Ａｆｔｅｒｎｏｏｎ　Ｃａｆｅ

選挙の行方が注目された名護市議会議員選挙ですが、辺野古移設反対派の与党が定数27名中16名となり、過半数を占めました（野党で反対派を含めると18名）。

◆琉球新報

〈統一地方選〉名護市議選　移設反対 与党が圧勝
2010年9月13日

【名護】米軍普天間飛行場の辺野古移設を決めた日米合意への影響をめぐり、注目された名護市議会議員選挙（定数２７）は１２日、投開票され、稲嶺進市長を支持する与党が１６議席となり過半数を占めた。改選前は少数与党だったが、１１議席にとどまった野党に５議席差をつけて勢力比を逆転する地滑り的圧勝で、安定多数を確保した。１月の名護市長選での市政転換に続き、移設容認の地元合意が完全に崩れ、政府が推進する辺野古移設は一層困難となった。日米合意の推進を掲げる菅政権にとって打撃は大きく、日米両政府は移設計画の転換を迫られそうだ。
　琉球新報の事前調査では、野党側にも辺野古移設に反対する議員がいることから、当選者のうち１８人が辺野古移設に反対姿勢を示している。「海にも陸にも基地を造らせない」と主張する稲嶺市政に強い追い風となる。選挙前の議会構成は与野党ともに１２議席で、中立が３人だった。稲嶺市長が与党多数に向けて与党候補を支援したのに対し、野党側は移設容認派で、前原誠司沖縄担当相ら政府側と接点をもっていた島袋吉和前市長らが野党候補を全面支援し、激しい選挙戦が展開された。
（引用ここまで）

「民意」は決定的です。普通の民主主義国家の政府ならば、この民意を無視することなどありえないでしょう。それでも仙谷官房長官は無視しようとしているのですから、この政府は民主主義国家の政府を名乗る資格は無いと思います。
民主党は「民主」の文字を返上して「米主」とでも改名すべきです。

今や、普天間基地は撤退すべきである、辺野古に移転すべきではない、という声は沖縄をはじめとした国内だけのものではありません。
辺野古に移転を強いる当のアメリカの中でも、辺野古移転反対の声は徐々に上がって来ています

●元ＣＩＡ顧問チャルマーズ・ジョンソン氏
「米軍に普天間基地の代替施設は必要ない！日本は結束して無条件の閉鎖を求めよ」　ｂｙチャルマーズ・ジョンソン（元ＣＩＡ顧問）～DIAMOND onlineより

「同じ日本人である沖縄住民が米軍からひどい扱いを受けているのに他の日本人はなぜ立ち上がろうとしないのか、私には理解できない。」ｂｙチャルマーズ・ジョンソン

●イラクからきたワセックさん
基地とイラクと9条と～高遠菜穂子さんのブログを覚え書き

●米民主党下院議員バーニー・フランク氏
沖縄海兵隊について米国防総省「以外」のアメリカの反応

●米国最大の平和団体「ピースアクション」
琉球新報

「閉鎖向け米で活動」　米最大平和団体、県内基地視察
2010年8月13日

　県内米軍基地視察のため来県した米国最大の平和団体「ピースアクション」組織化・政策担当のポール・マーティン氏（４０）が１２日、県庁で記者会見し、１０万人いる会員に沖縄の現状を伝えると同時に「帰国後、沖縄に対する政策を改めるよう米国の上下院議員に働き掛け、一般市民に沖縄の現状を伝えて米軍基地閉鎖につなげたい」と活動方針を示した。
　マーティン氏は１０日に沖縄入り。普天間、嘉手納両飛行場を視察したほか、伊波洋一宜野湾市長、稲嶺進名護市長らと面談した。
　視察の感想をマーティン氏は「基地と住宅地が近くて驚いた。米国内ではあり得ない」と沖縄の米軍基地の危険性を指摘。
　戦後も県内への基地集中が続いていることについては「国際法違反だ。基地によって多大な被害を受けている県民に謝罪したい」と語った。

国内のみならず国外、特に当のアメリカからさえ反対の声が上がり始めているのに、これでも辺野古移転を見直さないというなら、日本は正真正銘の専制主義国家、非民主主義の弾圧国家です。

日本は官尊民卑の伝統が骨の随まで染みていますから、人権問題でも社会問題でも、政府は国民の声をよく取り入れて積極的に進展させようなんていう民主的態度は示しません。基本的に後ろ向き。それが伝統的な日本政府の姿です。国内だけだったら、いくら運動を盛り上げても平気で握りつぶしてきます。

従って後退しがちな日本の人権問題を進展させるために「外圧を利用する」のが有効な方法として使われてきました。「日本ではこんな酷いことが行われてる。でも政府はなしのつぶてなんですよ、酷いでしょう？」と海外で訴え、広く「日本の恥」を知って貰うのです。
今も日本のお粗末な人権状況、例えば冤罪問題や選挙に於いて実質的に表現の自由が著しく規制されていることなど、その実態を積極的に外国に知ってもらおうと人権団体は周知活動を行っています。

情けないと言えば情けないのですが、こうでもしないと政府は決して重い腰をあげようとはしません。
政府って、身内の国民に対しては平気で軽視して態度デカイけど、よそ様の目は気にする内弁慶なわけです。民主主義の未成熟の証拠ですね、情けなくて腹立たしいですけど。

というか当のアメリカの市民に「これはいかんでしょ」と言われるなんて、普通に考えればどれほど恥ずべき事か、政府はわかってるのでしょうか？一度自分自身の姿をよく振り返ったほうがいいです。

もしもアメリカの市民団体等からも辺野古移転反対の声があがっていると日本で広く知られるようになったら、その「外圧」のせいで政府は普天間問題を見直さざるを得なくなってくるかもしれません。だから本土の大手マスコミはこれらの「外圧」を無視して報道しないのでしょう。

菅総理も小沢さんも「沖縄ともアメリカとも話し合って」なんて悠長なこと言ってますが、基地被害は我慢の限度をとうに超えているのです。普天間住民にしてみれば「もう待てない」でしょう。ですから迅速に早急に基地被害を減らす対策を取るべきなのに、その自覚はゼロ。沖縄の苦しみが他人事なのがよくわかります。この苦しみが他人事である政治家は早々に退場して貰いたいものですね。




ところで余談ですが、バーニーフランク氏の次の主張はそのまま日本の現状にも当てはまりますね

「なぜわれわれは軍事費を削減しなければならないのか」と題し、２０１０年度の軍事費６９３０億ドル（約６１兆円）は歳出全体の４２％にも上り、経済活動や国民生活を圧迫していると説明。米国が超大国として他国に関与することが、逆に反米感情を生み出している側面も指摘した。
　結論として「財政再建と雇用創出が国の最優先事項だ。度を越した軍事費問題に取り組まなければならない」と強調した。

軍事費削って国民の生活を立て直すのに雇用にまわせ、といっているのです。非常にわかりやすく、まともです。
しかし民主党の代表になろうというお方には、このまともな発想が微塵もないようです。
新自由主義の本家であるアメリカの方がまだ「国民の生活が第一」なんじゃないでしょうか。ちょっとうらやましいかも・・・


「たかしズム」！のたかしさん作成バナー

関連記事

• 『沖縄発　２１世紀への願い』（その１）～金城実さんの手記を転載 (2010/10/09)
• 政府は国内、国外の声に耳を傾け、一刻も早く辺野古移転を撤回し、普天間基地を撤去すべき。もう待てません。 (2010/09/13)
• 辺野古のアパルトヘイトウォール (2010/08/31)