消費税増税と社会保障切り捨ての一体改革についての記事をお持ち帰り
- 2012/06/28
- 22:42
まずはマスコミ批判を展開している五十嵐先生と徳岡弁護士の記事です。
◆五十嵐仁の転成仁語
6月27日(水) マスコミは「大量のゴミ」になってしまった [マスコミ]
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2012-06-27
消費増税を報じる昨日のニュースを見て、呆れてしまいました。「消費税の引き上げが、どうしてこの時期なんですか」「消費税が上がったからといって、価格に転化なんてできませんよ。廃業しかありませんね」という、庶民の声が報じられていたからです。
消費増税法案が衆院を通過してから、このような庶民の声が伝えられるなんて。どうして、その前に報じなかったのでしょうか。
その理由ははっきりしています。消費増税への反対論が強まっては困るからです。マスコミのほとんどは、消費増税に賛成しているからです。
今回の衆院可決への民主党内の造反についても、マスコミの見通しではもっと少ないはずでした。しかし、反対票を投じたのが57人、欠席や棄権を合わせれば70人以上で、造反は民主党の4分の1に達しています。
造反がこれほどの数になったのは、「除名しろなんていうやつこそ除名すればいい」という輿石幹事長の発言で、厳しい処分がないと受け取られたからです。それをマスコミが見誤ったのは、造反者が増えて欲しくないという願望のゆえに、現実が良く見えなかったからでしょう。
日曜日に東京土建の幹部学校で講演しましたが、600人も集まった幹部の皆さんを前に、私はこう言いました。「今の日本で、マスコミはマスゴミになってしまった。つまり、『大量のゴミ』です」と……。
民意を裏切り、嘘を言って、国会ではなくホテルの一室で3党だけで勝手に決めてしまった合意を「決められる政治」だなどと持ち上げるようなことは、「ゴミ」にしかできません。それを批判するどころか、焚きつけたり、評価したり。
マニフェストは金科玉条ではない、状況に合わせて変えることもあるだろうというのはその通りですが、問題は変える方向です。政権交代時の約束や民主党の理念を生かす形で変えるのではなく、それを打ち捨てて自民党に同化するようなことは、自民党政治からの転換を求めて政権を託した国民に対する完全な裏切りではありませんか。
二大政党制とは、本来、二つの政党が異なった選択肢を提起して国民の信を問うことでしょう。二大政党が同じことを言い出したら、二大政党制は死にます。
今、まさに二大政党制は死に瀕しており、自民党と民主党は自民民主党という巨大政党の二大派閥に変貌しようとしています。そのお先棒を担いでいるのが、新聞やテレビの「マスゴミ」です。
消費増税によって国民の生活と日本の経済は大打撃を受けようとしています。そして、それを「決める」プロセスによって、日本の政党制と議会制民主主義もまた、大きな打撃を受けることになりました。
しかも、驚くべきことに、「マスゴミ」は、一方で消費増税の旗を振りながら、他方で、自分たちには税率の引き上げではなく軽減税率を適用するよう要望しています。たとえば、6月20日に超党派の国会議員で作る「活字文化議員連盟」の総会に出席した日本新聞協会会長の秋山耿太郎朝日新聞社長は「軽減税率を導入していただきたい。国の力を衰退させ、国民の活字離れが一段と進むような方向での知識課税は望ましくない」と述べ、協会副会長の白石興二郎読売新聞グループ本社代表取締役社長も「新聞は日本の文化にとってコメであると改めて訴えたい」と発言したそうです(『読売新聞』6月21日付)。
このような要請に基づいて、「現行税率の維持を求める声明」が採択されました。その要旨は次のようなものです(6月21日時事通信社jijicom)。
「国民の『知る権利』と議会制民主主義を支え、日本の活字文化保持の中枢の役割を果たしてきた新聞および書籍の公共性は極めて高い。しかるに、新聞・書籍に対する消費税率引き上げは、国民の活字離れを加速させ、これからの日本を支える人づくりはもちろん、地域づくりや国づくりにも悪影響を及ぼしかねない。フランスやドイツなど欧州各国では、食料品とともに新聞や書籍の税率をゼロ税率としたり、標準税率よりも低い税率を適用したりしている。新聞や出版物を民主主義のインフラとみなし、『知識課税は避ける』という理念と伝統を持つ欧州の事例は大いに参考にすべきだ。新聞や書籍の税率引き上げは文字・活字文化振興法の趣旨にも背く。日本の文化と民主主義の基盤を守るため、新聞および出版物の消費税率引き上げには断固として反対し、現行税率の維持を求める」
これを身勝手といわずして、何と言ったらよいのでしょうか。さんざん消費増税を煽りたててきたのは新聞ではありませんか。
その先頭に立ってきた『朝日新聞』や『読売新聞』のトップが、国会議員に「消費税アップを適用しないで欲しい」とお願いしているわけです。「大量のゴミ」と化してしまったマスコミの一端が、ここにも示されていると言えるのではないでしょうか。
◆Everyone says I love you !
消費税増税に反対する小沢氏に大義がないと突っ込みながら新聞の税率は上げないでという朝日新聞の恥知らず
(自分たちがいくら消費税増税を叫んでも読者は反対している。それでも国民にだけ増税を押し付ける新聞をまだ読みますか)
同じ突込みを読売新聞にも入れたのですが(「1週間で消費税増税をまとめろと主張しながら新聞には軽減税率を求める読売新聞には20%の消費税をかけよ」)、何を言っとるの、朝日新聞は。
初めて知ったのですが、活字文化議員連盟という議連があるのだそうで、そこに出席した朝日新聞の秋山社長がとんでもないことを言っています。
「新聞購読料に対する消費税率をこれ以上引き上げるのは、民主社会の健全な発展を損なう懸念がある」
「軽減税率を導入していただきたい。国の力を衰退させ、国民の活字離れが一段と進むような方向での知識課税は望ましくない」
ですと。なにを都合のいいことを言っているのだか。だいたい、知識課税って意味が分からん。新聞紙代に税金がかかるの!
そもそも、朝日新聞は自分で連日、消費税を上げろと言いまくって論陣を張っているわけです。たとえば、本日の社説小沢氏の造反―大義なき権力闘争だはこんなんです。
「小沢氏が「私どもの大義の旗は国民の生活が第一だ」と、造反を政策論で正当化するのは納得できない。私たちには、今回の行動は「大義なき権力闘争」にしか見えない。」
「その小沢氏がいま「公約こそ大義」と叫ぶのは、驚きを通り越してこっけいですらある。」
と、よほど邪魔なのか、小沢氏を口を極めて罵倒し続けたうえで、
「首相の置かれた状況は厳しいが、妥協は不可能だし、すべきでもない。たじろぐことなく採決に臨むしかない。」
と、まさに消費税増税を進める野田財務省内閣の応援団と化しています。
小沢氏のあり方の是非はまずおいて、はい、皆さん、ご一緒に。
「大義がないのはお前だよ!」
次にブログ「すくらむ」から、野田総理のペテンぶりをあらためて
◆すくらむ
私は中小零細業者に支えられた、支援に全力尽くすと民主党代表選で表明し消費増税で業者つぶす野田首相
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11288359409.html
野田首相が消費税増税を「もっとも愚かで、もっとも無意味で、破壊的な経済政策」と国会で断言していたことは、以前、このすくらむブログで指摘 しました。
昨日、衆院で消費税増税が強行されるという暴挙がおこなわれましたが、テレビを観ていると法案に反対した民主党議員のひとりが、「野田さんは民主党の代表選の政見表明で消費税増税をおこなうとはひとことも言っていない」と指摘し憤慨していました。
そもそも、国民に対して一度も選挙公約していない消費税増税を強行すること自体、民主主義を踏みにじるウソとペテンの政治でしかありませんが、加えて民主党の代表選の政見表明で約束してもいないことを強行する野田首相というのは、民主党の枠内で考えてもウソとペテンの政治家ということになります。
それでは、野田首相は民主党の代表選の政見表明でどんなことを言っていたのか、その一部を見てみましょう。
▼野田佳彦候補の政見表明の一部分
(2011年8月29日 民主党新代表を選出する両院議員総会より)
今、夜の闇、夜の冷たさの中で、灯りと暖かさを求めている人がいっぱいいるんじゃないでしょうか。今こそそういう政治を実現しなければいけないと思います。
私を支えていただいたのは、中小企業、零細企業のおやじさんたちばっかりです。当時所属していた政党は解党し、政党助成金は来ません。一人で資金集めをしなければなりません。ちょうど貸し渋り・貸しはがしの時代でした。50人の中小企業のおやじさんたちが、毎月1万円ずつ出してくださることになりました。振込では失礼です。毎月お金をちょうだいし、領収書を書いて、お礼を言いました。
でも、だんだん不景気になっていくと、ご主人はお金を出してくれても、奥さんに会うと出してくれない、ということもありました。苦労しました。でも、世の中を支えている人、私も支えていただきましたけれども、こうした中小企業、零細企業の社長さんたちがたくさんいることがわかりました。
しかし、今こうした中小企業、日本の宝であるはずの企業が、円高、デフレで呻吟しています。きょうもこの会合に来る前に、官邸で経済情勢検討会議、出てまいりました。政治空白をつくらないためにきょうも全力で働いていきますけれども、一方で次の手を打たなければなりません。私は、せんだって直木賞受賞作の『下町ロケット』という本を読ませていただきました。夢と志と技術を持っているけれども、資金繰りに苦労している中小企業が今いっぱい出てきているんじゃないでしょうか。そのためにも、中小企業の資金繰り支援のための経済対策を早急に講ずるように全力を尽くしたいと思います。
中産階級の厚みが今薄くなっている。中産階級の厚みが日本の底力だったはずです。こぼれた人はなかなか上がってこられない。そこに光を当てようというのが民主党の「国民の生活が第一。」という理念だったと私は思います。
この方向性は間違いありません。これからも堂々とその実現を、もちろん野党との協議、見合いの財源の確保等々ありますが、理想を掲げながら現実に政策遂行するのが私たちの使命だと思います。
――以上が野田佳彦候補の政見表明の一部分です。民主党のマニフェスト同様、「消費税増税を実施する」などという言葉は一切ないどころか、逆に、野田佳彦候補がもっとも強調しているのは、「中小企業支援」と「中産階級の厚み」に「光を当てよう」ということです。
きょうの『東京新聞』に「中小業者 5%引き上げ時は滞納急増 価格転嫁できず自腹 倒産件数にも影響か」という消費税増税についての特集記事が組まれています。
この記事では、2010年度の租税の新規滞納額は6,836億円。そのうち消費税は3,398億円、49.7%でほぼ半分を占め、1993年度以来、不動の“滞納税目ナンバーワン”であることや、97年4月に消費税率が3%から5%に引き上げられて滞納額も急増したこと、売上高に比例して「転嫁できる」業者も減り、零細業者ほど、消費税を売り上げに転嫁できない現実があること、そして、東京商工リサーチによると、消費税率の引き上げ時に、倒産件数が目立って増えている点などを指摘しています。(※倒産件数は96年には1万4,834件だったのが、97年4月の消費税増税で、97年には1万6,464件、98年には歴代5位の1万8,988に急増)
上のグラフは、『東京新聞』の特集記事に掲載されているものではありませんが、日本商工会議所など中小企業4団体の調査によるもので、「消費税が引き上げられた場合、販売価格に転嫁できるか」という問いにたいして5~7割の中小業者が「転嫁できない」と答えており、多くの中小業者は、自らの利益を削って消費税を納入していることが分かります。
野田首相は、民主党代表選の政見表明で、「私を支えていただいたのは、中小企業、零細企業のおやじさんたちばっかりです」と明言し、中小企業支援に「全力を尽くしたい」と約束して、民主党の代表になり、首相となったにもかかわらず、中小企業支援とはまったく逆の中小零細業者を倒産させる消費税増税を強行したのです。こんなウソとペテンにまみれたデタラメな政治家が首相をつとめ続けていいわけがありません。
「今、夜の闇、夜の冷たさの中で、灯りと暖かさを求めている人がいっぱいいるんじゃないでしょうか。今こそそういう政治を実現しなければいけない」と民主党代表選で政見表明しておきながら、政治の「灯りと暖かさ」とは真逆の消費税増税という「夜の闇、夜の冷たさ」を、野田首相は国民生活にもたらそうとしているのです。
上のグラフは、「家計の金融行動に関する世論調査」(金融広報中央委員会)に掲載されている数字から私がグラフ化したもので、「貯蓄なし世帯」がこの16年間で3倍超の3割近くにのぼり、野田首相が民主党代表選の政見表明で指摘していた「中産階級の厚みが今薄くなっている」ことを端的にあらわしています。
低福祉で自己責任社会の日本において「貯蓄なし世帯」の増大は、「中産階級の厚みが薄くなって」、貧困世帯が増大していることをあらわしています。そして、総務省「家計調査年報」の所得10分位の最下層である年間収入280万円世帯の消費税増税10%分を計算すると上のグラフのようになります。野田首相は、所得最下層の年収280万円の世帯に年間11万3千円もの消費税増税を「心から、心から、心から」強行しようとしているわけです。
「こぼれた人はなかなか上がってこられない。そこに光を当てようというのが民主党の『国民の生活が第一。』という理念」と民主党代表選で政見表明しておきながら、消費税増税でさらに「中産階級の厚みを薄くし」、「こばれる人」を一層増大させるために野田首相は「政治生命をかけて、命をかけて」いるというウソとペテンと倒錯の政治家というほかありません。
(byノックオン。ツイッターアカウントはanti_poverty)
もともと「消費税増税は社会保障に当てるのが目的」というのは大嘘、本当はお財界様の要望で法人税を減らしたせいで税収が減った穴埋めをするのが目的です。
それが証拠に消費税を上げたおかげで社会保障が充実したと言う話は全くない、逆にどんどんやせ細っているのが現実、ということはこのブログでも過去何度も述べてきました。
消費税増税は価格に消費税を転嫁できない中小企業を直撃します。実際消費税は滞納が多く徴収率が悪い税でもあるのです。
また、消費税を上げるとお財界様には旨味があります。輸出をメインとする大企業は消費税の還付金がもらえますから、消費税率が上がれば上がるほどもうかるのです。
お財界様はこうして負担のツケを庶民に回して儲けを確保してるくせに、ちっとも労働者の安定雇用や賃上げに還元しようとしません。がっつり内部留保にため込むばかりで強欲きわまれり。
野田政権は今回多くの持たざる国民と中小企業を更にこれ以上ないくらい締め上げ、お財界様の儲け独占に貢献しました。
これがこの国にどれほど致命傷になることか・・・
続きます。
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