し、モルガネッラを五輪から永久追放することを決めた」と発表した。


チョン・ビョンソン記者

朝鮮日報／朝鮮日報日本語版

熱心に東京にオリンピックを呼びたがってる東京都知事がレイシズム、ゼノフォビア丸出しのヘイトスピーチを垂れ流してるのをIOCが聞いたらどうするのでしょうね？

日本ではレイシズム、ゼノフォビアが市民権を得ています。
ネットでは醜い差別発言が幅をきかし、現実では在特怪のような団体が平気でヘイトデモを行います。
そして公人たる都知事が「三国人」発言をしても、全く咎められないのです。

日本は、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約（人種差別撤廃条約）を批准しています。
当条約第4条では、「あらゆる形態の憎悪や人種差別を正当化もしくは奨励する」ことも含めあらゆる差別の唱道を禁止しています（wikipedhiaより）
しかし日本は差別を禁ずる手当を何ら講じていません。

ですから、国連人権委員会は、日本には人種差別と外国人嫌悪が存在しているとし、日本政府に「日本社会に人種差別および外国人嫌悪が存在することを正式にかつ公的に認めること、人種主義、差別および外国人嫌悪を禁止する国内法の採択」を勧告しています。（wikipedhiaより）

ところが政府は、日本には人種差別は存在しないから法規制の必要はない、としています。
日本にレイシズム・ゼノフォビアが存在しないという了見には呆れてしまいます。

名誉毀損発言は言論の自由の枠外です。
それと同様に、人種差別、民族差別あふるるヘイトスピーチも言論の自由の枠外だというのが国際的に標準的認識になっています。
でも、日本社会ではそのように認識されていないのです。
（アメリカはヨーロッパと違って日本と同じようにヘイトを禁止する法が定められていませんが、それでもヘイトスピーチに対しては日本よりも厳しい態度で臨みます。）

この二名のオリンピック選手の追放のニュースを聞き流すことなく、ヘイトスピーチは社会的に許してはならないものであるということについて、私たちもじっくり考えてみるきっかけにしてみてはどうでしょうか。